社会のトビラ「公害」 2014.02.19

そして50mごとに太い線であらわし高さも書きこまれます。
等高線の間がせまければ急なしゃめんで広ければなだらか。
こうして地形を読み取ることができるのです。
トビラを開けると社会が見える。
よいしょっと。
こんにちは。
わたくし「社会のトビラ」こと温水洋一です。
今回のテーマはこちら。
今から60年ほど前日本は高度経済成長という時代をむかえました。
冷蔵庫や洗濯機テレビなどがふきゅうしくらしがどんどんゆたかになったんです。
しかしそのかていでかんきょうの汚染が進みました。
公害です。
今日はその一例を見てみましょう。
熊本県の南部にある水俣市。
人口およそ2万7,000。
漁業や農業がさかんな町だ。
この町で1956年ごろ多くの人が水俣病とよばれる病気にかかり大きな問題となった。
かん者の人たちは意思と関係なく手足がふるえたりしびれたりした。
そして多くの人がなくなった。
そのころ水俣市にはチッソという大企業の化学工場があった。
その工場廃水にふくまれる有機水銀が原因だったのだ。
有機水銀は当時プラスチックなどをつくる時に出ていた物しつで人の体にたまるとのうなどの神経をおかしてしまう。
工場の廃水とともに出された有機水銀は小さな魚に取りこまれその魚を食べる大きな魚の中にもちく積されていく。
その魚を食べ続けると体の中に有機水銀がたまり水俣病になるのだ。
水俣で漁業をいとなんでいた…19さいの時に水俣病を発病した。
とう病生活は50年以上におよぶ。
濱元さんの病状はじょじょに進行。
今は歩くこともできず手のふるえも止まることはない。
30代の濱元さん。
この時はつえと人々のささえがあればまだ歩くことはできた。
濱元さんは病院への入たい院をくり返しながらリハビリを続けた。
しかし体にちく積した有機水銀は濱元さんの体をむしばみ続けた。
濱元さんの両親も水俣病にかかり相次いでなくなった。
その苦しむすがたは濱元さんの頭からはなれることはないという。
水俣病の原因は工場の廃水。
しかしそのことが認められ対策が立てられるまでには長い年月が必要だった。
ここでクイズ。
正かいは…水俣病が発生した当初その原因はまったくわからなかった。
そんな中水俣病は伝染病だといううわさが飛びかうようになった。
かん者の中には共同のいどを使わないようにせまられたり家の中に消毒ざいをふきかけられたりした人もいた。
その後県内の研究機関から水俣の魚をネコにあたえ続けると水俣病と同じ症状があらわれるという実験結果がほう告された。
化学工場は原因は廃水ではないと主ちょうし続けた。
水俣の漁したちは化学工場に…そしてきせいをかける立場の県や国も工場に対して有効な対策をとらなかった。
もし廃水が原因と認めるとばく大なほしょう金が発生し企業が立ち行かなくなる。
日本の経済発展の足かせになることも考えられたのだ。
結局工場廃水が原因と確定したのは水俣病発生の12年後。
その間有機水銀をふくむ工場廃水が海にたれ流され続けた。
企業や県国がいっしょになって経済成長を追い求める。
その行き過ぎた結果が有効な対策を遅らせることになったのだ。
水俣湾さい生への取り組みがようやく始まったのは水俣病発生から18年後のことだった。
湾内には仕切りあみがはられ汚染された魚をとじこめるそ置がとられた。
そしてその魚をつかまえてしょうきゃく処分。
作業は23年間も続きおよそ500トンもの魚が処分された。
さらに有機水銀をふくんだ海底のヘドロもじょ去。
工事には13年もかかった。
工場廃水への対策が遅れたことでひ害はさらに広がり水俣湾のさい生には長い年月がかかってしまったんですね。
濱元さんはその教訓を伝えるためにある取り組みを行っています。
水俣病の悲さんさを後世に伝えるために建てられた…1993年のオープン以来世界じゅうからおよそ80万人もの人たちがおとずれている。
水俣病かん者の濱元二徳さんはこの資料館で語りべとしての活動を続けてきた。
公害を二度と起こさないよう水俣病の経験を伝える。
それがいちばん大事だと濱元さんは考えている。
(一同)ありがとうございました。
語り続けることで水俣の教訓を風化させない。
それが濱元さんの思いだ。
公害でよごされた水俣湾は1997年県の調さできれいになったとほう告された。
水俣はふたたび漁業がさかんな町としてさい生したのだ。
水俣市はもう二度とかんきょうをよごさないという決意のもと全国に先がけててっていしたゴミの分別やリサイクルを始めました。
今や全国からモデルとされているほどだとか。
みんなの町でもひょっとしたら公害を乗りこえた歴史が…。
調べてみると新たな発見があるかもよ。
ここは中村獅童歴史研究所。
2014/02/19(水) 09:20〜09:30
NHKEテレ1大阪
社会のトビラ「公害」[解][字]

高度経済成長を経験した日本。その裏で公害というひずみが生まれた。水俣病の歴史を振り返りながら、公害を乗り越え、今に伝えようとする人々の取り組みを見る。

詳細情報
番組内容
小学校5年生向けの社会科番組。今回は「公害」。高度経済成長を経験した日本。その裏で公害という、ひずみが生まれた。1950年代に熊本県水俣市で発生した水俣病は、原因だった工場排水への対策が遅れたことで被害が広がり、再生には長い年月がかかってしまった。水俣病の歴史を振り返り、当時の教訓を今も語り部として伝える人の取り組みを追う。
出演者
【司会】温水洋一,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
情報/ワイドショー – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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