こんにちは。
情報まるごとです。
まずは、おとといの夜、千葉県柏市で起きた通り魔事件についてです。
住宅街で男が男性を刃物で刺して殺害するなど、殺人や強盗が4件相次ぎました。
警察は逃げた男が死亡した男性の財布を奪ったと見て、男の行方を捜査しています。
捜査本部が置かれている柏警察署から中継でお伝えします。
捜査本部が置かれている柏警察署です。
事件の発生から1日半がたちました。
きょう午前中までに、事件に関する一般からの情報提供が53件あったということですが、今のところ、男に結び付く有力なものはないということです。
昨夜は事件が起きたのと同じ時間帯に、現場付近で聞き取りを行い、車のドライバーなどに、事件当時に通らなかったかや、不審な人物を目撃していないかなどを尋ねていました。
また男が奪った車が乗り捨てられていたコンビニエンスストアでは、引き続き、聞き込み捜査や、周辺の雑木林の捜索を行い、男の足取りを調べるとともに、男と見られる防犯カメラの映像を解析するなどしています。
また機動隊などを動員して、学校の登下校の時間帯に合わせて警戒に当たるとともに、男の似顔絵のチラシを配るなどして、情報提供を求めることにしています。
柏警察署からお伝えしました。
おととい午後11時40分ごろ、柏市の住宅街の僅か50メートルの範囲で、男が通りかかった人を刃物で刺したり、車を奪ったりするなどして、近くに住む会社員の池間博也さんが刺されて死亡しました。
警察は4件の通り魔事件と見て調べています。
男は3番目の事件で、車で通りかかった男性を刃物で脅して、現金3500円が入った財布を奪っていました。
また周辺には、池間さんの財布に入っていたと見られるカードなどが散乱していましたが、財布や現金は見当たらないということです。
このため、警察は男が池間さんの財布を奪ったと見て、現場に居合わせたタクシーのドライブレコーダーの映像や、男が奪った車が乗り捨てられていたコンビニエンスストアの防犯カメラに映っていた男と見られる映像の分析を進めて、行方を捜査しています。
柏市や周辺の小中学校では、きょうも児童生徒などが保護者などが付き添う中、集団で登校しました。
このうち事件現場から600メートルほどの市立柏第一小学校では、けさは午前7時45分以降にまとまって登校するよう児童に伝えました。
教職員が通学路を見守り、警察官も警戒に当たる中、子どもたちは保護者に連れられ、午前8時前、きのうに続いて、集団で登校しました。
続いては、この地図のこの国についてです。
今、国際社会を巻き込んで、緊迫した状況が続いているウクライナ情勢について、まるごとお伝えします。
同じ黒海の沿岸には、先日までオリンピックが開かれ、7日にはパラリンピックが開幕する、ロシアのソチが、すぐそばにありますよね。
そうですね、ここからもうすぐの所という印象ですね。
ウクライナでは、南部のクリミア半島をロシアが事実上掌握して、軍事的な圧力を強めています。
これに対して、欧米各国はロシアへの経済制裁を検討する一方、ロシアとウクライナの直接対話によって、事態の打開を図る動きも始まっています。
クリミア半島にある軍用空港内を行進するウクライナ軍の兵士たち。
しかし、道路を封鎖しているロシア軍の兵士が突然、威嚇発泡を行いました。
現場では、緊迫した状況が続いています。
一方、日本時間の昨夜、ロシアのプーチン大統領が行った会見。
ロシアが南部のクリミア半島を事実上掌握している今のウクライナ情勢について、必要に応じて軍事行動に踏み切る意向を示しました。
しかしその一方で。
現時点では必要ないという考えを明らかにしました。
対するウクライナ。
予備役の招集が進んでいるほか、志願兵も増えています。
募集事務所には、朝から多くの人が訪れました。
欧米各国は、ロシアへの経済制裁などについて検討を進めていて、ロシアが強硬な姿勢を崩さない場合は、ロシアを孤立化させる方針です。
こうした中、アメリカのオバマ大統領はドイツのメルケル首相と電話で会談し、国際監視団の派遣や、ロシアとウクライナの直接対話を通じて、事態を鎮静化させることが重要だという認識で一致しました。
またウクライナの暫定政権のヤツェニューク首相も4日、ロシア政府との間で閣僚レベルで協議を始めたとして、対話を模索していることを明らかにし、直接対話によって、事態の打開を図る動きも始まっています。
こうしたウクライナ情勢について、安倍総理大臣は。
ウクライナ情勢、どうなっていくんでしょうか。
ここから石川解説委員とお伝えしていきます。
石川さん、プーチン大統領が、クリミア半島について、今の状況では、軍事行動の可能性、なくなったと言いましたが、このことは、どう捉えますか?
この東ウクライナ、この辺りが、混乱した場合など、完全に軍事介入の可能性を排除することはできませんけれども、クリミアを、今いるクリミアを越えて、介入を拡大する可能性はかなり少ないと見ています。
きのうの会見で、プーチン大統領はいくつかのメッセージを出していますね。
重要なのは、クリミアをロシアに併合するつもりはない。
もう一つ、これはわれわれからすると、噴飯物なんですけれども、ロシアはクリミアで軍事行動をしていないと。
じゃあ、今いるのはなんですかと。
あれ?という。
そう抗弁してると。
これもシグナルだと思うんですね。
どういうシグナルなんですか?
つまりウクライナの軍事政権、アメリカに対して、出方によっては、元のさやに納まる用意があるということなんですね。
つまり、クリミアを掌握したということは、当面、目的は果たしたと。
ここから外交を始めようということだと思うんですね。
ウクライナの暫定政権というのは、革命政権です。
こうした革命の防御を止めるという、革命の波及を止める防御というのが、ロシア側が今回の軍事行動を正当化する論理なんですね。
革命政権が今後、合法性、正当化を掌握するプロセスに、ロシアの意向、権益も十分反映させるということで、ただですね、無血でクリミアを、今のところ、掌握したといっても、軍隊どうしのにらみ合いが各地で続いていて、偶発的な戦闘が起こる可能性があって、私は、プーチン大統領、ロシア自身が危険な賭けをしているように思えますね。
その緊迫するウクライナについて、もう少し聞いていきますが、親欧米、親ロシアとなってますね。
これ、地域ごとに特色のある国だというふうにいえるんでしょうか?
ちょっとクリミアはあとで、ちょっと特殊なんでですね。
この親ロシア、親欧米、東と西ということですが、一つ重要なのは、ウクライナという国を、両方とも分裂させようとは思ってないんですね。
まず西のほうからいきますと、西部リビウという町があって、私も行ったことあるんですけど、とてもきれいな街ですね。
どちらかというと中東欧の、例えばポーランドの街、そういう印象があるんですね。
宗教もカトリックで、ヨーロッパ的な街なんです。
というのも、この周辺というのは、根っからの、実は反ロシアなんですね。
なぜかというと、それは歴史的な背景があって、ここがロシア領、あるいはソビエト領になったのは、第2次大戦中のことで、ソビエト軍によって軍事占領されたと。
それで…をとるようになった。
そのために親欧米とともに特徴は反ロシアなんですね。
これに対して、東部、このドネツク。
旧ソビエトという大きな大国を支えた、ものすごい重工業地帯ですね。
鉄鋼であるとか、炭田であるとか、あるいは軍需産業とかあってですね、しゃべるのは主にロシア語で、ロシア正教もあると。
ウクライナ経済を今も支える大工業地帯なんですね。
ここは親ロシアというのはどういうことかというと、ウクライナなんだけども、ロシアとの関係も大事にしたいという考えです。
ただそのことが、じゃあ、この人たちは、みんな、ロシアに入りたいと思ってるかというと、そんなことはないんですね。
ただ、ウクライナという国は保ちながらも、ロシアとの関係を大事にしたい。
そういう意味で親ロシア。
そして、こちらのほうは、どちらかといえば、反ロシアという、そういう違いがあると思うんですね。
歴史も産業もやっぱり違うんですね。
そうですね。
このウクライナ情勢なんですけれども、経緯というのをいったんまとめますね。
こちらのほうに、パネルに変えます。
この経緯ですけれども、まずEUとの関係強化を求めて、大規模な抗議デモが起きたと。
そして、ロシアとの関係改善を掲げたヤヌコービッチ前政権が、これによって崩壊して、そして欧米寄りの暫定政権が発足しました。
これを受けて、ロシア軍部隊が活動を活発化して、クリミア半島を事実上掌握したという流れでした。
そうです。
じゃあ、このクリミア半島に注目しますが、なぜ、これ、クリミア半島なのかということで、石川解説委員に聞きました。
まずキーワード、ロシア人の血というのがあって、さらに、人口の6割がロシア人、ロシア黒海艦隊司令部があるといった特徴がある。
石川さん、このロシア人の血というのは、どういうことなんでしょうか。
クリミアがロシア領となったのは、エカテリーナ女帝のときで、18世紀後半なんですね。
まさに地中海の出口、ロシア海軍の拠点、艦隊のあるセバストーポリというのは、日本でいいますと、例えば佐世保とか横須賀みたいなもんですわね。
ロシア海軍というと、セバストーポリの海軍基地という。
しかもこのロシア人の血というのは、多くのロシア人の血が流れているということなんですね、クリミアには。
例えば19世紀、ロシアとイギリス、フランス、トルコが戦争となったクリミア戦争、まさにクリミアが大激戦地、あるいは第2次大戦も、ロシアと、このナチス・ドイツの激戦地となった。
つまり多くの血が流れているということなんですね。
地中海をにらむ海軍の拠点としての戦略的な重要性はある。
それはあるんですけれども、こうした歴史が、祖先の血が流れているという歴史が、クリミアに対するロシア人の特別な思いをかきたててるんですね。
しかも今も人口の6割がロシア系ということで、本当そうですね。
これは実は、ソビエト時代の1950年代までは、ソビエトの中のロシア共和国の領土だったのが、ソビエト指導部の、言ってみれば気まぐれで、ウクライナに配置替えになったと、帰属替えになった。
そういうことですから、現地に住んでる住民も、あるいはロシア人も、これは本当はロシアの領土だという思いが強い土地なんですね。
非常に、もう心の中で大事に思っているのかなという気がしますけれども、このじゃあ、クリミア半島、改めて何が起きているのかというのを見ていきます。
先ほどもご覧いただきましたが、クリミア自治共和国では、ロシア軍とウクライナ軍が、にらみ合った状況が続いています。
フランスの放送局は、双方の軍の部隊の緊迫した姿を取材して伝えています。
断固たる足取りですが、所持する唯一の武器は、愛国的な歌の数々といった様子です。
ここはわれわれのものだ。
心の叫びを発するウクライナ兵たちは、自分自身の基地に閉じ込められ、包囲するロシア軍は、100メートル後方にバリケードを築いています。
さあ、撃てよ、この野郎。
威嚇射撃です。
この映像はウクライナ軍自身によるものです。
止まれ、止まるんだ!司令官だけ前進しろ。
さもないと、足元を狙うぞ。
ウクライナ軍司令官が近寄り、ロシア兵との会話を試みます。
ロシア軍はきのうから、セバストーポリに程近いレブニク空軍基地を掌握しており、軍用トラックが滑走路を横切るように配置され、ウクライナ軍機の離陸を阻止しています。
ロシア軍は、この空軍基地内の戦略拠点をすべて制圧し、武器弾薬庫への入り口も封鎖しています。
そして、ウクライナ兵らは、事務棟に隔離状態です。
包囲されたウクライナ軍の無力さを表明するかのように、コミュニケーションを実践すべく、司令官のもとへと案内してくれます。
しかし中には、もはや諦め、見捨てる覚悟のように見える部下たちもいます。
戸惑いと沈黙。
深く亀裂の入った国さながらです。
石川さん、今、VTRでウクライナ軍の兵士が持っていた旗は、旧ソ連の国旗にも似ていましたね。
そうですね、赤い旗ですね。
それからかまと紋章と。
これですね?
そうですね、これは旧ソビエトの赤軍の旗ですよね。
つまりこれは、要は旧ソビエトと同じ部隊だったということを示してるんですね。
だから兄弟で撃てないと。
お互い知り合いである可能性も強いですからね。
だからそれが今、敵、味方に分かれてるという状況といえるわけですね。
先ほどまさに、隣人ですとか、兄弟ということばが出てきていましたが。
じゃあ、こういう状態、ロシア、これからどうしようとしているのかというところですけれども、見てみましょう。
こういった選択肢がありうるのではないかということですね。
まあ、これがすべてですね、選択肢を挙げたんですけれども。
クリミア半島を元に戻す、独立させる、ロシアに編入させると。
それぞれどんな選択が?
われわれ国際社会、ウクライナとしては1ですね、1が絶対の条件ということなんですけれども、ロシア、プーチン大統領はきのうの記者会見で、この3の可能性のことは考えてない。
彼の発言を信じれば、これは考えていない。
そうしますと、プーチン大統領はこれから何をしようとしているのか。
クリミアで住民投票とかも行われると。
1か2かということですね。
僕は1と2を混ぜたようなものを、落としどころとして、考えてる可能性はあると思うんですね。
混ぜたものというのは?
つまり、クリミアというのは、自治共和国です。
自治権がある。
その自主権といいますか、自治権をもっと強める。
例えば外交の権限を取る。
その中でロシアの権益、つまり海軍基地、これを維持していくと。
つまりクリミアにウクライナがなかなか手出しができないような形で、ウクライナの中でもですね、とどめていくのがロシアの権益を維持するというような落としどころを考えている可能性はありますね。
ロシアがさらに強硬に出る可能性というのはあるんでしょうか?
ロシアもこれ以上のエスカレート、緊張が高まるということは望んでない。
クリミアは無血で掌握しました。
でも親ロシアといわれる東ウクライナ。
じゃあ、ロシア軍が入っていけば、どうでしょう。
僕は無血では済まない、これはもう戦争になると思いますね、ウクライナが。
そうなるとアメリカとの関係は、決定的に悪化すると思うんです。
東部は親ロシアといっても、ロシアに入ることは望んでないわけです。
そうすると、親ロシアはロシア軍が入ってくると、反ロシアになる可能性が強いと思うんですね。
ウクライナのもう一つは経済ですよね。
14兆円、対外債務の総額が14兆円で、外貨残高は、その10分の1しかないんです。
つまり債務不履行の寸前。
じゃあ、債権、誰が持っているか、ロシアとドイツ、ヨーロッパ。
債務不履行になったら、ロシアもヨーロッパも困る。
そういうことですから、なんらかの形の妥協はしたいということは、ロシアも考えていると思います。
では、ウクライナ情勢、こういうことがよくいわれています、冷戦時代の再来かということですが、国際社会、どう対応すべきかということで、これ、一気に見ていきましょう。
どうするアメリカ、そして鍵を握るドイツ、暫定政権、ロシア、欧米などがテーブルに、そして日本の役割ということで、それぞれどういう?
ケリー国務長官はきのうのウクライナ訪問で、かなり慎重な発言になってますから、アメリカも動くかもしれないけど、ただアメリカとロシア、今、売りことばに買いことばという状況ですから、なかなか直接対話というのは難しいかもしれませんね。
そうしますと、出てくるのはドイツだと思います。
やっぱりヨーロッパ随一の大国でですね、ロシアとの関係、メルケル、プーチン、電話会談、何度もやってます。
ウクライナの暫定政権との関係もいい。
このドイツが仲介すると、それで、ともかく交渉を始めなきゃいけない。
直接対話というのは、話も出ましたし、あるいはこの欧米を交えて、同じテーブルに行って、例えば、ウクライナの経済危機をどうするかというのと、政治解決を同時のテーブルで、パッケージとして、そういうテーブルにつく。
そこの中ではドイツというものが大きな役割を。
日本の役割というのは、僕は過小評価してはいけないと思います。
日本外交の出番はあると思うんですね。
やる気さえあれば。
というのは、日本はウクライナともいい関係、ロシアとも安倍・プーチンで、いい関係ですね。
西側の一員ということ。
しかも、ウクライナ経済危機の解決ということになると、必ず日本の出番は来ます。
それは金融支援ということから、アメリカの財務長官が、早速、麻生財務大臣に電話をかけてきたというのは、そういう意味。
そういうときに、日本も、その財政支援の中で、こういうテーブルに作っていく役割というのは十分できる。
もう一つ、安倍政権は今、日ロ関係を動かしたいと思ってる。
そうすると、ウクライナ危機がますます深まって、米ロの対決がますますひどくなったら、これは日ロ関係を動かすどころではないですよね。
日ロ関係を動かそうと思うんだったら、ここでウクライナ危機をなんとか解決して、米ロを融和させると、これは日本外交の出番、力の見せどころだと思いますね。
ウクライナ情勢、これからの注視していく必要がありますね。
石川解説委員とお伝えしました。
そして先ほど、全国のニュースでお伝えしましたが、愛知県豊田市の山林に、2人が乗った小型飛行機が墜落しました。
現場で1人の遺体が見つかりました。
そして現場付近の映像が入ってきました。
きょう午後0時半過ぎ、豊田市ささばら町で、山林に飛行機らしきものが墜落するのが見えたという通報がありました。
警察と消防が現場で確認したところ、小型飛行機の機体がばらばらに大破しているのを発見したということです。
消防によりますと、現場で1人の遺体が見つかったということです。
警察によりますと、墜落したのは、2人が乗った小型機で、愛知県小牧市の県営名古屋空港を午前11時39分に出発し、周辺を飛んで、3時間後に空港に戻る予定だったということです。
では次です。
先週の金曜日、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケットが打ち上げられました。
このロケットでは、日米が共同で開発した雨の観測衛星のほかに、宇宙センターのある鹿児島県内の大学の学生が中心となって開発した、超小型衛星も打ち上げられました。
開発段階からロケットが打ち上がったあとまで、トラブルが相次ぐ中、大プロジェクトに挑んだ学生の奮闘ぶりを取材しました。
今回、H2Aロケットには、鹿児島大学の学生が中心となって開発した人工衛星など、全国各地の大学が開発した7つの超小型衛星が搭載されました。
鹿児島大学大学院の学生で、プロジェクトマネージャーを務める森田大貴さん。
打ち上げを見守りました。
鹿児島大学で開発された人工衛星KSAT2です。
およそ10センチ四方の箱形で、重さはおよそ1.7キロ。
集中豪雨や竜巻の発生を予測する、防災の研究に役立てることが目的です。
鹿児島大学で衛星が開発されるのは、今回が2度目です。
KSATの1号機は4年前、初めての鹿児島産の衛星として打ち上げられました。
KSATは、およそ400キロ上空から電波を発信します。
雲など水蒸気の濃度が高い所では、電波が通るスピードが遅くなります。
電波を地上にある複数のアンテナで受信することで、水蒸気の量や広がりを観測し、異常気象の予測に役立てる計画でした。
しかし、電力不足から1号機が地上と通信できたのは、僅か1週間。
宇宙で行方不明になってしまいました。
鹿児島大学大学院の大気観測の研究室です。
森田さんたちは電力不足を解消するため、2号機には、羽のように広がるパドルを取り付け、ここに太陽電池を追加することにしました。
1号機よりもおよそ50%多い電力を確保するねらいです。
しかし、JAXAに衛星を引き渡す5日前。
改良の鍵となったパドルを開く指示を送っても、動かないなどのトラブルが発生していたのです。
限られた時間で、プログラムの修正と点検作業を余儀なくされました。
一方で、森田さんはこの2年間で無数のトラブルを対処してきました。
今回も問題と冷静に向き合い、解決への筋道を立てることができました。
徹夜で点検作業を続けた末、JAXAの試験施設がある大阪に向かう日の朝を迎えました。
予定より1時間遅れの出発で、約束の時刻に間に合いそうにありません。
しかし、精密な人工衛星を運ぶのに、焦って衝撃を与えるわけにはいきません。
慣れない人混みの中、細心の注意を払い続けます。
結局、JAXA側に1時間近く待ってもらい、衛星の最終チェックを受けることができました。
森田さんたちは、打ち上げ用の箱に、衛星を差し込みました。
そして迎えた打ち上げ当日。
思わぬトラブルが発生します。
打ち上げのあと、種子島宇宙センターでは、衛星を開発した7つの大学の代表が、それぞれの衛星が軌道に投入されたか、状況を見守っていました。
ほかの大学の衛星からの電波が受信されたという連絡が次々に入る中、KSAT2は、地上との通信が取れない状態に陥っていました。
森田さんは、大丈夫だと必死に自分に言い聞かせていました。
森田さんたちは打ち上げ後、大学の研究室に戻り、KSAT2が再び日本の上空を通過するタイミングで、電波の受信を試みました。
そして、打ち上げから半日以上たった午後6時40分。
なんか来た。
いた!
いた!いた!
衛星からの電波の受信に成功したことを示す、大きく跳ね上がる波形を確認できました。
いや、本当に返ってきてよかったですね。
そうですね。
さて、鹿児島放送局には、取材に当たった鈴木有記者がいます。
鈴木さん、4年前のKSAT1号機は、通信がうまくいかなかったようですが、今回の2号機の通信状況というのはその後、順調なんでしょうか?
KSAT2は打ち上げから5日たった今も、順調に通信が行われています。
計画どおり、地上からの指令に応じて、衛星からさまざまなデータを地上に送ることもできるようになり、順調な滑り出しといえます。
一方で、人工衛星としての役割は、これからが本番です。
KSAT2は、昼夜を問わず日本の上空を通過するため、学生たちは交代しながら、およそ3か月間にわたって、水蒸気などを観測し、実際の雨量と比較しながら、研究を進めることにしています。
人工衛星の開発に挑んだ鹿児島大学の学生たちの奮闘でした。
続いては、にじまると各地の空を散歩するにじさんぽです。
気象予報士の加藤さんです。
こんにちは。
東京は朝から雨ですね。
しかも気温が低くて、真冬の寒さですから、冷たい雨となっています。
それでは空の散歩に出かけましょう。
こちらは北海道函館市です。
建物の上には雪が積もっていますね。
そうですね。
昨夜からけさにかけては、一気に雪が降り積もりまして、明け方には一時、50センチの雪が積もりました。
こちらは雪が降ってますね。
群馬県草津町です。
屋根の上などにも、結構積もってますよね。
きょうは雪が続いています。
草津町はもうしばらく、雪の降りやすい状態が続きそうです。
こちらは佐賀市の佐賀城本丸歴史館です。
佐賀城公園では9日に、春まつりが開かれます。
春の花の寄せ植え体験や、佐賀城のお堀を巡る遊覧船の運航が行われるそうです。
次は、日本の歴史が大好きという外国人女性をご紹介しましょう。
こちらの和服姿の女性。
歴史上の話を語り聞かせる、講談の世界に飛び込んだアメリカの女性です。
去年、大阪で、上方講談では初の外国人講談師としてデビューしました。
上方講談は、大正時代に盛り上がりを見せますが、戦後、客足は減り続けています。
なぜ、アメリカの女性が講談に取り組むのか。
その思いを聞きました。
去年11月、大阪で開かれた上方講談の公演。
一人の講談師がデビューしました。
旭堂南春の名をもらった、アメリカ人のハルコ・ローズさんです。
講談師になろうとしたって、なんでなんですか?
7年前、日本に住み始めたローズさん。
日本の歴史に触れるにつれて、講談に引かれていき、去年2月、ついにこの世界に飛び込みました。
しかし、その道は険しいといいます。
師匠の旭堂南陵さんは、外国人ならではの課題があると指摘します。
台本には、ふりがなや線がびっしり。
努力するも、1年生のローズさんには、大きな壁です。
講談だけできればいいわけではありません。
師匠や先輩の公演では、手伝いをしなくてはいけません。
師匠の着物を着付けるのも、ローズさんの役割です。
日本語の壁、そして習慣が分からず、講談師をやめようと思ったことがあるといいます。
それでも南春として続けてこれたのは、日本の歴史のおもしろさを、聞いてくれる人たちがいることでした。
日本の歴史を愛す、アメリカ人のローズさん。
きょうも講談師、南春の道を歩み続けます。
ローズさんがアメリカの家族に英訳した台本を渡して、日本語で講談したところ、もっと聞きたいと好評だったということです。
師匠の南陵さんも、英語落語ならぬ、英語講談をやりたいと意欲を見せていて、ローズさんの入門をきっかけに、講談が海外に広まるかもしれません。
トクする日本語です。
杉原満アナウンサーです。
こんにちは。
きょうはですね、ことば以外のコミュニケーションの手段について考えたいと思います。
例えば、小澤さん、終わったら、どう?
あっ、飲み?行きます。
まあ、分かりますよね。
分かりました。
身ぶり手ぶりで伝えるジェスチャー、これもことば以外で意思を伝える手段ですけど、これが、必ずしも…。
でも今、なかなか、これ、やらなくないですか?
これはね、昔のやり方ですね。
今、こうかもしれないです。
ただ世界共通ではない、国によって違うということがあるんで、注意が必要なことがあるんですね。
例えば、こちらの国。
東ヨーロッパのブルガリアですね。
こちらでは、コミュニケーションの最も基本的な部分で、日本とぜんぜん違うジェスチャーがあるというんですね。
そこで、あの人に確かめに行ってきました。
琴欧洲関。
皆さんご存じ、佐渡ヶ嶽部屋の琴欧洲関は、ブルガリアの出身。
日本に来て12年目です。
ふるさとブルガリアのジェスチャー、日本とどう違うのでしょうか。
そこで琴欧洲関も大好きだというヨーグルトを使って、ジェスチャーをしてもらいました。
え、え?どういうことですか?
本当に逆なんですね、反対。
ブルガリアでは、首を横に振れば、はいの意味で、縦に振れば、いいえの意味になるというんですね。
だから知らないと、コミュニケーションが。
琴欧洲関も日本に来て、逆に思わなかったんでしょうかね。
そうかというところですが、そんな琴欧洲関も、今ではすっかり日本に慣れたそうです。
このね、ぺこぺこと頭を下げるというのは、日本人特有の動作ですね。
まもなく春場所です。
琴欧洲関、大好きなヨーグルトを食べて、春場所も頑張ってくれますよね。
はいとおっしゃっているわけですね。
やっぱりちょっと慣れないですね。
慣れないですね。
日本では、はいと言うと、首を縦に振りますが、ブルガリアでは横に振ると。
いいえが、日本は首を横に振りますが、ブルガリアでは縦に振るということなんですね。
ブルガリア以外でも、こういうことがあって、例えば、インドでは、はいと言うときに、首を横にかしげたり、考えてるみたいに。
あるいは左右に振る場合もあるんだそうです。
分からないっていうふうに思っちゃいますけどね。
ですから、ことばがもともと分からなかったりしたら、ジェスチャーも違っていたりして、本当にコミュニケーションが難しくなりますね。
このほかにも、日本と違うジェスチャー、要注意のものがあります。
例えば、日本人はいらないとか、違うという意味で、手を横に振りますよね。
これは欧米では通用しないんだそうです。
欧米では、これは、臭い、臭いと言っているという。
そうなんですか。
ですから、変にいらないという意味でやったら、大変失礼なことになる。
何を言いだすんだって思われちゃうかもしれません。
そうかもしれませんね。
ほかにも例えば、人を呼ぶときに日本では、よく、こう、手を下にして、こっちこっちって呼びますよね。
これがアメリカなどでは、人を呼ぶときは、普通、手を上に向けるんだそうです。
こっち、こっちと。
手を下に向けてしまうと、これは、あっちに行けという意味だそうです。
あっ、そっか、こういう動きって考えられる。
どっちか分からないですもんね。
ですから、、おいでっていうつもりで来るな来るなって、言ってることになってしまうこともあるということなんですね。
本当、ジェスチャーって、なんとなくで使ってしまいますけれども。
便利な気もしますけどね。
国によって違うこともあるということですので、外国に行くときには、その国の習慣をあらかじめ調べておいたほうがいいかもしれません。
そうですね。
ということですね。
きょう、ジェスチャーについてでした。
トクする日本語、杉原アナウンサーとお伝えしました。
では次は気象情報です。
加藤さん、各地で雨はどんな降り方ですか?
太平洋側で雨の降り方、強まっている所があります。
まずはレーダーで雨雲の様子からです。
この時間は、東海周辺で発達した雨雲があります。
雨足が強まっている所があり、大気の状態も不安定です。
関東南部でも雨の降り方、次第に強まってきました。
このあとの雨の予想です。
関東地方では、このあと夕方から夜にかけてが、雨のピークとなりそうです。
こちらは夜の7時です。
帰宅時間帯、雨が強まる所があるでしょう。
沿岸部から伊豆諸島にかけては局地的には激しい雨が降るおそれがあります。
この発達した雨雲は、今夜遅くには、東の海上へと抜ける見込みです。
一方、あすになりますと、北海道、それから東北から山陰にかけて、日本海側は広い範囲で雪となる見込みです。
雪の量が多くなる所もあるでしょう。
このあとは、風が各地で強まってきて、広く荒れた天気となりそうです。
特に北日本中心に、暴風雪に警戒が必要です。
さて、1年前も北海道では、猛吹雪によって、大きな被害を受けました。
こちらは去年3月の北海道中標津町の様子です。
雪や風が非常に強く、視界が悪くなりました。
雪に埋まって動けなくなり、立往生した車も相次ぎました。
今回も北海道を中心に、猛吹雪になるおそれがあります。
また停電などにも注意してください。
では天気図です。
今、日本付近、日本海と南岸、2つの低気圧が進んでいます。
このあと、この南の低気圧は、今夜にかけて、関東の南へと進んできます。
関東周辺では、このあと雨が強まるでしょう。
落雷や突風などにもご注意ください。
あすは東の海上で低気圧が発達して、日本付近は強い冬型の気圧配置になりそうです。
南からの暖かい空気、それから、これから日本付近に流れ込む真冬の寒気、いずれも強いですから、低気圧は急速に発達しそうです。
全国的に風が強まりそうです。
特に北日本では、非常に強い風の吹く所があり、立っていられないくらいの暴風になるおそれもあります。
また雪も降りますから、猛吹雪になる所もあるでしょう。
低気圧の動きは比較的遅いですから、荒れた天気が長引くおそれがありますので、ご注意ください。
では、あすの全国の天気です。
北海道から山陰にかけて、日本海側は広く雪で、ふぶく所も多いでしょう。
関東から西の太平洋側では、晴れる見込みですが、北寄りの風が強めに吹きそうです。
予想気温です。
あすの朝は冷え込みが強まる所が多いでしょう。
名古屋は最低気温3度の予想です。
日中もあまり上がりません。
晴れる地域でも10度以下となる所がほとんどとなります。
それに強い北風が加わりますから、体感的にはもっと寒く感じそうです。
2014/03/05(水) 14:05〜14:55
NHK総合1・神戸
情報まるごと[字]
▽柏通り魔事件の捜査は ▽緊迫ウクライナ情勢 【キャスター】小澤康喬,實石あづさ,【気象キャスター】加藤祐子
詳細情報
出演者
【キャスター】小澤康喬,實石あづさ,【気象キャスター】加藤祐子
ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 天気
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