番曲になるかもしれません。
ブラスバンドに受け継がれていくと、ずっと延々、伝統になっていくんですよ、その曲が。
(正文)ちょっとお互い思うところがあるだろ。
君が上海来ない事について。
離婚考えてるのか?
(光太)金のために魂売ってあくせく働くなんてばかばかしいよなって。
(木綿子)出張手当とか実は別口座に入ってきててかわいい女の子にごはんごちそうしたりして。
(真一)何だよ?それ。
(岩田)悩んでんだろ。
離婚の本当の理由を娘に言えないって。
(亜紀)さんざんほっといて今更母親になんてなれっこないし。
(探偵)仁志まどか22歳。
平林光太が通っていた大学の学生ですね。
(梨花)
光太に年下の彼女ができても私たちの関係は変わらなかった
私たちの間には彼女にはない強い絆がある。
そう思い込む事で幻の現実にしがみついていた
君のとこにもないんだよね?梨花からの連絡。
はい。
すいませんでした!僕は…。
謝ってもらおうと思って連絡した訳じゃない。
ずいぶん迷ってこんな1か月近くたってしまったけれど…。
一度会っておかないと整理つかないと思ってね。
彼女がどうして横領までして金を手に入れようとしたのかそれは僕なりに理解したつもりなんだ。
ただ…どうして君だったのかな?彼女はそんなに簡単に…何ていうのかな。
他の男とどうこうなるような人じゃないんだ。
それがどうして…。
分かりません。
何か思い当たるような事はないかな?君でなきゃダメだったような。
分かりません。
君の主観でいいんだよ。
彼女の言葉とか行動とか。
分かりません。
そんなはずないだろう!君は梨花と2年以上も…。
本当に分からないんですどうして僕だったのか。
もしかしたら彼女にとっての僕はアフリカの子供だったんじゃないかと思った時もありました。
アフリカ?彼女が昔はまってたっていうボランティアの。
学校に行けないアフリカの子供です。
(亜紀)梨花の旦那さんから電話あったの。
梨花の居場所に心当たりはないかって。
何で今更?旦那さんね会ったらしいよ梨花の相手に。
その子に梨花が言ってたんだって。
何でも言い合えたのは高校の時の友達だって。
私と木綿子なんだって。
木綿子?どうかした?うちの人やっぱり浮気してた。
えっ?携帯のロックがねあのレシートの日付だったの。
(木綿子)イタリアンの日…浮気相手の誕生日だった。
笑うよね。
彼女の誕生日携帯の暗証番号にしてんの。
笑えないよ。
ごめんねこっちはいいの。
また連絡あったら教えて。
大丈夫なの?大丈夫。
私間違ってないから堂々としてる。
じゃあね。
ばか。
梨花もばか。
私もばかだよ。
再来月?うん。
再来月には日本に帰れる事になった。
そう…。
長い間ごめんな1人にして。
ううん。
また2人で暮らしていけるね。
詳しい日程が分かったらまた連絡する。
うん。
(呼び出し音)もしもし。
どうしたの?これから会えない?話があるの。
明日じゃダメかな?ちょっと約束が…。
何時でもいいの。
マンションで待ってるから。
帰れるかどうか分かんないよ。
じゃあこの電話でもいい。
実は今ね…。
悪いけど時間が…。
誰かと一緒にいるの?とにかく今日は無理だから。
(電話を切る音)どうしてよ…。
私がこれまでこんなお願いした事ある?今日会いたいってたった一度の頼みも断るの?どうして断れるの!?買えなかったんです。
彼に貸したお金買ったお金食べたお金マンションの家賃車の代金…株の資金。
それだけのお金を使っても買えなかったんです。
その日会う時間も彼の気持ちも。
(たま江)愛してるのね彼の事を。
えっ?涼子はほれっぽいから心配よ。
でも親の言う事なんかばかにして聞きゃしないんだろうけれど。
でもねぇ涼子。
あなたはその前に自分を愛せてるの?誰かを愛するにはまず自分を愛さなくちゃダメよ。
誰かに愛される事ばかり考えるんじゃなくって自分が自分を認めて愛してあげなさい。
自分を愛せない人がね一番不幸なのよ。
こちらです。
すいません。
ちかげ…。
本当に申し訳ありませんでした!
(ちかげ)ママ痛い!あなたが悪いんでしょ!万引きなんかして!だって言ったってどうせ買ってくれないでしょ!当たり前でしょ!あんな必要のないもの!ママは私が仲間外れになったっていいの?「ちかげんちは貧乏だから」って言われてもいいの!?
(真一)ちかげにあんまり無理させるなよ。
えっ?もういいんじゃないか?節約は。
何それ?みんなが持ってるから欲しいって言われれば何でも買ってやれって言うの?そうじゃないよ。
2人で話し合って決めたんじゃないの。
お小遣いとかテレビの時間とか節約にもなるし教育にもいいって。
確かにそう話し合ったよ。
節約して貯金も増えればちかげの将来も安心だって俺も思ってたよ。
でもさその将来のために今金に振り回されるなら本末転倒だろう。
私がいつお金に振り回されたのよ?いつもだよ…。
何でもかんでも金金。
疲れて帰ってきて安い飯食わされて好きなように風呂も入れなくてさもううんざりなんだよ。
だから…浮気してるの?
(木綿子)彼女におごったんでしょこんな高い2万もする食事!何度も会ってお茶したり映画見たり私が家族のために必死でためてるのに何でよその女にこんなお金使って!彼女にかけたお金木綿子…。
全部返しなさいよ!結局金なんだな…。
自分を愛せない人が一番不幸だと名護たま江が言った。
他人と比べたり羨んだりいつから自分を愛せなくなったのだろう?
お前治ってないだろ買い物依存症。
これ全部着ろよ。
ほら!やだ…何すんのよ!これ開けずに隠しとくからどんどん自己嫌悪に陥るんだよ!お前は必要だから服を買ったんだよ!不安だから買ったんじゃない!もう自分を責めるのはやめろ!
(亜紀)やめてよ!
ありのままの自分でいいと思えなくなったのはどうしてなんだろう?
ごめんね遅くなって。
すぐ食事にするね。
おいしいワイン買ってきたよ。
腹減ってないから。
話って何?コーヒーいれる。
何もいらない。
話って?夫が帰ってくる事になったの。
それでねいろいろ相談したくて。
将来の事とか。
夫とはもう暮らせないと思ってる。
今すぐどうこうできる訳じゃないけど準備しようかなって。
あなたも言ってくれてたでしょ。
ぜいたくは無理だけど普通の家に住んで普通の旅行をして…。
梨花さん。
俺…ここから出ていきたい。
ここから…出して。
お願い。
「ここ」って…どこ?
私はようやく気付いた
私が私を愛してこなかった事が全ての始まりだったのだ
(沙織)やっぱりブーツも履いちゃうといいよね〜。
これ全部はダメ?今日は手持ちがないからまた今度にしよう。
何で?カードがあるでしょ。
ダメなの。
着替えてらっしゃい。
(沙織)じゃあブーツはいいからこれだけ。
着替えてきなさい。
(沙織)だって亜紀ちゃんが何でも買ってくれるって言ったんじゃん。
だからお父さんにうそついて来たんだよ。
亜紀ちゃんと会うって言うと怒られるから。
いいから買ってよ!友達と遊ぶんだから。
おしゃれして遊びに行こうって約束したの!ちょっと…やめてよ。
やめてよ!ごめんね。
あなたが悪いんじゃない。
私が悪いの。
ごめん…。
ごめんなさい。
私…買い物依存症で離婚されたの。
不安になると買い物して…カード破産しそうになって。
(沙織)何言ってんの?かっこよくなんかないの。
全然ダメなお母さんなの。
それでもあなたのお母さんでいたかった。
もう帰る…。
母親なんていらない。
ただいま。
お帰りなさい。
いろいろ報告してたら遅くなっちゃった。
ごはん出来てるから。
(井上)来月の初めから10日間休みを取ってもらえますか?10日ですか?我々社員はリフレッシュ休暇あるけどパートの方ないでしょう。
でも私は別に休まなくても。
お客様にご迷惑を…。
いやいや佐倉と他の社員が回りますから。
どうぞ安心して休みを取って下さい。
(栄子)検査なのよほんとは。
検査?スコーン食べる?
(美穂)ほんとかどうか分からないけどね先月他の支店で社員がお金横領したんだって。
ATMの故障のふりして1,000万抜いたんだって。
会社が焦って1,000万!一斉検査するらしいわよ。
スコーン食べる?あ〜頂く頂く。
ここまでだった
何でもできる。
どこへでも行ける。
そう思って走ってきたけれど私が行けるのはここまで
それでも私はまだこの先へ進む事を選んだ
お休みをもらえる事になったの10日間。
10日間?ずいぶん長いね。
順番に取るの。
リフレッシュ休暇みたいなものだって。
ふ〜んまあゆっくりすればいいよ。
それでね私ちょっと旅行に行こうかと思ってるの。
旅行?短大時代の友達が結婚してシンガポールに住んでるの。
たまたま電話が来ておいでよって言われて。
へぇ〜そんな友達がいたんだ。
初めて聞いた。
年賀状は毎年来てたよ。
ふ〜ん。
俺も休みを取ろうかなぁ。
えっ?あ〜いやシンガポールについていく訳じゃないよ。
その前とかあととかにさどっかで落ち合って南の島にでも行くっていうのはどうかな?そうね。
じゃあ先にどこか行こうか。
それで向こうで別れて私はシンガポールに行くから。
うん。
4日ぐらいだったら休み取れるから。
うん。
そういえば昔…こういうふうに暮らそうって話してたよな。
君が働きだしてすぐのころ子供がいなくても2人で食事してたまには海外旅行行って2人で楽しめたらいいねって。
そうだったね。
もし…子供ができてたらどうなってたかな?もし私が上海についていってたらどうだったかな?「もし」なんてないよ。
そうだよね。
だけどもし…。
いや…。
(孝三)えっ10日も休むの?ええ連休も入れて10日ですけど。
だったら1日ぐらいつきあってくれてもいいじゃない。
夫と旅行に行くので。
あんたに何回断られたかなぁ?すいません。
まあ俺も実は連休予定が入ってて。
せがれ夫婦が遊びに来るって言うんだよ。
まあどうせ金の無心だろうけどね。
あ〜そうだあんたノルマ足りてんの?よかったら先月の家賃ほら…何だ?「スーパーゴールド定期」あれにかえようか?いえ大丈夫です。
(孝三)いいんだよ遠慮しなくて。
どっちみち遊ばせてる金なんだから。
ありがとうございます。
でも…もういいんです。
夫との旅行のあとシンガポールへ行くつもりはなかった。
もうこのまま日本へは戻らないかもしれないと思っていた
今日は気分がいいの。
久しぶりに頭がすっきりしてる。
顔色もいいですよ。
ほんと?じゃあ和室の電球替えましょうか。
えっ?うれしい!わぁ〜!
彼らに何か言うべきだと思ったけれど何も言葉は見つからなかった
大量に買った高価な服やアクセサリーを売り手元に残ったお金は20万円だった
あれほどあったお金はきれいさっぱり消えてしまった
お母さん?うんこれから出発。
うん楽しんでくる。
分かった伝えるね。
お母さん元気で。
お父さんと仲よくね。
(呼び出し音)もしもし。
私。
うん。
あのねあのマンションもしまだいるならできるだけ早く出てね。
家賃は来月まで落ちるようにしてあるけど。
うん。
それからもしこれから先誰かが訪ねてきて私の事を聞いても「何も知らない。
関係ない」って言って。
えっ?どういう事?どっか行くの?夫がまた海外になったからついていくの。
さっき言った事お願いね。
じゃあ元気でね。
梨花さん。
ありがとう。
いろいろと…ありがとう。
ああお母さんどうだった?正文さんによろしくって。
まだ少しあるな。
ああ…これ君にもらったやつ。
大事な旅行だからしてきた。
この間の夜ちょっと話したよね。
「もし子供が生まれてたら」とか。
「もし」なんてないって言ったけど最近もし俺が君ときちんと向かい合ってたら何か変わったのかなって思う事があるんだ。
俺は俺がいないと君が生きていけないって思う事で自分を支えようとしてたんだと思う。
君を失うかもしれないと思って初めて自分の身勝手さに気付いた。
ほんとに勝手だよね。
ごめん。
君が必要なんだ。
私ずっと感謝してた。
結婚してからあなたがしてくれた事。
でもずっとあなたにそれを伝えてなかったのよね。
私がばかだったの。
違うよ。
ごめんなさい。
今までほんとに…ありがとう。
そろそろ行こうか。
中でお茶でも飲もう。
留守電用件を1件再生します。
留守電
(井上)わかば銀行すずかぜ台支店の井上と申します。
奥様の件で大至急ご相談したい事がございます。
折り返しのご連絡をお待ちしております。
それは…家内が金を横領していたって事ですか?
(井上)奥様が担当されていた顧客の定期預金証書が偽造されていました。
まあ正直申し上げて私どもと致しましても信じがたいと言いますか…。
べ…弁償します。
いくらですか?金額は。
判明しているかぎりにおきまして約…1億円。
奥様の居場所についてお心当たりはありませんか?シンガポールへ行くっていうのはあれうそだった訳ですね。
あの…どちらへ?警察に…。
梨花を捜さないと。
現在こちらで調査中ですのでもう少しお待ち下さい。
梨花に何かあったらどうするんですか!シンガポールがうそならどこにいるかも分からないんですよ。
1億なんて大金横領して思い余って…。
私どもとしましても事実関係を事前に調査する必要があるんです。
とにかくこちらから連絡を差し上げます。
あなたは私を必要としてくれてるの?どうしていつもあなたの話には私がいないの?今までほんとに…ありがとう。
妻を捜して下さい!お願いします。
妻を見つけてやって下さい!お願いします!お願いします!「わかば銀行すずかぜ台支店で契約社員の女性が顧客の預金などから約1億円を横領し行方が分からなくなっています」。
(記者たち)平林さん!あぁ〜!何かの間違いに決まってるよ!あの子にかぎってそんな…。
でも実際預金をだまし取られていたんですよね?うるさいなもう!金の事だって言ってくれりゃいくらでもやったのに。
あんたたちに何が分かるんだよ!すみませ〜ん。
梅澤梨花さんってどんな方でしたか?梨花さんは天使様よ。
優しくてきれいな天使様。
来た!来た来た来た!梅澤さん。
お話よろしいですか?奥様はなぜあのような事をされたと思います?私の責任だと思っています。
私が彼女を追い詰めたんです。
奥様から何か連絡はありましたか?日本へ戻ってくると思われますか?戻ってくるまでずっと待ちます。
何があっても彼女は私の妻ですから。
彼女と一緒に罪を償っていくつもりです。
ビザなしでこの国にいられる期限が迫っていた。
わずかな希望を求めて私は国境の町に来ている
動け!心の声
国際手配されていなければイミグレーションを通れる可能性もある。
また進み続ける事ができる
心の声動け!
(雷鳴)心の声動け!
けれど…私は一体どこへ行きたいのだろう?
何が欲しかったのか分からなくなっちゃった。
同じだね梨花ちゃんも私も。
梨花ちゃんはお金使って私は節約をして幸せになろうとしてただけ。
こうすればこうなれるって信じて他を見ないようにしてきたのはきっと同じ。
全然違うよ。
木綿子がしたのと梨花のとは全然違う。
犯罪なんだから。
でも梨花ちゃんも苦しんで…。
それは分かるよ。
でも梨花はこのままじゃ絶対にダメ。
ちゃんと戻ってきて捕まらないと。
そうしないと救われないんだよ。
どうしてなんだろうね?何でいつも幸せになる方法間違えちゃうんだろ…。
昔…結婚する時お兄ちゃんに「幸せになれよ」って言われたの思い出した。
結婚したからこれからは2人でっていうんじゃなくて「一人の人間として幸せになりなさい。
そして幸せにしてあげなさい」。
「本当は人間は誰でも簡単に幸せになれるんだよ」って。
ごはん作ったよ。
これパパとママ。
さて今日のごはんは何円でしょう?50円…かな?ママ。
ごめんね。
ごめん…。
もしも〜し。
お〜い買い物してないか?鋭いね。
(岩田)やっぱりな。
今どこ?すぐ行くから一緒に飯食おうよ。
私ね…一人になるのが怖かっただけなんだと思う。
(岩田)えっ?だからもう大丈夫。
一人で大丈夫。
信じられない罪を犯してしまった時果てのない旅が始まったと思っていた
でも本当は答えはずっと私の中にあったのだ
自分を探して逃げるのではなく愛してみよう
その時私は本当にどこへでも行けるのだから
マイネームイズリカ・ウメザワ。
・「うん分かってる」・「手放さなくちゃ」・「手放さなきゃって」・「AndIknowwhatIknow」・「IknowwhatIknow」・「どんよりした部屋にも」・「AndIknowwhatIknow」・「IknowwhatIknow」・「私が帰る場所」・「それは聞こえてる子守唄」・「鳴り止まぬこの子守唄」・「迷子になるその前に」・「分かってる今」2014/02/04(火) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
ドラマ10 紙の月(5)[終]「誰のための愛」[解][字]
正文(光石研)の帰国が決まるが、夫婦での生活を考えられない梨花(原田知世)は光太(満島真之介)との未来に希望を託し、拒否される。そして、銀行に監査が入った…。
詳細情報
番組内容
梨花(原田知世)は、光太(満島真之介)に若い恋人がいると知った後も、光太との関係を続けていた。そんな折、正文(光石研)が単身赴任を終え、上海から帰国することが決まる。もはや夫婦での生活を想像できない梨花は、光太との未来に希望を託すが、若い恋人と一緒にいる光太から会うことさえ拒否されてしまう。そして、わかば銀行に監査が入ることが決まった。10日間の休みをもらった梨花は海外逃亡を企てる…。
出演者
【出演】原田知世,水野真紀,西田尚美,満島真之介,ミッキー・カーチス,冨士眞奈美,光石研
原作・脚本
【原作】角田光代,【脚本】篠