(山本)
日本の冬を彩る小さな果物…
甘酸っぱい味わいと爽やかな香りが詰まっています
今ならではの香りと色合いを生かした金柑のとっておきスイーツを料理研究家松本朱希子さんに教えて頂きます
今が旬の金柑を使ったババロアです。
この時期ならではのおいしさをどうぞ。
(テーマ音楽)
金柑の食べ頃に合わせて東京で暮らす松本さんのご自宅を訪ねました
失礼します。
あ〜こんにちは。
松本さんですか?はいはじめまして。
透明感のある方ですね。
いえいえ…。
「かえる食堂」というちょっとユニークな名前で旬の食材から手作りする料理のおいしさを伝えています
松本さんが生まれたのは瀬戸内海に面した広島県呉市。
四季折々のおいしいものを食べて育ちました
季節の食材から生まれる体にじんわりしみる料理を提案しています
失礼します。
うわ〜すてきですね。
茶色と白の木の雰囲気とかパイプ椅子とか。
レトロでナチュラルな感じという…。
古いおうちなので。
築何年ぐらいですか?40年ぐらいはたってると思うんですけど。
テーブルは義理の母が昔通ってた小学校が廃校になったので図書室で使われてた机をもらってきたんですけど。
だから表面に落書きした跡が…。
そうですね。
こちらがキッチンです。
わ〜使い勝手良さそうにアレンジされて。
植物もいっぱい。
すてきですね。
大きな箱が。
今朝実家から届いた野菜なんですけど家庭菜園で両親が野菜を作っているのでいつも何か野菜がとれると送ってくれてる。
これ水菜で…。
これが水菜ですかね。
これは…春菊ですか?これはサラダ春菊なのでそのままでもサラダでも食べやすくておいしいんです。
何種類ぐらい作ってらっしゃるんですか?何種類…あまり意識して数えた事はないんですけど果物とかも加えると20種類以上はある…。
お忙しいでしょうね。
そうですね。
ご実家から送られてくる野菜と松本さんの料理の活動はつながってるんですか?いつも料理をする時は実家から届く野菜で考えていくので。
野菜がすごくおいしいのでそのおいしさがちゃんとそのまま生かせるような料理ができたらいいなってそれを目標にしてるんですけど。
あっそして野菜の下から…。
これ金柑ですね。
実家で木があるので。
金柑も作ってらっしゃる。
そうですね。
今日はその甘煮を思い出しながら…おばあちゃまの思い出の味から。
そうですね。
1品目は金柑マーマレードを使ったババロア。
金柑の甘酸っぱさとババロアの優しい甘さの組み合わせが爽やかです
手始めはマーマレード作りです。
金柑のおいしさを引き出す方法を教えて頂きましょう
まずは竹串で穴を開けていきます。
ちょっとやってみて…。
好きな所にこれぐらい軽く穴を開けていくといいので。
刺した方がいいのはなぜですか?皮のアクや苦みというのを穴をあけてゆでこぼすと…。
そこから苦みやアクが出やすくなるんですね。
これなんか楽しいですね。
竹串で穴を刺せたら次はゆでこぼしていきます。
ほんの1〜2分ゆでていくんですけどちょっとした事でアクや苦みが和らいでおいしく仕上がるので。
これはポイントですね。
そうですね。
ポイントの一つです。
金柑のうまみが逃げない程度に軽くゆでたら水にさらし薄くスライスしていきます
これ毎年作るんですか?そうですね。
金柑が届くと毎年必ずまずマーマレードにしてるんですけど。
輪切りにならなくてもいいので刻むような感じで。
2mmぐらいの厚さですかね。
そうですね。
柔らかいからほとんど力なくても切れますね。
季節の手仕事をおばあちゃまと一緒にした事もあるんですか?時々手伝う事はあったんですけど私がすごく小さい頃作ってるところを後ろから見ていたり冷蔵庫の中に出来上がったおやつが入っているのを見たりお鍋が湯気を上げているのを見たりそういうシーンが一つずつ残ってる事の方が多いんですが。
その季節が来るとまたおやつが食べたいなとかそういう気持ちになって思い出をたどりながら懐かしいおやつを作るという事が多いので。
これは何のために寝かせるんですか?お砂糖をまぶしておくとお砂糖の浸透で金柑からも水分が出るのでこのあと煮る時には水分も入るんですけど…
30分たった金柑からは水分がたくさん出ています。
この水分で金柑を煮ていくのですが…。
ここでおいしさを引き出す隠し味の登場
みかんがいいんですか?みかんはこの丸い甘みが金柑にぴったりなので。
全てお水を加えるよりも少し果汁を足してあげるとよりおいしく仕上がるので。
鍋底が焦げやすいので時々混ぜるようにしましょう
もう金柑が柔らかくなって…。
とろみもついてきました。
ここで皮が柔らかくなっているかどうかを一口食べて確かめます。
柔らかくなっていたら…
少しずつ加えてしっかりとなじませます
焦がさないよう…
味をキュッと引き締めます。
火を止めて冷ましたら金柑マーマレードの完成です
これは作ったらどうやって召し上がるんですか?そのままでも…チーズともよく合うので…おいしそう!
金柑マーマレードは粗熱を取ったあと…
次はババロアの底に敷くゼリーを作っていきます。
ババロアの部分と2層になってるお菓子なので。
三温糖レモン汁金柑マーマレード水を中火にかけます
フツフツと泡が立ってきたら火を止め戻した板ゼラチンを入れてしっかり溶かします
ゼラチンが溶けたら型の方に少しずつ流していきます。
いろんな形の型で作ると出来上がりが…。
型から出た時に楽しいので。
入りました〜。
これはこのまま冷蔵庫に入れずに…。
そうですね。
このあとババロアの生地を作っていくのでその間に固まってくるのでこのままで次の作業に入ります。
ここからはババロアの生地作り。
まずベースになる卵が入った生地から始めます。
卵黄と三温糖をしっかりと混ぜます
次に牛乳とはちみつを温めます
この時沸騰させないよう注意。
必ず沸く直前に火を止めましょう
熱いまま卵黄の方に混ぜてしまうと卵黄が固まってしまってむらが出来てしまうので。
モロモロになりますよね。
目安としてはこういうふうに鍋肌に小さな泡が出てくると沸騰直前の合図なので火を止めて生地に混ぜていきます。
三温糖を混ぜた卵黄に温めた牛乳を少しずつ入れながら混ぜます。
これを鍋に戻し…
卵黄が固まらないよう火加減には注意しましょう
ババロアって何か思い出ありますか?ババロアも祖母がよく作ってくれてたおやつの一つなんですけど祖母の場合はプレーンのもので下にクラッカーが敷いてあったりあとは抹茶のババロアというのがよく出てきてたんですけど。
緑色の…。
そうですね。
丸い大きな型で作ってくれてたので。
沸騰しそうになったら火を止めます
戻した板ゼラチンを加えて溶かしたら冷ましておきましょう。
これでベースの生地が出来ました。
次に生クリームの生地を作りましょう
今回は生クリームにレモン汁プレーンヨーグルトクリームチーズを混ぜ合わせ…
これに先ほどのベースの生地を合わせしっかりと混ぜます
これでババロアを仕上げます
ここから型に流していきます。
いよいよ。
どれぐらい入れたらいいですか?8分目ぐらい。
これぐらいずつ。
これもこの状態で冷やしておくんですか?入ったら冷蔵庫で…楽しみ!
スイーツ作りが一息ついたところでちょっと休憩
はあ〜おいしい。
金柑のおやつを作りながらおばあちゃまのお話いっぱい聞かせて下さいましたけどどんな方だったんですか?そうですねあの…例えばいちごがなったらいちごの大福を作ってくれたりケーキを作ってくれたりおいしいおやつをよく出してくれてました。
じゃあそのレシピは松本さん教わったんですか?祖母はもう今はいないんですけれどもよく台所にいろんなレシピを貼って残していたのでそれを私がもらったんですけど。
これ全部ですか?そうですね。
あっ「金柑の含め煮」「かぼちゃのおやき」…。
本当に春夏秋冬いろんなお菓子のレシピが…。
すごく旬に敏感な方だったんですね。
畑でとれたものを料理やおやつにするっていうのを自分の生活の中に入っていたと思うのでそれが四季というよりは…じゃあ料理研究家松本さんにとっておばあちゃまというのはすごく大きな存在なんですね。
たくさん影響を受けましたしこれからもまた思い出しながら自分の中で大きくしていきたいという気持ちもあるのでその時々でおいしいものとか…
金柑マーマレードを使ったスイーツをもう一品作りましょう。
爽やかな金柑の香りとコクのあるバターの風味がギュッと詰まったパウンドケーキです
作り方は簡単
ボウルを回しながらゴムべらで生地を切るように混ぜるのがポイントです
型に入れて…
冷めたら完成です
一日おいて生地がなじむとよりおいしくなります
ちょうど2時間以上たったので…。
固まってますね。
これでお菓子出来上がりましたね。
はい出来ました。
いよいよ盛りつけですね。
盛りつけの楽しみは器選び。
のせるスイーツの色や形を思い浮かべて引き立ててくれそうな器を決めます。
さて金柑のスイーツに合うのはどんな器でしょうか
ババロアでしたらこちらかこちら。
この2つ。
はい。
ババロアも2層になっていて上の部分が金柑のゼリーでオレンジが結構目立つので…パウンドケーキでしたらこの3つのお皿のどれかが合うと思うんですけど。
パウンドケーキはしっかり焼いているので外側の茶色と中のオレンジというのを考えると…じゃあ型からはずしていきます。
周りがほんのり溶けるので型からはずれやすくなります。
ふって…。
ふって出します。
はい。
きれ〜い!出ました。
上のオレンジと下のクリーム色。
2層になってると楽しいですよね。
横ふったりして…。
横新しいですね。
あっ音がした。
せ〜の…。
おお〜!きれいに出ました。
きれ〜い!今度は花型。
2色の花型になりました。
金柑で作ったマーマレードと2つのスイーツ。
ポイントをおさらいしましょう
マーマレードは金柑を下ゆでしてアクや苦みを和らげる。
また金柑から出た水分やみかんの果汁で煮てコクを出すのがコツでした
ババロアは火加減がポイント。
熱すぎると卵黄が固まってしまいます。
火を入れすぎないように注意しましょう
パウンドケーキは生地を切るように混ぜましょう。
熱いうちにマーマレードを塗るのもポイントですよ
どっちから食べようか迷っちゃいますね。
どうしましょう。
じゃあババロアから。
う〜ん…。
金柑の香りと爽やかさ。
それに対してババロアのコク。
滑らかでおいしいですね!ありがとうございます。
パウンドケーキも…。
う〜ん…これはしっとりしてて金柑の甘みとか香りってパウンドケーキにすごく合うんですね。
どちらもおいしい!よかったです。
今日改めて思ったんですけど手作りのお菓子の一番の魅力は松本さんがおばあちゃまの作ってくれた姿が記憶に残っているように作ってくれた人の事をすごく思い出すというか記憶に残るってところですよね。
そうですね。
手が込んだものではなくても食べてくれる人に自分のためでもいいんですけど…。
おやつ作りを楽しみながら作ってもらえたらと思います。
(テーマ音楽)2014/02/19(水) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 和・スイーツ「金柑(きんかん)マーマレードのババロア」[字]
今回の「和・スイーツ」は「金柑(きんかん)」のレシピ。この時期にしか手に入らないカワイイみかんの仲間を料理研究家・松本朱希子さんがおしゃれなスイーツに変身!
詳細情報
番組内容
和の素材やテクニックを生かしたお菓子を提案する「和・スイーツ」。2月は、この時期にしか手に入らない、小さくてかわいいみかんの仲間「金柑(きんかん)」を使ったレシピ。講師は“かえる食堂”の名で最近人気の料理研究家・松本朱希子さん。まず「マーマレード」にしたあと、「ババロア」「パウンドケーキ」と、おしゃれに変身させる。
出演者
【講師】料理研究家…松本朱希子,【司会】山本美希
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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