サムライフラメンコ【真のヒーロー誕生までの物語を描く】 2014.02.19

(正義)あっ…。
(男性)奥崎総理結構やるよな。
(男性)ああ。
でも元は自分のミスでしょ。
強引じゃない?
(男性)しらばっくれるよりいいだろ。
(正義)ハァ…。
あっ。
(刑事)羽佐間正義から連絡は?
(石原)ありません。
(刑事)いつから?あの捏造報道からずっとです。
(刑事)捏造ですか?
(石原)そうじゃないですか。
あんなこと自作自演でできるわけないでしょう?だいたいフラメンジャーになるよう依頼してきたのは国の方ですよ。
国ではありません。
要容疑者です。
それにこういう写真もありますしね。
この男と羽佐間正義との関係は?分かりません。
あなた彼がサムライフラメンコとして活動してたことも知らなかったそうですね。
事務所の人間として監督責任をどうお考えですか?
(刑事)今日はお引き取りくださって結構です。
また後日お話を聞かせてもらいますので。
(今野)羽佐間君本当にやってると思います?そんなに器用なことができる子じゃありません。
(今野)僕もそう思います。
彼は悪人になれるほど頭はよくない。
正義の味方がせいぜいだ。
となるとなぜ国が彼を陥れたかです。
尾行されてるんでまきますね。
(石原)はい?
(原塚)彼とはもうずいぶん会っていませんね。
(原塚)フラメンジャーになってから私は用済みでしたから。
(刑事)なるほど。
サムライフラメンコ時代羽佐間正義に不審な点はありませんでしたか?まあそもそもが怪しい人でしたし。
(刑事)うわっ!一応この辺の物押収させてもらっても?どうぞ。
もうがらくたです。
(要)みんなの様子はどうだ?元気…とは言えませんが今のところは無事ですよ。
緑川さんはいつものように冷静です。
海外の弁護士を呼べないかって相談されました。
黒木さんは怒ってますね。
口座を凍結されて契約書も破棄されたそうですよ。
蒼ちゃんはあなたが誤解されてるのが悔しいって泣いてました。
(要)そうか…。
(要)桃井君は?ん?桃井桜?そんな人フラメンジャーにいました?い…いや何でもない。
とにかく事務所の方を頼む。
思ったよりここに長居することになりそうだ。
(要の妻)ご心配なく。
いざとなったら「差し入れ」しますから。
無茶はするなよレディ・アックス。
(男性)元ヒーローはほぼ施設に収容しました。
皆おとなしくしています。
(総理大臣)なまじ正義の味方だけに暴力は振るえないか。
好都合だ。
(男性)支持率も現時点で81%に達しました。
(総理大臣)うーん…。
やはりもう一押しが必要だな。
羽佐間正義はどうなった?
(男性)それが…。
関係者にも当たっておりますが接触の様子も…。
予算人員を増やしていい。
何としても捕まえろ。
これは首相命令だ。
いいな?
(男性)は…はい!逃がさんぞフラメンコ。
うっ…うう…。
おなか…すいた。
あっ!ハァ…。
《駄目だ…やっぱり頼れない》
(萌)《まりさん…》
(まり)《消えろ…。
私の前から消えろ!》
(瑞希)《お…落ち着けっておい》《なあとにかく帰ろうや。
みんな心配しとるで》
(まり)《嫌》
(瑞希)《何でや?》《そいつの顔見たくないから》
(瑞希)《おい!》
(萌)《ど…どうしてですか?》
(まり)《あんた見ると思い出すの。
あのときのこと》《キング・トーチャーのときのこと!》《何で?何であのときあんなことが言えたの!?》《私の代わりに死ねるなんてカッコイイつもり!?》
(萌)《私…。
そんなつもりはなくて…》
(まり)《なくたってカッコイイの!》《そして私はカッコ悪いの》《普段偉そうにヒーローぶっててもいざというときは意気地なしだって気付いちゃったのあんたのせいで!最悪!》
(まり)《これから一生あんた見るたびにあのときのこと思い出しちゃう》
(まり)《だから逃げたの!》《どうしてそれが分かんないかな!?》《二度と私の前に現れないで》《じゃなきゃその顔剥いで捨てて!》
(瑞希)《おい!》《ええかげんにせえ!》《何やそら?あんた何様や!?》《萌に逆恨みしとるだけやないか!》《関係ねえよ…》《お前こそ何様だよ!》《口出すんじゃねえよ!》《出さずにおれるか!》《うちらはミネミラやないか!》《はあ!?ミネミラなんか私一人で十分なんだよ!》《あんたらが何の役に立ってんの!?》《言うたなお前…》《本当のことじゃん》《詞も曲も私一人で書いててさあんたらなんていなくても同じだよ!》《殺す…》《やめてください瑞希さん!》《放せ!》《やめてください!やめて…》《お願い…やめて…》
(瑞希)《いなくても同じ言うたな》《んなこと言われんでも分かっとる》《でもなそれでも離れられへんほどステージのお前はカッコ良かった》《ヒーローのときも同じや》《世界一まぶしかった》《けどなお前今宇宙一カッコ悪い》《今のお前はこっちから願い下げや》
(キングトーチャー)《君は口先だけで彼女をかばった》《本当に彼女を救おうという意思などなかった》うえっ…!うっうっ…。
うっ…!うえ…。
ハッ…ハァ…ハァ…。
う…うう…。
うう…チクショー…。
(泣き声)どうして私はヒーローじゃないの…。
チクショー…うっ…うう…。
(瑞希)おったか。
(まり)何で?萌がなお前が行く場所はここしかない言うてな。
ほんまにお前のことよう分かっとる。
(まり)萌は?おい。
(瑞希)お前が顔見たない言うたからや。
くそ真面目やなぁまったく…。
(萌)まりさん私二度とまりさんの前に現れません。
だから最後に話を聞いてください。
私あのとき本当にカッコ付けたわけじゃないんです。
(萌)勇気があったのでもありません。
臆病だったからなんです。
まりさんがもし死んじゃったら私そんなことを考えるだけで怖くてしょうがなかった。
そんな世界に生きてる価値なんてどうやっても見いだせなかったんです。
だってまりさんは私の生きがいですから。
そしてあんな目に遭った後にステージに立ったまりさんを尊敬しています。
いいえ。
歌で人の心を動かせるまりさんは前よりずっと輝いています。
だからもう一度ステージに立ってください。
瑞希さんと一緒に。
(瑞希)ん?
(萌)瑞希さんはまりさんのいない間ずっとスタッフさんたちをフォローしてるしまりさんの作った曲を誰よりも早く覚えて一生懸命練習してます。
まりさんはすごいっていっつも言ってます。
いつもは言ってへん!
(萌)だから2人で新しいミネミラを見せてください。
(萌)お世話になりました。
(まり)待って。
あんたのムカつくのそういうとこなの。
何で分かんないかな?もしかして天然?言ってるでしょ私よりカッコイイことするなって!みっともな。
けどまあ…。
その顔なら許してやらないこともない。
ごめん。
ま…まりさ〜ん!
(瑞希)なんや…。
片っぽゲロまみれで片っぽ涙でぐしゃぐしゃで。
お前ら2人ともカッコ悪いわ。
えっ!?おっおい!ここでそれは…。
あっ…まあええけど。
おいで。
はっ?
(まり)仲直り。
い…いやうちはそういうのは…。
私瑞希さんのこともまりさんの次に大好きです。
ミネミラ再結成だよ。
おいで。
(瑞希)解散してへんし!行こ萌。
(萌)はい。
(まり)ほら瑞希もおいで〜!
(瑞希)うわ〜!ゲロが〜!
(総理大臣)今回の事件は国民の心情を混乱させた戦後最大のテロ行為と考えています。
(キャスター)しかし何十年にもわたって国家をだまし続けるということがなぜ可能だったのでしょうか?現在事情聴取を行い徐々に事件の全貌が明らかになりつつあります。
前政権…いえそれよりずっと以前から中枢部に彼らの協力者がいたことは間違いありません。
彼らは何が目的だったのでしょう?おそらくは世界征服です。
自分たちで作り出した危機を回避することで人心を掌握し支持を集めて国家の頂点を目指していたと思われます。
何のことはない。
彼らこそ悪の組織だったというわけだ。
しかし安心していただきたい。
この奥崎が間一髪でその正体を暴きました。
正義の味方を自称していた面々もほぼ逮捕しています。
首謀者の一人を除いて。
それは?フラメンレッドこと羽佐間正義です。
国民の皆さまどうか目撃情報を寄せていただきたい。
彼を逮捕することが日本の平和につながるのです。
そして羽佐間正義。
これを見ているなら潔く出頭したまえ。
言いたいことがあるなら聞いてやる。
どのみちもうどこにも逃げ場はない。
日本中が貴様の敵だ!
(おなかの鳴る音)
(店主)ん?
(キャスター)以上奥崎総理にお話を伺いました。
警察では羽佐間正義の関係者に…。
ハァ…。
あっ。
(おなかの鳴る音)
(キャスター)では続いてはお天気。
毎日寒い日が続きますね。
(アナウンサー)はいホント寒いですね。
毎朝ふとんから出るのに一苦労です。
ん?あ〜…ああ。
あれ?総理もう終わっちゃったのか。
限界だ…。
《フラメンジャーチームによる自作自演の疑いが出ています》
(ジャスティス)《でたらめでも大衆が信じれば真実となる》《それがメディアの力だ》《もうどこにも逃げ場はない》《日本中が貴様の敵だ!》僕のしたことは何だったんだろう。
正義の味方なんてやらない方がよかったのかな…。

(男性)気が付きましたか?うっ…ここは?私の家です。
家と言うには手狭ですが。
おせっかいとは思いましたが声を掛けてもお返事がなかったもので運ばせてもらいました。
あなたは…。
(おなかの鳴る音)お休みの間も鳴りっぱなしでしたよ。
すいません…。
さあどうぞ。
あっ…。
いえそんな…。
何をするにもまずおなかを満たしてからですよ。
ありがとうございます!ごちそうさまでした!こんなにおいしいパンは生まれて初めてです。
困っている人を助けるのは当たり前のことです。
あっ…。
お飲みなさい。
どうも。
あのう失礼ですが目が?まったく見えないわけではないのですがね若いころの不摂生がたたりました。
頂きます。
何にしろ無事でよかった。
警察を呼ぼうとも思ったのですが…。
警察はちょっと…。
ああ。
私たちもなかなか肩身が狭いもので。
これはグッジョブというやつですな。
はい。
どういう事情かは聞きませんがこれから行く所はあるのですか?ありません。
頼る人は?いません。
声からするとまだお若そうですがよほど困っておいでなのですね。
本当は頼る人がいないわけじゃないんです。
でも僕は自分勝手な行動で周りの人に迷惑を掛けているんです。
深く考えずに大勢を巻き込んでしまった。
よかれと思ってやったことを利用されだまされたんです。
それは僕の責任です。
これ以上周りを不幸にはできない。
特にその人は…。
大切な人なのですか?大事な友人です。
もう行きます。
ごちそうさまでした。
ああお待ちください。
少し私の話を聞いていきませんか?あっ…はい。
すみませんね。
人と話すのがどうにも楽しくて。
私は以前そこそこ大きい会社を構えておりました。
それが信じていた友人にだまされあっという間に倒産した。
そうですか…。
家族と別れ目も悪くした後は一気にこのありさまです。
ここへたどりついたときには世界の全てを呪っていた。
人を恨み世を憎む毎日でした。
住み着いて分かったのですがここは夜になるとたちの悪いやからが取引に使ったりで始終心の休まるときがなかった。
その夜水をくみに出た私は売人からひどい暴力を受けていました。
私はやられる一方でした。
いったい何ができましょう。
自分には似合いの死にざまかと諦めていたとき通りすがりの男性が私を助けてくれたのです。
彼は見ず知らずの私のために戦って「ケガはないか?」と声を掛けてくれました。
その人の名はサムライフラメンコ。
あっ…。
(男性)私はそのとき人の善意を知りました。
人が人を思いやる心に触れ自分を見詰め直すことができたのです。
それからできるかぎり人の役に立とうと誓いました。
公園を掃除し病気になった仲間たちを看病し…。
するとあれだけ憎かった世の中が輝いて見えるようになりました。
人を助けることで自分にも善意が向けられるようになったのです。
この年になって初めて知った喜びでした。
だから私はあなたを助けたのです。

(警察官)おい起きろ。
不審者について聞きたい。
ちょっと入れろ。
ここは私に任せて。
でも…。
(男性)あなたには大事な友人がいるのでしょう?はい。
頼ってみてはいかがです?その人も人を助けることを喜びだと知っているかもしれませんよ。

(警察官)誰かいるのか?おい!
(警察官)うわ!何だ!?
(男性)お行きなさい!はい!
(後藤)《変態かー!?》
(後藤)《何やってんだバカ!》
(後藤)《やめろよフラメンコ》《すげえ分かった。
お前の言ってたこと》《悩んでもいいんじゃねえの?》《俺はただの警官だぞ!》《飯はちゃんと食ってんのか?》《お前もそっちで頑張れよ》うおーっ!!ハァハァ…。
ハァ…フゥ…。
(ノック)・は〜い…。
・何だよこんな早くからよ…。
う〜ん…ん?遅えよバカ。
2014/02/19(水) 02:39〜03:09
関西テレビ1
サムライフラメンコ[字]【真のヒーロー誕生までの物語を描く】

“フロム・ビヨンド”テロ事件の犯人とされた“フラメンジャー”たち。そして、政府は『非認可正義行動規制法』を国会に提出、ヒーロー達を次々に拘束していく!

詳細情報
番組内容
大人になりたくない、“大人たち”へ――― 
監督・大森貴弘×シリーズ構成・倉田英之×キャラクター原案・倉花千夏×制作・マングローブ 

斬新!大胆!スリリングッ!な、オリジナルアニメーション、ここに誕生。
改造手術も受けず、特殊な能力も持たず“自力で”正義の味方になってしまった男・羽佐間正義。
運命の悪戯でその正体を知り、以降彼の起こすトラブルに巻き込まれる警官・後藤英徳。
二人の関係を軸に、
番組内容2
この世界で「正義の味方として活動」することの困難と意義、そこから生まれるドラマをときにコミカルに、ときにシリアスに、真のヒーロー誕生までの物語をドラマチックに描く!

監督は「デュラララ!!」「夏目友人帳」など、実写的な演出に定評のある実力派・大森貴弘、構成は「R.O.D」「ガン×ソード」など、独創的なセンスを放つ倉田英之、キャラクター原案は「うたの☆プリンスさまっ♪」「アクエリオンEVOL」
番組内容3
など、絶大な支持を誇る倉花千夏、そして、「ミチコとハッチン」「サムライチャンプルー」など、オリジナルアニメーションの新境地を追い求めるマングローブが制作を担当する!

大人になりたくないなれないスタッフが、大人になりたくない“大人たち”へ贈る、愛と正義の物語―――
出演者
羽佐間正義: 増田俊樹 
後藤英徳: 杉田智和 
真野まり: 戸松遥 
三澤瑞希: M・A・O 
森田萌: 山崎エリイ 
要丈治: 小杉十郎太 
原塚淳: 大川透 
石原澄: 中村千絵 
今野明: 三上哲 

ほか
スタッフ
【原作】
manglobe 

【監督】
大森貴弘 

【シリーズ構成】
倉田英之 

【キャラクター原案】
倉花千夏 

【キャラクターデザイン】
山下喜光 

【アクション作監・デザイン】
山田起生 

【プロップデザイン】
常木志伸 

【美術監督】
栫ヒロツグ 

【美術設定】
加藤浩 

【色彩設計】
海鋒重信 

【撮影監督】
高橋賢司 

【編集】
関一彦
スタッフ2
【音楽】
玉井健二&agehasprings 

【アニメーション制作】
マングローブ 

【製作】
Project サムメンコ

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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