花嫁のれん #53【求愛!? 出演:羽田美智子 野際陽子】 2014.03.19

(俊平)金沢はいいところです。
歴史もあって武家町の風情も漂いその上茶屋街などの華やかさもある。
(咲子)そうですね。
私もまだ住んで半年もたっていませんがとっても好きになりました。
(俊平)金沢もいいですが咲子さんには僕の実家がある能登にも来てほしいなって。
(咲子)ええ。
ぜひ。
(増岡)ほれでは奈緒子さん。
もし何かありましたらボンチと咲子さんのことくれぐれもよろしくお願いいたします。
(奈緒子)はあ。
(増岡)繰り返し申し上げます。
(奈緒子)ああっ!
(増岡)一度はデートを断られ咲子さんを諦めかけとったボンチにもう一度デートに誘うようにほのめかしその気にさせたんは奈緒子さんあなたです。
ほれでは。
はあ。
ああ。
もう。
えー?ああー。
やだよ。
(照子)どうしたんですか?ああっ!
(照子)ほんな深いため息なんかついて。
ああ。
いえいえ。
(照子)ああ。
(照子)まあ宗佑坊ちゃまのことで色々大変ですさかいね。
それよりも大変かも。
えっ?あっ。
いえ。
(従業員)ありがとうございました。
(咲子)こんなにすてきなお店に連れてきていただけるなんて。
お料理もとてもおいしいです。
(俊平)そう言っていただけてよかったです。
(咲子)うーん。
これもすごくおいしい。
フフフ。
(俊平)あのう。
(咲子)何か?咲子さんと一緒に行ってみたいところがあるんです。
どこですか?実家のある能登の千枚田です。
千枚田?
(俊平)はい。
正式には白米千枚田といって能登の世界農業遺産のシンボル的存在なんです。
小さな田んぼが幾何学模様を描いて延々と海岸まで続いてるんですよ。
春から夏は海に沈む夕日が田んぼに映ってそれは本当に美しいんです。
(咲子)へえー。
そんな名所があるんですね。
僕は咲子さんにその夕日を見てもらいたいんです。
じゃあいつか能登のその千枚田に連れていってください。
あのう。
咲子さん。
(咲子)はい。
僕と…。
僕と真剣に交際してくれませんか?えっ?
(俊平)いかがでしょうか?私は…。
私は仲居です。
ですが俊平さんはいずれ柿沼を継ぐお方。
真剣に交際といってもいずれは別れなければならないことになると思います。
ですからたまにこうしてデートをするくらいの仕事仲間の方がいいのではないかと。
以前は先輩と後輩と言われデートを断られました。
だから今日はとてもうれしいです。
僕は仲間以上になりたいんです。
(咲子)俊平さん。
はっきり言います。
僕は咲子さんに結婚を前提にお付き合いしていただきたいと思っているんです。
えっ?
(俊平)初めてのデートでこんなことを言うのは先走り過ぎだっていうことは分かってます。
でもあのう。
さっきも言ったように俊平さんと私とでは…。
(俊平)僕は僕のそばで咲子さんに一生支えてもらいたいんです。
支える?
(俊平)はい。
落ち込んだとき悩んだときに咲子さんにドンマイって言ってほしいんです。
あの言葉を聞くと僕はもう一度頑張ってみようっていう気になれるんです。
今お話しした能登の千枚田の夕日を一緒に見てもらえませんか?俊平さん。

(今日子)ありがとうございました。
(今日子)ああ。
いらっしゃい。
奈緒子珍しいわねこんな時間に。
今日はお客さまが少ないから早めに上がらせてもらったの。
ねえ?咲子さんは?
(今日子)えっ?まだ帰ってないけど。
何よ。
そんなに2人のデートが心配?そうじゃなくて。
ちょっと困ったことが。
(咲子)ここまででいいです。
もう近くなので。
そうですか。
(咲子)はい。
今日は一日金沢を案内していただきありがとうございました。
おいしいお昼までごちそうになってしまって。
いえ。
それじゃ僕はここで。
それと…。
すごく楽しかったです。
本当にありがとうございました。
咲子さんなら女将の素質があると思ってるの。
奈緒子もちゃんと考えて2人の世話を焼いてたんだ。
当然よ。
俊平さんは老舗旅館のご長男で跡継ぎだし女将になれる人じゃないと。
でもちょっとそこまで考えるのは気が早過ぎるんじゃない?そうなんだけど俊平さんにはお見合い話が持ち上がっちゃってるし。
それにね何か急展開しそうな気がして。

(戸の開く音)・
(咲子)ただいま。
あっ。
おかえりなさい。
咲子さん。
(咲子)奈緒子さん。
いらしてたんですか?ええ。
(今日子)おかえりなさい。
(咲子)ただいま。
(今日子)ねえ。
どうだった?初デートは?どうかしたの?えっと…。
奈緒子さん。
うん?奈緒子さんには正直に話します。
私俊平さんに真剣に交際してほしいと言われました。
真剣に?じゃあ。
はい。
結婚を前提にお付き合いしてほしいと。
ホントに?
(今日子)初デートで?それで咲子さんは何て?あのう。
「はい」と。
うわぁ。
おめでとう。
咲子さん。
(今日子)おめでとう。
よかったじゃない。
ホント急展開だ。
はい。
ありがとうございます。
ですが俊平さんのご両親に許していただけるかどうかそれが心配で。
ああ。
それはそうだけど。
でも一番大事なのは2人の気持ちなんだから。
(今日子)そうよ。
そんなね親の勧める家同士のお見合いなんて俊平さんに断ってもらえばいいんだから。
(咲子)えっ?見合い?
(今日子)あっ。
えっ?俊平さんお見合いのお話でもあるんですか?あっ。
そのね…。
いや。
あのう。
俊平さんはまだ知らないんだけど実は今日ご実家からその件で連絡があって。
そうですか。
ハァー。
仕方ないわよね。
結婚を考えて付き合いだそうってときにお見合いの話なんだもん。
うーん。
(宗佑)さてと今日も一日かぐらや名物小籠包のために頑張るぞ!ハハハ。
あ痛っ。
(宗佑)ああー。
ごちそうさま。
さてと今日も近江町市場に行ってくるとするか。
いい食材を卸してもらうにはまず市場の人と仲良くなんないとな。
(翔太)フフフ。
(宗佑)フフフ。
お母さん。
(志乃)分かっとります。
(志乃のせきばらい)
(志乃)宗佑。
はい。
あんたには今日から村田さまにご紹介していただいたお土産物屋さんに行ってもらいます。
(辰夫)うん。
(宗佑)だから母さん。
俺は小籠包のさ…。
いいえ!行くんです。
せっかく村田さまが探してきてくださった仕事先や。
何が何でも行ってもらわんことにはうちとしては困ります。
村田さまのお顔をつぶすことになりますさかいね。
お母さんのおっしゃるとおりです。
村田さまはこのかぐらやにとって大事なご意見番なんだから。
(照子)まさにほのとおりです。
かぐらやのためにもよろしくお願いいたします。
(幸)そうだよ。
村田のおじさまにはホントかぐらやをごひいきにしていただいてるんだから。
(幸)幸の女将襲名のときは村田のおじさまに後見人になってもらうつもりなんだし。
いや。
そうは言ってもさ…。
(幸)宗佑叔父さんも神楽家の人間ならそこんところ分かってもらわないとホント困るんです。
(宗佑)分かったよ。
行きますよじゃあ。
でも取りあえずだからね。
これ覚えといてくれよ。
俺は取りあえず村田さまの顔を立てるためだけに行くんだから。
ほいじゃいってきます。
うん。
えっ?俺ホントに行くのかよ。
えっ?何で俺が。

(宗佑)ありがとうございました。
お箸。
いかがですか?
(女性)あっ。
(宗佑)金沢のね名工が作ったお箸なんですよ。
(女性)へえー。
(宗佑)あっ。
こちらのお箸なんかいいですよ。
愛するご主人とめおと箸。
何かねこうもう新婚のころに気持ちが戻った感じがして幸せになれますよ。
(女性)頂こうかしら。
ああ。
そうですか。
ありがとうございます。
(知子)どうしたんでしょうね咲子さん。
昨日デートだったからもっとうれしそうにしてもいいのに。
(弘美)そうよね。
お客さまの前では笑顔なんですけど朝から一人になるとあんな調子で。
(亜希)何かおかしいですよ咲子さん。

(戸の開く音)
(俊平)奈緒子さん。
あっ。
俊平さん。
ねえ。
昨日ご実家からのお見合いの話聞いた?
(俊平)はい。
それで私も驚いてけさ一番に両親に電話をしてお見合いはするつもりはないとはっきり伝えました。
私にはもうそのう…。
咲子さんから聞いてます。
結婚を前提に俊平さんとお付き合いすることになったと。
よかったわね。
(俊平)はい。
ありがとうございます。
咲子さんがお受けしてくれただなんて今でも夢のようです。
それで両親にも正直にそのことを伝えました。
結婚を決めた人がいると。
そう。
それでご両親は何て?その女性に会ってみたいと。
よかったじゃない。
会ってくださるなら。
(俊平)いや。
それが喜んで会うという感じじゃなくて。
(増岡)咲子さん一人で柿沼まで来させるようにと。
一人で?
(増岡)はい。
たぶん旦那さまも奥さまもボンチのご実家である柿沼の伝統と格式を咲子さんにお見せして自分から諦めさせようとしておいでではないかと。
そうと分かっていて一人で行かせるわけにはいきません。
やはりここは両親の申し出を断ろうと思っています。
(増岡)奈緒子さん。
何かいいお知恵はございませんでしょうか?ここはご両親がおっしゃるように咲子さんに一人で行ってもらってはどうですか?えっ?いやぁ。
でも…。
結婚を前提に付き合うことになったのなら咲子さんは俊平さんのご実家とはいつかはちゃんと向き合わなくてはいけないんです。
だったら今ご挨拶に伺うのはいいのではないかと。
(俊平)いや。
そうですが。
一人でなんて。
ボンチのご両親である柿沼の旦那さまも奥さまも老舗旅館の経営者。
ほして女将としての風格を備えたお方です。
ほんな2人を前にしたらさすがの咲子さんもどうしていいか分からなくなるんではないかと。
大丈夫です。
私が咲子さんと一緒に行きます。
はっ?
(俊平)えっ?いずれ柿沼さんには俊平さんのこともあるのでご挨拶に伺おうと思ってましたから。
奈緒子さんが一緒なら。
こんな心強いことはありませんが。
焼いた世話の責任は取らせていただきます。
能登に行かせてほしい?はい。
俊平さんのご実家柿沼に行かせていただきたいんです。
咲子さんと一緒に。
咲子さんと一緒に?どういうことや?それは。
実は俊平さんと咲子さんお付き合いを始めていて将来結婚をしたいと考えているようなんです。
えっ?結婚?はい。
ほこまで?俊平さんの気持ちは以前から私も知ってました。
それに咲子さんならお似合いだと思ってました。
ほやけど俊平さんにはご実家からのお見合いの話があるやろう。
そうなんです。
それで俊平さんがご両親に咲子さんのことを話したところ咲子さんを柿沼に来させるようにと言われて。
ほんでも何で奈緒子さんがついていくんですか?はい。
咲子さんのご両親はもうすでに亡くなってますので私が親代わりになって咲子さんのそばにいてあげたいんです。
大女将。
お願いします。
かぐらやの支配人である俊平さんと仲居である咲子さんのことです。
どうか私が力になることをお許しください。
勝手にするまっし。
えっ?私は何も知らんということや。
あっ。
はい。
ありがとうございます。
では勝手にさせていただきます。
では失礼します。
ハァ。
大女将。
よろしいんですか?勝手にしてもらう他ないわいね。
あちらの親御さんの気持ちも分かるさかいね。
まあほうでございますね。
ほんでも咲子さんは若いのにおもてなしの心もちゃんと分かっとるいい仲居さんです。
ほんでも俊平さんは老舗旅館のご長男さん。
親ならほれなりにふさわしい人と結婚させたいと思うがも当然でございますさかい。
ほんでも最近また奈緒子さんの様子がおかしいと思うとったらまた余計なことに首を突っ込んでおったんですね。
フフフ。
ホントやねぇ。
根っからの世話好きやね。
あの嫁は。
はい。
ほんでもホントにこのまま能登に行かせてしまわれていいんですか?うーん。
言うたように私は知らんことや。
奈緒子さんが勝手にすることやさかいね。
ほんでも行っても無駄やないかと。
咲子さんにはかわいそうですけどあの柿沼はこのかぐらや以上に伝統と格式を誇る老舗旅館。
あちらの旦那さまや奥さまはお身内の中でも一番格にこだわるお方です。
ほんでもまあどうなるかは分からん。
奈緒子さんが一緒や。
ほの奈緒子さんが見込んだ咲子さんや。
旅館の女将になる素質が咲子さんにはあると奈緒子さんが思うたさかい俊平さんのご両親に咲子さんを会わせてもいいと思うたんやろ。
まっここはあのえんじょもんの嫁の腕の見せどころや。
まあ。
ほういうことですね。
(咲子)えっ?私一人でご両親にお会いしに能登へ?
(俊平)どうか行ってはいただけませんか?ですが今日これからですか?
(俊平)僕が両親を説得できなくて本当に申し訳ないと思っています。
僕も咲子さん一人では行かせられないと思ってました。
けれど奈緒子さんが一緒についてってくれます。
奈緒子さんが?
(俊平)はい。
以前から僕の両親に挨拶したいと思っていてくださってたみたいで。
それに焼いた世話の責任は取るともほうおっしゃってくれて。
奈緒子さんがそうおっしゃってくださってるなら。
では…。
(咲子)自信はありませんが。
お会いしてきます俊平さんのご両親に。
咲子さん。
これだけは信じてください。
僕が咲子さんと結婚したいっていう気持ちはどうなろうと変わらないってことを。
俊平さん。
(俊平)うん?ああっ!あっち…。
あっ。
ごめんなさい。
(咲子)フフフ。
ここ能登の七尾湾に面してあるのが和倉温泉でございます
(女性)わくたまくん元気?わぁ。
カワイイ。
(咲子)ハァ。
ああ。
着いたわね。
ここが俊平さんの実家の柿沼がある能登の和倉温泉よ。
(咲子)いいところですね。
海も近くて。
そうね。
潮の香りもするわね。
あらら。
あっ。
ちょっと待って。
(咲子)あっ。
あちゃ。
あちゃちゃ。
(咲子)海の中から和倉の温泉は見つかったって知ってました?海の中から?
(咲子)はい。
何でもシラサギが傷を癒やしているのを漁師の人が見つけたのがきっかけらしいんです。
それで地名の和倉とは「湧く浦」つまり「湯の湧く浦」浦っていうのは入り江ってことです。
よく知ってるわね。
あっ。
そうか。
俊平さんね?はい。
こちらに来る前に能登のことを色々と教えていただきました。
自分に今できることはこれくらいだからって。
あとうまくいくように祈ってますとも言ってくださいました。
俊平さんらしいわね。
ええ。
じゃあ行きましょう。
その俊平さんの実家の柿沼へ。
はい。
もうすぐのはずなんだけどな。
(咲子)はい。
ちょっと聞いてくるね。
(咲子)お願いします。
ごめんください。

(従業員)はーい。
あっ。
いらっしゃいませ。
うわぁ。
花嫁のれん。
ありがとうございました。
あっ。
お待たせ。
こっちでよかった。
(咲子)こっち?うん。
合ってた合ってた。
(咲子)うん。
たぶんこっちだと思う。
(咲子)はい。
もしかしてあそこ?
(従業員たち)いらっしゃいませ。
柿沼。
ここだ。
ここが俊平さんのご実家?聞いてはいたけどやっぱり門からして伝統と格式を感じさせる立派な老舗旅館ね。
さあ行きましょう。
今日伺うことはご両親に俊平さんが伝えてくれてるから。
咲子さん?2014/03/19(水) 13:30〜14:00
関西テレビ1
花嫁のれん #53[字][デ]【求愛!? 出演:羽田美智子 野際陽子】

奈緒子(羽田美智子)はお詫び行脚から戻った宗佑(津田寛治)に再び金の工面を頼まれる。夢を諦めきれない夫の目を覚まそうと奈緒子と志乃(野際陽子)は手を組むが…。

詳細情報
番組内容
 奈緒子(羽田美智子)は、俊平(鈴之助)に見合い話があることを知る。増岡(中西良太)は奈緒子に、俊平の気持ちを後押しした以上責任があると言って、二人の恋が成就するよう最後まで応援してほしい、と訴える。
 一方、宗佑(津田寛治)は小籠包で商売をすることを諦めずにいた。そのことが原因で、家族は相変わらずのギクシャクした雰囲気に。
番組内容2
宗佑の問題に加えて、この咲子(田中こなつ)と俊平の一件に、奈緒子は頭を痛める。
 俊平が両親に咲子のことを伝えると、咲子一人で能登にある俊平の実家に来るよう言ってくる。俊平の実家は地元でも伝統を誇る老舗旅館だった。奈緒子は咲子に同行して二人で行くことを考え、志乃(野際陽子)に相談。すると志乃は「勝手にするまっし」と言って…。
出演者
神楽奈緒子:羽田美智子
神楽志乃:野際陽子
松本咲子:田中こなつ
柿沼俊平:鈴之助
藤沢瑠璃子:里久鳴祐果
神楽翔太:草川拓弥
神楽 幸:木村真那月
 ・
神楽宗佑:津田寛治
谷本照子:烏丸せつこ
神楽辰夫:山本 圭 ほか
スタッフ
原作・脚本:小松江里子
演出:杉村六郎
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
伊藤一尋(テレパック)
沼田通嗣(テレパック)
東田陽介(テレパック)
音楽:富貴晴美
主題歌:Do As Infinity「風花便り」(avex trax)
エンディングテーマ:SOLIDEMO「Next to you」(avex trax)
制作著作:テレパック
制作:東海テレビ
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【公式サイトURL】http://tokai−tv.com/hanayome3/、昼ドラ公式ツイッターアカウント@hirudoraTokaitv、LINEアカウント@hirudora、YouTube東海テレビ公式チャンネルも好評配信中!

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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