ガイアの夜明け【“廻る”回転寿司サバイバル】 2014.03.04

「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
ここは郊外の幹線道路。
車で走っていると…。
目につくのは回転寿司の看板。
こちらにも。
週末ともなれば駐車場は車でいっぱいになります。
そのうちの1軒を訪ねました。
栃木県に本社を置く元気寿司。
東日本を中心に56店舗を展開しています。
流れてきたのはマグロ。
2貫で105円。
サーモンも105円。
値のはる商品も。
長崎産の生さばは231円。
こちらはチーズを炙った新作のピザ風寿司。
こうした一風変わった創作寿司も人気です。
目立つのは家族連れ。
こちらは親子三代で来ていました。
家族で来ても財布に優しい。
そんなもんかな。
ラーメンや牛丼を上回っているのです。
こちらは大手のひとつ。
かつて業界トップだったかっぱ寿司。
この日は土曜日。
しかし店内には空席が目立ちます。
「ヘイヘイ平日92円92円…」低価格路線で成長してきたかっぱ寿司。
かっぱ寿司ヘイヘイ
しかし他社も低価格を打ち出すと客を奪われいまや過去最大の赤字が見込まれるまでに。
そんな苦境のかっぱ寿司に3か月前ビッグニュースが。
業界5位の元気寿司と経営統合を見据えた業務提携に乗り出すことになったのです。
そのかっぱ寿司に1人の男がやってきました。
寿司をひと口食べるなり…。
この人かっぱ寿司が提携することになった早速法師人さんがかっぱ寿司の改革に乗り出しました。
ガイアのカメラはその現場にいち早く密着。
生き残りをかけた闘いの舞台裏を追った。
元気寿司とかっぱ寿司の提携を裏で推し進めたのはこの男だった。
その口から出た意外な言葉。
独自路線をいく業界3位の風雲児。
厨房を覗くと…ラーメン。
そして本格コーヒーも。
目が回る勢いで進化する回転寿司。
おいしいだけでは客は呼べない。
その驚きの仕掛けとは。
幅広い層に人気の回転寿司。
その売り上げランキングは今どうなっているのでしょうか。
流れてきました。
こちら第5位は元気寿司です。
東日本が中心ですがアメリカや中国など海外にも110店舗を展開しているそうです。
続いてこちらが第4位ははま寿司。
牛丼のすき家のゼンショーグループが展開しているそうです。
この1年で新たにおよそ80店を出店。
急成長しています。
そして第3位はこちらのくら寿司です。
寿司以外のサイドメニューにも力を入れ今や全メニュー数の4割を占めています。
そしてこちらが第2位のかっぱ寿司です。
こちらは低価格で勝負。
かつて平日一皿92円を実現し業界1位だったこともあるそうです。
そして第1位はこちらのスシローです。
基本メニューは一皿105円ですが最近では189円の商品も始めました。
各社異なる売りで競い合ってきた回転寿司業界に今大きな変化が起きようとしています。
こちら第2位のかっぱ寿司と第5位の元気寿司が統合も視野に入れた業務提携に乗り出したということです。
『ガイアの夜明け』今回は生き残りをかけて回り始めた回転寿司業界その知られざる裏側を取材しました。
ここに話題の回転寿司があります。
その名は魚べい。
この日も客が殺到。
キャッチフレーズは回転しない回転寿司。
いったいどんな店なのか。
見てみると寿司が流れてくるあの回転レーンがありません。
客はすべてタッチパネルで注文します。
厨房では注文を受けてから寿司を作り専用のトレーにのせて頼んだ客のもとへ直接届けます。
同じ列の客と注文が重なってもスムーズに寿司が届くのです。
これは業界初のシステム。
作りたての寿司をすぐに食べられます。
その新鮮さには更なる秘密が。
マグロやサーモンなど手間はかかりますがこれも寿司の鮮度にこだわるためです。
魚べいは業界5位の元気寿司が仕掛ける新業態。
鮮度を武器に客を集めています。
このシステムを考案したのはその勢いもあって3期連続の黒字を見込んでいます。
一方の業績が悪化しています。
果たして両社の提携に勝算はあるのか?実はこの大型提携を裏で進めた会社が兵庫県にありました。
神明という会社。
去年かっぱ寿司の株も取得して両社の筆頭株主になりました。
大型提携を仕掛けたのはこの人だったのです。
すでに藤尾さん自身もかっぱ寿司の改革に乗り出していました。
それが寿司に合うおいしいコメ。
精米工場を見せてもらうとさまざまな最新機器が並んでいました。
これもおいしいコメには必須の機械。
こうして作られるのが神明の看板商品。
これをかっぱ寿司のシャリとして使おうというのです。
すでにコメ卸業者が引き金をひいた回転寿司の再編。
藤尾さんの真の狙いとは?この日藤尾さんがかっぱ寿司の幹部を集めていました。
今後かっぱ寿司の改革をどう進めるか重要な会議です。
藤尾さんの隣には1人の社員が声を上げました。
いったいかっぱ寿司に何が起きているのかその鈴木さんとともに法師人さんが店舗視察にやってきました。
ここはかっぱ寿司はこうした大型店舗を業界に先駆けて出店してきました。
現在かっぱ寿司の他の大手と変わりありません。
席についた法師人さん手に取ったのはマグロ。
回転寿司でいちばん売れる定番のネタです。
表情が険しくなりました。
鈴木さんにいきなり厳しい指摘が。
何が問題なのか?すぐに厨房に入ります。
おはようございます!おはようございます!よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まず法師人さんが目をとめたのはコメを炊くロボット。
ボタンひとつでコメの軽量から洗米炊飯まで全自動でやってのける機械です。
かっぱ寿司ではこのロボットでネタはどうなのか?鈴木さんが冷蔵庫から取り出したのは主力商品のマグロ。
大型店を効率よく運営するために考えられたかっぱ寿司のやり方でした。
更に気になっていたことが。
注文の専用レーンです。
最新の魚べいは3段ですがかっぱ寿司は1段だけ。
注文が殺到すると商品がたまってしまうのです。
そのため客に届くまで3分以上もかかっていました。
視察を続けた法師人さん。
大型店が得意なかっぱ寿司に元気寿司のノウハウを導入すれば生まれ変われると考えていました。
結果今のかたちがあるなと。
一方法師人さんから厳しい指摘を受けた鈴木さんの自宅は担当エリアの店を飛びまわる鈴木さん。
自宅に帰るのは1週間ぶりです。
離婚して今は1人暮らしです。
今夜も1人で晩酌。
最近酒の量が増えました。
ここも鈴木さんが担当する店。
早速元気寿司のノウハウを取り入れてみることにしました。
これまで工場で加工していたマグロ。
この日からサクの状態で届けてもらい…。
手間はかかりますが鮮度は大きく違うはず。
ネタだけでなくシャリも鮮度にこだわります。
更に客に提供するのは酢飯にしてから6時間以内と決めました。
コメのかたさや酢の量も変えました。
改善したネタとシャリでマグロの握りを作ります。
お疲れさまです。
鈴木さん真っ先に食べてもらいたい人たちがいました。
20年近く働くベテランのパートさんたちです。
マグロもお店で切るようになって。
いただきます。
かっぱ寿司の味をいちばん知っている人たちです。
シャリも違うんですよ。
ごめんなさい正直だ。
鈴木さん手応えあり。
しかしパートさんから厳しいひと言が。
この時点でかっぱ寿司の客を呼ぶ目玉商品の開発。
これも大きな課題でした。
かっぱ寿司の福島・北関東エリアを担当する鈴木さんがやってきました。
この日鈴木さんが参加したのはそこには元気寿司の法師人社長の姿もありました。
商品開発のノウハウをかっぱ寿司の社員に伝えようというのです。
並んでいたのは創作寿司。
他社と比べ商品の少ないかっぱ寿司にこうした創作寿司を加えようというのです。
盛り付けの仕方から指導します。
創作寿司は味だけでなく見た目も大事。
続いてかっぱ寿司のイメージを変える目玉商品の検討に入ります。
出てきたのはいの一番に鈴木さんが駆け寄ってきました。
誰よりも先に試食します。
しかしこの大トロ本来ならば1貫300円はくだらないといいます。
赤字覚悟の189円という提案に社員は皆沈黙。
最終判断を下すのは法師人さんです。
全然これだったらもう見た目で十分だよ。
これで客を呼ぶ。
OKが出ました。
目玉商品ができました。
ここは鈴木さんが担当する店のひとつです。
おはようございます。
実はかっぱ寿司と元気寿司の提携が本格化した今年。
店作りの改革も始まりました。
運ばれてきたのは長いプラスチックの板。
注文専用レーンです。
かっぱ寿司ではこれまで1段でしたが元気寿司の魚べいをヒントに2段に増やします。
そこへ法師人さんの姿が…。
かっぱ寿司と元気寿司の今後を占う試金石となる店舗です。
ここでリニューアル・オープンのときにまた改装オープンまであと1週間。
法師人さんが見つめていたその先には…。
業界トップスシローの看板。
ここから新たな戦いが始まります。
競争の激しい回転寿司業界。
独自路線で売り上げを伸ばすのがここくら寿司です。
回転レーンを流れる寿司はすべてカプセルに入っています。
寿司が外気に触れないため鮮度が保たれるという独自の工夫です。
寿司を食べ終えると皿はテーブル横の穴へ。
すると5枚ごとにゲームが始まります。
当たった〜。
すご〜い。
上から景品が落ちてきました。
中身は握り寿司のストラップでした。
こちらのテーブル丼が届きました。
男性が注文したのはこの家族は寿司と一緒にくら寿司の大きな特徴が豊富なサイドメニューです。
和洋さまざまなデザートをはじめ天ぷらや茶碗蒸しなど…。
サイドメニューに力を入れることで客を増やしてきたくら寿司。
こちらくら寿司で大人気のサイドメニューだそうです。
天丼ラーメンチョコレートケーキチーズケーキアイスコーヒーにホットコーヒーと。
一見寿司屋とは思えないメニューが並んでおります。
そしてこちらにはそのくら寿司のサイドメニュー人気ベスト10を並べてみました。
かなりバリエーションがあります。
やっぱりこの10位の天丼っていうのがかなりいいですね。
これだけでもうお腹いっぱいになりそうですけども。
その他オニオンリング。
そしてちびころチキンなんていうのもあります。
そしてこちらが4位に入っているケーキ。
ケーキもチーズケーキチョコレートケーキと2種類あります。
そしてまたこちらがおいしそうなんですけれども2位の醤油ラーメン。
スープはイワシやホタテなど7種類の魚介類から取っているそうです。
そして1位はこちらの茶碗蒸しが入っています。
こうしたサイドメニューの売り上げは伸びていて全メニューに対する売り上げ比率はここ1年ほどでおよそ15%から25%にまで増えているそうです。
サイドメニューに力を入れることで他社との差別化を図るくら寿司。
新たなメニュー開発の現場にカメラが入りました。
この建物が全国に約330店舗を展開するくら寿司の本社です。
ここがサイドメニューを次々と生み出すそのリーダーが松島さんが今取りかかっているのは新しい丼メニュー作り。
現在は天丼マグロ丼の2種類しかない丼をもっと増やせという指令が下ったのです。
まぁお昼…。
日夜試作に明け暮れていました。
これもそのひとつ。
締め切りはひと月後に迫る社長の試食会。
作っては食べ作っては食べ…。
さまざまな丼をほおばります。
いや〜。
この満腹状態で松島さん今回勝負をかける丼の食材を取り出しました。
イベリコ豚です。
今回使うのはイベリコ豚の中でも最高級品。
人気のブランド肉を使ってこれまでにない目玉商品を作ろうとしていたのです。
うわ〜すげえ。
イベリコ豚は薄切りにスライス。
甘めのソースで下味をつけたものをご飯の上に敷き詰めていきます。
そこにたっぷりのネギと温泉卵。
ここまでは完璧でした。
しかし丼の味を決める肝心のタレの味がまだ決まっていませんでした。
用意したのはタレに使う材料。
どれも手に入りやすいものばかり。
価格を抑えるためです。
まず作り始めたのはりんごきんかんいちごを使ったフルーツのタレ。
こちらは店で扱っているウナギ。
寿司では使わない肝も使います。
フルーツタマネギそしてウナギを試します。
サイドメニューは寿司と一緒に食べる人が多く味がくどすぎるのはいけません。
かといってインパクトがなくてもダメ。
サイドメニューならではの難しさです。
こうして3種類のタレが完成しました。
どの丼がどのタレなのかわからないようにして…。
いいよ。
部下と一緒に試食します。
せ〜の。
うわっ。
結果一番人気は…。
いや〜わからへん。
でも納得がいかないようです。
1月下旬商品開発部。
社長の試食が翌日に迫っていましたがまだタレの隠し味で悩んでいました。
松島さんウナギの感触をヒントにあるものを準備していました。
回転寿司でも定番メニューとして使っている食材。
ウナギって結構主張するので。
松島さんはかつて10年以上のキャリアを積んだ和食の料理人でした。
その経験からアナゴの骨を使ってみることにしたのです。
やってきたのはくら寿司の創業者おはようございます。
おはようございます。
ご苦労さん。
おはようございます。
この日は月に一度行われる新商品の試食会。
30品以上の新作メニューを社長が試食し判断します。
試食リストを見るなり…。
新たなの完成しました。
そうかそうか。
新しい丼の開発は社長じきじきの指令でした。
仕上げにアナゴのタレをかけたイベリコ豚丼。
社長の箸が止まりました。
うん。
しかしアナゴとはな。
ありがとうございます。
よかったです。
寿司だけでなくサイドメニューを強化するのにはどんな狙いがあるのでしょうか。
しかし松島さんにはこのあと大きな試練が待っていたのです。
くら寿司の松島さん。
苦労のすえ社長からオーケーをもらった新商品試食会から2週間後松島さんの姿がありました。
実はくら寿司では社長のオーケーが出てもテスト販売で成果が出なければ商品化はできない決まり。
客の反応がいちばんなのです。
お昼どき。
ランチタイムに10杯の注文が入ることが商品化へのノルマです。
価格は380円で様子をみます。
すると…。
(アラーム)すぐに最初の注文が入りました。
あの苦心したアナゴのタレをかけて仕上げていきます。
これが初めてお客さんに出す1杯目。
すると…。
まさに飛ぶように売れていくイベリコ豚丼。
どんな人が注文してくれたのでしょうか。
2人組の男性客でした。
松島さんの狙いどおりです。
おいしいです。
嬉しい誤算も。
こちらは女性客。
そして年配の人からも注文が。
ノルマ達成です。
そこへ…。
はい?あ〜豚丼入った。
あっほんとだ…。
入りました入りましたね。
結局ノルマの倍20食が売れました。
どんどん…。
一方元気寿司とタッグを組んだかっぱ寿司。
その今後を占うリニューアル店舗がオープンの日を迎えていました。
いらっしゃいませ。
(一同)いらっしゃいませ。
改革を進めてきた鈴木さん。
落ち着きません。
早速お客さんが入ってきました。
いらっしゃいませ。
どうぞ。
かっぱ寿司の改革を現場で進めてきた鈴木さん勝負の日です。
厨房では…。
あの目玉商品大トロに次々と注文が入っていました。
3月中旬の全国発売を前にこの店に先行投入されていたのです。
寿司を運ぶのは注文専用レーン。
元気寿司の魚べいをヒントに…。
2段で商品を運ぶため提供するスピードが上がりました。
こちらはかつて常連だったという夫婦。
しばらく足が遠のいていましたが1年ぶりに来店しました。
そのマグロを久しぶりに食べてみます。
以前は工場で加工していたマグロ。
今は店内で切っています。
鈴木さんが元気寿司のノウハウを取り入れた結果です。
この日は平日にもかかわらず昼を過ぎると店内は満席に。
久しく見られなかった光景です。
おいしいです。
かっぱ寿司と元気寿司の提携。
進化が問われるのはこれからです。
ありがとうございます。
低価格で寿司を楽しめる回転寿司はここまで右肩上がりで成長してきました。
しかし生き残りをかけた本格的な競争が始まっているようです。
ライバルと手を結ぶ。
独自の売りを更に強化する。
さまざまな方法でしのぎを削る回転寿司業界。
消費者の支持を得てその勝者となるのはいったいどこなのでしょうか?2014/03/04(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【“廻る”回転寿司サバイバル】[字]

風雲急を告げる回転寿司業界!生き残りをかけた戦いが始まった…▽独占取材!「元気」な「かっぱ」で再び旋風を起こせるか…▽食のテーマパーク目指す「くら寿司」

詳細情報
番組内容
老若男女問わず人気の回転寿司。その市場規模は牛丼やラーメンを上回る。外食の中でも数少ない成長市場をめぐって、いま各社の競争が激化している。安さだけではなく、美味しさや鮮度は当たり前。他社とは違うプラスアルファがないと生き残れない。そんな中、業界2位の「かっぱ寿司」と5位の「元気寿司」が経営統合を前提に業務提携するというニュースが。大手で初の業界再編が始まったのだ。そのサバイバル合戦の舞台裏に迫る。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】蟹江敬三
音楽
【音楽】新井誠志
【テーマ曲】オープニング曲「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)/エンディング曲「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

◆公式Twitter

https://twitter.com/gaia_no_yoake

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:17675(0x450B)