Answer〜警視庁検証捜査官 2014.02.20

(物音)ああ…!
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)
(唐沢潤平)それで落ちる瞬間を見たんですか?いいえ気づいたらねもうあっちに倒れてたんですよ。
(幸村勇)お疲れさまです。
争った形跡もありませんし自殺の可能性が高いですね。
このビルの屋上からです。
ホトケは須賀谷俊希。
(永友真一)須賀谷?ええ。
年齢は44。
都内の警備会社で…。
(幸村)永友さん!永友さん!まだ鑑識が…。
須賀谷…!
(幸村)知ってるんですか?元警視庁の刑事だ。

(武邑嗣雄)これはまた厄介だぞ。
マスコミが嗅ぎつけたら…。
(武邑)警察官が事件に巻き込まれると世間は喜ぶから…。
(有富功)ですがまあ彼が退職したのはもう7年も前の話ですから。
永友くん同期なんだろ?連絡は取り合ってたの?いえ何度か連絡は取ろうとしましたが梨のつぶてで…。
(有富)まあ退職の理由捜査ミスだったからな。
とにかく大事にしないでさ…。
自殺なんだろ?私はまだ他殺の可能性はあると思っています。
(小暮茂雄)なんかよ最近誤字脱字が減った気がしねえか?
(長谷部吉伸)あっ僕も同じ事思ってました。
なんか送致書の書き方が丁寧になってません?
(薄井昭三)あれだけひっくり返されりゃ気ぃ使うようになるよ。
みんな検証されないようにビクビクしてる。
…って事はだよあの人が来たおかげで俺たちの仕事はさらに楽になったって事?あっそうかもしんないですね。
(3人の笑い)
(ドアの開く音)
(新海晶)おはよう。
(3人)おはようございます。
何か気になる事件あった?はいさっき長谷部が看過出来ない捜査ミス見つけたそうです。
言ってないですよそんな事!小暮さん!おはようございます。
ちょっと頼みたい事がある。
この事件を検証してほしい。
すいません。
永友さんこの送致書間違えてますよ。
平成17年って書いてあります。
いえ間違えてません。
はい?意味がわかりませんけど。
ちょっと失礼します。
あれっ?これもう解決して犯人服役してますよね。
私経理で参加してましたから。
ゆうべ元警視庁の捜査員が死亡しました。
転落死です。
そいつが退職するきっかけになったのがこの事件なんです。
えっ?じゃあ須賀谷さんが?はい。
だからといってそんな昔の解決済みの事件検証するわけにいきませんよ。
どなたかジャーナリストかなんかに頼んだらどうですか?昨夜の転落死とは関係してるかもしれないんです。
あのーなんで私なんですか?7年前の捜査にも関わってたんですよね?いやでも経理ですから。
読んでください。
はい?送致書。
(ため息)「平成17年板橋杉山台公園…」表紙は読まなくてもいいです。
概要だけ教えてください。
(ため息)今から7年前の10月28日深夜1時過ぎ都内の高校に通う山岡未玖さん18歳がこの公園で殺害されました。
(薄井)死因は腹部からの出血多量による失血死です。
現場に残されていた犯人の足跡は全て消されていて指紋や遺留品それに凶器も発見されませんでした。
女子高生が深夜に何してたんだろう?殺害された日がちょうどアルバイトがあった日でバイト先がこの公園のすぐ近くでした。
その事件に昨夜亡くなった人が関わってたって事?ええ…須賀谷俊希元警部補です。
(薄井)捜査本部が容疑者を絞り込めずにいた時須賀谷さんが目撃情報をつかんできたんです。
(須賀谷俊希)管理官!目撃証言出ました!被害者と言い争っていた男を見かけたそうです。
身長180センチ以上の長身の男性で黒縁メガネをかけていたと証言しています。
(管理官)確かなんだろうな。
はい。
(管理官)情報源は?公園に住んでるホームレスです。
でもその目撃証言単なる冷やかしだったんですよ。
皮肉な事にマスコミに発表した数日後真犯人が自首してきました。
(若尾武史)なんだよ!いいから来い。
触んなよオラァ!
(薄井の声)犯人は若尾武史。
まだ19歳の未成年者でした。
暴力団所属のチンピラで身長も低ければメガネもかけていませんでした。
どうして殺したんだ?ちょうどムシャクシャしてる時にあの女から声かけられたんすよ。
援交しないかって。
援助交際って事か。
そのまま押し倒したら大騒ぎしやがって。
見つかったらやばいと思ったから…。
それで刺したのか?ああ。
(薄井の声)その後若尾の自宅アパートのゴミ箱から被害者の血液が付着した凶器が発見されました。
なるほど。
そのミスが原因で須賀谷刑事は警視庁を辞めたって事?ええ。
ホームレスの証言なんかに踊らされたってマスコミに随分たたかれましたからね。
上層部は須賀谷さんの捜査ミスが全ての原因だと彼に責任を負わせたんですよ。
うん…。
けどなんか間抜けだよねその犯人。
はい?わざわざ足跡を消した割には凶器はゴミ箱に捨てたままだったんだ。
たぶん家に持ち帰って安心して…。
捜査本部は真犯人の事は全くつかめていなかった。
身長が180センチ以上の長身で黒縁メガネをかけてる男が容疑者だとマスコミにも発表していた。
自分に容疑がかかってるわけじゃないのになんで自首したんだろう?そんな事私に言われたって…。
あっ!でも自首した事で裁判では確か減刑されてたはずです。
まっまずは当時の関係者から話を聞いてみるか。
じゃあ薄井さんそのホームレス捜しといてください。
ちょいちょい…ちょっと待ってください!捜すっつったって…。
証人になったんだから本名ぐらいわかるでしょ。
本名わかったってホームレスに住民票ないんですよ!それに7年も前の事件ですよ!生きてるかどうかだっ…。
頑張れば見つかりますよ。
ねっ。
(長谷部)7年前に亡くなった山岡未玖さんとは一番の親友だったんですよね。
(棚橋まゆみ)はい。
あの時はほんとにびっくりしました。
事件に巻き込まれた事もそうだけど原因が…。
援助交際をしてたって事?母子家庭だったからかバイトはかなり頑張ってましたけど…。
そんな事するような子じゃなかった?事件の前に様子がおかしいなとは思ったんです。
(まゆみ)未玖ねえねえ…日曜日暇じゃない?
(山岡未玖)ああ…ごめん。
もう予定入れちゃった。
(まゆみの声)急に付き合いが悪くなったっていうか誘ってもいつも断られて…。
だから私聞いたんです。
ねえ未玖ひょっとして男出来た?えっ?何言ってるの?そんなわけないじゃん。
(まゆみの声)男の話をしたら急に未玖の態度が変わったんです。
(長谷部)実は司法解剖で男性の体液が彼女の体内から検出されたんですよね。
犯人のものとは一致しなかったんですけど彼氏がいたっていう可能性はないですか?もしそうなら私には絶対話してくれたと思います。
なるほどね。
わかった。
どうもありがとうね。
あの…。
未玖のお母さんがどこに住んでるか知りませんか?あの事件のあと急にいなくなって連絡先もわからなくて…。
ここ数日怪しい人が出入りしたって事はありますかね。
遺書らしきものは見当たりませんね。
そうか…。
(唐沢)管理官!これ…。
退職後も事件の事を気にしていたんですね。
貸してくれ。
なんだ?この印。
こんにちは。
警視庁の新海と申します。
7年前の事件をちょっと調べてるの。
なんで今頃?質問は1つだけです。
どうして自首しようと思ったんですか?警察が追っていた容疑者はあなたとは似ても似つかない人物でしたよね。
若尾さん?あと半年で仮出所なんだよ。
ここでなんかしゃべって刑期が延びたらたまんねえから…。
須賀谷刑事の事覚えてる?その須賀谷さんが亡くなったんだけど心当たりは?あるわけねえだろ!俺はあいつとも何も話してねえよ!
(若尾)面会終わりです。
出してください。
(橘ひとみ)何してるの?こんなところで。
ああ〜検察事務官の…。
わざとらしい。
私に気づいて逃げようとしたくせに。
検証捜査係が刑務所になんの用事があるの?いちいちあなたに報告しなきゃいけないの?服務規程違反の疑いがありますから。
無駄口たたいてる暇ないんで失礼します。
また余計な事に首突っ込んで捜査を混乱させる気?
(深澤卓也)これが須賀谷さんのロッカーです。
(唐沢)中を拝見してもいいですか?
(卓也)はい。
どうぞ。
半年前ですか。
須賀谷がこちらの警備会社に来たのは。
(深澤隆太郎)ええ。
うちは私も含めてほとんどが警察OBでして。
半年前に再就職の説明会やったんですよ。
その時須賀谷さん来たって聞いてますが。
その前は何をやっていたのかご存じですか?さあ…。
ちょっと待ってください。
私はこの歳ですからね。
実務は息子に任せてあるんで。
おう卓也!ちょっといいか?はい。
ロッカーの中は着替えだけでした。
息子で専務をやらせてます。
まだ若輩ですがこれからお世話になると思いますのでよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
あなたも警察OB?いいえ私はこの会社のたたき上げです。
(深澤)須賀谷さんうちに来る前に何をしてたか知ってるか?確か建設現場で働いていたって言ってました。
詳しい社名わかるかな?そこまではちょっと…。
(ドアの開く音)あっ…。
なんだ?新海。
永友さんがここに来てるって聞いたんで。
あっどうぞ進めてください。
待ってますんで。
あっすいません。
彼女も捜査一課の刑事なんです。
へえ〜このお嬢さんが。
じゃあちょっとご挨拶を…。
須賀谷に何か変わった事はありませんでしたか?とにかく無口な人でしたね。
勤務態度も真面目でしたし…。
あっ!この名東第2ビルディングって須賀谷さんが転落したビルですか?
(深澤)そうなんですよ。
深夜は施錠してありますからね。
合鍵をこっそり作って進入したんじゃないかってクライアントさんからも怒られちゃって。
ハハハ…。
なんだ?急な用って。
すいませんね家族とのお食事邪魔しちゃって。
どうせ今夜は泊まりだよ。
もう少し事情を知りたかったもので。
事情?今やってる検証が永友さんの単に個人的なこだわりに振り回されてるだけだとしたらたまりませんから。
俺はただ今度こそちゃんと調べたいだけだ。
須賀谷はもともと明るくて人懐っこくて人情家っていうかとにかく仲間を大事にする男だった。
この店にもよく仕事帰りに来たよ。
(4人の笑い)ダメかよー!お前にはかなわないね。
いやいやいや…。
何かがあいつを変えたんだよ。
7年前に。
退職してすぐに連絡がつかなくなった。
実家や親戚に連絡してもどこにいるかわからないって。
結局一度だけ電話が来てそれが最後の会話になった。
(須賀谷)永友。
俺は…。
刑事にはなれないよ。
刑事にはなれないか…。
結局あいつに何があったのかわからずじまいだ。
俺はただそれが知りたいだけだ。
転落死の理由と関係してるかもしれないしな。
本当にそれだけなんですか?彼がどういう心境で警察を辞めたかなんて本人以外誰にもわからない事でしょう。
わざわざご丁寧に検証までさせるのは永友さんは7年前の捜査自体に問題があったって思ってるんじゃないですか?偶然だとは思うが須賀谷がホームレスの証言をつかむまで捜査本部は容疑者を数人に絞り込んでいた。
その中に須賀谷の親族がいたんだ。
親族?被害者の山岡未玖さんは宅配ピザの店でバイトをしていた。
その店長が須賀谷のいとこだった。
だからあいつはいつも以上に捜査に力を入れていた。
勘違いしてほしくないんだがそのいとこはすぐに無実が立証された。
アリバイがあったからな。
なるほど。

(クラクション)被害者の親友に話を聞いたんですが被害者の母親が事件後にバッシングを受けて消息を絶ったままなんです。
母親が?ええ。
女子高生が援助交際をして事件に巻き込まれたというのは自己責任じゃないかって。
マスコミが彼女の母親を毎日のように追い回してそれが原因でどこかへ引っ越してしまったみたいなんです。
一応所在地を確認して。
(長谷部)はい。
それから犯人の若尾については?若尾は当時トラブルに巻き込まれていたようなんです。
トラブル?組が取引していた覚せい剤に手を出して逃げ回ってたみたいです。
だから自分から自首をして刑務所に逃げ込んだって事か。
薄井さん!ホームレスどうなりました?捜索中です。
っていうか昨日も言いましたけどこの日本列島どこにいるかもわからないし捜索なんか不可能ですよ!まるで雲をつかむような話だ!引き続きお願いします。
(東出祐介)7年前の事件を検証してるんだって?刑務所にまで出向いて調べてるらしいじゃないか。
あいつか…めんどくさっ。
明らかに検証捜査係の権限を逸脱してる。
突っ込まれて言い訳出来ないような事を君がするとは意外だな。
私は別に7年前の事件の答えを知りたいわけじゃありません。
私が知りたい答えは別にあるんで。
(長谷部)いいんですか?ホームレス捜しに行かなくて。
(薄井)言っただろ。
雲をつかむような話だって。
昨日なんか隅田川から荒川まで延々歩き回って収穫なしで見つかるはずがない。
(長谷部)でもあの人絶対納得しないと思いますよ。
僕も手伝いますし行きましょうよ。
(薄井)雲…。
(長谷部)はい?雲をつかんだ!えっ?ちょっと薄井さん。
何してるんですかこんな…。
(薄井)見つかりました!えっ?見てください!ひょっとして本名で検索したら何か見つかるかなと思ったらこれあのホームレスですよ!
(長谷部)確かに似てますね。
どうしてホームレスが老人ホームにいるわけ?
(重田和臣)確かに私です。
この施設にはいつから?
(重田)あの事件のあと路上暮らしが家族に見つかっちゃいましてね。
連れ戻されてリハビリ施設に入れられたんです。
ここに来たのは3年くらい前かな。
結果的に家族には感謝していますよ。
こんな立派な施設に入れてもらえたんですから。
殺害された少女が誰かと話しているのをあなたはほんとに見たんですか?その話ですか…。
私はねぇ最初から何も見てないんですよ。
見てない?背が高くてメガネをかけた男だなんて私はひと言も言ってないんですよ。
いくら酔っ払っていたからって見てもいない事は話せやしませんよ。
もし彼の証言が正しければ嘘の証言をしたのは彼ではなく須賀谷刑事って事になる。
いやいや…そんな事はあり得ないでしょ。
嘘をついて須賀谷さんに何の得があるんですか。
(卓也)今朝この手紙が会社に届いていたんです。
(深澤)この手紙を投函してビルから飛び降りたって事ですかねぇ。
自殺で決まりですかね…。

(ドアの開く音)須賀谷の遺書が見つかった。
自殺だとわかった以上7年前の事件を掘り返す必要はない。
悪かったな。
余計な仕事をさせて。
待ってください。
検証はやめません。
何?7年前の事件は誤認逮捕の可能性があります。
目撃証言をしたホームレスに会ってきました。
彼はそもそも須賀谷さんには何も見ていないと言ったそうです。
つまりあの目撃証言は須賀谷さん自身が作り上げた捏造だった可能性があります。
正直俺もおかしいとは思ってたんだ。
地取り班でもないのに須賀谷は突然あの証言をつかんできた。
管理官!目撃証言出ました!
(永友の声)本部はその証言を信じて捜査方針を変更した。
身長180センチ以上の長身で黒縁メガネの男に容疑者を絞り込んだ。
でもそれは単なる時間稼ぎだったんじゃないですか?自首した若尾は当時組織の覚せい剤に手を出して逃げ回っていた。
須賀谷さんは若尾に犯人の身代わりになってくれるように説得する時間が欲しかった。
若尾は誰かの代わりに刑務所に入ったと?恐らく容疑者リストに載っていたいとこの身代わりです。
だがそのいとこにはアリバイがあった。
それも須賀谷さんが偽装したんじゃないですか?身代わりになった若尾はもうすぐ仮出所になります。
出所して7年前の秘密を暴露される事を須賀谷さんは恐れていた。
だから自殺をしたんじゃ…。
永友さん正直に答えてください。
永友さんも薄々はこの事に気づいていたんじゃないですか?須賀谷さんのいとこが経営している宅配ピザの店を部下に調べ直させていますよね?だったらどうして自分の手で捜査して真相を突き止めようとしないんですか?あんたが検証すればひょっとしたら違う結果が出るんじゃないかって思ったんだ。
あいつとはいつも競い合って凌ぎを削ってきた。
俺が一番尊敬するライバルだった。
そんな奴が身代わり逮捕に手を貸したなんて思いたくなかった…。
仲間に同情して不正に目をつぶるなんて…最低だな。
(ノック)すみません取り込み中に。
今老人ホームから連絡があってあのホームレスの重田が姿を消したそうです。
えっ?それと職員の話によると重田には家族がいないそうなんですよ。
いない?ええ。
家族がいないのにどうやって高額な入所費用を払ったんでしょう?永友さん私たちは違う答えを追いかけてたのかもしれません。
もう少し須賀谷さんの事信じてみませんか?重田が施設を逃げ出したのは警察に居場所が見つかってしまったからだと思うんです。
どういう事ですか?自分は7年前事件を見なかったって重田は言った。
でも本当は須賀谷さんが主張したとおり事件を目撃していたんじゃないでしょうか?わかった!きっと誰かに資金援助を約束されて目撃証言を撤回するように命じられたんだ。
じゃあやっぱり犯人は長身の黒縁メガネって事?すぐに老人ホームの費用の出所を調べて。
(長谷部)はい!これを見てくれ。
この地図の印の場所を調べたんだが全て路上生活者が住んでいる場所だった。
つまり須賀谷さんもホームレスの重田を探してた…?ああ。
あいつも怪しいって思ってたって事だ。
けどずっと重田を追ってたのになんで須賀谷さんは自殺したんですか?須賀谷さんが警備会社に送った手紙をもう一度鑑識に回してください。
でも封筒から彼の指紋が出てます。
偽装された可能性があります。
筆跡鑑定お願いします。
はい。
それとこれは頼まれてたやつだ。
7年前に殺害された山岡未玖さんの母親の住所だ。
今は名字を旧姓の真田に戻してる。
さっき連絡を取ったらあの事件以来須賀谷と交流があったらしいんだ。
須賀谷さんと?
(羽生田真)筆跡鑑定?今からですか?
(羽生田)もう帰ろうと思ってたんですけど。
頼むって!なあ?今回だけだから!あっそういえばなうちの管理官が今度ご飯ごちそうしたいとかなんか言ってたぞ。
ごちそう?おたくの美人管理官が?うん…。
今夜は徹夜になりそうだな。
あいつ食いついたなぁ…ルアーで。
お待たせしました。
これが重田さんの書類です。
すいませんこんな遅くに突然。
(真田侑子)いえ…。
名字は戻されたんですね?ええ。
あの事件のあと週刊誌にいろいろとあの子の事を書かれてもう山岡の名前ではやっていけなくて。
今回の須賀谷の件はご存じですか?ええ新聞で。
昔の話を蒸し返すようで申し訳ないんですが彼がこの7年間どうやって生きてきたのかもう一度調べ直してるんです。
あの事件のあとマスコミが殺到して娘の葬式すら出せない状態でした。
でも須賀谷さんが世話をしてくれてこのアパートを探してくれたり娘の葬式代を貸してくれたり事あるごとに助けてもらいました。
未玖さんの友人はあの事件の前から未玖さんの態度が急におかしくなったと言っていましたがそれはお母さんも感じられましたか?もう時効なんでしょうからお話ししますけどあの子ちょっとした事件を起こしたんです。
事件?万引きです。
連絡を受けて私はすぐにお店に向かったんです。
未玖!どうしたのよ?何があったの?ごめん…。
ごめんじゃないでしょ。
早くお店の人に謝らなきゃ!大丈夫。
私ちゃんと謝ったの。
そしたら警備の人が見逃してくれるって。
たまたま優しい警備員さんだったらしく警察沙汰にはならずに済みました。
その万引きの事を須賀谷さんには?ええ。
去年あの子の七回忌があって確かその時に。
亡くなったのが10月だから…半年ちょっと前…。
その万引きした店覚えてますか?店は事件と関係ないだろ。
私が知りたいのは警備員が誰だったかです。
まさか…。
(長谷部)重田の老人ホームの入所資金ですがこの会社の口座から振り込まれていました。
「日本教育訓練協会」?
(薄井)警備員の職業訓練をする団体です。
フカザワ警備保障の関連団体でした。
筆跡鑑定は?はい。
ええ…字画形態は極めて似ていますが筆勢筆圧等に若干の違いがあり…。
(長谷部)なんか意味わかんないですね。
形は似てるけど文字の勢いや強さは他人が書いた可能性があるって事。
そういう事です。
例えばこれ。
文字自体は似ていますがはねの崩し方が微妙に違うんです。
ご苦労さま。
もういいよ。
えっ?いいよ。
食事の件…。
うん?食事?ううん…。
食事食事…。
お待たせしました。
どうだった?山岡未玖さんが万引きしたドラッグストアですが警備員の資料を店が全て保管していました。
(唐沢)当時この3人が交代で警備に当たっていたそうです。
これ…。
しかしな…そんな事があり得るのか?もし君の言う事が正しいなら7年前の事件は誤認逮捕って事だろ?そうなります。
はあ…参りましたね。
参りましたじゃないよ。
大問題だよこれは!犯人はもうすぐ出所するんだろ?
(有富)だろ?なあどうしてこんな事件を蒸し返すんだよ?我々は7年前真実をつかんでいた須賀谷を見捨てました。
ここでまた見捨てたらあいつは死んでも浮かばれません。
そんな個人的な問題じゃないんだよ!これは警視庁全体の責任が…。
須賀谷は警視庁を辞めた時私に言ったんです。
俺は刑事にはなれない。
それがわかったんだと。
私はその言葉を聞いた時須賀谷は何か後ろめたい事でもしたんじゃないかと思っていました。
でも違ったんです。
組織のメンツばかりを気にしてミスをした捜査員に責任を押しつけるような組織では仕事なんか出来ない。
奴はそう言ったんです。
これはあいつへの弔いです。
やらせてください。
(ドアの開く音)ご足労願いましてありがとうございます。
(深澤)まったく…急に呼び出して取調室で犯人扱いか!?礼儀もへったくれもあったもんじゃないな!うちがどれだけ退職者支援に協力してると思ってるんだよ!失礼しました。
あいにく他の部屋はいっぱいでして。
君なんかじゃ話にならんよ。
捜査一課長は武邑がやってるんだろ?私の部下だった男だ。
(深澤)「どうせ隣にいるんだろ?ええ?」旧交を温めるのはあとでご自由にどうぞ。
その前に私の話を聞いてください。
7年前板橋杉山台公園で殺害された女子高生山岡未玖さんです。
須賀谷さんは警視庁を辞めてからずっと彼女を殺害した犯人を追いかけていました。
自分がつかんだ目撃情報が間違っているはずがないと信じて。

(須賀谷)あのすみません。
ちょっと…。
あっ人違いです。
すみません。
すみませんちょっと…。
何?すみません人違いでした。
そして半年前被害者の母親から未玖さんが殺害される直前万引き事件を起こしている事を聞かされました。
フンッ!何を言いたいんだね?さっきから。
未玖さんは万引きを警察沙汰にされない代わりに店の警備員から肉体関係を求められていたのではないか…須賀谷さんはそう考えたんです。
フンッ!あなたの会社に就職したのもその時の警備員を探るためだったんです。
そして須賀谷さんは7年間探し続けた人物をようやく見つけました。
何…?長身で黒縁メガネの男を。
(笑い声)何を証拠に君はそんな事を言ってるんだね?証拠?そうだ。
君の言ってる事は全て憶測に過ぎんじゃないか!未玖さんの体内からは男性の体液が検出されています。
そのDNAがあなたの息子さんと合致すればかなり有力な証拠になるんじゃないですか?
(警備員たち)お疲れさまです。
警視庁検証捜査係の者です。
7年前の女子高生殺害事件の事でお話を…。
(長谷部)待て!俺は何もしてねえ!親父に聞いてくれ!7年前未玖さんは息子さんから受けた仕打ちを親や友人にも相談出来ずずっと1人で苦しんでいました。
そして事件の夜を迎えたんです。
私警察に行きます!待てよ!万引きがバレたら前科がつくんだぞ。
それでもいいのか?
(未玖)構いません!あなたがした事は全部警察に話します。
そんな2人の姿を目撃していた人がいました。
(未玖)やめて!重田さんというホームレスです。
(未玖)人殺し!放して!嫌…!嫌!来ないで!やめて!嫌…!うっ…。
重田さんは須賀谷刑事に自分が見たとおりの事を正直に話しました。
でもすぐにその証言を撤回したんです。
老人ホームの費用や生活費と引き替えに。
その費用はあなたの会社の関連団体から支払われていました。
それからあなたは警視庁時代のつてを使って組織から逃げ回っている若尾武史を探し出し若尾に息子さんの身代わりになるように命じた。
鑑識課に勤務されてた事もありますよね?現場の足跡を消したり凶器をわざと若尾のアパートに残したりどうしたら捜査陣をあざむけるのかあなたは十分に心得ていた。
須賀谷さんの転落死も自殺に見せかけるように偽装された可能性があります。
7年も追い求めた犯人をようやく見つけたのに自殺するなんて矛盾してますから。
(卓也)話って何?7年前の事件覚えてますよね?恐らく須賀谷さんは息子さんをあのビルに呼び出し自首を促したんじゃないでしょうか。
深澤卓也!
(須賀谷)待てよ!
(卓也)やめろー!
(須賀谷)ああー!でもその願いは聞き入れられなかった。
今回も見事に他殺の証拠は消されていました。
わざと遺書と思わせるような手紙を偽造したり…。
警察OBのあなたが関わっていなければ出来なかった事です。
つまり殺害の実行犯は息子さんだったとしてもその証拠を隠蔽し目撃証言をねじ曲げそして誤認逮捕をでっち上げたのはあなたなんです。
そこまでして身内が犯した罪をかばったのは警視庁OBの肩書きを傷つけたくなかったからですか?そんなバカバカしい虚栄心のためにそれだけの人が傷ついたと思ってるんですか?
(ノック)深澤卓也が落ちました。
DNA検査をすると言ったら急にしゃべり出して…。
違うんだ!息子は正当防衛だったんだ!本当だ!本当なんだ!私は警視庁OBとして私なりに捜査をした結果息子はやむなく正当防衛で人を殺めてしまったという事がわかったんだ!だから…だから仕方なく…!それでもあんた元刑事なのかよ!?永友さん!放せ!たとえどんな事情があったにしろあんたは後輩の名誉を傷つけて死に追いやったんだ!恥ずかしくないのか!永友さん!何が…何が正当防衛だ!ふざけるのもいい加減にしろ!あんたそれでも刑事だったのかよ?7年も前の誤認逮捕を暴くなんてお手柄だったな。
…と言いたいところだがな今回の検証は感心出来ないぞ。
前にも言ったが君に解決済みの事件を蒸し返せと命じた覚えはない。
もし君が同僚刑事の感傷に引きずられて正常な判断を失っていたんだとしたら私は君の能力を見誤っていた事になる。
じゃあ不正に目をつぶれと?
(東出)そうは言ってない。
ただ驚きだったのは事実だよ。
常に冷静な君がこれほど同僚に肩入れするとはな。
悪かったな今回は。
俺はあんたを誤解してたかもしれない。
いや…須賀谷を信じようって言ってくれた事が意外だったから。
ちょっとうらやましかったのかもしれません。
うん?あんな下手な芝居をしてまで助けたいと思える仲間がいる事が。
見ろよみんなの顔。
いい顔してる。
同僚の無念を晴らす事が出来てみんな内心満足してるんだと思う。
それにあいつは全然変わってなかったしな。
人情家で人一倍仲間を大事にする。
警視庁を辞めてもその情熱を被害者の家族に注ぎ込んでいた。
ちっとも変わってなかったよ。
敬礼!
(クラクション)2014/02/20(木) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
Answer〜警視庁検証捜査官[再][字]

「謎の墜落死!?娘を二度失った母…!!」

詳細情報
◇番組内容
容疑者逮捕から始まる検証捜査ミステリー!出世コースを外れたキャリア管理官・新海晶(観月ありさ)が捜査資料の中に隠された手がかりから、真実の「答え」を解き明かす!
◇出演者
観月ありさ、田辺誠一、五十嵐隼士、橘慶太、片岡鶴太郎 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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