社会のトビラ「環境を守る」 2014.03.05

違いをあらわしているんですね。
この記号はいずれも船に積んでいるいかりの形をもしています。
いかりとは船が海の上でとまるとき船がながされないようにするためのもの。
港のシンボルとして地図の上にもいかりを下ろしています。
トビラを開けると社会が見える。
よいしょっと。
あっこっちでした。
失礼。
こんにちは。
わたくし「社会のトビラ」こと温水洋一です。
今回のテーマはこちら。
実はわたしたちがくらしていく中で知らず知らずのうちに空気や川海などをよごしてしまうことがあるんです。
それってどうしたら防ぐことができるんでしょうか。
今日は東京湾の環境についてその歴史から見てみましょう。
東京や神奈川などの大都市に面した東京湾。
今から60年ほど前えん岸地いきにはたくさんの工場が立ちならび日本の工業生産の中心地として発てんした。
しかしその一方で大量の工場廃水が川や海に流れこむようになった。
この工場廃水には多くの有害物質がふくまれていた。
きけいの魚が生まれたり魚の大量死が発生したりした。
そのため40年ほど前から工場廃水にきびしいきせいが課せられるようになった。
その結果有害物質はほとんど出されなくなりひ害は大はばにへった。
しかしいまだに残された問題もある。
それは東京湾の中にかじょうにある…リンやチッ素が多いとそれを養分にするプランクトンが大量発生し赤潮となる。
さらにその死がいが大量の有機物となってたい積。
それをバクテリアが分かいするさいに…そのえいきょうで毒せいを持つ物質が生まれることもある。
一見水色できれいに見えるが多くの魚は生きられない。
工場廃水のきせいによって東京湾にふくまれる有害物質が大はばにへったのにくらべ…東京湾にはなぜいまだに多くの有機物やリンチッ素があるのか。
東京湾の環境についておよそ30年研究を続けてきた野村英明さんによると…。
生活排水とは…これらから出ていく水のこと。
この中には多くの有機物リンチッ素がふくまれている。
東京湾をきれいにするためには…そのときにたよりになるのが…ここでは生活排水などにふくまれる有機物はほぼ取りのぞくことができる。
しかし…そしてさらなる問題が発生することもある。
大雨がふったときだ。
都市部では路面にふる雨水の多くが生活排水といっしょに下水処理場に運ばれる。
大雨で一気に大量の水が流れこむと下水処理場ののう力をこえてしまう。
このため生活排水つまり有機物リンチッ素をふくんだ水がほとんど処理されず雨水といっしょに川や海にたれ流しとなるのだ。
ここでクイズ。
正かいは…2012年5月開業の…雨水を集めるタンクはその地下にある。
この広い屋上にふった雨をすべてそちらにためます。
大雨がやんで晴れましたらそちらの雨を少しずつ下水道のほうに流すんです。
本来はこのエリアにふった雨で洪水が起きないように一時的に雨水をたくわえるのが目的。
さらにこのことが大雨のとき処理されないまま川や海に流れる有機物リンチッ素をへらすことにつながると期待されている。
雨水をためるタンクはさまざまなしせつの地下につくられ東京スカイツリーのある…今後もふやしていく予定だという。
ではすでに東京湾にある有機物はどうやって取りのぞくのか。
こちらは2008年国が人工的につくった干潟だ。
干潟は潮の満ち引きで海面より下にしずんだり上に出てきたりする。
こういう場所には貝やカニなど有機物を食べてくれる生き物がたくさんすみつく。
干潟は海水の浄化にたいせつな役わりを果たしているのだ。
しかし今このような広い干潟のほとんどが失われている。
そこで新たに人工の干潟をつくったのだ。
これはマテガイですね。
アサリですね。
まだ生まれたてなのでひじょうに小さい形をしています。
あとゴカイがいましたね。
おなかのとこ見ていただくと中に黒いものが。
多分すなについている有機物を体に取りこんできれいなすなを排出してくれます。
少しずつでも…このことが東京湾さい生への第一歩だ。
そして市民たちによるさらなる取り組みが。
東京湾でワカメを育てているのだ。
東京湾の浄化のためにはもってこいなのだ。
ここで育て始めた時はわずか2〜3cm。
それが1mをこえる長さに成長。
その重さは大きいもので…。
大きくなった分よごれの原因となる多くのリンやチッ素を吸収してくれているのだ。
生活排水の流入を防ぎたまったよごれも生き物たちの力できれいにする。
東京湾の環境を守るため今後も地道な取り組みが続けられていく予定だ。
あのワカメが海の浄化に役立つなんて知らなかったです。
海でワカメをどんどん育ててたくさん食べればわたくしのかみの毛も…。
おっと話がそれました。
失礼。
環境を守るためにわたしたちに何ができるのか。
もっともっと調べてみるとさらなる社会のトビラが開くかもよ。
ここは中村獅童歴史研究所。
2014/03/05(水) 09:20〜09:30
NHKEテレ1大阪
社会のトビラ「環境を守る」[解][字]

かつて工場排水で汚れていた東京湾。規制により有害物質は減ったが、生活排水が原因の汚濁はまだ多い。雨水の一時貯水や人工干潟による浄化などの取り組みを紹介する。

詳細情報
番組内容
工場排水で汚れていた東京湾。規制により有害物質は減ったが、生活排水が原因の有機物・チッソ・リンなどによる汚濁は、まだ多い。東京スカイツリーの地下にある雨水の一時貯水タンクは下水処理場の処理能力を守る意味で、一定の効果が期待されている。貝やカニなど有機物を食べる生き物がすみやすい人工干潟をつくったり、海中のリンやチッソを吸収しやすいワカメを育てるなど、東京湾浄化のための取り組みをいくつか紹介する。
出演者
【司会】温水洋一,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
情報/ワイドショー – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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