きょうの健康 胃と食道の病気 最新情報「食道がんの予防」 2014.03.06

(テーマ音楽)皆さんの健康に役立つ確かな情報をお伝えします。
「きょうの健康」です。
今週お届けしているシリーズ…今日は4日目です。
今日も専門家をお迎えして分かりやすくお話を伺います。
ではご紹介致します。
特に食道がんの内視鏡治療薬物治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
まずは食道がんの基礎知識から教えて下さい。
食道は口と胃をつなぐ臓器でありまして食べ物が通過する所であります。
食道の内腔の表面から発生するものが食道がんです。
食べ物が胃へと通っていく通り道ですね。
そして食道がんの治療法としては3つ挙がりましたね。
食道がんの治療法は早期のがんの場合には食道表面を切除する内視鏡治療。
少し進行しますと食道そのものを切除する外科手術。
また抗がん剤と放射線治療を組み合わせる化学放射線療法の3つがあります。
食道という臓器は周りに心臓があったり肺があったり大きな動脈があったり非常に重要な臓器に囲まれていますね。
食道がんは転移しやすいがんであります。
そのため肺につながる気管に浸潤したり血液が通る大動脈に広まったりする非常に予後の悪いがんであります。
できるだけ早く発見したいですね。
そのため進行したら治療する場合にはかなり体に負担のかかる治療をする事になってしまいます。
早期発見のためには自覚症状は?食道がんは早期の場合にはほとんど自覚症状がありません。
そのため早期発見する事が重要になります。
食道がん…今日は予防というテーマを立てて頂いたんですが予防という事はがんに対して可能なんでしょうか?ほかのがんはなぜがんになるのかという事があまり分かっていませんが食道がんの場合にはなぜがんになるのかという事が分かってきており食道がんを予防する事が可能かもしれません。
具体的にはどんな事が原因だと挙げられているんでしょうか?まず日本人の食道がんの90%が扁平上皮がんです。
この扁平上皮がんの原因は…このようなものが原因といわれています。
そうしますとこうした事を避けていくと食道がんになるリスクは下げられると考えていけばいい訳ですね。
特に飲酒ですね。
お酒を飲む量と食道がんのリスクが関係している事が分かりましたがこちらに模型が出てまいりました。
これでご説明を頂きますがまずこれは何を示している模型だと考えればいいんですか?この模型はある研究結果を示したものです。
この棒の高さが食道がんになりやすいリスクを示しています。
色の違いは何ですか?この色の違いは飲酒量を示しています。
まず青い所はお酒を飲まない人たちです。
緑の所は日本酒換算にして毎日1合飲む人を表しています。
黄色は毎日2合飲む人を表しています。
赤は毎日4合飲む人を表しています。
飲酒の量で色の違いは分かりました。
この縦の線で仕切られていますね。
これは何を示していますか?一番手前が飲酒などによって起こる食道のダメージがない人を示しています。
食道の粘膜の荒れという感じでいいですか?真ん中がダメージが中程度。
一番端がダメージが強い人を示しています。
それぞれダメージの列の中で2列ずつございますね。
これは何を示していますか?それぞれのダメージのグループでこちらがお酒を飲んで顔が赤くなる人。
こちらがお酒を飲んで顔が赤くならない人を示しています。
それぞれに赤くなる人ならない人という事ですね。
それぞれのダメージで顔が赤くなる人の方が赤くならない人よりもリスクが高い事が分かります。
そうしますと極端から極端にいきますとお酒を全く飲まないで食道のダメージがない人そして顔が赤くならない人をリスクを1としますとこちら食道のダメージが強い人で顔が赤くなりそしてお酒を4合飲む人…こちらの列ですね。
1724倍という大変なリスクになるという事なんですね。
これ驚きですよね。
これまでお酒を飲んで顔が赤くなる人はリスクが高い事は聞いた事があるんですが今日のご説明の中で食道のダメージがあるなし強い弱いという事で…これは関係しているんですか?最近さまざまな研究から飲酒量や顔が赤くなる体質以外にも食道のダメージの程度が食道がんに関係している事が分かっています。
特に食道のダメージが強い人ほどリスクが高いのです。
もう一度食道がんのリスクを模型で見てみますよ。
お酒を毎日1合飲むんだという人該当者は多いと思うんですがここで見ますとどうなりますか?お酒を毎日1合飲む人では食道の状態が正常でも顔が赤くなる人はならない人に比べてリスクは1.5倍。
僅かに高くなると考えればいいですね。
食道が中程度ダメージを受けている人では7倍。
食道が強いダメージを受けている人でリスクが30倍になります。
顔が赤くならない人で見ていくとどうなるでしょうか?顔が赤くならない人でも食道のダメージがひどければ毎日2合飲んでいればリスクは77倍。
4合飲んでいればリスクは516倍になります。
こちらですよね。
この人516倍。
うわ〜これホントにリスクが高くなりますよね。
ところでそもそも顔が赤くなるならないというのは一体何の違いでしたっけ?顔が赤くなるのはアルコールの分解過程で作り出されるアセトアルデヒドが原因です。
このアセトアルデヒドは明らかな発がん物質といわれています。
顔が赤くなる人はアセトアルデヒドを分解する能力が低いために体内に長時間アセトアルデヒドが蓄積して食道がんになりやすいと考えられています。
そうするとお酒を飲んで確かに顔が赤くなる人がいますが…。
私もそのタイプですが赤くなるならないは分かりやすい目安ですが顔が赤くならない人でも若い頃あんまり飲めなかったが次第につきあいの中でだんだんお酒が強くなったという人がいますよね。
こういう人はどう考えればいいんですか?アセトアルデヒドの分解能力が低いのに顔が赤くならない人もいます。
そのような人ほどお酒に強いと勘違いして飲酒量が多くなってしまい食道がんにつながる事もあります。
まずは自分自身がアセトアルデヒドを分解できるかどうかを知る事が必要です。
しかしそれを知りたいと興味が湧くんですが自分のアセトアルデヒドの分解能力がどうなのかという事はどうやったら分かるんですか?検査する方法はいくつかあります。
まずアルコールをつけたばんそうこうを皮膚に貼り皮膚の色の変化を見るパッチテスト。
これは皮膚の色に左右されて正しく判定できない場合があります。
また分解酵素の遺伝子を調べる検査がありますが時間がかかるという課題があります。
最近開発された呼気スクリーニング検査法は簡便で正確に判断する事ができます。
吐く息ですがどういう検査でしょうか?微量のアルコールを飲んでもらい1分後に専用のバッグに息を吐き出します。
この呼気を回収して専用の検査機で呼気中のアセトアルデヒドの数値を測定する事で分解できるかどうかを簡便に確実に調べる事ができます。
こういう検査を受けると自分のアルコールの分解能力がどうなのかはっきり分かる訳ですよね。
一度調べてみたい人は調べるといいですね。
さて自分のリスクの程度を知るために今日のお話の中で食道のダメージが強い弱いという事をおっしゃいましたがこれはどういう事なんでしょうか?こちらの画像は食道のダメージを示したものです。
この画像はヨードで食道の粘膜を染色したものです。
染め出す訳ですね。
正常な食道はヨード染色によってきれいに茶色く染まります。
ダメージが中程度の食道ではこのように白い点状のヨードに染まらない部分が出来てきます。
点々と染まってない所が見えますね。
ダメージが強い食道は白く染まらない部分が広がってきて食道全体がざらついている状態になります。
こういう状態になりますと早期の食道がんが潜んでいる可能性もあります。
確かに染まってない所の面積も広いですからね。
怪しい所がある事がよく分かる訳ですね。
このように食道のダメージが強い人は治す事はできるんですか?お酒をやめる事によって食道の状態が改善する可能性があります。
食道がんのリスクを減らすためにもお酒を飲んで顔が赤くなる人特に食道に強いダメージがある人はお酒を飲まないようにする事をお勧めします。
素朴なイメージですが特にアルコール度数の強いお酒をストレートで飲むのはやっぱりよくなさそうですね。
強いお酒そのものも食道がんのリスクになりますのでできるだけ控えた方がいいと思います。
食道がんのリスクをご説明頂ましたが食道がんは自覚症状がほとんどないんだと最初おっしゃいましたよね。
そうしますとどうやって早期発見をしていくんですか?口や鼻から内視鏡を食道に挿入して食道の粘膜そのものを観察する事によって自覚症状がなくても早期の食道がんを発見する事が可能です。
具体的にはどのような内視鏡検査なんでしょうか?早期発見のための内視鏡検査にはヨード染色を行う内視鏡検査また狭帯域光内視鏡検査が最近開発されました。
ヨード染色内視鏡の画像をご説明頂きましょう。
正常な食道の粘膜はヨードによって茶色く染まります。
ここにヨードによって染まらない白っぽい粘膜がありますがこれが早期のがんです。
これはほかの組織との差がはっきり分かりますね。
ここにがんがある訳ですね。
ただヨード染色は胸焼けが強くなるとかアレルギー反応を起こすという事で患者さんに強い負担をかけてしまいます。
もう一つございましたね。
狭帯域光内視鏡。
通常の内視鏡ではどこに病変があるかなかなか見つける事は困難です。
これは正常に見えますね。
同じようにピンク色に見えますが…。
狭帯域光内視鏡を使いますと正常な粘膜と比べてがんの所がこのように茶色くはっきりと見つける事ができます。
ここが怪しい箇所なんですね。
これとこれを比べても通常内視鏡ではなかなか早期のがんを発見する事は困難です。
このような段階で発見された場合には内視鏡を使って粘膜だけを切除する内視鏡治療でがんを治す事ができます。
早期発見のためにはやはり定期的な内視鏡検査をする事をお勧め致します。
このような段階で見つかれば今おっしゃったように内視鏡で治療ができる。
すると大きな手術を受けたり化学放射線療法に至ったりという事になる前に治療が可能だという事なんですね。
そういう事になります。
やはり内視鏡による早期発見のための検査は大事ですよね。
今日はこの模型を使っていろいろな食道がんのリスクをご説明頂いてさまざまな要因が分かってきた訳です。
さあこのポイントをまとめて頂きましょう。
今日のまとめです。
食道がんのリスクとして飲酒量だけでなくアセトアルデヒドを分解できるかどうかの体質そして食道の状態も関係している事が明らかになってきました。
飲酒を控える事でリスクを減らせます。
またリスクのある場合は是非定期的な検査で早期発見を心掛けて頂ければと思います。
何と言っても分かりやすいのはお酒を飲んで赤くなるかならないかという事ですね。
それと合わせて食道の中の状態がどうなのかを検査してみる事が大事ですよね。
是非実行してみて下さい。
どうもお話ありがとうございました。
「きょうの健康」来週はご覧のテーマでお伝えします。
来週も是非ご覧下さい。
どうもありがとうございました。
2014/03/06(木) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 胃と食道の病気 最新情報「食道がんの予防」[解][字]

初期の自覚症状がほとんどない食道がんの多くで、一日の飲酒量・顔が赤くなるか・食道のダメージ状態が影響する。定期的な内視鏡検査で、早期発見・早期治療が可能になる。

詳細情報
番組内容
初期の自覚症状がほとんどない「食道がん」(扁平上皮がん)。飲酒・喫煙・熱いモノを好んで食べる・緑黄色野菜をあまり食べないなどが原因だ。特に影響が大きいのが「飲酒」。最近の研究で「1日に飲む酒の量」「飲酒で顔が赤くなるか」「食道のダメージの状態」の3つが大きく関係していることが明らかに。これらを注意すれば食道がんの予防が期待できる。また定期的な内視鏡検査で、がんの早期発見・早期治療が可能になる。
出演者
【講師】京都大学大学院教授…武藤学,【キャスター】濱中博久

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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