Good Job!会社の星「騒音を消せ 凄(すご)ワザ職人集団SP」 2014.02.19

暮らしの中にあふれている音。
それは時に騒音となって悩みの種にもなります。
中でも建築現場や工場からの騒音は深刻です。
平成23年度環境省に寄せられた苦情のうちこの2つが6割以上を占めています。
こうした騒音に立ち向かう男たちがいます。
工事現場の音が…頑固な機械ノイズも…自然界のものがここに集積されている。
騒音あふれる現代社会に欠かせない音消しのプロたち。
今回の「GoodJob!会社の星」では世のため人のために日夜奮闘する男たちを追いかけます!
(拍手)こんばんは。
こんばんは。
「GoodJob!会社の星」今日は「音を消す」というテーマでお送りしたいと思いますけどもスタジオには現代社会で悩ましい騒音を消すプロに集まって頂きました。
皆さんよろしくお願い致します。
何かちょっとオープニングのVTRから「音が消えた!」なんてありましたけどもね。
身の回りにいろんな音がありますけれどもまず騒音に関してこちらをご覧下さい。
これは騒音の苦情件数の推移なんですけれどもこの10年見ても減っていないですよね。
この騒音というのはここでは工事現場の音ですとか工場からの騒音がほぼ6割。
児嶋さんの家とかふだん騒音どうですか?前住んでた所がすごかった。
ず〜っと工事してるの。
あそこ多いよね。
職場もそうですよ我々。
横で…もうただただうるさいやつが…意味のないうるさいやつが。
騒音じゃない。
あれ仕事なの。
苦情出したいです僕。
渡部さんも大変ですね。
大変ですもう。
是非今日消して頂くというね。
消したいですね。
「消して頂く」じゃないよ!オープニング終わったら消すみたいなので。
ちょっとやめて!今日後半は静かにお届けすると。
(児嶋)そんな事ない。
今日はスタジオにお越しの武さんの会社が開発した音を消す技術というのがありましてこれが今注目を集めています。
どんな技術なんでしょうか。
ご覧下さい。
絶対に騒音が許されない場所ありますよね?私DALEが番組のナレーションをしているこの録音ブースも外部の音を遮断するため…。
ああどうもこんにちは。
番組のナレーションを担当しているDALEです。
ご覧になってみて下さい。
こちらのスタジオの扉なんですが開けてみますと…厚さが10cmほどあろうかと思います。
スタジオによりましてはこちらの外にもう一枚扉があって2枚の扉を閉める事によってようやく音をシャットアウトするんです。
こちらはとある化粧品メーカーの製造工場。
その片隅に一見何の変哲もない箱が。
この箱ここで働く人たちに無くてはならないものなんです。
中に入っているのは製造工程には欠かせない振動機と呼ばれる機械ですがいや〜すごい音!ここに導入されて1年半みんなの悩みの種でした。
騒音計で測ってみるとなんと95dBを超えています。
これは電車の通るガード下並みの騒音。
ところが蓋を閉めると…。
その音は65dB前後に。
普通に会話する声のレベルに下がりました。
この職場では去年12月に防音の箱を設置。
以来従業員のストレスも軽減されたといいます。
この箱の壁の幅は僅か3.3cm。
この薄さでこれだけの吸音の能力は世界でも類を見ない優れた技術なんだそう。
そんな驚きの技術を開発したのが神奈川県大和市にあるこの会社。
従業員僅か7人の小さな町工場ですが取引先には名だたる企業が並びます。
開発したのがこちら…御年72歳ですが現役バリバリです。
もともとは床パネルなど建築部材を作る下請けの町工場でしたが…ウレタンなどさまざまな材料を試しました。
しかしコストはかかるものの思ったほどの効果は得られませんでした。
それがこちらのスポンジ。
さまざまな素材を試すうちに生け花用の吸水スポンジにたどりつきました。
水をよく吸い取る微細な気泡を持つ素材なのです。
この構造は植物の毛細管と同じ。
もともと発泡素材の専門家だった武さんならではの着眼でした。
そして武さん自身が驚いたのがとてつもない吸音効果だったのです。
しかし欠点がありました。
それはもろくて崩れやすい事。
それを補うために着目したのがこの部材。
ハニカムと呼ばれています。
この形どこかで見た事ありませんか?そう蜂の巣。
ハニカムは蜂の巣という意味。
軽いながらも構造は丈夫で建築部材として活躍しています。
生け花用のスポンジと蜂の巣のような形状のハニカム。
これが合わさって究極の防音材が完成しました。
自然界のものがここに集積されている。
この防音材文字どおり音を消すために開発されましたが別の効果に注目する人々も現れるように。
会社の営業担当者が向かったのは東京の音楽スタジオ。
どうも。
お世話になります。
その後弊社のパネル使って頂いて音響の空間というのはいかがでしょう?オノセイゲンさんは音楽業界で著名な録音エンジニア。
あの坂本龍一さんら世界的なアーティストの作品のレコーディングやマスタリングなどを手がけています。
オノさんには悩みがありました。
決して広くはないスペースで音を調整する際壁の反響が邪魔になっていました。
これがかつてのスタジオ。
壁がコンクリートのため音が反響しやすく座り場所によって響きが違うため調整は一苦労でした。
そこでパネルの吸音力に注目したのです。
聞いてみて下さい。
(音が大きくなる)これは反射しているんです。
こっち側にすると反射しない。
すごいですね。
消えましたね。
難しいけど何か多分すごい事なんだろうなと…。
見てました?ちゃんと。
いや見てましたけど細かい材料とかよく分からないけどミュージシャンの方とかすごい…。
ねえ。
あの技術。
音が消えるあの技術をスタジオの皆さんにも体感して頂きたいと思います。
じゃあ武さん是非よろしくお願いします。
早速スタジオで音を消す技術体感してみましょう。
じゃあやってみましょうか。
(アラーム)うるさいうるさい!
(アラーム)今測ってみると85から90の間。
(音が小さくなる)これだけで静かになる。
(アラーム)そして蓋を…。
(アラーム)
(音が更に小さくなる)あっ!ちなみに?さあ。
おお〜!
(武)50前後。
もう一度開けてみます。
(音が大きくなる)うるさい!
(アラーム)
(アラーム)全然違いますね。
全然違う!なるほど!すごいわ。
なおかつ軽いと。
もうちょっとでかくなきゃ。
大きいものも作れますよね?そういう問題じゃない。
作らなくていいんですよ。
助かりますそれは。
(児嶋)「助かる」じゃない。
これでも高橋さん工場以外にも使いみちありそうですね。
震災の方で音で困っているという記事があったんですけども実際に困っている被災地の方にお送りして…。
実際何に使われたんですか?それは。
仮設住宅の中ですね。
壁に張る。
張るだけのものがあるんですけどそちらの技術が…。
仮設住宅は何か壁が薄くて大変そうですものね。
実際に使っている様子写真もお借りしました。
こちらです。
ちょうどこの黒い部分ですね。
これが張るやつ?
(高橋)はい。
これでだいぶ変わりますか?張る事によって小さなお子様が騒いでも張って以来隣の方から苦情がないという事だったらしいです。
自分のおうちの騒音もちょっと気になってね。
気遣いという意味でもすごくいいんですね。
さあ児嶋さん!このパネル何かほかに使いみちありそうですね?これやっぱりね例えば椅子とかに座布団みたいに置いてくれれば…これオナラ吸収してくれます?
(武)もちろん。
そうなんですか!?頼もしい!割と低音域なんですね。
低音域にうちの構造は強いんです。
面白い話ですね。
ホントですか?初めてその質問受けました。
早急に特許取った方がいい。
特許取れねえだろ。
これいいですね。
職場に導入したい。
さあ次はですね…。
お待たせ致しました。
後列のお二方ですね。
お越しのお二人の全く違う方法で音を消す技術こちらをご覧下さい。
神奈川県横浜市の浄水場。
こちらで行われている施設の改修工事で最新の音を消す技術が使われています。
近隣には住宅地があり工事を請け負った建設会社は騒音にくれぐれも気を付けるよう念を押されていました。
ここで巨大なスピーカーが登場。
重機にセットします。
どんな働きをするんでしょうか?社員の小林正明さんは音環境の担当をしています。
はて一体何をしようというのでしょう?小林さんによれば音に音をぶつけて騒音をなくすんだとか。
一体どういう事?アクティブノイズコントロールと呼ばれるこの技術。
早速見せてもらいましょう。
いざスイッチON!お分かりですか?反対にOFFにするとまた大きくなりました。
その原理はこうです。
音の波には山と谷があります。
その騒音の山にスピーカーから谷の部分をぶつけて消してしまっているんです。
難しい原理ですが確かに消えてましたもんね音。
更に小林さんたちは工事現場全体の音を軽減しようという取り組みも始めています。
工事現場の騒音を防ぐには高い壁を設けるのが常識。
しかし小林さんたちはその逆を行こうというのです。
一体どんな技術なんでしょうか?案内して頂いたのは無響室という音が全く響かない特殊な部屋。
現在この部屋で特殊な壁の開発を行っています。
(取材者)これが新技術という事なんですか?壁自体はもともとの壁なんですが…早速検証スタート。
まずは騒音を測定する機械をセット。
壁の反対側にはあらゆる方向に音の出るスピーカーをスタンバイ。
さあまずは金属板を外して騒音のレベルを測ります。
ここで見て頂きたいのは一番下の数値。
49dB前後とこれはにぎやかなオフィスと同じ音レベルです。
次にあの金属板を取り付けて測定しましょう。
するとレベルはおよそ40dBに。
取り付ける前より9dBも下がりました。
これは静かな図書館と同じレベルです。
いやいやいや。
どういう原理なんでしょうね?これは。
高い壁がぐっと短くなりましたね。
従来効果を上げようとすればするほど壁をどんどん上げていくという事が必要だったんですが一緒に共同研究をしている関西大学の先生が実は音のエネルギーが壁の先端に集中しているという事を明らかにされました。
その先端部分ですね低い所でもエネルギーを効率よく吸収してやれば高い壁がなくても今までと同じような効果が得られるという事ですね。
何か不思議な感じしますよね児嶋さん。
僕が言いたい事は全部言ってくれたので。
言いたい事ないでしょ。
じゃあどういう事か原理説明しなさい。
分かってないでしょうよ。
でも工事現場の音ってやっぱりちょっと気になりますよね生活していてね。
そうですね。
そして今日はあの現場にいらした小林さんの上司の松岡さんにもお越し頂きました。
建設会社の研究所といいますと例えば建物をより高くする技術とか地震対策の技術などがまず最初に思い浮かぶと思いますけれどもそのほかに熱とか空気それから光など私たちの生活により密着した分野も研究しております。
その中の一つとして…でもあの事もちょっとよく分からないんですよ。
音に音を当てるって普通よりうるさくなるって考えますけど確かにあのVTR見る限りだと静かに感じてましたけども。
重機の音が消えたというその基本原理が分かる実験装置を今日は用意して頂きました。
お二人よろしくお願いします。
児嶋さんお手伝いして頂いて。
音で音を消す。
これが不思議なんです。
小林さんに実際にその音が消える技術どんな原理があるのかをご紹介頂きます。
スーパー助手として児嶋さんよろしくお願いしますね。
任せて下さい。
では早速音を。
ちょっと低い音ですね。
これは100ヘルツという音で先ほどの工事現場で使われている重機から発生する音に近い音です。
うん嫌な音ですね。
ちょっと波をずらす?
(小林)早速行います。
あっずれてきたずれてきた。
波形はずれてますね。
あっでもちょっと耳に絡んでた低い音がちょっと軽減されましたね。
ちょっと静かになったよもう。
更に?スピーカー同士を近づけると…。
(音が小さくなる)わ〜すげえ。
うそでしょ?うそでしょ!?全然聞こえないよ。
実際にスピーカーを聞いて頂くと…。
(音が大きくなる)嫌だ嫌だ。
低い音がしますね。
(音が小さくなる)
(児嶋)全然違うじゃん!消えた!すげえ!何?これ。
もうほぼ聞こえないね。
ねえ。
耳が楽になりました。
これがさっきの原理?ええ。
これがアクティブノイズコントロールという波の原理を使っています。
うわ〜すごい!
(児嶋)不思議!ホント静かだよね。
不思議!魔法みたいです。
全然違うんだもん。
では最後に皆さんの今後の目標を語って頂きたいんですけども。
小林さん。
見つけた答えが多くの方に喜んで頂けるという事にすごく喜びとやりがいを感じていまして今ご紹介して頂いた技術だけが全ての答えとは思っていませんので…そして最後武さん。
私どもの会社は神奈川県大和市厚木飛行場の近くなんですよ。
航空機騒音というのは非常に問題じゃないですか。
確かに。
ですから…こういうところに挑戦したいなと。
これを解決するために私どもの会社は大和市にあるのかなと。
これは使命運命じゃないかと。
運命的というかそういう気持ちをやっぱり日々持っていますね。
いずれは飛行機騒音を…。
(武)そうですね。
今沖縄なんかでもそれが問題ですね。
Dialogue:0,0:23:03.56,0:23:2014/02/19(水) 23:30〜23:55
NHKEテレ1大阪
Good Job!会社の星「騒音を消せ 凄(すご)ワザ職人集団SP」[字]

暮らしの中にあふれる「騒音」。これまでにない技術で音を消すプロたちのスゴ技に密着

詳細情報
番組内容
住環境・労働環境下で悩まされることが多い「騒音」に対し、その音を驚きの新技術で「消してしまう」会社を訪問する。最先端技術を駆使する開発現場や実際の音に悩む現場を取材し、オンリーワンのものづくり技術で挑む姿を追う。
出演者
【キャスター】アンジャッシュ,池田伸子,【語り】DALE

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 経済・市況

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0×0808)
EventID:8998(0×2326)