（泰介）姉ちゃんが…。
（め以子）ふ久が？
（泰介）夜ばいしとった。
・「突然偶然それとも必然？」・「始まりは気付かぬうちに」・「予報通りいかない模様」・「そんな時こそ微笑みを」・「ポツリポツリと町の色変わってゆけば」・「傘はなくとも雨空に唄うよ」・「どんな君でもアイシテイル」・「顔を上げてごらん光が照らす」・「涙の河も海へと帰る」・「誰の心も雨のち晴レルヤ」
（泰介）夜ばいしとった。
（悠太郎）よ…よ…。
そ…それホンマなん？何やってるんですか！？姉ちゃんこそこれはちょっとやり過ぎと違う？どう見ても諸岡さん困ってはんねんけど。
（諸岡）こ…困ってませんよ！困ってはいませんけど困ったな…。
姉ちゃん何で急にこんな事言いだしたんや。
諸岡さんの事急に好きになったん？
（ふ久）うちな諸岡君と泰介で２人でおる時に妄想しとってん。
妄想？男の熱い友情いうか女の入り込めん世界いうか。
けったいな趣味やな。
初めはただの趣味やと思ってた。
けど泰介次の年もピッチャーの子連れてきたやろ？うん。
（ふ久）それでまた同じ事やろうと思ってんけどできへんかってん。
できへんかった？諸岡君やったらこんな時ものすごいよう食べるのにとか。
不必要に礼儀正しいのにとか。
比べてばっかで楽しめんかった。
それで？諸岡君がおらんようになるって聞いてこの人がもう見られへんかもしれん思たらどないしよう？どうしたらええんやろうて思て。
うちにできる事は一つしかないやんか。
それがあんたの言うとる好きなんかどうかうちには分からんけどうちは諸岡君の子どもが欲しいって思うた。
もっと…。
もっと早う教えて下さいよ。
もっと早う言うてくれはったら全然違うたのに。
うちに子ども残してくれへん？
（泰介）まあそういう事やねんけど。
姉ちゃんすごく純粋やなぁて思うたよ。
あの人には結婚するとかせんとかどうでもええんや。
諸岡さんの事がただ好きで好きでとにかく子どもを残したいだけなんや。
やり方はえげつないけど僕は純粋で強い愛情の持ち方やと思うた。
それで？
（泰介）それだけです。
あとはお父さんに任せる。
お母さん御飯して。
活男下でへばっとったで。
ああうん。
（戸の開閉音）あ…お父さん。
うん？子どもはものすごい支えでもあるんですよ。
せやから何ですか？それだけです。
（活男）お姉ちゃん今日はよう食べるな。
（静）何かあったん？ああ食べはります？後で持っていこうかと思たんですけど。
うん。
泰介。
はい。
諸岡君のうちいうんは円満なんか？まあおじさんとおばさんは仲良さそうやで。
おじさんは何してはるんや？
（泰介）工場をやってはる。
ふ久。
子ども育てるいうんは簡単やないで。
お母さんがお前を育てるのにどれだけ苦労したか分かってるか？うん。
ホンマにできるんか？子どもいうんは親の見えへん力で育つもんや。
うちもそうするつもりや。
子どもがでけたら勉強も諦めなあかんようになるかもしれんで。
それはええんか？
（ふ久）勉強はやる気になればどこででもできる。
それでホンマに幸せになれるんか？自分で決めた事や後悔はせえへん。
ほな今日はぎょうさん食べなさい。
えっ？食べたら挨拶に行きますよ。
あなたも。
えっ？今からですか？失礼は承知ですが時間もあんまりない事ですし。
せやかてそんなに急がんでも…。
子ども欲しいんやったら急がんとあかんでしょう。
ええの？こっちがようても向こうさんに断られるかもしれへんけどな。
お父ちゃんおおきに。
（川久保）お兄さん決めはったら早いな。
（希子）そうなん。
びっくりでしょう？けど冷静に考えると姉ちゃんあんなんで嫁にもらってもらえるんですかね？実際結構迷惑な気が…。
（静）迷惑な事あるかいな。
息子の子ども産みたい言うてくれる嫁なんて家質に入れても欲しいやろ当節。
まあそうですよね。
（物音）お母さんだぁだぁ泣いてはりましたね。
諸岡君が涙もろいんは遺伝なんですね。
せやからここまで急ぐ事ないて言うたやないですか。
１晩寝ると決心が鈍りそうで。
ふ久ってものすごいわがままやないですか。
自分が楽しい事しかやらんしやりたい事は必ずやるし。
そんな子ですから大丈夫ですよ。
今猛烈に卯野のお父さんとお酒が飲みたいです。
こうです。
するとシュ〜ッて。
回転数の問題なんか。
えっ？ちょっと今投げてみて。
今からですか？ふ久さん。
立って。
立ってですか？はい。
ええってお母ちゃん。
寮で御飯出てるから。
そんなんで足りんやろう。
ほれ。
僕よりあいつに食わしたってや。
うん？活男。
元気ないやん。
ああ工場きついみたいでな。
台所入ってないん？一日中働いて台所やらしたら倒れてしまうわ。
そうか。
気になるほどやった？うん…。
あんまり笑わんようになったな〜って。
（軍人）銃後の守りも大切だが日本男児たるものこの際一身をなげうって海軍に志願し…。
（おなかが鳴る音）
（軍人）その若き血潮を是非戦いの第一線にささげてもらいたい！一身をなげうつか。
わしも考えんとな。
このままおってもしゃあないしわし志願しようかな。
お前は？
（活男）えっと…。
敬礼！続けなさい。
何だねその肉は。
あ…大豆です。
大豆粉を練って蒸したんです。
ほう〜。
いかがですか？小麦粉も使ってるのか。
何で分かりはるんですか？ず〜っとお願いしてたの今日やっと譲ってもらえて。
やっぱり！ず〜っと飼いとうて飼いとうて。
・
（活男）お母ちゃん！ああお帰り。
お帰り。
ほらほらほらほら。
お母ちゃん。
わし志願する！海軍に志願する！2014/02/19(水) 08:00〜08:15
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 ごちそうさん（１１７）「私の大豆な男の子」[解][字][デ]
め以子（杏）と悠太郎（東出昌大）はふ久（松浦雅）が諸岡（中山義紘）の部屋に押しかけたてんまつを泰介（菅田将暉）から聞く。ふ久の純粋さに悠太郎は覚悟を問いただす。
詳細情報
番組内容
め以子（杏）と悠太郎（東出昌大）は、泰介（菅田将暉）から、ふ久（松浦雅）が諸岡（中山義紘）の部屋まで押しかけたてんまつを聞く。ふ久は思いを真剣に伝え、諸岡もうれしいと言うが、それでも断られたという。め以子と泰介は、ふ久の純粋さに肩入れする。悠太郎はふ久の覚悟を問いただし、め以子と３人で諸岡家へ出向く。ふ久は諸岡家で暮らすことに。一段落したはずが、め以子は活男（西畑大吾）が口にした志望に仰天する。
出演者
【出演】杏，東出昌大，宮崎美子，高畑充希，菅田将暉，松浦雅，西畑大吾，茂山逸平，中山義紘，【語り】吉行和子
原作・脚本
【作】森下佳子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード（ステレオ）
日本語（解説）
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