(爆発音)生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは10時5分を回りました「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマはこちらです。
真冬のこの時期、加湿器や除湿機またそうした機能がついた空気清浄機を使うという方が多いと思います。
しかし使い方を誤るなどして発火したり、やけどをする事故もありこの2月に最も多く発生しているということで、これは注意が必要です。
担当は水野倫之解説委員です。
水野さん、先ほどの映像、炎が上がっていましたね。
水野⇒製品の事故などを調査しています製品評価技術基盤機構が行った再現実験なんですが使い方を誤ると最悪火事になるケースもあるということなんですね。
スタジオに加湿除湿機能のついた空気清浄機を用意しました。
製品機構がこの種の製品の事故について調べたところこの5年間に毎年40件前後合わせて184件の事故が起きているんです。
これは機構などに届け出があったもので実際にはもっと起きているとみられていますけれども月別にしますとこの2月に最も多く起きているということが分かりました。
どうして2月に多いんですか?はっきり分からないんですがストーブなどの暖房器具も事故が多いんですけれども最も多いのは使い始めの12月なんですね。
暖房器具は12月なんですね。
それと同じように加湿器なども1年でいちばん冷え込んで乾燥するこの時期に使い始める人が増えて2月に事故が多くなるのではないかとみられています。
具体的にどういう事故が起きているんですか?さまざまあるんですけれども加湿器ならではの使い方によるものが多いんです。
加湿器ならではというと?まずは移動させて使うことが多いです。
それから床にじかに置いて使うことが多い。
こうした使い方によってどんな事故が起きたのか製品機構が再現実験をしています。
まず移動させるときにコンセントを抜けばいいんですが電源コードを抜き忘れるとコードに力がかかります。
これを何度も繰り返した電源コードをX線で見てみると中で断線していることが分かります。
中で切れていますね。
また電源コードを抜くときに面倒だからとプラグ本体ではなくてコードを引っ張って抜くことを繰り返すとやはり断線します。
さらに移動させるときにコードを本体に巻きつけるということを繰り返しますとコードと本体の接続部分がやはり断線してしまいます。
これはどれも私、やっていました。
断線したコードの周りに例えば布団などのような燃えやすいものがあると火花が出て引火し火災につながることがあります。
これは怖いですね。
またですね、運ぶときにタンクの機械の取っ手を持てばいいんですけれども水が入ったタンクの取っ手を誤って持ってしまって外れてタンクの中に入った水がこぼれて、それで足を滑らせて転んでけがをした、というケースもあったんです。
移動させて使うというのはそういう危険もあるんですね。
また床に置いて使うというのはどういう危険があるんでしょうか。
先ほどの184件の事故でけがをして年齢が分かっている方26人の構成を見てみるとやはりお年寄りが多いんですけれども4歳以下の乳幼児も5人けがをしているんです。
いずれも噴き出し口に手を突っ込んでやけどなどをしているんです。
機構によりますと床に置くと乳幼児の背の高さのところに、噴き出し口がくるということで興味を持った乳幼児はどうしても手を突っ込んでやけどをしてしまうということが多いということです。
蒸気が出ているとつい入れたくなるんでしょうね、危ないですね。
奥のほうはまだ蒸気の状態で温度が高いので注意が必要です。
こうした事故を防ぐにはどうすればいいんでしょうか。
あたりまえのことなんですがまず移動させるときには電源プラグがきちんと抜けていることを確認してコードを巻きつけたりしないこと。
それから電源プラグを抜くときには必ずプラグ本体を持って抜く。
コードを引っ張らないということですね。
そして子どもがいる場合には床に置かない、もしくは近づけないようにするといったことに注意する必要があります。
気をつけないといけないですね。
ここまでは誤った使い方による事故というのを見てきたんですが実はもう1つ事故原因として多いのが製品自体の不良なんです。
ちょうど1年前の2月なんですが長崎市のお年寄りのグループホームで入居者など5人が死亡する火災があったんですけれどもこのとき火元と見られたのが加湿器でしかもリコール対象だったんです。
スタジオにもその加湿器があります。
まさに同じ型番のものですか?型番もまったく同じものです。
水を温めるヒーターが取り付け不良で外れやすく発火するおそれがあるとしてメーカーが事故前からリコール情報を出して回収を進めていました。
しかし販売されたおよそ2万900台のうち当時5500台余りがまだ回収できていなかったんです。
実際ヒーターが外れるとどうなるのか。
同じく製品機構が実験をしました。
まさにこの加湿器でやったんですね。
そうです、そうすると20秒余りで煙が発生しますし1分余りで製品内部から発火することが分かりました。
あっという間に火が出ましたね。
メーカーでは新聞広告やちらしテレビのコマーシャルなどで回収を呼びかけていますが現在もまだ5000台が回収できていません。
リコール対象になっている加湿器や空気清浄機はまだほかにもあるんですか?たくさんあります。
製品機構が一覧にしました。
16のメーカーの85機種がリコール対象になっています。
家の中で使う家電製品などは毎年およそ100件のリコールが出るんですけれども製品機構によりますと加湿器や空気清浄機は多いほうだということなんです。
そして先ほどの火災の原因とみられる加湿器の回収率これは76%なんですがまだいいほうでして中には20%程度しか回収できていない製品もあるんです。
どうしてそのように回収が進まないんでしょうか。
リコールというのはメーカーが自主的に行うものなんですね。
ですので利用者への通知方法など具体的に決まったものがありませんので広告の回数などメーカーによってかなり差があります。
車のように利用者が分かっているものであれば販売店が連絡するんですけれども家電製品などの多くは利用者が誰かというのが分かりませんので回収がなかなか進まないんですね。
利用していても気づいてない方も多いかもしれませんね。
そうですね、リコール製品の情報は製品機構や消費者庁のホームページに載っていますのでコマーシャルなどでリコール情報を見たときには、自分の製品が該当しないかどうかをホームページを確認してもらえればと思います。
ただインターネットが苦手な方もいらっしゃいますし、一つ一つ自分で調べるのは大変ですね。
何かいい方法はないんでしょうか。
実はうちのNHKの解説委員室にあった加湿器。
これもつい先日リコール対象であることが分かったんです。
そうなんですか?はい、これは誰かがホームページで調べたというわけではなくて買うときに販売業者から宅配してもらったんです。
そのときの情報データが残っていたためにリコール情報が出たら販売業者から自動的にうちに連絡がきて分かったということです。
つまり利用者の連絡先をメーカーや販売店が把握しているかどうかこれがポイントになるわけですね。
その意味でいきますと家電量販店が発行しているポイントカードこれには電話番号などが登録されていますので販売店の中にはリコール情報を届けてくれるところがあります。
そしてさらに確実なのはメーカーにお客様登録ユーザー登録することです。
製品に付いていますはがきを送ったりインターネットで登録するなど少し手間はかかりますが確実にリコール情報をもらうことができます。
こういった製品、小さいので大きな事故にはならないと思いがちですけれども、特に加湿器は中に熱源が入ったものがありますので使い方には十分注意してこの際リコール対象かどうかを確認してもらえればと思います。
水野倫之解説委員でした。
次回は渥美哲解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2014/02/19(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「加湿器などの事故に注意!」[字]
NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢
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出演者
【出演】NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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