地球イチバン「世界一の美食の街〜スペイン・サンセバスチャン〜」 2014.03.06

義足やチェアースキーを調整する施設です。
どこを歩いてもどこを見てもおいしそうなものばかり。
ここは次々と新しい料理が生み出される美食世界一の街。
中にはこんな一品も。
ここはスペイン・サンセバスチャン。
年に一度2万人のコックが町を埋め尽くすちょっと不思議な町。
喜びも涙もおいしい料理で分かち合ってきたそんな美食の街へご案内します。
サンセバスチャンはスペイン北部バスク地方にある海と山に囲まれた港町。
人口18万の小さな町と周辺に星付きレストランが9軒。
そして三つ星が3軒も。
世界の食通や料理人たちを魅了する地球で一番の美食の街です。
やって来たのはいぶし銀の俳優…来ちゃったよ。
あいにく冬場は雨が多いんですって。
え〜!?こんな季節に海で遊んでる人がいる!えっどういう事?これ。
何だ?この国は。
うわ〜でもいい感じの入り江の町ですね。
世界一の美食の街に来た訳ですから申し訳ないけどやっぱり美食を堪能させて頂きたいんですけども。
ここサンセバスチャンの代名詞はヌエバ・コッシーナ。
遊び心と科学的調理法を駆使した最先端の料理。
小さな町の存在を世界に知らしめました。
田中さんがやって来たのもそんな話を聞いたから。
こんな感じのものが今売られてるんですけどもね。
すんきっていうんですけども。
すんきは赤かぶの葉を乳酸菌で発酵させた漬物。
田中さんの故郷長野県木曽町の伝統の味です。
実は田中さん町のすんき大使を任されています。
ふるさとを離れ改めて気付いたすんきの魅力。
多くの人に知ってもらい地元を活気づけたいとP.R.役を買って出たんです。
これをそうね世界に伝えるために何かこの町でヒントになるものが得られないかな。
できればと思ってやってまいりました。
ヌエバ・コッシーナとはどんな料理なのか。
25年前町でいち早く三つ星を獲得したレストランを訪ねました。
来ちゃいましたよ三つ星レストラン。
大丈夫かな。
俺入れてくれるかな。
どうも。
ブエノスディアス。
迎えてくれたのは…アルサックさんは自由な発想と大胆な掛け合わせでバスクの伝統料理を生まれ変わらせてきたトップランナーです。
結構モダンな内装ですね。
案内されたのは店の奥にある扉の向こう。
ここにもお部屋があったんですね。
うわ〜!あららら不思議な空間ですねここ。
うわ〜うれしいですね。
光栄です。
ここはアルサックさんの仕事を間近で見られる特等席。
どんな料理が出てくるんでしょうか。
まずは前菜から。
へえ〜!すごい。
何か作品って感じですね。
オブジェ。
マッシュルームに松の実を載せ潰したアーモンドにレモン汁を加えたソースで仕上げた一品。
木の葉のような器が山の幸の雰囲気を引き立てます。
きれいすぎて何か触るのがもったいない気がします。
頂きます。
かわいらしい。
ふ〜ん。
ちゃんとバランスをとってるね。
繊細な料理だな。
うわ〜すごい!ミニチュアのように。
こちらはニンジンに黒いキノコや酢漬けの赤ピーマンなどをちりばめたもの。
ソースには韓国の辛みそを利かせています。
何だろう…口の中でこの素材がちょっとずつ混ざり合ってくる感じが楽しいよね。
そして…。
え!?ちょっと待ってこれ!これ誰かが飲み残した…飲んだあとの缶に何かした訳じゃないですよね?わざと…。
器が空き缶という型破りの一品。
ヌエバ・コッシーナの真骨頂です。
まさか料理だったとはね。
挑戦してるな。
いよいよメインディッシュ。
えっ何?これ。
大きいんですけど。
ちょちょちょ…こんなに食べられないよ!何やら不思議な緑の玉。
その正体は…。
割るんだ。
あ!あらららら…。
あ〜そういう事だったんだ。
アンコウ?これ何か宇宙料理みたいな…。
緑の玉は海藻とホウレンソウを固めたもの。
軟らかい白身魚に香りと食感のアクセントを加えます。
まず食べる前においしそうに見せるという。
この気遣いはまた…。
巧みの方のうまいとおいしいのうまいが…。
うまいの2乗!アルサックさんの料理は地元の豊富な食材に支えられています。
スペインの中でも雨が多いバスク地方は一年を通して豊かな農作物に恵まれています。
町の市場にはいつでも50種類以上の色とりどりの野菜が並びます。
更に目の前に大西洋が広がり新鮮な海の幸には事欠きません。
特に白身魚の種類は多くこの売り場だけでも15種類も。
中でもアンコウは冬場のバスク料理の主役です。
こうした海と山の幸がサンセバスチャンを世界一の美食の街へと押し上げているのです。
お昼どきサンセバスチャンの中心街へやって来た田中さん。
お〜いい風景じゃないですか!通りにはそこかしこにバルと呼ばれる立ち飲み屋などの看板。
その数は1,300軒以上とか。
あれ?お酒飲んでるよもう。
この町ではお昼どきから一杯やるのが当たり前。
みんな2時くらいから2時間かけてゆっくりランチを楽しみます。
入ってみようか。
お〜!すごいな!何かミニチュアのような。
あ〜おいしそう!だんだんお寿司に見えてきたよ。
ピンチョスはサンセバスチャンを象徴する小皿料理。
いろいろな味を1つ200〜300円から楽しめます。
1切れのパンの上で前菜からメインまで洗練された料理を手軽に味わえます。
バスクスタイル?お〜びっくりした!えっ何?これ!チャコリはお昼にはぴったりの軽めのワインです。
あ〜すっきりしてて飲みやすいですね。
おいしい!これはどうやって食べたらいいですか?お皿に自分で取っていいの?自分で?これ頂きます。
これがちょっと気になってたんだ。
こちらはドライトマトにヤギのチーズを重ね更にナッツを載せたピンチョスです。
だけどこれよく考えたらどう食べたらいいんだろう…。
あっこれを取るの?これをこういう感じでいいのね。
一緒にね?う〜ん!これは楽しいね!毎年1月美食の街は夜になるとちょっと違った姿を見せます。

(太鼓)お?何だろうこの音は。
太鼓の音がする。
みんな何を持ってるんですかね?どんどん人が入っていくね。
音に誘われて建物の中へ。
とりあえず行ってみるか。
この太鼓は何ですか?この樽の太鼓は。
樽の太鼓。
一体何をするんでしょう?え〜何だろう?ここ。
オラ!ブエノスノーチェス。
え〜!樽の太鼓とかあるんですね。
(太鼓の音)これから何が始まるんでしょう?200人集まる!せっかくなんで見学させてもらう事に。
タンボラーダはサンセバスチャンの人たちが最も大切にしている祭り。
大人も子どもも24時間丸一日太鼓や樽をたたきながら町を練り歩きます。
樽をたたく事には特別な意味があるそうです。
その訳はタンボラーダの始まりにありました。
19世紀の初めサンセバスチャンの町はナポレオン軍に占領されます。
兵士たちは威光を示すため太鼓を鳴らし町を闊歩しました。
料理人たちはそれを皮肉り水をくむ樽をたたく事で無言の抵抗をしたのです。
町を守った料理人たちの反骨心に敬意を表し人々は今でも樽や太鼓をたたき続けているのです。
祭りの本番は4日後です。
タンボラーダに参加するのはこの町に古くからある女人禁制の団体。
その名も美食倶楽部。
気の合う男たちが食材を持ち寄り持ち回りで料理を作り語らう場です。
美食倶楽部は今サンセバスチャンに100以上あり会員は延べ2万人にもなるといいます。
ホセアンさんたちの団体は140年の歴史を持つ町一番の老舗なんです。
すごいなあ!もうだって今何時?ちょっと時間今何時?すいません。
もうすぐ12時だよ!みんなはいつもこんな時間まで食べてんの?料理を通して文化を守ってきたバスクの男たち。
タンボラーダのリーダーを務めるホセアンさんは家でもキッチンを仕切っています。
家電メーカーの営業部長を務める傍ら美食倶楽部で仲間たちと磨いてきた料理はプロ顔負け。
30品はお手の物だとか。
旬のアンコウを使ったバスクの伝統料理を振る舞います。
この日は両親を招いての食事会。
家族で集う事を大切にしているホセアンさんは毎月必ずこうした集まりを開いています。
メインディッシュのアンコウのグリーンソース煮は母親から教わったレシピです。
食べる事でバスクの人たちはつながりを深めてきました。
84歳になる父親も同じ美食倶楽部の会員でした。
今ではホセアンさんの息子も会員となりタンボラーダに参加します。
しかしある時代バスクの人たちが耐え難い苦難を強いられその絆が危機に陥った事がありました。
きっかけは1936年からのスペイン内戦。
当時分離独立の機運が高まっていたバスクは権力による統制を目指すフランコ将軍の総攻撃を受けます。
3年後内戦は終結。
しかし勝利したフランコはバスクへの厳しい弾圧を緩めませんでした。
人々の誇りであったバスク語は禁じられます。
名前の表記もスペイン語に改められ公の場や学校ではスペイン語を話す事を強要されました。
そんな中サンセバスチャンの男たちが集ったのが美食倶楽部でした。
バスク語で話しバスク語で歌いバスク料理を作り共に食べる事で絆と文化を守り抜いたのです。

(歌声)最先端の料理ヌエバ・コッシーナで世界をリードする…その原点もまた美食倶楽部にありました。
ここは町の料理人たちが集い腕を競っていた場所です。
転機が訪れたのは1975年。
独裁を続けた将軍フランコが死去。
文化的な鎖国状態が解かれます。
人々の誇りであったバスク語がついに復権。
地方独自の文化も認められます。
それは料理人にも大きな変化をもたらしました。
アルサックさんたちは世界に飛び出し未知のレシピや調味料を持ち帰ります。
こうしてヌエバ・コッシーナを生み出したのです。
料理でバスクの名を広めたい。
その挑戦は今も続いています。
アルサックさんは新たなレシピを開発するための専用の部屋を持っています。
何かいろんな香りがする!これ…いろんな香辛料?この部屋には世界中から集められた香辛料が1,600種類もストックされています。
実はこれ料理に使うためだけではないんです。
イランのレモン!あ〜何か漢方薬のような匂いがしますね。
そして斬新な料理が生み出されるのがこの部屋。
厨房に立たない専任の研究員が常駐し日々実験を繰り返しています。
あの緑の玉もここで生まれました。
海藻とホウレンソウを練った生地を風船に貼り付け油をかけてパリパリに揚げていたんです。
でも実際に店のメニューとして出せるのは15%。
8割が失敗に終わるそうです。
これもよかったら研究に使って頂けませんでしょうか?OK。
アリガトウゴザイマス。
田中さんが持ち出したのはあのふるさとの漬物すんき。
何だろう。
何か思いついた?お?お?お?もう始まってる!考えつきませんでした!ちょっと頂きます。
今までこういうふうに食べた事なかったですよ。
お〜!すごい!おいしい!何これ!?いや〜これは感動的ですね。
もう故郷の人たちが大喜びだよね。
1月19日サンセバスチャンの人々にとって最も大切な一日が始まります。
失礼します。
町じゅうの美食倶楽部が参加する太鼓の祭りタンボラーダの当日です。
うわ〜すごい!たくさん集まってますね。
ホセアンさん一家が所属する美食倶楽部を訪ねると90人の食事会が開かれていました。
タンボラーダの出陣式を兼ねた特別なディナー。
皆着飾り祭りの開始を待ちます。
突然配られたのはコックの帽子。
何が始まるんだろう?映し出されたのは祭りのメイン会場の様子。
始まりの時が近づきます。
午前0時。
町の歌「サンセバスチャンマーチ」をバスク語で歌う事でタンボラーダが幕を開けます。
みんなが同じものを食べ同じコックの格好をし同じリズムでたたく。
町を守った料理人たちの反骨心とバスク人の誇りを受け継いでいくのです。

(歓声)いや〜温かいですねみんなね。
外は寒いけど。
深夜に始まったタンボラーダは日中もそしてまた日が暮れても続きます。
昼間の主役は子どもたち。
130余りの団体が順番に町を練り歩きます。
総勢2万人の市民が参加し町じゅうがコックで埋め尽くされます。
いよいよホセアンさんたちの美食倶楽部も出陣。

(太鼓)歴史あるこの倶楽部は毎年大トリを務めます。
リーダーのホセアンさんはメイン会場に着くまで3時間以上も指揮棒を振り続けチームと町を一つにしていきます。

(太鼓)バスク人のくじけない精神を象徴する太鼓と樽の音。
その熱気は沿道の人たちをも巻き込んでいきます。
途中ほかの美食倶楽部と出会う度にエール交換が行われます。
ウノドス!ホセアンさんの指揮棒を預け指揮し合う事で祭りに懸ける思いを共有していきます。

(拍手と歓声)サンセバスチャンの人たちが一つの大きな固まりになっていきます。
祭りの開始から24時間。
メイン会場の広場に到着。
タンボラーダはホセアンさんの指揮でフィナーレを迎えます。

(歓声)バスク料理に革命を起こしてきたシェフ…挑戦を続ける一方で大切にしている味があると言います。
アルサックさんは今娘のエレナさんと共に厨房に立っています。
2014/03/06(木) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
地球イチバン「世界一の美食の街〜スペイン・サンセバスチャン〜」[字]

スペイン・バスク地方。星付きレストランがひしめき世界の食通が集う美食の街へ。仰天!三つ星シェフの遊び心と科学的調理術。街中がコックさんであふれる不思議な祭りとは

詳細情報
番組内容
スペイン・バスク地方。人口20万弱ながら世界の食通をうならせる“美食”の街へ。遊びゴコロ満載! 味も見た目も楽しめる! 三つ星シェフ驚きの技と科学的料理に仰天!! 男たちが夜な夜な通う、秘密の美食クラブに潜入。年に一度、街じゅうがコックさんであふれかえる不思議な祭りとの関係とは? “誇り”と“反骨心”が育んだ魂の料理。日々進化を続ける美食の最前線に迫る!【旅人】田中要次、【語り】安田成美
出演者
【リポーター】田中要次,【語り】安田成美

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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