サラメシ 2014.03.06

こんにちは中井貴一です。
働く人あればそこに必ずサラメシあり。
実はねどんなランチを食べているか前から気になっている場所があったので今日はちょっと足を伸ばしてみました。
それがこちら…見て下さいこの断崖絶壁。
その高さおよそ50m。
ここは都心から南に360km。
太平洋に浮かぶ…村の人口は僅か170人。
日本一人口が少ない自治体として知られています。
何せ小さな島の大部分を占めるのは3,000年前から活動を続ける火山。
バスもタクシーもありません。
60km離れた八丈島との間にヘリコプターと定期連絡船が運航するのみ。
しかし島には静かな入り江がないため少しでも海が荒れるとこのとおり。
ザブ〜ンザブ〜ンってすごいのこれ。
定期船も半分近くが欠航になってしまうんだそうです。
でもやっぱりそこにも汗を流して働く大人たちがいる。
という事は…。
青ヶ島にも昼はあるはず!あいにくの雨もようの中島のランチ調査を開始。
わ〜いましたいました。
人口170人の中の1人を発見。
(取材者)すみません。
(取材者)ない。
はい。
聞けば島には2軒の居酒屋と食料品店が1軒あるのみ。
つまりお昼に外食できる店も弁当屋さんも一切なし。
でも働く方はいらっしゃいますよね?こう坂を下りて上ってまたずっと下りてって…。
どうやら建設会社の出張所があるとの事。
何を作ってるんでしょう?見に行ってみました。
(取材者)えっ東京から来てるんですか?そうですね。
東京・文京区に本社がある建設会社の橘さんと海田さん。
島に転勤を命じられ2年間住み込みで働いているんだそうです。
仕事は港の拡張工事。
より安全な港にするため大きな堤防や桟橋を造っているとか。
しかし雨で海中作業ができなかったこの日は作業用の足場作り。
転勤は会社員の宿命なんですよね。
来たばっかの時は…。
まあいろいろ…。
よっサラリーマンのかがみ!ホントご苦労さまです。
ん?ん?ん?この音はもしやお昼の合図?皆さんについていってみました。
到着したのは車で5分ほどの事務所。
外に食べに行く場所がないって事はあれでしょうあれ。
こちらは食堂ですよねやっぱり。
ほかにも職員の方がいらっしゃいます。
あらちょっとテーブルの上見せて下さいよこれ。
豪華なランチが並んでますよ。
どなたが作ったんでしょうか?わ〜おいしそう。
うん?おばちゃん?ランチの作者は寮母の佐藤さん。
事務所のまかないを3食全て作っているそうです。
八丈島の飲食店で働いていた時「寮母をしない?」と誘われ青ヶ島へ。
だから腕前も折り紙付き。
この日はカモ肉としいたけのだしがたっぷり染み込んだそばにしょうがと一緒に3時間コトコト煮込んだ牛すじの煮込みに。
そしてもう一つまかないに欠かせない食材があるそうです。
事務所の敷地に生えているあしたば。
成長が早く毎日取り放題なんだとか。
今回も10日くらいでしょ来てないの。
う〜んまかない作りにも島ならではの苦労があるんですね。
毎回調理法を変えながら食卓に並べます。
この日はほかの野菜と一緒に天ぷらにしました。
そしてもう一品。
健康を考えごまあえを。
食材が限られている時でも飽きずにたっぷり食べてほしい。
心遣いの行き届いた島のまかないメシ。
(一同)頂きます。
2年に及ぶ島での単身赴任を胃袋から支えます。
うんおいしい。
味は申し分なし。
その一方でこんな悩みも。
とか言いながらやっぱりこの日も完食。
まだまだ体重増えそうですね。
さあまだまだあるでしょ。
せっかく来たんですから探しちゃいますよ。
青ヶ島ランチ。
自動車だけじゃなくて大体何でも整備するんですけど。
父親の経営する自動車整備工場で働く荒井さん。
15歳の時高校進学のため島を出て都内で整備士の資格を取得。
3年前結婚を機に島に帰ってきたそうです。
でホームグラウンドでのランチスポットはどこなんです?工場の裏手に回り歩く事1分。
どこ行くんです?うん?ここは?ただいま〜。
おかえり〜。
だ〜れだ?だ〜れだ?だ〜れだ?ってこの感じ。
どっからどう見ても荒井さんのご家族ですよね。
だって島には飲食店も弁当屋さんもありません。
だから食べる場所はここだけ。
お昼の1時間は家族と自宅でランチが青ヶ島の一般的なサラメシスタイルなんだそうです。
で食卓には必ずと言っていいほどご近所からのお裾分け食材が。
この日はソテーにしたトビウオ。
そしてみそ汁に入れた季節の味覚は島で取れた天然の岩のり。
お昼も家族団らん。
妻の手料理とは羨ましい限りです。
(取材者)奥さん的には?生まれは東京の飾。
結婚を機に島にやって来た暢子さん。
青ヶ島では「亭主元気で留守がいい」とはいかないようです。
さ〜てまだまだ!青ヶ島ならではのランチがあると聞きやって来たのは島にそびえ立つ火山丸山の麓。
おや?人がたくさんいらっしゃいますねえ。
(取材者)こんにちは。
今何してるんですか?
(取材者)はあ〜すごい量だね。
(取材者)どうするんですか?
(取材者)あ〜焼酎にするんだ。
古くから青ヶ島では温暖な気候を生かしたサツマイモ作りが盛ん。
そのイモを天然のこうじで仕込む焼酎は全国の酒屋がこぞって買い求めるほど大人気なんだそうです。
伝統の製法を受け継ぐ杜氏の一人がこの畑の持ち主佐々木さん。
という事は今働いている皆さん従業員?それともご家族でしょうか?収穫の時期は人手が必要って事で皆さん休日返上でボランティア。
ふだんはそれぞれ別のお仕事をされているそうです。
はあ〜随分手広くご商売されてるんですね。
こちらの前垣内さんは民宿にお勤め。
去年大阪からやって来たんだとか。
居酒屋の…老いも若きもみんな助け合って働く。
それが青ヶ島の習わし。
さあそろそろ日が高くなってきましたよ。
おっランチは取れたてのサツマイモですか!いいじゃないですか〜。
うん?ふかすって事はご自宅に戻るんでしょうか?さっそうとバイクで。
ついていってみましょう。
うん?もう到着?意外に近かったな…。
あの〜おイ…おイモふかすんですよね?何かモクモク湯気出てますけど…これは?ひひ…「ひんぎゃ」?でこちらはその蒸気を利用した蒸し釜。
村人なら誰でも利用できる調理場なんだそうです。
わ〜すごい!30分ほどでご覧のとおり。
ホッカホカのホックホク。
めちゃめちゃおいしそう。
フフフ。
イモだけじゃありません。
魚は崩れないようにレジ袋に入れて調理。
サトイモもふかしてドバドバドバ〜ッと籠の中へ。
朝作っておいたもつ鍋やから揚げも一緒に。
大自然の恵みギッシリ!豪快なランチ完成。
島に人が住み着いた昔から農作業の時は「ひんぎゃ」で温めた料理でおなかを満たしてきたといいます。
畑の脇にある作業小屋でお待ちかねのランチタイム。
「ひんぎゃ」でじっくり蒸したサツマイモは甘みが増して絶品。
おいしい。
(取材者)そのまま?そのまま。
(取材者)米も炊けるんですか!?炊ける炊ける。
大地の熱で温めたランチを汗を流した仲間と共に囲む。
ここは170人が暮らす東京都青ヶ島。
身も心も温かくなる特別な味ごちそうさまでした。
働くあなたのランチに突撃!私!?ちょっと時間がですね…。
恥ずかしいですよ。
ランチを挟めば心が開く。
聞かせてほしい働くあなたの心の声を。
だから今日もあなたと差しでサラメシを。
やって来たのは…すいません。
ちょっとよろしいでしょうか?私NHKで今「サラメシ」という番組を制作している者なんですけど。
ランチ?別にいいですけど…。
よろしいですか!?はい。
今回ご一緒させて頂いたのは丸の内に本社のある銀行にお勤めの木村和哉さん。
現在は企業向けにより効率的に銀行を利用できるサービスを企画開発されているそうです。
日々デスクワークという木村さん。
だからこそランチの過ごし方にはこだわりがあるようで…。
そんな木村さんのリフレッシュサラメシがこちら!わ〜昼から豪華ですねえ。
もしかしてテレビと聞いて頑張ってくれちゃいました?自家製マヨネーズのえびマヨに山椒がピリリと効いたマーボー豆腐。
聞けば木村さん大学生と高校生2人の娘を持つお父さん。
妻と娘たちに囲まれ男1人ですか…。
へえ〜夜通しですか。
1人蚊帳の外なんて言いながら1人でがっつり楽しんでるじゃないですか!
(取材者)いいですね。
仕事もプライベートも目標を立ててそれに向かって進んでいく。
何だか夢あふれる時間ごちそうさまでした。
神奈川県大船。
映画「男はつらいよ」が作られていたキネマの天地で…。
あの人も昼を食べた。
撮影が大詰めを迎え映画作りも終盤にさしかかるころ。
その男はスタジオ近くの洋食店に決まってふらりとやって来た。
日本屈指の指揮者であり作曲家。
山本直純。
クラシックに映画テレビ音楽まで生涯に4,000もの曲を残した。
毎年…山本が頼むのは店の定番メニューカツメシ。
たっぷりのバターにしょうゆで香ばしく仕上げた焼きメシと岩手県産の肉厚なロースカツ。
2つの味を同時に味わえるよう重ね合わせる。
ブランデーやマスタードなどで合わせたソースをたっぷりと。
ワンプレートで手軽に食べられ腹持ち抜群。
大船の映画人のために考案され撮影現場で愛された一皿。
焼きメシとカツが奏でるハーモニーを山本もまた一口ごとに堪能した。
店主との会話を楽しみながら時にトレードマークのひげにメシ粒をつけて。
(中山)ちょっと広間の方がありましてねそこにグランドピアノ置いてあるんですよ。
曲とか何かじゃなくてタ〜ンタ〜ンタ〜ンタ〜ンと音がするんですね。
朝撮影所で編集中の映像を確かめては昼この場所でイメージを膨らませた。
そして「男はつらいよ」の新作が撮られる度聴く者の郷愁を誘うあの優しい音楽は生み出されてきた。
27年間変わる事なく。
これが山本直純の愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
それでは今日はこの辺で。
お相手は中井貴一でした。
(め以子)あの〜何か?
(和枝)あんさんちょっとこっち来。
2014/03/06(木) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
サラメシ[字][再]

東京・青ヶ島村は日本一人口の少ない村。働く人々のランチは自宅に戻ってというのが基本。青ヶ島村ならではのランチタイムをのぞき見!▽さし飯は銀行員の男性の夢を聞く。

詳細情報
番組内容
▽東京都青ヶ島村は、日本一人口の少ない村。村で働く人々の昼食は、自宅に戻って食べるというのが基本。青ヶ島村ならではのランチタイムの様子をのぞき見! ▽ランチを食べながら働く人の本音にせまるさし飯、今回は東京で銀行員の男性と ▽指揮者・作曲家の山本直純さんが愛したランチ
出演者
【語り】中井貴一

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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