2014/03/30
■OfficeMobileの無料化は「一つのソフト」に収斂し始める兆候である
サトヤ・ナデラ、なんて恐い子。
サトヤ・ナデラ氏。マイクロソフト新CEOとして最初のインタビュー。46歳、まず社内でイノベーションの障害になるものを取り除いていく − Publickey
マイクロソフトの新CEOにサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏が就任したことは、すでに国内外のニュースで大きく報道されています。そのナデラ氏がマイクロソフトのキャンパス内で(おそらくマイクロ...
今年の二月にビル・ゲイツが会長職を退任し、MicrosoftのCEOとして選ばれたのがサトヤ・ナデラ氏。このインタビューでも述べているように「クラウドファースト、モバイルファースト」の人です。Microsoftのネットワーク系やクラウド系の開発を指揮してきたエンジニア。モノ作りの人がトップに立つということは、Microsoftも背水の陣なのでしょう。既得権を捨ててでも、新しいものを生み出す。これからの時代を牽引する力はAppleではなく、Microsoftに移るかもしれない。
OneDrive (旧 SkyDrive) 4.1
分類: 仕事効率化,写真/ビデオ
価格: 無料 (Microsoft Corporation)
最初の一手がこれ。一月末にSkyDriveの名称をOneDriveに変更。就任前ですけど、たぶん関係あります。ナデラ氏は「Xbox One」の開発者だから「One」には思い入れがある。ただの名称変更ではない。Microsoftは巨大化し、いろいろなものに手を出しすぎた。分裂してしまっている。Officeのソフトでさえ、WordとPowePointでは画像入れの作法が違う。部門ごとの連携が出来ていない。この混乱状況を断ち切るキーワードが「One」。
Microsoft OneNote for iPhone 2.1.5
分類: 仕事効率化,ビジネス
価格: 無料 (Microsoft Corporation)
Microsoft OneNote for iPad 2.2
分類: 仕事効率化,ビジネス
価格: 無料 (Microsoft Corporation)
統合の準拠枠になるのがOneNote。今月17日にOSX版が無料で登場し、Windows版も無料化されました。ナデラ氏が必要と思っているのが、プラットフォームを超えた「一つのソフト」で、その雛形が「OneNote」なのでしょう。決してEvernoteの真似事ではない。もうWindowsにこだわらず、誰もが使う「一つのソフト」を作る。OSは何でもいい。ビジネスツールの基盤を抑えればMicrosoftは勝てる。そういう覚悟を感じます。
Microsoft Office Mobile 1.1
分類: 仕事効率化,ビジネス
価格: 無料 (Microsoft Corporation)
そして28日、iPhone用Officeの無料化。機能が削られていて、字を打つくらいしか出来ませんが、当たり前ですね。WordやExcel、PowerPointの機能は、最終的に「一つのソフト」に吸収される。それまでの繋ぎとしてOfficeっぽいものが動けば良いのです。パソコンもそのうち、OneDriveとのシームレスな統合が進み、アプリケーションとして「OneOffice」が出るでしょう。見た目がOneNoteのような多機能ソフトで、しかも無料。
Appleのオフィスソフト iWork for iCloud は次世代の匂いがする
仕事の仕方が変わろうとしている。パソコンからiCloud.comにログインすると、iWorkが使えるようになっています。従来ソフトウェアとして販売されていたiWorkがWebアプリとなり、無料で使えま...
去年の八月に予想した通り、まずAppleのiWorkが無料化した。そして今回、MicrosoftもOfficeアプリを無料化しました。ソフトウェアで収益を上げるスキームは終焉を迎え、「クラウド・オフィス」に戦場が移りつつある。いつどこからでも「自分だけのオフィス」に接続できる環境。立ち上げれば、進行中の原稿があり、スタッフ間の打ち合わせができ、そのまま取引先へのプレゼンとなる。ネットワーク上で「仕事」が展開していく。ソフトウェアのアジャイル開発技法を、他の業種や分野にも応用するイメージ。
そのベース部分をどの企業が制覇するか。それが、これからの争点のように思います。