(テーマ音楽)インド洋の季節風に乗ってやって来たアラブ商人はアフリカの小さな島の運命を変えました。
東アフリカタンザニアの沖合40kmに浮かぶ島ザンジバル島。
広さは沖縄本島のおよそ1.4倍あります。
19世紀に繁栄を極めた商業都市世界遺産ストーンタウンが当時のたたずまいを今に残しています。
町を歩くと目に留まる重厚な扉。
かつて裕福な商人たちは富の象徴として扉に細かな細工を施し美しさを競い合いました。
扉に並ぶ銅で出来ている突起は魔よけの力があると信じられていました。
島の王が造らせた迎賓館ハウス・オブ・ワンダーです。
扉は王が東アフリカで一番大きなものにするように命じて造らせました。
高さは5m近くあります。
かつてそのバルコニーからインド洋を行き交う船がすべて見渡せたといいます。
ザンジバル島が交易の中心地となったのは季節風のお陰でした。
季節風は半年間島からアラブの国々へと吹き次の半年は逆に島へと吹きます。
18世紀にアラブ人が島を支配してからはアフリカとの交易の中継地としてザンジバル島は急激に繁栄していきます。
アラブ商人が特に高値で輸出したものが3つありました。
1つはスパイスです。
島では高品質のクローブなどが作られ「スパイスアイランド」の名で有名でした。
2つ目は象牙です。
島は東アフリカ全域から運ばれた象牙の集積地でした。
遠くアメリカにまで売られていました。
3つ目は奴隷。
町の中心にそびえ立つこの教会はばく大な利益をもたらしたその市場の跡地に建てられていました。
東アフリカ最大の奴隷市場です。
教会の跡地の奴隷のモニュメントには実際に使われた鎖がそのままかけられています。
奴隷たちはここに集められ競りにかけられました。
教会は商人が奴隷の品定めをした場所の真上に立っています。
奴隷たちは1本の木にくくりつけられていました。
教会の床にはその木の生えていた場所が記されています。
木につながれた奴隷はむちで打たれ我慢強い者ほど高値がつきました。
市場に出される奴隷を閉じ込めていた倉庫です。
奴隷たちはこの天井の低い部屋に大勢入れられていました。
ストーンタウンで取り引きされた奴隷はアラブ諸国へと送られました。
その人数は330万人に上るといいます。
奴隷制度は1897年に廃止されますがザンジバル島が独立を果たすのはそのずっと後1963年のことでした。
2014/03/19(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ザンジバル島のストーンタウン〜タンザニア〜」[字]
季節風が生んだ富と涙 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
季節風が生んだ富と涙 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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