ふたをして3〜5分煮ましょ。
ねぎを戻し入れ2分ほど煮れば完成。
これだけで十分ご飯のおかずになるわよ。
落語と仏教のコラボレーションでブッダのありがた〜い教えをご案内!落語はもともとお坊さんの「お説教」がルーツともいわれる伝統芸能。
実はブッダの教えのエッセンスがちりばめられている。
そこでお寺の本堂に東西の噺家がそろい踏み。
仏教にまつわる古典落語を披露します。
今回は上方落語の芸達者…凶事かいずれにせよ怪しきこの場のありさまよな〜!
(読経)舞台は滋賀県東近江にある古刹…さて今回の演目は…蛸が芝居をするというナンセンスな設定なんですね。
落語には芝居もの「芝居噺」というジャンルがありまして歌舞伎をパロディーのネタにするそんなお噺がいくつもあります。
登場人物はある商家の芝居好きの旦那。
2人の丁稚定吉と亀吉は仕事中も芝居ごっこで遊び半分。
出入りの魚屋も売り口上は芝居がかっています。
そしてなぜか魚屋の売り物蛸も登場!今回は舞台の横に笛太鼓三味線の寄席囃子が入って上方落語ならではの世界を作り出します。
それでは桂文我師匠「蛸芝居」です。
どうぞ。
朝寝坊の丁稚を旦那が芝居がかって起こす場面から。
これ定起きておくれ。
寝ながら見得切ってるやないか。
何をしてんねんこれ。
あ〜…。
面白ないな。
わしがこないして起こすだけやな…お?砂糖の紙袋が落ちてるな。
かぶろっか。
おっこれかぶると烏帽子みたいになるな。
おっ一反風呂敷があるわ。
よいしょ。
これをこう…。
お〜こうすると素袍になるな。
ちり払い…あ〜あるある!よっしゃ。
これ持ったら何や芝居の幕開け三番叟みたいな格好になるな。
朝やちょうどええわ。
今日は三番叟踏んで起こしたろか。
そしたらこっちも楽しんで起こせるさかいな。
あ〜ら遅いぞや遅いぞや。
夜が明けたりや夜が明けたりや。
丁稚よ女子衆いや起きよ。
お乳母〜!
(囃子)ぷぷ〜!ちょっと亀吉どん亀吉どん。
何でっか?あくびしてる場合やおまへん。
見てみなはれ。
旦さんわたいらの枕元でね砂糖の紙袋かぶって三番叟踏んで起こしてくれてますわ。
うれしい旦那でんな〜!こんな旦那やさかい生涯ついていこかっちゅう気になりますわ。
おもろいでんな。
ちょっと声かけましょか。
いよ〜日本一!これこれ!掛け声かけてんじゃないよ。
起きなはれ。
さあ布団片づけて。
ええか?定吉と亀吉は早いこと表の掃除をしてきなはれ。
へ〜い!起こされた亀吉は中庭の掃除。
定吉は仏間のお仏壇の掃除に。
うわ〜ぎょうさん位牌が並んでるな。
この位牌立派なん誰のやろ。
…あっご隠居はんのや。
ええお方でしたなあんさんなあ。
あんさんにはご恩返しせなあかんと思ってるうちにコロッと逝ってしまはりましたんや。
ほんまにな。
温めてあげますわこないして。
温もりました?さよか。
ほな一番ええ所で。
よいしょっと。
ええとこへお参りしとくれやっしゃ。
え〜とこっちのは誰かいな。
小さい…うわっバアバや。
悪い婆やったでこの婆だけは。
竹屋のお菊婆ちゅうたら町内の嫌われもんやったんや。
あんた根性悪いのにな猫なで声使うのが気色悪いねん。
「しゃだきち〜しゃだきち〜」ってな事言うて「何でっか〜?」言うて行ったら「こっち来い」コンッていきやがる。
あんたほんまにな根性悪い人でしたわ。
今となったら懐かしいけどな。
ほんまに嫌でしたんやで。
あんさんなあの世へ行ってもええとこへはお参りしまへん。
間違ごうてもええとこへ行けやしまへんけどね。
死んでからも頭痛患うようにな位牌逆さま立てといたろ。
しばらくその格好でいてなはれ。
後で戻してあげますさかいね。
え〜とこれは誰かいな。
あっそうや。
こないして位牌持ってする芝居なかったかいな。
いやあるある。
そうや。
これは…そうそうあだ討ちもんや。
宿屋の一間で家来が主君の位牌立てて悔やんでるとこがあるわ。
あそこちょっとやったろ。
霊光院殿尊山大居士様。
(囃子)先年天保山行幸の折何者とも知れぬ悪者の手に掛かりあえないご最期。
その折この定吉はまだ前髪の分際。
その前髪を幸いに当家へこそは入り込みしが合点のゆかぬはこの家のハゲちゃん。
今に手証を押さえなばハゲの素っ首打ち落とし主らのご無念晴らさせましょ〜!誰がハゲや誰が。
旦さん後ろで聞いてはりました?聞いてるわいな。
「ハゲやハゲや」言うてからに。
丁稚の定吉旦那に怒られて今度は子守を言いつかりますが…。
子供抱いてする芝居なかったかいな。
せやあるある。
あるで。
忠義な奴が和子さん抱いて落ちていくとこがあるわ。
そこやったろ。
憂き世じゃなぁ〜。
(囃子)この度の騒動以来一家中はちりぢりバラバラ。
お労しいはこの和子様一文奴の懐を玉の寝床とおぼし召しすやらすやらと御寝なさる。
お労しゅうございまする。
どりゃこの兵衛が子守歌を歌うて進ぜましょう。
・「ねんねんよ〜おねやれや〜」・「ねんねの…」えらい何や知らんけど気分出してやってるな。
ちょっとこのほうきで肩を打ってやろうかな。
いやあっ!・「あの山越えて」いやあっ!・「里へ行った」えらい喜んでたな。
今度はこっちのふすまの陰からな左の肩を打ったろか。
いやあっ!・「でんでん太鼓に」いやあ〜!・「笙の笛〜」これ!ボンを庭へ放り出して何をすんねん!ボン目むいてるわ!こっち来なはれ。
あ…首が無い。
逆さまじゃそれは!ありました。
またしても旦那に怒られた丁稚たち今度は店番に回されます。
ちょうど表通りを芝居好きの魚屋が通りかかります。
ほら来た!来た来た来た!魚喜よろ〜し!よっ魚屋!魚屋!
(囃子)へい旦那!何ぞ御用はごありませぬか。
1人増えたでおいこんなんが。
それでなくてもうちは役者が多くて困ってんじゃないかい。
それより魚喜今日は何があるか言うてくれるか。
へい!豊島屋五座をハネのけて市川海老十郎中村鯛助尾上蛸蔵。
アホな事言うな尾上蛸蔵てそんなもんがあるかいな。
ほなその鯛とそれから蛸ともらおうかな。
それは酢蛸にするさかいな。
すり鉢で伏せといて。
頼んだで。
へい!よっしゃこのすり鉢で逃げんようにこういうふうになまだ生きてるさかいこういうふうに伏せとこうか。
蛸を買った旦那は後で酢蛸にしようと考えます。
丁稚の定吉に切らしていた酢を買いにやらせ一服していますと…。
今までのこの様子ジーッと聞いておりましたのがすり鉢の中の蛸。
(笑い)わしを酢蛸にする?わしを食うっちゅうのかい。
食われてたまるかい。
静かになったな。
誰もいてないんかい静かになったとこみると。
よし!逃げたろ。
蛸すり鉢の縁へ2本の足を掛けますとねぼちぼちこのすり鉢を持ち上げだしよった。
(笑い)
(囃子)まず掛かってた布巾を取るとこれで目計頭巾にしまして足を2本前で結ぶとこれが丸絎のつもりで体にフゥーと墨をかけますとこれが黒四天黒装束という事に相成ります。
そこにありましたすりこぎを取りますとそれを腰へぶち込む。
これが一本刀という事でございますな。
酢蛸にされてはたまらんと逃げ出そうとした蛸もなぜか芝居がかってる。
台所が騒がしいのに気付いた旦那は…。
旦那もすり鉢でポイと伏せてしもうたらそれでおしまいやったんですが至って芝居好きですからこの蛸を使って芝居がしたいという気がございます。
そ〜っと後ろへ回ってまいりますと蛸の差していたこのれんげ一本刀の先を…。
いやあっ!うん!ふ〜!墨を吐いた。
辺りが真っ暗になる。
暗転という事になりますかね。
一人と一匹が暗闇の中の探り合いをいたしております。
(囃子)いやあっ!
(囃子)いやあっ!
(囃子)旦那の体をくるっと回しておいてみぞおち一発。
うぅ〜ん!口ほどにもねえもろいやつ。
今の間に千尋が海へ。
おっそ〜じゃおっそぉ〜じゃ。
(囃子)旦さん酢買うてきましたで。
旦さん旦…あれ?旦那いてはらへんがな。
旦さんこんな所に倒れてはるわ!大丈夫でっか!旦那様への〜!定吉か〜遅かった!あんたまだやってますのか。
何してはりまんねん。
定吉腹痛の薬持ってきてくれ。
蛸に当てられた。
(拍手)いや〜見応えたっぷり!芝居好きにはたまらないですね。
さあて釈の旦那!この噺はいかに料理してくれやっしょう。
ありがとうございました。
どうもありがとうございます。
「蛸芝居」というユニークなネタをして頂きました。
「蛸芝居」の場合は全体を通すとコントなんですけども最後の蛸のところでSFに変わるというんですか。
なるほど。
それでやっぱり歌舞伎が下敷きになってるので型のきれいさというんですかそういうところも少し見て頂く要素がありますし。
「はめ物」と言いまして落語の中に入ってくるお囃子さんですね。
つまり三味線太鼓そういう…まあはっきり言うと裏で頑張ってくれてはるその役の方と私とが総合芸術的になるというんですか総合芸になるっていうんですか。
そのところが面白いですよね。
お囃子が入る事で世界が深まるというか広がるというか奥行きが出てまた何とも言えない楽しい気分にもなりますし華やかですし。
そうですね。
しぐさなんかがですね見得を切ったりするあの所作がやっぱりある程度堂に入ってないと楽しめない部分もあるかと思うんですがその辺の工夫などはあるんですか?やっぱりお芝居も見せて頂かなあかんですし当然踊りも習う。
あとは義太夫とか長唄とかそういうのも習ってくると自然にそれは多少身に付くというんですか。
ただ私が心がけてるのは「噺家の芝居」を心がけなきゃいけない。
あくまで本線は落語のお噺なのでその枠内で所作をする。
あくまでも芝居の所作を軽く頂いてみんなが楽しくやってるという事を主に考えるという事が私は芝居噺の基本形やと思ってます。
落語の中の一場面に「お仏壇」が出てきましたね。
このお噺の特徴的なところにお仏壇を掃除する場面ですよね。
お位牌を逆さにするところねすごく好きなんですよ。
いや間違うてもええとこへは行けやしまへんけどね。
死んでからでも頭痛患うようにな位牌逆さま立てといたろ。
しばらくその格好でいてなはれ。
後で戻してあげますさかいね。
小僧さんはですねほんとに語りかけるようにお話をしながらお掃除されますけども。
おうちにお仏壇があるいわばお仏壇のある生活というのは一つ我々の文化圏の大きな特徴でしてある種…そういう機能もあるでしょうし。
朝夕家族が集まって一点集中して気を合わせる場所。
そこがすごく大事な事だと思いますね。
そうですね。
私お寺の住職してますので各家庭のお仏壇にお参りさせてもらうでしょ。
そしたら合格通知があったりとか宝くじを置いてる家も…。
ありましたありました。
そんな当ててくれへんっていうんですよご先祖は。
いろんな物をお仏壇に置くという。
それはやっぱり思いのある物を置きはるんですけども。
そこの家庭の人たちの人柄が出てるような感じですごくいいなあと思います。
もちろんお仏壇なしでも生活はできますしでもあればねおろそかにできないといいますかそっちに足向けて寝転ぶというのは抵抗があるとかそういう…そんな気が…。
なるほどね。
お仏壇は日常の暮らしの中に聖なる空間を設定する装置です。
仏壇と位牌その存在は日本人の宗教的センスを培ってきました。
落語は笑ってなんぼ!人間は笑う動物。
笑いと落語について考えます。
お寺で笑ってもらおうと落語会を始めて20年の法泉寺住職増田洲明さんに参加して頂きます。
ご住職にも文我師匠にも見て頂きたいものがあるんです。
何でしょう?これは向源寺さんの十一面観音さんです。
滋賀県長浜市向源寺所蔵の…堂々たる一木造り。
頭上にいくつものお顔を頂きあらゆる方向を見守る観音様です。
悟りへ導くお顔はさまざまな表情を持っています。
左右にそれぞれ3面正面には本面を含む4面を拝む事ができます。
これで十面。
残りの一面は…。
これが十一面。
いかがですか?へえ〜!大笑いしてますでしょ。
にこやかなお顔ですね。
これを「暴悪大笑面」といいます。
「十一面観音」の後ろ側にあるのが「暴悪大笑面」。
普通は光背があるため見る事のできないお顔です。
その意味するところは煩悩にまみれた人間の愚かさを大笑いして改心させ仏の道に向かわせるといわれています。
私の落語のイメージってこの「暴悪大笑面」なんですよね。
ちょっとそれどういう事か教えて頂けます?何と言いますかねえ落語というのは人間の具合悪いようなところを排除しないでしょ。
「あんな人おるおる」とか「自分もあんな事ある」そんなふうにお噺が展開していきますでしょ。
それを非難するんじゃなく排除するんじゃなくて笑う。
いかがですかご住職。
今のお話。
そういうまぬけた部分とかねそれぞれに皆そういうところを持ち合わせてるわけでねそこらが共感できるというかそこで笑いが起こるというのはね。
特に我々浄土仏教の道を歩んでるものにとっては…人間の愚かさに気付いていくという。
そこに…。
悪い事をやめてええ事をしようなんていう教えもありますがそれができないんですよね。
分からない。
それができないという自覚に基づいて…。
そうそう。
そっから始まる。
「暴悪大笑面」は私たちの煩悩にまみれた心の中を笑い飛ばし自分の愚かさに気付かせてくれます。
意識的にバリアを張ってるつもりでもずっと張りっぱなしだと心というのはどんどん枯れていくような気がするんですよね。
やっぱり自分のバリアを外すっていう。
話ししてるうちに笑いが加わるとそのバリアが自然に外れたりする。
「笑い」はバリアを外す一つの大きな手やと思うんですよね。
全面的にバリアを下ろす場と時間が必要だと感じてる現代人が結構いてそういう人がお寺に来てくれたり寄席に来てくれたりすると大変ありがたい。
そういう感じで法泉寺寄席に足向けて頂ける方感じますね。
その時間と場所があるかないかというのは人生の分岐点のような気がします。
皆さんは笑いましたか?心が和らぎました?仏教と落語を笑いでつなぐ「落語でブッダ」。
堪能して頂けましたでしょうか?ではテレビの前の皆さんもご一緒に一本締めで!それではお手を拝借よぉ〜!どうもありがとうございました。
お気を付けてどうも。
今回の内容はこちらのテキストに詳しく紹介されています。
8回にわたってひも解いてきた「落語で…」。
(一同)「ブッダ」。
これにて終演です。
(テーマ音楽)2014/02/03(月) 11:30〜11:55
NHKEテレ1大阪
趣味Do楽 落語でブッダ[終]第8回「桂文我“蛸芝居”〜日本人、こころの原風景」[解][字]
落語と仏教のコラボでお届けする「落語でブッダ」いよいよ最終回!今回は桂文我の上方落語らしい芝居噺「蛸(たこ)芝居」を聞きながら、「笑い」の効用について語りあう。
詳細情報
番組内容
落語と仏教のコラボでお届けしてきた「落語でブッダ」も、いよいよ最終回! 今回は桂文我の上方落語らしい芝居噺(ばなし)「蛸(たこ)芝居」。ある商家は旦那から丁稚(でっち)・出入りの魚屋さんまで、みな芝居好き。何をやるにもいちいち芝居の口上でやるので、仕事が進まない。しまいには魚屋の蛸まで芝居をはじめて…。ナンセンスな笑い話を、講師・釈徹宗がどのような仏教話に展開するのか? 乞うご期待!
出演者
【出演】落語家…桂文我,【講師】如来寺住職・相愛教授…釈徹宗,【語り】三宅民夫
ジャンル :
趣味/教育 – 生涯教育・資格
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
劇場/公演 – 落語・演芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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