(正義)あっ…。
(灰司)お久しぶりです。
サムライフラメンコさん。
僕澤田灰司っていいます。
澤田灰司君?
(男性)おい!めちゃくちゃ燃えてるぞ!マジで!?
(男性)消防車と救急車!・
(爆発音)
(男性)うわー!君も早くここから離れた方がいい。
うっ…!
(灰司)大丈夫ですよ。
爆弾を仕掛けたのはあなたの部屋だけですから。
冗談だろう?君みたいな子供が…。
あなたのために頑張りました。
何を言って…。
はっ離すんだ!
(灰司)そんなぁ…。
せっかくサムライフラメンコさんと握手できてるのに。
今はそんな場合じゃ…。
うわっ!
(灰司)まあ今日はご挨拶ってことでいいかな。
これからもよろしくお願いします。
君!
(灰司)燃えている自分の部屋を心配した方がいいですよ。
・
(爆発音)どうして…。
(警察官)ここ調べてくれ。
(警察官)こっち来てくれ。
・
(戸塚)羽佐間さんお話いいですか?
(戸塚)後藤が立ち会えればよかったんですが今休暇で。
あっ…はい。
あいつ羽佐間さんのこと心配していました。
落ち着いたら連絡してやってくださいね。
あっ…ちょっと失礼します。
(戸塚)なるほど。
その少年が自分でやったと。
ええ。
そう言ってました。
(戸塚)その子人間だったんですか?中学生ぐらいで澤田灰司と。
(戸塚)いつぞやの宇宙人とかが化けてるんですかね?たぶん違うと思います。
(戸塚)ならテロとか?そんな雰囲気でもなかったです。
ハァ…。
(石原)後藤さんに連絡?ええまあ…。
(石原)正義君が連絡するならまず彼よね。
取りあえず無事を知らせるメールを送っておこうかなと。
電話しちゃえば?いいわよしても。
今日は色々あり過ぎて混乱して…。
(石原)元気出しなさいよ。
総理とまで戦った男でしょ。
ん?
(石原)正義君?ああいう人形にどれほどの価値があるか分からないけどまた集めればいいじゃない。
ああいえ…。
僕は今現場にいた少年について考えていたんです。
ああそっち。
コレクションが燃えたことは思い出しただけでもショックで赤ん坊まで退行しそうです!
(石原)えっ…。
だから意図的に忘れています!退行していいですか?あっいや…それはちょっと。
半分冗談です。
半分は本気なのね?フフッ…。
ありがとうございます。
元気出ました。
(石原)フフッ。
あなたのマネジャーだからね。
(石原)食欲ないかもしれないけど何かしらは食べておくのよ。
ホテルの警備は警察がしてくれるらしいから。
はい。
(運転手)事情は分かりませんが負けないで。
応援しています。
ありがとうございます。
(アナウンサー)午後9時ごろ知比留市幸待町タワーテラス幸待の最上階で爆発が起こりました。
この火事で逃げ遅れやケガ人はいませんでした。
爆発が起きた部屋の借り主は世界大統領候補でもあるモデルの羽佐間正義さん…。
はい。
ビーフカレーで。
警視庁は事件と事故の両面…。
あっ…甘口でお願いします!
(アナウンサー)事故当時の映像です。
なおこの爆発が起きたマンションには…。
あの少年の放火についてはまだどこも触れてないんだな…。
・
(ノック)来た!うわ〜!こんな状況でもカレーは食べたくなるんだよね。
いただきま…。
・ん?・はい。
(灰司)灰司です。
サムライフラメンコさん。
あっ!君は…。
どうしてこの部屋が?あなたのために頑張りましたから。
どういう意味だ?なぜ僕を付け狙う。
僕に興味を持ってくれていますね?うれしいな!僕は敵です。
この世界に残ったあなたの最後の敵です。
敵?僕は1年前まで普通の中学生でした。
コンビニの前でたむろしていた学生たちに注意したのを覚えてませんか?あっ…あのときの!覚えていてくれたんですね?よかった。
そこであなたのお説教を聞いて思わずぽかんとしちゃいましたよ。
バカじゃねえの?と思いました。
家に帰ってもあの姿が頭から離れない。
特に「フラメンコ」って言葉がつぼで何度もつぶやいてましたよ。
《フラメンコ…フラメンコ…》《フラメンコ…フラメンコ…》《アハハハ!何だよその名前。
つぼった!》友達に頼んであのときの画像を送ってもらったりして。
でも何度も見返してるうちに僕の中に疑問が生まれたんです。
なぜこれほどサムライフラメンコに引かれるのか。
(灰司)答えは出ましたよ。
静かな生活を続けてきた僕にとってあなたは圧倒的な非日常。
異物だったからです。
常識や利害の外にある欲求。
あなたは僕にないものだけでできている。
だからこそこんなにも引かれるんだ。
僕は世界で一番あなたを欲している。
だからこそふさわしい存在になろうと努力を始めたんです。
何でそうなるんだ!そうですよね。
ここ否定してきますよね。
ありがとうございます。
でもやっぱり悪があるから正義は存在できるんですよ。
中学生の僕でもそれぐらいの理屈には到達できました。
だからってなぜ君が悪になる必要があるんだ!?
(灰司)あなたとつながりたいからです。
・は?
(灰司)仲間じゃ駄目です。
もっと深いところであなたとつながりたい。
深く正義と結び付くもの。
つまり悪。
ただ悪にも色々あるじゃないですか。
権力や金銭欲望を求めるのは不純だと思うんです。
キング・トーチャーさんの理念も気に入りません。
だから決めました。
ただサムライフラメンコのためだけの悪になろうと。
目的はただ一つ。
サムライフラメンコに悪いことをする。
それが僕澤田灰司が選んだ進路です。
君は…。
あっ。
ルームサービスは食べない方がいいですよ。
あしたからまたよろしく。
じゃあおやすみなさい。
・
(不通音)
(戸塚)毒物は検出されませんでしたよ。
普通のビーフカレー甘口です。
そんな…。
それにゆうべの火事の現場から爆発物の痕跡が見つからないんですよ。
えっ!?今ガス漏れによる事故の可能性も踏まえて捜査しています。
それから例の澤田灰司ですが彼は1年前に病気で死亡してます。
なっ!?ご両親は彼の死後引っ越したとかで連絡が取れていません。
そんなバカな…。
僕は見たんです!彼と会ったんです!少し休んでください。
・
(ドアの閉まる音)《澤田灰司君はいったい…》灰司君。
どこに行けば君と会える?
(灰司)僕は今忙しいので会うことはできません。
あなたにとって悪いことをしないといけないので。
なっ!?何をするつもりだ?カラフルなところから攻めていこうかなと。
何を言ってる…!
(通話の切れる音)僕にとって悪いこと…。
あっ!まさか…。
・
(蒼一の鼻唄)
(蒼一)ん?
(蒼一)もしもしっす。
ブルー!?身の回りに用心してくれ!
(蒼一)いきなり何を言ってるんすか?ゆうべ僕の部屋が爆破されたの知らないのか?
(蒼一)まあトラブルに縁がある人だなとは思いましたけど。
えっ!?あっ…どうしたんだ!?
(かばんの落ちる音)あっ…何すかこれ…。
ひでえ…。
もしもし?もしもし!?くれぐれも用心してくれブラック。
(闇児)分かった。
俺は無事だ。
グリーンやピンクにも…。
・
(物音)あっじいちゃん!
(祖父)うう…。
(闇児)じいちゃん大丈夫か!?ブラック?どうした!?いきなり後ろから…。
何かあったのか!?もしもし!?
(碧)ハァハァ…。
(碧)何!?
(碧)《悪意の確率100%…》
(碧)すでにこちらにも手が伸びていましたよ。
本以外に被害は?
(碧)今は。
しかし…。
・碧!碧!無事か!よかった。
あのね。
これもらったの。
(碧)これは…私の!あとは君だけなんだ。
くれぐれも用心してくれ。
(桜)事情は分かった。
襲ってきたら…。
(桜)フン!逆に捕まえてやる!油断するな!今度の敵は何かが違う。
それでもフラメンジャーのレッドなの?私は戦うわ。
そして敵を倒せばダーリンと会うチャンスができる!そうすれば…。
グフフフフフフ!待っててダーリン!ん?ん!?あら?あ…。
うわーっ!!ピンク!?もしもし!?もしもし!?
(桜)ああ…あ…髪がー!!くっ…。
フラメンジャーのみんなは関係ないじゃないか!
(原塚)えっ?うわー!
(原塚)う…うう…うっ…。
・
(トラックの走行音)
(要)うわー!
(要)あっ…ああ…。
(男性)きゅ…救急車!救急車!大丈夫ですか!?動けますか!?聞こえますか!?
(男性)もしもし!?
(原塚)まったく…。
プロテクターをしていなければ即死でしたよ。
普段もつけてるんですね。
(原塚)こんなこともあろうかとです。
要さんも早く回復するといいんですが…。
師匠…。
(原塚)不屈の魂を持つレッドアックスです。
回復を信じて待ちましょう。
はい。
(原塚)しかしいったい誰が…。
澤田灰司…。
家を燃やしたという中学生ですか?はい。
原塚さんは何か気付いたこととかありませんか?ああ…残念ながら。
他のみんなもそう言ってるんです。
証拠がない。
目撃者もいない。
その子の友達なら何か知っているのでは?警察が調査していて…。
《澤田?あいつ病気で死んだって聞いてますけど》《何の病気かは知らないっていうか…》《澤田ってあんま話さなかったしな》《そうそう。
よう分からんやつっした》実体のない相手です。
雲をつかむような。
本当に雲…。
つまり幻影なのかもしれません。
例えば四次元人が死人を使い惑わしている…とか。
でも世界は平和になったと大宇宙さんが。
確かに。
それに彼には実感があったんです。
(原塚)実感?はい。
明確な意思も伝わってきました。
僕に対する底知れない悪意が。
灰司君か?
(灰司)ハハッ。
すぐに電話取ってくれた。
こういうのって何かうれしいですね。
ふざけるな!サムライフラメンコにならないんですか?僕を止めてくださいよ。
師匠のケガは君の仕業なのか?そうです。
原塚さんも?僕です。
フラメンジャーのみんなも…。
あなたのために頑張りました。
ていうか駄目じゃないですかサムライフラメンコさん。
石原さんやミネミラの皆さんにも注意してねって連絡しなきゃ。
興奮し過ぎで予防を忘れてますよ。
まさか…。
いえいえ何もしていません。
まだね。
どうです?僕救いようのない悪でしょ?くっ…!これはもう正義執行!サムライフラメンコの出番ですよ。
バカなことはやめるんだ!こんなことして何になる!?え〜ノリが悪いな。
僕さみしいです。
やり方が手ぬる過ぎましたかね…。
キング・トーチャーさんまでいくとバイオレンス過ぎて僕には合わないと思ったんですが。
何を言ってる…。
やはりここは何人か死んでもらうしかないかなぁ。
正義にやる気を出させるには。
特に後藤さんだ。
後藤さんを殺してみるとか。
そんなことをしたら君を殺す!あ〜…それですよそれ!それこそ僕の望んだものです!これでようやく僕たちは対等だ。
(通話の切れる音)
(呼び出し音)後藤さん…。
(後藤)はい。
後藤さん!?おお。
お前やっと連絡よこしやがったな。
どうしてたんだよ?後藤さんよかった…。
何だよ。
どうしたんだ?今どちらに?実家から帰ってきたところだよ。
じゃあ僕そっち行きます!何で!?以上がこれまでの話です。
(後藤)澤田灰司ねぇ…。
立て続けに起こった事件の裏には彼がいるんです。
確かにお前の部屋の爆発やおっさんたちがケガをしたのは由々しき事態だが…。
でもなぁ…。
今までの相手は悪の怪人とか宇宙人とかそんなのばっかりだったから何を仕掛けてきても不思議じゃなかったよ。
今度は中学生が相手ってのがどうもなぁ…。
あっ…。
お前ちょっと疲れておかしくなってるんじゃないか?いい温泉教えてやろうか。
その間に…。
僕は真剣に言ってるんです!分かってるって。
だから疲れてんのかって心配してんだよ。
後藤さん…。
だってよ証拠が残らない爆発物を中学生が作るのは難しいだろ?そっそれは…。
フラメンジャーの連中への嫌がらせだってそうだ。
別の場所にいたっていうのにほぼ同時に事件が起きている。
中学生一人じゃ厳しくないか?お前やフラメンジャーは有名人だからな。
変な連中が現れてもしょうがないさ。
でも後藤さん確かに僕は見たんです!信じてやりてえけどな…。
思い込むと幻覚も見えてくるっていうし。
ハァ…。
そっそれは後藤さんのことでしょ?メールのこと知ってるんですよ。
あっ?どういう意味だこら。
もういない彼女さんにメールをしていることです!うっ…。
もういないって何だよ!だって彼女さんは…!いるよあいつは!今もどこかで元気にしてんだよ!後藤さん苦しい…。
仮にもヒーロー名乗ってるくせしやがってよくも俺の大切な人間をいないと言いやがったな…。
心の中にいるぐらいも言えねえのか!ああ!?おい!うう…り…理不尽です。
僕の言葉は信じてくれないのに自分の彼女はいることを認めろなんて…。
彼女さんのことをいないと言ったのは謝ります。
すいません。
でも…。
警察が信じてくれなくても後藤さんだけは僕のことを信じてくれると思っていたのに!うわっ!う…くっそー…。
あっ…。
出てけ。
えっ?二度と俺の前に現れるな。
ご…後藤さん?顔も見たくねえ!!ああ…。
すいませんすいません…。
すいませんすいません!・
(ドアの開閉音)人は土手でこそ真実を語る…か。
連絡を待つにはいい場所だ。
はい。
(灰司)元気ないですね。
もしかして後藤さんとケンカしちゃいましたか?姿を見せてくれ。
僕と対等でいたいのならばそうすべきだろう。
ねえサムライフラメンコさん。
あなたにとって僕が後藤さんにとっての彼女でないと誰が言えますか?あなた以外の人に僕は見えてますか?えっ?あなたの話が信じてもらえないのは実体がはっきりしていないから。
皆が僕を認識できれば手っ取り早いんですけどね。
そこにいるじゃないか!うわーっ!《灰司君と会って灰司君と話して灰司君を知っているのは僕だけだ》《だとしたら彼はこの悪のいなくなった世界で無意識に僕が作り出している幻覚かもしれない》《それなら正義の味方であるサムライフラメンコが倒すべき本当の悪は…》僕…なのか。
2014/03/19(水) 02:44〜03:14
関西テレビ1
サムライフラメンコ[字]【真のヒーロー誕生までの物語を描く】
平和な日常を突如破壊した少年・澤田灰司。『この世界に残った最後の敵』だと宣言する彼は、かつて正義が“サムライフラメンコ”として対峙した中学生だった…。
詳細情報
番組内容
大人になりたくない、“大人たち”へ———
監督・大森貴弘×シリーズ構成・倉田英之×キャラクター原案・倉花千夏×制作・マングローブ
斬新!大胆!スリリングッ!な、オリジナルアニメーション、ここに誕生。
改造手術も受けず、特殊な能力も持たず“自力で”正義の味方になってしまった男・羽佐間正義。
運命の悪戯でその正体を知り、以降彼の起こすトラブルに巻き込まれる警官・後藤英徳。
二人の関係を軸に、
番組内容2
この世界で「正義の味方として活動」することの困難と意義、そこから生まれるドラマをときにコミカルに、ときにシリアスに、真のヒーロー誕生までの物語をドラマチックに描く!
監督は「デュラララ!!」「夏目友人帳」など、実写的な演出に定評のある実力派・大森貴弘、構成は「R.O.D」「ガン×ソード」など、独創的なセンスを放つ倉田英之、キャラクター原案は「うたの☆プリンスさまっ♪」「アクエリオンEVOL」
番組内容3
など、絶大な支持を誇る倉花千夏、そして、「ミチコとハッチン」「サムライチャンプルー」など、オリジナルアニメーションの新境地を追い求めるマングローブが制作を担当する!
大人になりたくないなれないスタッフが、大人になりたくない“大人たち”へ贈る、愛と正義の物語———
出演者
羽佐間正義: 増田俊樹
後藤英徳: 杉田智和
真野まり: 戸松遥
三澤瑞希: M・A・O
森田萌: 山崎エリイ
要丈治: 小杉十郎太
原塚淳: 大川透
石原澄: 中村千絵
今野明: 三上哲
ほか
スタッフ
【原作】
manglobe
【監督】
大森貴弘
【シリーズ構成】
倉田英之
【キャラクター原案】
倉花千夏
【キャラクターデザイン】
山下喜光
【アクション作監・デザイン】
山田起生
【プロップデザイン】
常木志伸
【美術監督】
栫ヒロツグ
【美術設定】
加藤浩
【色彩設計】
海鋒重信
【撮影監督】
高橋賢司
【編集】
関一彦
スタッフ2
【音楽】
玉井健二&agehasprings
【アニメーション制作】
マングローブ
【製作】
Project サムメンコ
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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