それでは続いての4名をご紹介します。
東京で開かれた…そのリハーサル。
世界一の美女を決める舞台に地球で一番新しい国南スーダン代表の姿があった。
休憩中彼女のもとに突然電話が…。
故郷の知人からだった。
この時南スーダンでは大規模な戦闘が勃発。
一夜にして400人以上が死亡。
2万人が避難する非常事態となっていた。
南スーダンは文化や風習が違う60以上の部族が集まって2年前に誕生した。
今回の戦闘は部族間の対立が原因だった。
その1か月前。
地球で一番新しい国。
希望を抱き歩みだした女たちの姿があった。
日本から2日半。
アフリカ大陸を流れるナイル川の上流を目指す。
20年以上に及ぶ内戦を経て誕生した新しい国南スーダン。
一体どんな所だろう。
早速街の中心部へ向かう。
すると突如渋滞に。
理由は牛。
首都ジュバの中心部でさえ舗装された道路はごく僅か。
電気や水道もほとんど整備されていない。
市場の近くで頭に何かを乗っけた女性たちに出会った。
独立して2年。
国づくりは国連からの支援を受けながらまだ始まったばかりだ。
そんな中人々に活力を与えているのがマライカ。
天使と呼ばれる女性たちだ。
マライカは世界デビューを目指すモデルの女の子たち。
この日夢の第一歩となる舞台に上がる。
年に一度南スーダンの人々が最も熱狂するイベント。
国を代表する美しい女性を決めるコンテストだ。
予選を勝ち抜いた17人が3週間後の本選に臨む。
彼女たちが口にした「国のため」。
取材を進めるにつれその言葉の重さに気付かされる事になる。
(笑い声)ミス・マライカを立ち上げたのは…南スーダンの女性の可能性に目をつけ世界で活躍するモデルを育てている。
独立前20年にも及ぶ内戦状態にあった南スーダン。
北のアラブ系イスラム勢力と南のアフリカ系キリスト教勢力の争いで200万人が命を落とした。
400万人が難民となった。
特に苦しい生活を強いられたのは夫や父親を失った女性たちだった。
ミス・マライカでの優勝をきっかけに国の未来を切り開いた女性がいる。
アトン・デマック25歳。
南スーダン代表として初めてミス・ワールドに出場。
4位入賞を果たしアフリカの女王という称号を手にした。
(拍手)世界デビューを機にスポンサーがついたアトン。
南スーダン女性の社会進出を後押しする組織を立ち上げた。
資金提供をしているのは中国の携帯電話会社だ。
世界160か国で事業を展開。
アフリカに生まれた新たな市場にいち早く目をつけた。
美しさには国を変えるチカラがある。
ミス・マライカは社会を動かす女性の象徴なのだ。
「アトンに続け」。
それがミス・マライカ参加者たちの思い。
最年少でエントリーしたのが…シーダはちょっとおてんばで少年のような女の子だ。
ウォーキングの練習でも一人だけはだし。
突然シーダが座り込んだ。
シーダの様子がおかしい。
40度近い発熱。
蚊を媒介にして感染するマラリアの症状だ。
マラリアは南スーダンの深刻な問題。
年間1,000人以上が亡くなっている。
原因は舗装されていない道路。
水たまりから蚊が湧きマラリアをまん延させている。
シーダの具合が気になり自宅を訪ねる事にした。
首都ジュバの中でも特に貧困層が暮らすエリアだ。
幸い薬をのんで回復したようだ。
小さい彼女は?シーダは母と妹親戚の9人で暮らしている。
グッドワークって書いてある。
18歳なのにシーダはまだ中学3年生。
内戦中十分な教育を受けられなかったからだ。
この地では特に女性の立場が弱く虐げられてきた。
2年前の独立でようやく男女平等が憲法に定められた。
今では姉妹全員が学校に通っている。
自慢したかったんだ。
ミス・マライカへの挑戦も昔では考えられない事だった。
(歌声)シーダの家族には内戦で負った癒えない傷がある。
父親は行方不明のままだ。
戦闘が激しくなった1990年には次々と兄弟が亡くなった。
難民キャンプに向かう途中の事だった。
難民キャンプで希望を失いかけていた時シーダが生まれた。
内戦で家族や友人を亡くした記憶が今も人々を苦しめている。
人々を勇気づけているのは子どもたち。
振り付けはダンスの得意なシーダが教えたものだ。
シーダがミス・マライカ出場を決意したのも同じように親を亡くした子どもたちの存在があったからだ。
地球で一番新しい国南スーダン。
社会で輝く女性たちが少しずつ増え始めている。
(笑い声)この日行われたミーティング。
議題はミス・マライカで求められるある課題について。
本選では国づくりのアイデアを発表する。
実はそれが重要な審査ポイントとなる。
ミス・マライカで優勝したアトンは内戦の被害が大きかった地域に勉強道具を届けるプロジェクトを企画。
アトンの提案を受け政府は学校建設を進めている。
シーダはまだ思いを言葉にできないでいた。
アイデアをレポートにして3日後に提出する事が決められた。
休憩時間にちょっと聞いてみた。
レポート提出の朝。
シーダはまだ手をつけられないでいた。
エバンスの提案で参加者たちは孤児院を訪ねる事に。
戦争や病気で親を失った子どもたち。
多くがストリートチルドレンとなっていた。
ジュバ市内にはこうした子どもがまだ3,000人もいるという。
(歌声)この施設に来るまで子どもたちはほとんど教育を受けた事がなかった。
(泣き声)その夜シーダは友達の家に駆け込んだ。
レポートに書くべき事を見つけ出したのだ。
注目したのは学校を中退する子どもが多いという現実。
子どもと話すのが得意なシーダは自らがカウンセラーとして取り組む計画を立てた。
母親のジョイスが取って置きのものを用意してくれた。
ミス・マライカでは出身部族の衣装を身にまとい国づくりのアイデアを発表する。
(歌声)
(笑い声)夜9時。
ミス・マライカ開幕。
南スーダンの国づくりを託す女性が今夜決定する。
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)審査のポイントは2つ。
モデルとしての立ち居振る舞い。
そして国づくりのアイデアだ。
まずは自己紹介から。
(拍手と歓声)
(歓声)いつも人一倍明るいシーダがひと言もしゃべらない。
一人出番を待つ。
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)堂々とした振る舞い。
しかし…。
過呼吸で立っていられなくなった。
いよいよクライマックス。
国づくりのアイデア発表の時。
それぞれが出身部族の衣装で舞台に上がる。
部族の違いを乗り越えて共に生きていこうというメッセージだ。
国の未来に関わるテーマだけに容赦のない質問が投げかけられる。
いよいよシーダの出番。
(歌声)得意の歌と踊りに観客も盛り上がる。
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)オーマイゴッド!ミス・マライカに輝いたのはシーダより4つ年上のニャチュア。
シーダは惜しくも4位。
しかし最後のプレゼンは高い評価を受けた。
シーダが成人する2015年。
南スーダンで初めての国政選挙が行われる予定だ。
ミス・マライカの本選から2週間後彼女たちの希望を打ち砕く事態が起きた。
首都ジュバで激しい戦闘が勃発。
部族間の抗争が拡大し1,000人以上が死亡。
シーダとの連絡が途絶えた。
1週間後のクリスマスイブ電話がつながった。
・ハローシーダ!生字幕放送でお伝えします2014/02/19(水) 16:05〜16:55
NHK総合1・神戸
地球イチバン「地球でイチバン新しい国〜南スーダン〜」[字][再]
ミスコンが社会を変える!?最も新しい国で、18歳の女性が挑む国作りへの第一歩。今も政情不安が続く南スーダンで始まった、女性の美のチカラに注目した取り組みに密着!
詳細情報
番組内容
2011年に独立した南スーダン。内戦のために多くの男性が命を落とした同国では、女性が社会を動かし始めている。中でも、注目されるのは「美」のチカラ。国のミスコン参加者は国造りへの提言が求められ、優勝すれば予算が付き、実行される! 番組では、最年少の18歳の女性に密着取材。今なお政情不安が続く同国で、内戦の傷と貧困に苦しむ彼女が導き出した答えとは!? 【語り】二階堂ふみ
出演者
【語り】二階堂ふみ
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
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