（テーマ音楽）この土産物屋はかつて教会でした。
１５世紀オスマン帝国によって破壊されまだ再建のめどが立っていないのです。
マケドニアの西部湖に面したオフリドはローマ帝国以来の歴史ある町です。
希少な水生生物が生息する湖と町に点在する教会が世界遺産となっています。
オフリドには３世紀にキリスト教が伝わりコンスタンティノポリス由来の正教の教会が３００余り築かれました。
しかし１５世紀オスマン帝国の時代教会の多くは破壊されモスクに変えられました。
キリスト教とイスラム教がせめぎ合った記憶は至るところに残っています。
更に第２次世界大戦後ユーゴスラビアの下宗教が弾圧されます。
宗教活動が制限されオフリドの教会も閉鎖されました。
教会は風雪にさらされ傷んでいったのです。
住宅街にある聖ニコラ教会も旧ユーゴ時代に閉鎖されました。
５０年以上も閉鎖は続き建物は傷みが激しくなっていました。
しかしマケドニア独立後再び元の姿に戻そうという機運が高まります。
町の有志たちによって修復作業が始められました。
石工のミトレフスキさんです。
石材はこの地方で取れる花こう岩。
石の表面を削り自然な岩の手触りと陰影に富んだ美しさを作り出していきます。
ミトレフスキさんが３年間手がけた修復作業はほぼ９割が仕上がりました。
（ミトレフスキ）私も正教の信者です。
教会からお願いされれば引き受けますよ。
イコン画家のネデスキさんも求めに応じた一人です。
５０年放置された聖ニコラ教会への思いを込めてイコンを描いています。
正教にとってイコンは信仰を深め神の教義への理解を深めさせるための重要な存在です。
主にクルミの板を使い絵の具には色が長もちするように卵の成分を含んだ乳剤を使います。
（ネデスキ）とても言い表せないほどの心の安らぎを感じます。
描く時はいつも決まって神のことを思います。
日曜日人々が聖ニコラ教会に集まってきました。
ネデスキさんが２か月かけて手がけた新しいイコンが届く日です。
司祭から祝福を受けるとイコンは本来の場所に置かれ聖なる魂が吹き込まれます。
こうしてようやくこの教会で祈りの儀式ができるようになりました。
人々の思いが届いたのです。
（ネデスキ）私の描いたイコンが教会に納められてすばらしい気持ちです。
これに勝る喜びはありません。
とてもうれしく思います。
神に感謝しています。
2014/02/19(水) 04:15〜04:20
ＮＨＫ総合１・神戸
シリーズ世界遺産１００「オフリドの文化的・歴史的景観と自然環境〜マケドニア〜」[字]

−よみがえるマケドニアの聖堂−　▽複合遺産　【語り】松平定知　【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー／教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー／教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー／教養 – 自然・動物・環境

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音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz

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