不思議な楽器があると聞きとある島国へやって来た。
ナイストゥミートユー。
ハロー!
(一同)ハ〜イ!トリニダード・トバゴは130万人が暮らす島国。
独立したのは1962年。
それまではスペインやイギリスの植民地だった。
毎年2月島中が熱狂する一大イベントが行われる。
(歓声)全島から地域を代表するバンドが150以上参加し演奏を競い合う。
国が独立した直後の1963年に始まった国民的イベントだ。
世界一ドラム缶をたたく不思議な国を訪ねたのはこの私…浜野謙太です。
ハマケンって呼んでね!音楽ってやっぱり…何ですかこう…。
例えば災害が起きたら初めになくなるものみたいな…いわれるじゃないですか。
初めに削られるものというか。
実際だって東日本大震災の時はしばらくみんな…。
それは圧力を受けた訳じゃなくて自主的に規制してしばらく音楽やらなくなったんですよね。
ビッグアーティストだったらチャリティーのためにとか誰々さんが被災者を励ますために来たよみたいな事できるんですけど…。
僕らもやろうと思えばできるんだけど規制してしまった事が割と自分の中で自制しちゃった自分がいて…。
ウソみたいな事をやってるのかな自分は。
別に音楽なくても食えていけるんだろうしとか思っちゃうし。
この人たちにとって音楽とかスティールパンがなくてはならないものっていうかそれが生活に密着してたりとかも切り離せないところがやっぱり憧れてるっていうのはあるんですよね。
スティールパンは20世紀最後のアコースティック楽器ともいわれている。
それにしてもドラム缶で何でこんな音が出るのだろう。
島には至る所にパンヤードと呼ばれるバンドの練習場がある。
首都ポート・オブ・スペインの下町に拠点を構えるバンドを訪ねてみた。
集まっていたのはバンドを応援する地元の人たち。
パンヤードはお年寄りの社交場にもなっていてその雰囲気はお祭り前の神社そっくりだ。
ここは1935年創立の名門トリニダード・オールスターズのパンヤード。
パノラマで過去8回も優勝。
すご腕の演奏者が集まる人気チームだ。
彼らは120以上のドラム缶を組み合わせオーケストラ音楽を奏でる。
ドラム缶が生み出すハーモニーに圧倒された。
でも彼らはなぜこんな楽器を生み出したのだろう?祖先に感謝をささげる儀式が行われていた。
彼らの祖先は奴隷としてアフリカからやって来た。
15世紀あのコロンブスに発見されたこの島に労働力として運ばれてきた。
全てを奪われた奴隷たちは祖先から受け継いだ文化に魂のよりどころを求めた。
そして祖先の霊を呼び出す儀式を頻繁に行っていた。
それは故郷から引き裂かれた奴隷たちがアフリカとつながるための手段だった。
彼らが特に大切にしたものがある。
アフリカンドラム。
太鼓だ。
(歌声)
(鳴き声)
(歌声)
(歌声)しかし19世紀末。
当時ここを支配していたイギリス植民地政府は太鼓を禁止。
黒人たちが太鼓によって精神を高揚させ暴動を起こす事を恐れた。
島に自生する竹で作った打楽器だ。
しかし20世紀に入るとタンブーバンブーも禁止された。
(サイレン)従わない黒人は警察に殴られ牢獄にぶち込まれた。
それでも彼らは音楽をやめなかった。
警察の目を逃れるために山に潜伏し抵抗を続けた。
ちょうどそのころだ。
彼らに天からの贈り物が届けられたのは…。
島で石油が産出。
鉄くずでさえ楽器にしてしまう彼らがドラム缶に手をつけない訳がなかった。
彼らは石油プラントや軍の基地からドラム缶を頂戴した。
そしてドラム缶のへこみ具合によって音が変わる事を発見した。
(調律)彼らは競うように音階を作った。
そしてメロディーを手に入れた。
貧困にまみれ感情のはけ口を求めていた彼らは腹にため込んだ叫びをドラム缶にぶつけた。
これがスティールパンの始まりだった。
この国では生きる事と音楽がずっとつながってきた。
まさにNomusicNolifeだ。
(「男はつらいよ」)
(拍手)・「whatawonderfulworld」
(拍手)
(一同)イエ〜イ!ワントゥースリーフォー。
彼らのバンド名は…地元ラホケッタ出身者が集まる地域密着型のバンド。
メンバーのほとんどがパンヤードの音が聞こえる範囲に住んでいる。
パンヤードにはかまども完備。
代表のロジャーさん。
25年前このバンドを一から立ち上げた。
楽器職人としてバンドの活動費を稼ぎながら食えない若者たちに音楽を学ばせている。
(歌声)僕は彼らの生き方に強烈な羨ましさを感じた。
ここでは音楽が生活の中にごく普通に溶け込んでいる。
ドラム缶の祭典パノラマで8回の優勝を誇る名門トリニダード・オールスターズ。
連日深夜までの練習が続いていた。
(銃声)
(銃声)パンヤードのすぐ隣での銃撃戦。
このパンヤードは麻薬取り引きを巡ってギャングが対立する貧困地区のすぐそばにある。
スティールパンは貧困から生まれた。
しかし全ての人がその鬱憤を音楽にぶつけた訳ではない。
パノラマ当日。
オールスターズのメンバー120人は壮絶な演奏を見せた。
(拍手)
(拍手と歓声)最後に僕は彼らに聞いてみた。
(拍手と歓声)2014/03/20(木) 22:25〜23:13
NHK総合1・神戸
地球イチバン[終]「世界一ドラム缶をたたく人々〜トリニダード・トバゴ〜」[字]
ドラム缶が奏でるメロディ。100人規模の演奏はまるでオーケストラ。カリブの小国の魂・20世紀最後のアコースティック楽器スティール・パンの圧巻の演奏と、誕生秘話。
詳細情報
番組内容
カリブの小国に響く不思議なメロディー。ドラム缶をへこませて作られたスティール・パンの音色だ。20世紀最後のアコースティック楽器といわれるこの楽器は、奴隷として生きてきた人々の魂そのものでもある。世界一のコンテスト・パノラマには160以上のチームが参加、100人規模で繰り広げられる演奏は、まるでオーケストラのようである。一度聞いたらとりこになる圧巻の演奏と、苦難の歴史を乗り越えた誕生秘話を紹介する。
出演者
【リポーター】浜野謙太
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
音楽 – 民族音楽・ワールドミュージック
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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