(テーマ音楽)
(江守徹)不思議な地形の中に造られた家々。
家畜小屋は古い洞窟住居を利用しています。
トルコ中部の大地に広がるカッパドキアの風景は地層が複雑に重なってできたものです。
土地の人々が「妖精の煙突」と呼ぶこの風景。
軟らかい地層と硬い地層が少しずつ浸食されてつくり出されました。
カッパドキアには数千年に及ぶ人の営みがありました。
岩山の穴は住居にするために掘られたものです。
神秘的な光景に引かれてキリスト教徒たちが集まり紀元1世紀頃からキリスト教の教会が造られるようになりました。
12世紀に造られた洞窟教会。
「暗闇教会」の名のとおり光がささない内部には当時のフレスコ画がそのまま残っています。
キリスト教徒たちはペルシャに攻撃されたりイスラム勢力に囲まれながらこの地で必死に信仰を守り続けました。
1965年カッパドキアの村で1つの発見がありました。
ここは村人が生活物資を保存していた地下室です。
地下の奥は崩れ落ちていてその先に何があるかは分かりませんでした。
しかし政府の調査によって驚くべき規模の地下都市の存在が明らかになりました。
敵の攻撃から時的に身を隠す場所として掘り進められ長い年月をかけて地下8階に及ぶ大地下都市となったものです。
地下1階のワイン製造所。
ブドウをここで踏みつぶしました。
踏みつぶされたブドウの液は下に流れ落ちこの穴にたまります。
たまったブドウの液はかめにためて寝かせます。
地下2階は生活の場と物資の貯蔵庫として使われていました。
食堂居間寝室などの部屋が並んでいます。
収容人数に合わせてそのつど新たに掘り進められていきました。
物を貯蔵するための廊下の穴は敵が侵入してきた時には落とし穴にもなりました。
地下3階と5階をつなぐ通路の途中にある石の扉です。
重さは1t。
敵が襲ってきた時にはこの石を転がして通路を閉じます。
いったん閉めると外から開けることができません。
1本の井戸が地下都市を貫いています。
深さ65mに達するこの井戸は各階に水を供給するだけでなく広がる地下都市全体に空気を送り込む通気の役割も果たしていました。
地下7階に下りる階段はまるでならくの底に落ちるかのような急角度で造られています。
そこに十字架の形に掘られた教会がありました。
カッパドキアのキリスト教徒たちは地下都市の底に祈りの場を設けたのです。
静寂だけが支配する地底の教会。
奇岩の底にはキリスト教徒が信仰を守った最後の砦がありました。
2014/03/20(木) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「カッパドキア〜トルコ〜」[字]
奇岩の底の地下都市 ▽複合遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
奇岩の底の地下都市 ▽複合遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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