(テーマ音楽)
(江守徹)アフリカの北東部に位置するエチオピア。
太古の火山活動による溶岩により広い高原が造られました。
険しい断がいによって隔絶されたこの高原の奥地に世界でも珍しいキリスト教の聖地ラリベラがあります。
保存のために大部分は屋根で覆われていますがこれらのほとんどは巨大な岩盤をくりぬいて造った教会なのです。
十字の形をしているのはそのつ聖ギョルギス教会です。
中央部に縦横12mの十字架の形を残して周囲の岩を掘り下げて造られました。
どこにも継ぎ目のない枚岩です。
教会の内部も岩をくりぬいて造られています。
ラリベラの岩の教会は11におよび教会と教会の間も岩を掘った通路でつながっています。
岩の教会は12世紀この地の支配者ラリベラ王によって造られました。
敬けんなキリスト教徒であった王はある夜夢の中で「岩の教会を造りこの地を第二のエルサレムにするように」という神の声を聞いたのです。
王は第二のエルサレムにするために「聖書」にかかれた様々な場面をこの地に再現しました。
キリストが誕生したベツレヘムの馬小屋です。
そしてヨルダン川。
キリストが洗礼を受けたことを示す十字架が立っています。
さらに小高い丘はキリストが昇天したオリーブ山に見立てられました。
エチオピアは今でも国民の約半数がキリスト教を信仰しています。
収穫の季節が終わると人々は巡礼に旅立ちます。
目指すは聖地ラリベラ。
キリストの誕生を祝うクリスマスの大祭に参加するためです。
遠い距離をものともせずエチオピア各地から野宿をしながら裸足で歩きます。
「生に度はラリベラで祈りたい」。
それは中世から変わらない人々の願いです。
エチオピアにキリスト教が伝わり国教となったのは4世紀。
それ以来人々はユダヤ教の流れをくむ古い形のキリスト教を守り続けてきました。
クリスマスはエチオピアの暦で1月7日にあたります。
祭りが近づくとラリベラは約6万人の巡礼者で膨れ上がります。
集まった人々に辻説法をする修道僧もいます。
「ラリベラの聖なる土」病気を治すというこの赤い土を巡礼の叶わなかった故郷の人々に持ち帰ります。
早朝から始まった祭りはいよいよクライマックスを迎えます。
巡礼者たちは手にしたロウソクに火をともし1月7日午前0時キリスト誕生の日を迎えます。
人々の熱心で素朴な信仰。
そして不思議な岩の教会。
それは正に現代に生きる「聖書」の世界なのです。
2014/03/05(水) 22:45〜22:50
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ラリベラの岩窟(くつ)教会群〜エチオピア〜」[字]
高原の巡礼者 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
高原の巡礼者 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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