黒柳徹子:こちら、俳優座、花の15期生という事で、本当に、どの方も大ご活躍でいらっしゃいます。
この方、真ん中が今日のお客様なんですけども。
高橋長英さんでいらっしゃいます。
しばらくでございました。
黒:高橋長英さん、今日のお客様です。
高橋長英:よろしくお願いします。
黒:舞台、映画、ドラマと大活躍の俳優さんでいらっしゃいます。
高橋長英さん、今日のお客様です。
どうも、しばらくでございました。
高:ご無沙汰してます。
黒:そして、大変、存在感のある脇役としても皆さんも、よく見てらっしゃる方と思います。
それにしても、のっけから、なんでございますが、この頃はお友達が、なんかね…。
さっき、あれだけ、ずっと、こういう風に映してた中でも、随分、皆さんね…。
高:7人で事務所作ったけど、そのうちに3人が、もうね、亡くなりましたからね。
黒:そうなのね。
原田さんもいらしたけど、地井さん、夏八木さん。
高:竜崎君。
黒:そうだ、竜崎さん。
竜崎さんは早かったですよね。
高:そうですね。
44ですからね、多分。
黒:『くいしん坊』みたいな番組ね、やってらした。
食べ物の番組、やってらしたでしょ。
本当ね。
で、のちに、みんな、文学座にいらした方もあったので、その辺で、私、一緒になったりしてたんで。
夏八木さんは文学座の研究所で同期生なの。
高:ああ、そうなの。
黒:うん。
そういう事もあったりなんかして。
で、あれでしょ?あなたは、『トットチャンネル』というのに出てくださいまして。
私が原作なんだけど。
ニューハーフの役かなんか、やってくれたでしょ。
高:やりましたね。
黒:あれさ、あれ、原作、私なんです。
テレビが始まった頃の話で。
高:知ってましたけどね、そのね、原作は。
確かね、易者の役もやったような気がしたな。
2役やったような。
なんか、ガード下でね、こんななんか、あれ、やってね…。
黒:筮竹みたいので?高:うん。
黒:まあ、でも、本当に、もともとは、おうち、随分、弁護士の方が多い、おたくは。
おじい様、お父様?高:そうですね。
黒:弁護士。
高:はい、はい。
黒:3代目の弁護士になろうとはお思いにならず?高:無理やりね、そういう法科に入りましたけどね。
でも、無理ですよ。
もう、『六法全書』なんて見たら、もう、1ページ見ただけで、細かくて、頭痛くなっちゃう。
黒:でも、すごいですよ。
上智大学の法学部にはお入りになったんですものね。
高:やむを得ずね。
黒:よく入れたじゃないですか。
高:そうですね。
あの頃は、そんな難しくなかったんじゃないですかね、上智も。
黒:でも、嫌々?高:嫌々ですよ。
やっぱ、なんかね、この頃は、漠然とだけど、絵描き…、絵描きって、なんか、楽そうじゃないですか。
僕は、楽な方、楽な方、いく方でね。
それで、なんとなく美術部行くと、油絵のね、においがして、なんともいいなと思って。
みんな、自由でね。
黒:でもさ、上智大学って、あそこ、土手があるじゃないですか、四谷の土手。
あの土手で、お母様が、なんか、あなたに、なんか、おっしゃったんだって?高:何も言わないで、泣かれたんじゃないですか。
だから、小津映画のね、日守新一さんと飯田蝶子さんみたいなね、なんか、そういうシーンあるじゃないですか。
原っぱのとこでね。
あんな感じですね。
なんか…。
黒:泣かれた?高:落第した時にね。
お袋がしゃがみ込んで、着物姿で。
それこそ、俺が日守さんで、お袋が飯田蝶子さんみたいな感じでしたね。
困っちゃってね。
黙って突っ立って、聞いてましたけどね。
悪い事したなとは思いましたけどね。
黒:でもね、それは仕方がないっちゃ仕方がないですけども。
そのあと、俳優座にお入りになったの?高:だぶってたんですよ。
黒:両方行ってたの?高:つまり、上智に行ってる時に、つまんないなと思ったら、高校…、僕たちは、学校は、中学、高校の一貫校でね。
その友達が、「俺、つまんねえんだよ」。
「高橋、なんか全然生き生きしてないな」って。
「お前、役者に向いてるかもしれないからね、お前、受験料、みんなで出してやるから」ってカンパしてくれてね。
黒:えー、すごい。
高:それで受けたんですよ。
そしたら、たまたま受かったんで。
でも、その恩も忘れちゃいましたね。
友達に「ありがとう」も言わなかったし、ひどいやつですね。
黒:なんかね、その頃のお話を25年前に『徹子の部屋』に出てくださった時にお話ししてらしたんですよ。
ちょっといいですか?そのVTR。
25年前ですよ。
25年前の高橋長英さんですけど、ちょっとご覧ください。
黒:「でも、あなた、あれなんでしょう?」「俳優座の養成所に、なんか、入所式っていう日に、いい女いないかって探してたのは、あなたでしょう?ねえ」高:「そう」「だって、俳優になろうと思ったのはね、やっぱり、女の子に不自由しないと思ったしね」「僕は、スポーツカーに乗れて、お金もいっぱい入って、それで女の子にモテると思って、やったんですよ」黒:「俳優になればね」高:「そうですよ」「ただ、現実は全然違いますけどね」黒:「でも、とにかく、俳優座養成所の入所式っていうんですか。
有り金、全部ポケットに入れて」「ねえ、その話、教えて」高:「いやいや、恥ずかしい」「キレイな子が、いっぱい、いたんですよ」「もうね、本当に、ああ、もう…」「みんなね、僕たちの仲間も言ってたけどね、ともかくね、うわ、こんなキレイな子がどうして、こんな、いっぱいそろうの?って感じでね」「キレイな子がいっぱい、入ってきたんですよね」「その中で、やっぱり、こうね、なんとなく目立った子がいて」黒:「いかにも、あなたがいっぱいお金持って誘ったら、来そうな感じがしたんだって?その女の子が」高:「そうそうそう」黒:ハハハ…。
なんて事、私もまた、伺ってるんでしょうね、恥ずかしくもなく。
いやいやいや。
なんか、太地喜和子さんらしい風な人だったの?その人は。
高:そうそうそう。
黒:やっぱり、キレイだったんだ。
高:魅力ありましたよね、小悪魔みたいでね、コケティッシュでね。
黒:栗原小巻さんも、その頃?高:でも、彼女はね、やっぱりね、そういう感じじゃない。
対象じゃないんですよ。
黒:栗原さんは?高:うん。
でも、喜和子君なら…、みたいなね。
失礼だけどね。
黒:わかります。
喜和子さんね、わかります。
一緒に笑ってくれそうな感じがあったでしょ。
高:そうそう。
それがね、養成所って、もう、いろんな、すごいやつが来てるでしょ。
それで、僕はマージャンなんかも出来なかったんですよ。
だけども、なめられちゃいけないと思ってね。
マージャンなんか、もうね、勝った事…、だから、やり方わかんないんですから。
それを、いかに、マージャンが僕は出来るっていうのを…。
黒:ふり?高:うん、そう。
それを、なんていうの、バレないようにするんで。
でも、あとで聞いたら、小野武彦君なんかもやってたんだけど。
黒:小野武彦君。
高:ええ。
「俺、マージャン出来なかったんだけど知ってた?」って言ったら、「いや、バレなかった」って言われてね。
黒:彼の方が一枚上手だったのね。
だって、小野武彦さんっていう人も、今でも、ちょっと、善良な人に見えるじゃないですか。
高:ええ、ええ。
黒:小野武彦さん、ちょっと映してください。
テレビでしょっちゅう、皆さん、ご覧になる方ですけど。
私も文学座で一緒だったりしたんだけど、この方ですよ。
そんな、なんかね…。
高:いや、面倒見がいいやつでね。
クラス会とか、なんか集まると、彼が全部、音頭取るんですよ。
黒:そうなんですか、ええ。
なるほど。
高:背伸びのしっぱなしですよ。
黒:でも、本当に、向こうから、夏八木さん、村井國夫さん、今の小野武彦さん。
それから、この…、あれね、地井さんが、ちょっと、あんなだったんですかね、髪の毛。
あんな風?高:ああ、そうですね。
黒:それから、前田吟さん。
地井さんがいらっしゃって、前田吟さん。
それから高橋長英さんがいらして、一番右端が竜崎さんっていう方だったんですけど。
ね。
でも、本当にみんな、ご活躍でしたね。
高:そうですね。
黒:こんなに、いちどきに…、まあ、花の15期って…、俳優座の花の15期はすごいって言われてたんだけど、こんなに、みんな、もう今、主役級で、どんどんやれるような風にね、なってったの、すごいと思いますよね、俳優座で。
高:たくましかったですよ、みんな。
黒:みんな、仲よかったんですって?しかも。
高:仲よかったですね。
みんな、生命力にあふれてたしね。
黒:でも、そのうち、早く、竜崎さんが亡くなって、お墓参りに行った時の写真っていうのが、それまた、みんなで撮ってるのね。
よく、みんな、写真、あんな風に撮りました、この時。
高:オッチャンはね、リーダー的なとこがあったんですよ。
黒:竜崎さん?高:ええ。
面倒見がよくてね。
黒:地井さんもね、下の方にいらっしゃるし…。
黒:小野さんと地井さんと後ろに夏八木さんがいて、あなたがいらっしゃって。
竜崎さん、オッチャンっていう人だったの?高:ええ、ええ。
黒:村井國夫さん?高:そうですね。
黒:そうですよね。
高:多分、十三回忌かなんかの時に、みんなで行ったんじゃないですかね。
黒:この方も文学座でいらっしゃいましたよね。
高:竜崎君はね。
黒:そうそうそう…。
でも、ああいう、仲がよかった、しかも、お金がない時の、でも、みんな、格好つけて、仲よかった時の仲間が亡くなるっていうのは、本当につらいものでしょうね、なんかね。
高:うん。
でも、いまだに実感がないんですよ。
黒:ああ、そうなの。
高:ええ。
だから、なんか、小野武彦君なんかと話すんだけど、「なんか、まだ生きてるみたいな感じだね」なんてね。
特に、最近亡くなった夏八木君と地井君に関してはね。
「なんか、俺、そんな、死んだ気しないんだよ」ってあいつが言うからね。
「確かにそうだよな」って。
黒:そうなの。
で、この方なんか、のんきそうに散歩してらして。
お元気そうでしたから、そんないきなりっていうね。
地井さん。
高:だから、夏八木君にしても、地井君にしても、一番最後までね、生きそうな感じでしょ。
たくましいし。
黒:夏八木さんね、ここにいらしたんですよ。
私も文学座で一緒だったから、割と仲よかったんだけど。
ちょっと、これ、最後の時ですかね。
これはね、おじいさんの役を。
この間、封切りになった、おじいさんの役、とってもいい役なんですけど、これで、おじいさんの役でね、出てらっしゃるんでね、ちょっと今、節制してるんで、痩せてるんだっておっしゃってたんです。
だからね、そうなんだなって思ってはいたんですよ、私ね。
全然、病気の事、知らないで。
ところがね、あとでわかったんですけど、「あなたも随分、そういえば、いろんな役、おやりになるわね」って言ってね。
「あなたの体の上をいろんな役が通っていきましたね」って言ったらね、その時に、すごく、彼がね、「ワハハ!」っつってね、「そうですね」って言って笑ったの。
それを、あとで、私、亡くなったあとで、このビデオ見た時に、ご自分の余命みたいなものを知ってたのかなって、ちょっと思いましたよ。
「あなたの上をいろんな役が通っていきましたね」っつった時に、彼が笑った時の笑い方が、とっても超越してるような…、いろんなものを超越してるような笑い方だったの。
だから、もしかしたら、自分の病気の事、知ってたのかなと思って。
私は知らないですよ、全然。
でも、なんか、夏八木君も、ごはん、なんか、喫茶店で一緒に食べたりしたんですって?最後の方で。
高:そうですね。
鎌倉にブンブンってね、紅茶専門のいい喫茶店があるんですよ。
彼も、しょっちゅう、そこに行ってて。
井上ひさしさんなんかもね、よく、たばこ買いに来たりなんかした、いいお店なんですけど。
そこに、最後に、小野武彦君と、「どうも、パパは調子がおかしいらしいから、ちょっと会いに行こうよ」っつって。
で、ブンブンで待ち合わせて、あれしたんですよ。
その時に、彼は、実は、こういう病気なんだっていう風にね、結構あっけらかんと言うんですよ。
それでね、僕たちは紅茶だったんだけど、彼はね、チキンカレーなんか食べたんですよ。
そしたら、お店の人がビックリしてるんですよ。
「夏八木さん、チキンカレーですか?」っつって。
「うん、チキンカレーだ」っつってね。
それで、うまそうに食べるんですよ。
ただね、1時間ぐらいかかってましたね。
で、あいつはね、絶対、弱音は言わないんですよ。
もう、養成所の頃からね。
それでね、うまそうに食べてね、「いや、なんか、どんどんよくなってるみたいな感じがする」「もう峠は越したんだ。
大丈夫だから」って…。
黒:そう…。
高:うん。
いや、本当にね、心から言うんですよ。
僕たちを励ましたい。
自分にも、大丈夫なんだって言い聞かせようとしたんじゃないですかね。
会ったのは、それが最後ですね。
なんか、すごい、希望に満ちてましたよ。
あいつは、弱音吐かないしね、常に前向きなやつだから。
黒:それに、それを食べて、これだけ食べられたんだから、元気になるんだぞって、自分で思ったかもしれないとも思いますよね。
高:で、俺たちに元気な姿を見せてくれたみたいなとこがあったんじゃないですかね。
で、たけと「ああ、よかったね」っつってね、で、帰ってきたんですけどね。
それが多分、夏八木君と会った最後かもしれませんね。
黒:地井さんは、あんな散歩の番組やってて、元気そうにしてたじゃない。
しょっちゅう、そこのところのお化粧室のところで会って。
私は、ここへ…、テレビ朝日に『徹子の部屋』やりにくるじゃない。
あの人は、これから、ブラブラ散歩に行くんで、「こんにちは」なんて言ってたのよ。
だから、全然、そんな病気になるなんて、夢にも思っていませんでしたよね。
地井さんって、どんな方だったんですか?若い時って。
高:いやー、やっぱり、たくましかったですね。
黒:へえー…。
高:言ってみれば、赤木圭一郎に憧れて、入ってきたみたいなやつですけどね。
黒:それもすごいよね。
赤木圭一郎に。
だから、頭の毛も、あんな、赤木圭一郎さんみたいにしてたのかしら?こんなボサボサ。
考えてみればね。
これが地井さんって、ちょっと思えないぐらいですもんね。
のちのね。
高:いや、だけど、彼は、ものすごい向上心があってね。
自由劇場の創立メンバーなんですけどね。
こいつほど勉強して、どんどん、どんどん、よくなったやつも珍しいですね。
黒:倉本さんのものとか、いろんなものにもね、出てらしたし。
高:たくましいやつですよ。
黒:この時も、みんなでお見舞いに行ったんだって?病院に。
高:うーんとね…、あ、夏八木君も行ったな。
黒:なんか、虎の門病院…。
高:そうそうそう。
僕と小野武彦君と夏八木君と行きましたね。
それが、多分、最後かもしれないな。
いや、その時は元気でしたよ。
憎まれ口たたいてね。
そういう姿を、夏八木君と一緒で、見せまいと思ったのかもしれませんけどね。
こいつも前向きですからね。
黒:そう…。
どうして、そういう前向きの元気な人が、そんな病気になったりしますかね。
高:本当にね。
俺なんか、ひ弱だから、一番先に逝きそうだったけど。
黒:うん…。
「うん」って言っちゃ悪いけど。
高:いやいや、本当です。
黒:原田芳雄さんだってさ、あんなに元気だったじゃありませんか。
でも、最後のあの、自分がどうしても撮りたいっていう映画を撮った時なんかは、本当にもう、壮絶でしたよね。
高:夏八木君だって、3本か4本、大事なあれがあってね。
それを「絶対やるんだ」っつって。
黒:夏八木君は、亡くなってから、4〜5本、出たんですもんね、映画やなんかがね。
高:それは撮ってありましたけどね。
それ以外に、まだ、大きなあれがあったんですよ。
彼は、それをやりたくてね、「絶対やる」っつってね。
最後まで、希望は捨てなかったみたいですね。
黒:でも、もしかしたら、病気で痩せたのかもしれないのに、夏八木さんは、ここに来た時に、「いや、これから、ちょっと、老人の役なもんだから、今、節制してるんだ」って言ってたから、「そうなの」って。
俳優って、痩せたり太ったりするじゃないですか。
だから全然、この時にね、私、そんな、病気だからだとか、全然思いませんでしたよ。
なんかね、うん。
でも、本当に、若いのに、ちょっと、役、ああいう、なんか、不思議な老人とか、仙人とか、そういうの、うまかったからね。
別に、そんな心配も何もしないで元気に別れたんですけど、ただ、あとで、さっきも申し上げたように、考えたら、「いろんな役をおやりになりましたね」って言ったら…、「あなたの体の上をいろんな役が歩いていきましたね」とか言ったら、「アハハハハ!そうですね」って笑った時に、知ってたのかな?病気の事をって、ちょっと思いましたね。
高:多分、知ってたでしょう。
それは、なんか、なんか番組の宣伝みたいのを兼ねて出られました?黒:そう、映画の宣伝で来た時。
高:だから、それは、かなり無理して出られたんじゃないですか。
黒:私は全然、鈍感でわかんなかったんですよね。
でも、まあ、老人の役が上手なんだから、そうなんだなって思ってたんです。
なんか、みんなでお料理屋さんに行ったっていうのは、なんの時なの?高:地井君はね…、それは夏八木君いませんでしたけどね、地井君を励まそうみたいなあれで、そしたら出てきたんですよ。
黒:地井君が?高:うん。
病院からマネジャー付き添いで来たんだけど、僕たち知らなかったの。
黒:病気だっていう事を?高:いや、病気は知ってましたよ。
知ってましたけど…、「ほら…」、雪んこ帽子かぶって、「ほら、あれだよ。
抗がん剤で、こんななっちゃったよ」って元気そうで。
黒:毛なんかなくて?高:そうそう。
それでね、すごい元気でね、お酒も飲みましたね、彼は。
黒:あ、誰かが言ってた。
そういえば、ちょっと前に、ごはん食べた時、お酒も飲んでたって話を聞いたの、それかな?高:そうそう。
結構飲みましたよ。
「うまいな」とかなんか言ってね。
だから、僕たちも安心してね、馬鹿話、女の話したりね、スケベ話もしましたしね。
それで、「さよなら」っつって。
そしたら、マネジャーさんの車に帰ってって。
あ、病院に帰るんだと思って。
それまで、僕たちは知りませんでした。
だから、病院から来たんですよ。
来てくれたんですよ。
だから、すごい元気にね、振る舞って。
黒:高橋長英さん、お孫さんがいらっしゃって、話は違うんですけど。
高:はい。
黒:孫が可愛い?高:いやあ、可愛いですね。
子どもと、また違いますね。
黒:ああ、小学校の?高:今年…、今度、4月で5年生になる子と、1年生になる男の子がいます。
上は女の子ですけどね。
でも、孫がこんな可愛いっていうのはね。
よく、ほら、楽屋なんかでも、孫の写真を、こうやったり、いるでしょ。
馬鹿、何をやってんだと思ってね。
黒:写真、見せたりとかね。
高:そうそう。
馬鹿にしてたんですよ。
イヤだな、こういう年寄りにはなりたくない…。
自分が、でも、なっちゃうんだよね。
黒:なんかね、11年前に来てくださった時、ちょっと、お孫さんの話かなんかしてらっしゃるのかな。
ちょっと見ていただいていいですか。
あなたです。
黒:「何しろ、まず、お孫さんがお生まれになったそうで、おめでとうございます。
女のお孫さん?」高:「ええ、まあ、女だか男だか、今のところ、わかりませんけどもね」「一応、女の子らしいんですけどね」黒:「可愛いんだってね」高:「ああ、そうですね」「可愛いっていうか、怖いですね」黒:「あ、そう?」高:「いや、怖いっていうか、なんか、壊れちゃうみたいな気が」黒:「自分の子どもと違うんですってね、なんかね」「同じ赤ん坊なのに」高:「ええ。
だから、もう、なんだか、わけのわかんないうちに」黒:「そうですよね。
それで、孫も、よく泣くんですって?」高:「泣きます、泣きます」「うちの今の赤ちゃん、特別…」「うちの子、あんなに泣いたかどうかね?」「あんなに泣いたんですかね?」黒:「元気に泣くの?その女の子が」高:「元気です、元気です」黒:「元気で泣くのね、じゃあ」高:「でかいんですよ、声が」黒:「“あー!”って泣くの?」高:「泣きますね」黒:「面白い」黒:ハハハ…、なんて…、本当に、孫の…、なんていうんですかね、自慢…、馬鹿話。
そのお孫さんの事を、プログラムになんか、書く事になって、お書きになったものが、ここにあるんですけど、あなたがお書きになった、お孫さんへのお手紙なんですけど。
どんな事をお書きになった?高:全然覚えてないんですよ。
これ、なんかね、ほら、『錦繍』っていう、宮本輝さんの、手紙のやり取りするドラマ…、舞台だったんですよ。
それで、なんか、そのパンフレットに載せるのに、誰でもいいから、妻でも友達でも、なんでもいいから、手紙で、誰々さんにみたいな、書いてくれみたいに言われたんで。
女房に書けないもんね、恥ずかしくてね。
そしたら、生まれたばっかりだけど、「ひまりさんへ」って、孫ならね、まあ。
黒:いいんじゃない?お名前が、そういう名前なの?高:ひまりっていうんですよ、ひらがなで。
だから、ひまりさんなら…、孫に宛てるなら、当たり障りなくてね、いいやと思って。
黒:ちょっと、少し読んでいただいていい?高:「君が来たら一緒にとろうと楽しみにしていた庭の柿の実も、鳥の分の上のほうを残して、だいぶ落ちてしまいました」「今年は、むかごもとれずに終わってしまうかもしれません」「小皿分しかない、むかごを、ばあばに炊き込みごはんにしてもらうのが大好きだったのに」「小便小僧のようにぷっくりと膨れたおなかも、いつの間にか、ぺちゃんこになり、手足もすらりと長くなり、すっかり、少女になってきました」「じいじの家に来るより、お友達と遊ぶ方が、はるかに面白い年頃になってきたようです」「毎日のようにかかってきたラブコールも、めっきり少なくなってしまいました」「正直、ちょっぴり寂しい気がしますが、それが自然の事なのですね。
もうすぐ冬休みです」「その頃は、じいじの舞台も終わっている事でしょう」「お友達とばかり遊ばずに、たまには、横浜にも来てください」「ばあばと楽しみに待っていますから」「元気で。
じいじより」こんなん書いたんですね。
覚えてません。
黒:いいお手紙ね。
でも、そういうのって、覚えてらっしゃらないぐらいなんだけど、あとで、そういうの、お読みになるとさ…。
しかも、それで、むかごっていうんですか、それで、ごはん食べようと思ってたのに、なかなか来ないから、なくなっちゃったとかね。
本当に、そういう時っていうのは、そういう事、お書きになるものなんですよね、やっぱり。
ちいちゃい頃って、こんな、おなかが…。
黒:あれ、おなか、子どもね、ぷくってして、おなか、すごい出てんのね。
高:顔だって、こうですよ。
黒:そう、ぷくぷく。
高:それでね、「ちょっと、じいじ見て」っつって、上げてね…。
膨らましたりね、減らしたりっていう。
今はね、もう、オリーブみたい。
黒:痩せてんの?高:痩せちゃって。
黒:あのぷっくりしたおなかは、どうしたの?って。
どうして、大人になって、おなかが出てると…、やっぱり、女の子が大人になって出てると、イヤだなと思うんだけど、ちっちゃい子どもがおなか出してると、あんなに膨らんでるのに可愛いのね。
高:可愛いですよ。
黒:なんで、あんな可愛いんでしょうね。
高:こんなぷっくりしててね、今もう、こうですよ。
塾に行ってね。
黒:可哀想。
高:来ませんよ。
黒:こんにちは。
黒柳徹子です。
4月1日から『徹子の部屋』は、お昼12時。
これまでより一層豪華で、楽しい放送を目指して頑張ります。
ランチのお供に、『徹子の部屋』をどうぞ。
黒:随分、年相応の映画、お撮りになったのね。
高:そうですね。
黒:『友だちと歩こう』って。
高:年相応か、年よりか、ちょっと上…、体がね、ちょっと悪い分、なんか、もう少し老けてるような感じもしますね、役的にはね。
黒:役としてはね。
でも、まあ、もう1人、誰かと。
高:上田耕一さんってね、僕、好きな俳優さんで。
黒:あ、そう。
ちょっと見てみます。
高:ハハハハ…。
黒:大変ね、病気したのね。
高:いや、病気っていうか…、まあ、そうかもしれませんね。
なんか、脳溢血とかなんかしたのかもしれない。
これはね、虫に追い抜かれて、「あ、虫に抜かれた」って言うんですよ。
黒:ウフフ…、面白い。
へえー。
国雄:「いいケツだ」富男:「エロじじい」国:「富ちゃん、たばこあるか?」富:「ねえんだよ、吸いてえな」黒:大変でしたね、あなたね。
黒:あららららら…。
高:これはスタントマンですけどね。
こういう事やると死んじゃいますよ。
黒:でも、スタントマンって上手にやりますね。
あなたとしか見えなかったです。
あら。
高:すごいですよ。
富:「おい!」黒:あれ、スタントじゃなきゃダメ?今みたいな、トントン…。
高:あれはダメですね。
いや、ダメですね。
黒:笑いながら言っちゃいけないけど。
そうなんですかね。
高:昔は出来たかもしれませんけどね。
今なんか、絶対出来ませんね。
駆けっこしたって、下の男の子に、ようやく勝って、上の5年生の子には、勝てませんもん。
黒:そうなの。
イヤだね。
高:幅跳びなんてあったって、昔は、その辺まで跳べるかなと思ったら、ここ。
愕然としますよ。
黒:これね、そういう時ありますよね。
私も、なんかで東映行った時に、東映んとこに鎖があってね、そんなの、昔、ポーンと跳べたから、私、誰もいなかったから、ポーンと跳んだら、前足が跳べたんですけど、後ろ足が引っかかって、バタッて転んだけど、まあ、誰も見てないなと思ったら、全部、前の喫茶店で、みんなが見てたの、それ。
やっぱり、「さっき、お転びになりましたね」とか言われて、ちょっと恥ずかしくて。
あれ、後ろ足がついてこないっていうの、イヤですね。
高:けがしたの?黒:けがはしないですけど。
昔、出来たものが出来なくなるって事がね。
高:いやいや…。
愕然としますよ。
黒:でも、まあ、元気で歩いて、仕事が出来れば、いいじゃありませんか。
高:そうですね。
黒:私、この間、ポール・マッカートニー見たんですよ。
昔、4人いたのに、今、1人で、彼は。
すごいですよ。
3時間、お水飲まず、引っ込まず、椅子にも座らず、歌いっぱなし、黒:生き残った者。
高:そう、友達の分までね。
黒:そうですよ。
やんなきゃ、みんなに悪いよね。
頑張りましょう。
2014/03/19(水) 13:20〜13:55
ABCテレビ1
徹子の部屋[解][字]
〜同期の親友が立て続けに逝き…〜高橋長英さんが今日のゲストです。
詳細情報
◇ゲスト
個性派俳優の高橋長英さんが11年ぶり『徹子の部屋』に登場
◇番組内容
俳優座の同期には太地喜和子さん、栗原小巻さん、小野武彦さん、村井國夫さん、前田吟さん、原田芳雄さん、地井武男さん、夏八木勲さんなど「花の15期生」といわれるほど後のスターが多い。今日は特に晩年まで親しくしていたという地井さん夏八木さんと最後に会ったときのエピソードを明かす。
◇おしらせ
☆『徹子の部屋』番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/
◇解説放送
小松靖(テレビ朝日アナウンサー)
ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0×0818)
EventID:55588(0xD924)