猫のしっぽ カエルの手 京都大原 ベニシアの手づくり暮らし「アンティーク」 2014.02.04

山も里も色を失い墨絵の世界が広がる頃京都・大原は冬本番。
ふと気が付けば雪が舞っている。
瞬く間にうっすら雪化粧。
築100年の古民家は寒い。
底冷えが厳しい古い木造の家に薪ストーブは欠かせない。
「ぞくっと来たら足湯が一番」とベニシアさん。
粉末のマスタードを入れるのは故郷イギリスの教え。
体を温める効果があるという。
(ベニシア)ジョー出来たよ!足入れたら風邪がぱっと飛ぶからね。
遊びに来ていた…まずは片方の足から。
熱い?
(ジョー)熱!やけどをしないように気を付けて。
もうちょっと水入れる。
これ子どもの時よくやったよ。
やってみて結構熱い。
大丈夫そのぐらい。
熱い。
大丈夫。
これ面白いでしょう?カラシだけで。
日本も昔カラシの湿布を作ったんだって。
ネルっていう生地使ってカラシ入れてこれを温かくしたんだって。
首…マフラーみたいなやつ?うんそうそう。
だから考え方一緒やね。
イギリスもカラシがいいなと思って日本も…気持ちいいでしょう?気持ちいい。
雪の日にマスタードのフットバス。
孫と2人の時間がベニシアさんの身も心も温めてくれる。
庭仕事の少ない真冬は家の中にあるものをメンテナンス。
15年前この家に越してきた頃に一生使うつもりで手に入れたダイニングテーブル。
家族の団らんの中心だ。
これ今オリーブオイルを入れてるのね。
メンテナンスのために作っているのはレモンオイル。
オリーブオイルと一緒にレモンのエッセンシャルオイルを20滴入れようかなと思って。
オリーブオイルにレモンのエッセンシャルオイルを20滴混ぜるだけ。
はいOK。
これ簡単に出来るからただシェークすればいいし。
これはただの木ですからこのレモンとオリーブオイルをつけていい香りになるのとあと木を守るためにオリーブオイルを使います。
木製のギターの手入れにも使われるというレモンオイル。
すごいレモンの香り。
爽やかっていう感じやね。
昔の人は木しかなかったからやっぱり木を大切にするためにいろいろ工夫があったのね。
油つけたりとかいろいろ考えてたのね。
一つのテーブルは自分のためだけじゃなくて次の世代と次の世代が使うように考えてたと思うのね。
いつか子どもや孫に引き継ぐために大切に使い続ける。
味わい深い古い家具が好きなベニシアさん。
部屋にあるのは明治大正時代のものがほとんど。
一つ一つベニシアさんが自分の感性で選んできたもの。
雪がやんだら散歩がてら買い物に出る。
賀茂川を下って京都市内にあるなじみのアンティークショップを訪ねる。
ここは30年前から通う店だ。
これいいな。
こんにちは。
こんにちはいらっしゃいませ。
何ですか?冷蔵庫です昔の。
ええ〜私金庫だと思ったの。
金庫じゃないです。
上に氷を置いてそれで冷やすんですよね。
ベニシアさん木製の冷蔵庫に目がくぎづけ。
中に氷を入れて使う仕組み。
今でも電気のない山小屋とか住む人は買いにいらっしゃいます。
あっそう。
へえ〜。
この店は35年前ヨーロッパやアメリカへ簡単に行けなかった時代に浅田さんが買い付けてきた雑貨を販売したのが始まり。
今では日本のものも多く扱っている。
京都という土地柄古い民家の使われなくなった家具などがたくさん出てくるからだ。
浅田さんのセンスで集められた品々。
昔も今も見ているだけでうれしくなるというベニシアさん。
こんなきれいなものに…何かコレクションみたいに毎日見えるっていうか見られるっていう感じ。
それも別に買う人が来なくても幸せじゃないですか。
お客さんによく言われるんです「これは売りたくないというのもあるんじゃないですか?」っていうけど自分が好きなものは多分お客さんもねきっと欲しがると思うんですよ。
だから全て出してます私は。
ああそっか。
ここも面白いコレクションあるんやね。
すごい。
洋陶器屋さんが作ってた火鉢ですのですごい洋風ですよね。
すごいすてき。
これはほかの場所で見た事ないこういうコレクション。
そうですか?うん。
どういう人がこれ欲しくなるの?今ねワインクーラーにしたりする方いらっしゃいますね。
それとあとはやっぱりこのまま置いてお花入れたりとか鉢カバーみたいに使われてる方多いです。
ベニシアさんにとってこの店は宝の山。
3階は和風なものがたくさんあります。
う〜んこれ珍しくない?これ江戸時代ですね。
江戸時代。
必ずこういうつづらって2つあるんですけど多分物を売ったりする売り歩く時にてんびん棒で提げてきたんだと思いますよ。
でも結構細かいよね。
細かいですよね。
今ちょっと中に風呂敷をして脱衣籠にしてもいいと思います。
何か赤ちゃんの籠にもなるんじゃない?ああいいですね。
ちょうどいい大きさ。
すてきやねこれ。
でもこういうものどこで見つけるんですか?個人的に蔵を潰すから古いもの買ってほしいとかいう場合ありますね。
そういう場合行って大正時代の歯医者さんのおうち「もう2人だけになって潰すからちょっと買えるもんがあったら買ってほしい」って言うんで行ったんですよね。
そしたら「この家はもう戦争後全然開けてないような部屋です」って言ってそういう…もう真っ黒いちりが積もってるような所。
もう楽しかったです。
何があるかなと思って。
こちらのですどうぞ。
実はベニシアさん浅田さんに頼んでいたものがある。
これちょうど…ねえ。
前あの書斎机…。
どこで見つけたの?見つけてもらったのは家族の写真をたくさん飾る事ができる棚。
これは日本の職人が戦前洋風のデザインを取り入れて作ったものだという。
ここに写真を飾って下には収納もできる。
これ使いやすいのね。
ああいろんなもの入れられる。
下が引き戸っていうのがやっぱり日本的ですよね。
外国だったら開きが多いんですけどね。
いいですね。
写真を立てたりっておっしゃってたんでこれがいいのではないでしょうか。
ぴったし。
すごい。
うわ〜ありがとう。
よかった。
また新しいコーナーをちょっと飾る事できる。
この店を始めた時からの浅田さんの楽しみ。
ほこりにまみれた古いものの中に魅力を見つける事。
元の姿が現れる瞬間がたまらなくうれしいという。
今はもう汚れを落としています。
ドロドロだったんですけど玉虫色になってきますんでね。
もう楽しくってしょうがないですね。
だいぶ違います。
もう全然艶がないですよね。
3日ぐらい前から磨き始めたんですけどこんなに貝の螺鈿の艶が出てきました。
こうやって磨いてて今これを作れないだろうなっていうのありますよね。
やっぱり昔の技術っていうのはホント手間ひまかけて作ったんだろうなって思う。
あと美的感覚がやっぱり昔もすごかったなと思ってますね。
かつてデザインの仕事に就いていた浅田さんは大好きだったヨーロッパで骨董品を買い付け京都の店で売り始めた。
好きが高じて飛び込んだアンティークの世界。
自分の審美眼で選んだものをお客さんに喜んでもらえるのがうれしいという。
ディスプレーは浅田さんのセンスを発揮する場。
季節に合わせた演出も。
これは節分にちょうどいいんですよね。
福は内鬼は外。
すごくしゃれてますよね。
きっとお酒の席で「あっこういうのを作ろう」って粋な人が頼んだんだと思いますよこれ。
ここは私は御飯物でもいいかなと思ってちょっと…。
これにはちょっとした珍味入れたりとか一応そういうふうに考えながらセッティングしてます。
日常的に楽しんで使ってもらうようにと思って集めてそれで和のものと洋のものを合わせてもこういうふうに。
それで高いものじゃなくっても安いものでもこういうふうに使えばちょっとおしゃれに楽しめますっていうようなセッティングとかしてますので。
家具の修理は浅田さんに共感する若いスタッフが担当している。
大学で家具作りを学んだ魚住さんは6年前この店の常連だった姉の紹介で働く事になったという。
お客さんの目につきやすい店先で修理をするのがこの店のスタイル。
ウオ君これいつぐらいに上がりそうですか?
(魚住)もう今日中には上げます。
ちょっと棚がないのでまた棚も作って。
ちゃんと古いものをきれいにお掃除してそれで修復してすぐ使える状態で出してますよっていうののアピールにもなりますしね。
もう任せっ放しって感じです。
信頼してやってもらってますので。
細かいとこもねちゃんと直してくれますし彼のセンスで取っ手をちょっと替えてみたりとか。
あと結構ねお客さんのむちゃな注文もねなるべく聞いてあげてやってくれます。
「棚を1枚増やして下さい。
あとこの高さで」とかっていうそういうのもなるべくできる範囲でやってます。
せっかく使えるようになって直ったものがまた使って頂けるっていうのはやっぱり直しててもすごくありがたいしうれしいですね。
長く人が使ってきたものにこそ歴史がある。
家具に残るゆがみや傷も使う人の生活を支えてきた証し。
一度は不要とされたものを再び求めてくれる人へと届ける喜び。
だからこの仕事は辞められないと浅田さんは思っている。
店から程近いベニシアさんの英会話学校へ。
実はここには浅田さんの店からやって来た家具がたくさんある。
何か家具が…。
懐かしいです。
こういうふうに…。
これやっぱりたくさん入りますねこれね。
そうそうそう。
たくさん入って。
ちょっとアットホームな感じで。
くつろげますよね。
まあちょっとリラックスできたら。
日本家屋を教室にした空間。
洋風の雰囲気にまとめられている。
ここ来た時やっぱりできたらちょっと洋風にしたらせっかく英語の…ただの英会話だけじゃなくて英語の雰囲気まで感じたらと思ってこういう古いものを探して。
イギリスへ行ったら田舎の家でこういうものは当然あるのね。
それやっぱりお茶出したら紅茶とかハーブティー出したら何かもっと自分の事話せるとか…でやってたのね。
ほんで結構それで慣れた人がもうず〜っとそのまま。
もう30年たっててもまだやってる人いる。
だからサロンみたいな感じもちょっとあるのね。
特に家具が関係あると思うよ。
家具が調和してるからそれをやったら何かリラックスするのね。
なかなか英会話スクールとかいうとやっぱり事務所風な感じが多いんでねこういう中でアットホームな感じで勉強できるっていうのはなかなかないと思いますよ。
いや不思議やねホントに物を置くだけのセンスがその調和を作れるっていう事よね。
「何度も人の手を経てきた古い家具はくつろぎを与えてくれるの」。
ベニシアさんは言う。
数日後あの飾り棚が届いた。
ベニシアさんまた一つお気に入りが増えた。
ベニシアさんの庭。
まだ春は遠い。
花はなくハーブの背丈も低い。
この季節にやる事は少ない。
でも庭のために何かしていたい。
この庭多分150種類のハーブがあると思うのね。
忘れないために書いてたらあっそうかここにこれがありますからハーブほとんどボリジとバジリコ以外は支根草多いから待ってたらまた出てきますから。
ハーブの一つ一つに木の名札を立てる。
これレモンバーム。
今年レモンバーム冬でも元気やね。
これ今年植えたんです。
ラムズイヤー。
ラムの耳に似てるハーブですね。
あとこの辺ガーリックセージ。
ガーリックセージも出てるのね。
これですねガーリック。
ガーリックの香りのセージ。
こういうふうに見たら神様っていうか何て言うのすごい面白い事考えた。
例えばパイナップルセージとか。
だってパイナップルは果物なのにセージにパイナップルの香り入れてるのね。
だから何か遊んでるような感じやね。
それがまた面白いんだね。
少女のようにハーブの不思議を楽しみながら庭仕事に励む。
今日は孫のジョー君がお手伝い。
クッキングの時間。
今からジョーと一緒にフランスの田舎のスープを作ります。
最初ピレネー山脈で出来た野菜スープ。
今フランスのどこでも結構有名なスープ。
材料は冬野菜ですけどメインは豆ですね。
白い豆。
あとハーブも入れますね。
そしたらまず野菜。
ベニシアさんの畑で初めて取れたダイコンを使う。
このダイコンはニシの畑の。
(ジョー)取れたん?ちょっと小さい。
うん。
大きさはこんな感じかなこのぐらいのね。
うん分かった。
分かる?はいじゃあ私ニンジン切ります。
料理の手伝いが大好きなジョー君。
なかなかの腕前。
OK入れた。
うんじゃあ今度ニンジン。
一回ジョーと一緒にフランス行きたいな。
フランス料理がおいしいから。
ジョーはお料理作るのが好きなのね。
どんどん材料を刻むジョー君。
最近マイ包丁を買ってもらった。
上達ぶりを見てベニシアさんも頼もしそう。
味付けはベーコンの塩気と庭のハーブで。
じゃあブーケガルニ作るのね。
ブーケガルニはフランス語でフランス人がよく使うのね。
ハーブを入れる袋。
あっいい匂いする。
じゃあこれまず入れますね。
ベイリーフ。
ベイリーフは何の料理に入れるの?シチュー。
シチューとカレー。
カレーも入れるのね。
これはタイム。
よく肉料理に入れます。
これちょっと珍しいマジョラムというのね。
フランス人が好きなね。
イギリスではそんなに使わないけどフランス料理に。
これを置いて…。
ジョーやってくれる?くくりつける?うん。
入れて…。
鍋にブーケガルニを入れ冬野菜やニンニクベーコンサラミを加える。
40分ぐらい炊くのね。
40分ぐらい。
30〜40分。
今日特別ハーブ…これ匂い。
うわこれもいい匂いする。
豆料理に特別有名なウインターセイボリー。
えっ葉っぱだけ?うん小さくして。
この葉っぱあげたらパワーが出る。
ウインターセイボリーを入れて40分煮込む。
さあ出来たよ。
じゃあ豆入れて。
これ白インゲンの豆。
これも入れて…。
え〜っと…。
更にインゲン豆キャベツを加え塩コショウとセロリシードで味を調える。
ちょっと味見してみようか。
どうですか?いい。
いいの?うん多分。
うんいいです。
ばっちり。
ベニシアさんの冬の定番料理フランス田舎風豆スープが完成。
おいしい。
おいしい?うん。
冬の休日ジョー君と作ったスープで温まる。
ハーブがほんのりする。
うんおいしい。
めちゃうま!また雪降るかな。
古い家に古い家具。
家族の時間が刻まれていく。
2014/02/04(火) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
猫のしっぽ カエルの手 京都大原 ベニシアの手づくり暮らし「アンティーク」[字][再]

冬本番の京都・大原。ベニシアさん、レモンオイルでテーブルの手入れ。京都市内のアンティークショップに出掛ける。古い家具に心が和む。レシピはフランス田舎風豆スープ。

詳細情報
番組内容
冬本番の京都・大原。ベニシアさんは、孫ジョー君とフットバスで温まる。ダイニングテーブルをレモンオイルで手入れ。京都市内の行きつけのアンティークショップに出掛け、店主・浅田さんに案内してもらう。家に戻ると、花やハーブの名前が分かりやすいように名札を作り、春の庭の準備をする。ウインターセイボリーを収穫し、ジョー君といっしょに冬の定番料理・フランス田舎風豆スープを作り、2人でブランチを楽しむ。
出演者
【出演】ベニシア・スタンリー・スミス,【語り】山崎樹範

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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