(最終回)チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮 #11【その医療は正義か、罪か?最大の謎】 2014.03.18

(田口公平)東城医大から来ました田口公平です。
(白鳥圭輔)「助けて。
碧翠院は一度入ったら出られない病院です」。
(立花)この病院で行なわれていることはとんでもない重罪だ。
画像が添付されてる。
画像?太ももと手か。
(島津)これを撮った人間は素人ですね。
誰かがこっそり隠れて撮ったAiじゃないですかね。
この人物の死因は側頭部の打撲。
顔を再現してもらったところ…こんな顔が出来ちゃいました。
立花先生はもう亡くなっていた。
そして殺害後誰かがその遺体をCTで撮影した。
(小百合)私たちの下に葵って子がいたんです。
8年前の事故で亡くなりました。
(戸山)見ちゃったんです俺。
CT室に人がいて遺体をこっそり撮影してた。
戸山さんどうして…。
葵君…。
君葵君だよね?生きてたんですね。
何かおかしくないですか?どの患者さんもある日突然螺鈿の部屋に呼ばれて…。
この病院ではあまりにもあっさり人が死に過ぎてる。
(真琴)安楽死というのは薬などを使って直接患者さんの命を絶つ行為です。
あの部屋でのみとりを監視したい。
もし本当に安楽死なんてことをしてるとしたら僕はあんたを絶対に許さないよ。
ピピピッ…ピピピッ…
(心電図の音)
(小百合)午前4時51分ご臨終です。
解剖される前に遺体を調べないと。
僕が見逃したって言いたいんですか!安楽死を。
(葵)助けて母さんが死んじゃう。
あぁ〜!この手紙君が僕に送ってきたんだよね?立花先生のCTをばらばらに僕に送りつけてきたのも君だよね。
葵君は生きた患者さんと接することができなくて画像とばかり向き合ってきたんだ。
だから君は立花先生を殺した。
(すみれ)違う。
戸山君まで殺してしまった。
(華緒)違います。
初めて声をかけてくれましたね。
(桜宮巌雄)落ち着け華緒。
大けがしたばかりですよ。
そうやってあなたたち家族は優しくし過ぎるから華緒先生はいつまでたっても現実を受け入れられないんですよ。
華緒先生あなたの息子さんは8年前に人を殺した。
それだけじゃない。
立花先生と戸山君まで殺してしまった。
違う。
彼はもう誰からも好かれる天使のような少年じゃない。
今はただの人殺しだ。
違う。
いいかげんにしろ!立花先生と戸山君だけでは足りなくて実の母親のあなたまで殺そうとしたじゃないですか。
違う葵じゃない。
葵君は警察に引き渡します。
責任能力があると認められるかどうかはわからないけど彼は自分が犯した罪を…。
やめろ!
(華緒)違う。
私が殺した。
華緒先生?やっぱりそうでしたか。
(回想華緒)やめて!*
(華緒)立花先生戸山さん2人共私が殺した。
(葵)母さん…。
ごめんね。
僕のせいで…。
ごめんなさい。
隠すべきじゃなかった。
生きてることも発作のことも全部。
そんな大事なこと隠しちゃいけなかったんですよ。
巌雄先生。
(小百合)本当はまだその時期じゃないんですけど螺鈿の部屋に行きますか?
(美智)今夜かい?父にはもうあまり時間がないんです。
あぁ…。

(島津)終わりましたよ白鳥さん。
加賀先生のAi画像ですね。
そう。
白鳥さん。
そういうことか。
これって…。
すみれ先生巌雄先生は?何かあったんですか?もしかして…。
今螺鈿の部屋に。
ちょっと待って!巌雄先生!美智さん螺鈿の部屋に入ったそうですね。
みとりのときは僕も同席さしていただく約束でしたよね?そうだったな。
巌雄先生が螺鈿の部屋に入らないかぎり美智さんは無事だ。
ですよね?一緒に来ていただけますか。
ようやくわかったんですよ。
あの部屋で今まで何が行なわれてきたのかが。
Aiさしていただいたんです。
加賀先生のご遺体を。
患者さんの最終的な意思確認です。
本来ならこの仕事は母が行なっていました。
じっくり考えて返事を下さい。
父は美智さんに人間らしく安らかな死を迎えさせると約束しましたね?してくれたよ。
その約束を今も果たしてほしいという意思はありますか?
(すみれ)これ何?亡くなった加賀先生のAi画像です。
Ai?いつの間に。
東城医大から特別なCT搭載車を持ってきてもらって専門家にさまざまな方法で撮影し解析してもらいました。
これがデュアルエナジーCTか。
わざわざ運んでこさせるなんて白鳥さん初めてですよ。
これチェックしてくれる?特にこれね。
わかりました。
(すみれ)遺体を外に運びだしたの?すいませんそれしか調べる方法がなくて。
撮影するだけだからもちろん傷一つ付かない。
加賀先生のご家族にも納得してもらった。
ふぅ…それで何かわかったの?ええ全てわかりました。
(美智)巌雄先生まだかい?大丈夫ですよ。
今来ますから。

(小百合)今向かってるみたいです。
そうかい。
螺鈿の部屋で安楽死が行なわれているとしたら何らかの薬物が使われているはずだ。
筋しかん剤チオペンタール笑気麻酔考えられる薬は何種類もある。
でもどれもそれだけでは安らかな死を迎えることはできない。
例えば筋しかん剤は筋肉に作用して呼吸困難を起こさせる。
だから患者さんは死の直前に苦しむはずだ。
でも加賀先生は亡くなる直前も安らかだったんだよねグッチー。
ええ加賀先生もその前に立ち会ったうめさんも。
ピッ…
(心電図の音)ピピピッ…ピピピッ…2人共本当に安らかな表情でした。
僕がどうしても引っ掛かったのはその安らかだったという死に顔だ。
螺鈿の部屋で亡くなった患者さんたちは今までも全員同じような様子だったっていうよね。
はい。
螺鈿の部屋に入った人は全員安らかないい死に顔で出てくるって。
それはどう考えてもおかしい。
末期がんといっても亡くなり方は人それぞれだ。
意識障害を起こす人もいれば呼吸不全で亡くなる人もいる。
いくら緩和病棟でも長い間寝たきりになることもなく全員が同じように安らかな死を迎えるなんてあまりにも理想的すぎる。
だから考えたんですよ。
巌雄先生はどうやってその安らかな死を作り出しているのかを。
螺鈿の部屋では点滴とマスクしか使っていないようですね。
だとしたら秘密はその2つにあるはずだ。
マスクから供給されているのが酸素ではなく別の気体だったら。
その気体は何かそれをデュアルエナジーCTを使って調べてみました。
カチャ!
(キーボードをたたく音)これは亡くなった加賀先生の頭部の画像です。
何もおかしいところないじゃない。
そう。
普通に撮影すれば何もおかしいところはない。
でもこれを別の解析方法である気体を探してみると…。
カチャ!同じように胸部も。
カチャ!こうなる。
この真っ赤な画像が何を意味しているのかと言えば高濃度のキセノンガスが体内に入っているということだ。
キセノンには麻酔作用がある。
でも通常は検査にしか使われない。
そんな特殊なガスがなぜか加賀先生の遺体の中には入っていた。
どうしてみとりのときにキセノンガスが必要だったんですか?答えられないってことは白鳥さんの推論どおりってことですか?巌雄先生!どうしてみとりのときにキセノンガスが必要だったんですか?答えられないってことは白鳥さんの推論どおりってことですか?巌雄先生!恐らく螺鈿の部屋のマスクの配管は酸素とキセノンガスの両方が供給できるようになってるんでしょうね。
切り替えのスイッチは足元にでもあるのかな?タイミングを見計らって酸素をキセノンガスに切り替える。
すると体内のキセノン濃度が一気に上がる。
キセノンの麻酔作用で患者の意識がなくなり体が暴れないように筋しかん剤の入った点滴が投与される。
やがてガスの濃度が致死量に達する。
呼吸停止しました。
その結果…。
ピピピッ…ピピピッ…誰がどう見ても穏やかな死が訪れる。
あなたは2種類の薬を絶妙のタイミングで使って安らかな死を演出した。
これが僕が考えたあの螺鈿の部屋で行なわれていたことの全てです。
どこか間違っていたところはありますか?朝までには司法解剖の許可が裁判所から届く。
加賀先生の解剖は東城医大で行なわれることになった。
キセノンガスは無色無臭で普通に解剖すれば体を開いた瞬間にガスが飛んでしまい安楽死は見逃される。
でも…。
動かない証拠がここにある。
Aiがあなたたちのやってきた殺人行為の全てを証明するんだよ巌雄先生!どうしてですか?先生には医師としての知識も経験も十分すぎるほどあるのに。
患者さんからもあんなに信頼されてるのに。
なのに…どうしてこんなこと?苦しいから楽にしてくれと頼まれましたか?もしそうだとしてもその苦しみを取り除くための懸命の治療をすることが医者の仕事だ!患者を解放したかった。
肉体的精神的経済的…。
終末期に伴うさまざまな苦しみからな。
それで殺したっていうんですか?確かにほんの少し早く旅立たせた。
法に背いていることも否めん。
…が罪を犯してでも患者を解放したかった。
死の恐怖にある患者を救いたかった。
救う?神にでもなったつもりか!?人の命の長さを決めるのは医者じゃない!あなたがやってきたことは医療の名を借りた独善だ!あなたはもう医者でも何でもない。
やめてよ!すみれ。
だって…。
今の日本では安楽死は殺人だ。
白鳥君が怒るのももっともだ。
すみれ先生は反対だったんですよね。
だから螺鈿の部屋に入らなかった。
いや娘たちは何も知らん。
これは俺の独断でしたことだ。
父さん?父親が行なっていた安楽死を医者である娘が気付かないなんてそんなことはありえない。
だが事実だ。
2人共何も知らん。
違う!私は知ってた。
知ってたし反対だった。

(すみれ)だけど他に何ができる?螺鈿の部屋のみとり以上に安らかな死を私が与えられる?無理よそんなの…。
だから黙ってた。
父を裁くなら私も同罪。
だそうですよ巌雄先生。
役人に何がわかんの?終末期の患者と寄り添ったこともないくせに。
死ぬのが怖いって親より年上の患者に泣かれる気持ちあんたにわかる?すみれ先生…。
安楽死は殺人。
そんなことわかってる!わかってるけど…。
父は誰より患者の気持ちを大事にしてた。
誰よりも。
行くよグッチー。
美智さんを螺鈿の部屋から連れ戻す。
美智さんいるんですよね?小百合先生ここを開けてくれますか?
(美智)小百合先生どうしたんだい?・巌雄先生が安楽死を認めた。
もう終わりだ。
この部屋でのみとりは二度とできない。
小百合先生開けてください。
小百合先生!
(小百合)美智さんが望むなら約束を果たします。
(小百合)美智さんが望むなら約束を果たします。
どうしますか?はぁ〜。
・美智さん僕の声聞こえますか?美智さん。
こんなこと間違ってる。
今すぐ病室に戻りましょう。
美智さん。
間違ってるってどういうことだい。
・小百合先生たちはあなたの命を薬で絶とうとしてるんだ。
そんなことは絶対に許されない!許されないって小百合先生あんたたちどうなるんだい。
・安楽死を行なっていたことが証明されたら殺人罪で逮捕される。
どうして?何が罪なんだい。

(美智)私たちの夢をかなえて良い死に方をさせてくれて。
それが何が罪なんだい。

(美智)田口先生あんた見ただろ?トクの顔うめの顔加代の顔。
だからそれは薬で命を…。
どうせもうすぐ亡くなる命じゃないか。
・今の日本の法律では安楽死は認められてないんですよ。
法律の話なんかしてるんじゃないよ!私はこの…この病院の先生たちの話をしてるんだ。
先生たちは私たちにとってどういう存在だったかってそういう話をしているんだ。
巌雄先生小百合先生すみれ先生みんな家族みたいに私たちを大切にしてくれた。
苦しいとき…いつもそばにいてくれた。
そして約束してくれた。
本当に手の施しようがなくなったとき安らかに死なしてくれるって。
人間らしく死なせてくれるって。
だから安心して残りの命を生きろ。
うん。
(美智)どうしてそれが罪なんだい。
あと僅かしか残ってない命。
死に方ぐらい自分で選んだっていいじゃないか。
美智さんの言いたいことわかります。
何言ってんだよグッチー。
僕もこんなふうに死ねたらって思った。
螺鈿の部屋でのみとりのあと思いました。
どうせ死ぬならこんなふうに安らかに人間らしく死にたいって。
でもやっぱり違う。
・命にしがみついて会いたい人に会ってやれること全部やって1日でも長く生きたいってあがいて。
そのほうがずっと人間らしい死に方だと思う。
生きてさえいたら何か変わるかもしれないじゃないですか。
お孫さんに会えたみたいに。
・娘さんとけんか別れしたままでいいんですか?
(由喜恵)母親でも娘でもないってそう言ったのそっちだよね?子供たちに言い残したことほんとはたくさんあるんじゃないですか?残された時間はこの世の大事な人たちときちんとお別れするために与えられた時間なんじゃないですか?美智さん。
ううっ…。
小百合先生。
この子今年小学校卒業するの。
無理だろうけど見てみたいな卒業式とかさ。
ううっだから私…。
(美智)ううっ…。
わかりました。
(美智)ううっ…。
美智さん。
行きましょうか小百合先生。
父さん。
ごめんよ巌雄先生。
私もう少し頑張る。
管だの機械だのにつながれるのは嫌だって言ったのは私なのに。
謝ることなんか何もない。
でも私のほうが頼んだのに気持ちが変わっちまって。
どう死にたいかなんてその時々で変わって当然だ。
謝る必要なんかないぞ美智さん。
ううっ…。
うん。
でもこれだけは覚えといて。
巌雄先生がいたおかげで生きてこれた。
絶望しそうなときあんたが安心しろって言ってくれた。
みんなそう。
あんたのおかげで死の怖さが減った。
トクやうめや加代や…。
みんなそう。
私にはわかる。
誰が何て言おうと。
あんたは私たちにとって最高の先生だ。
ううっ…。
ううっううっ…。
はぁ〜結局全然眠れなかったねぇ。
グッチー何?どんよりしちゃって。
良かったんでしょうか?僕らは美智さんにとって大切な主治医を取り上げてしまうんですよね。
言ったよね?巌雄先生はもう医者じゃない。
命を救うことが難しい終末期医療の現場で医者も看護師もみんな必死で患者の痛みや苦しみ恐怖を取り除こうとしてる。
巌雄先生がやってきたことはそういう現場の思いを踏みにじる行為だ。
絶対に許されない。
はぁ〜ちっ。
そろそろ警察が来る頃かな。
おはよう。
うん。
痛むか?終わりが来た。
螺鈿の部屋を閉じなければならない。
なら初めに決めたとおりに。
あぁ〜。

(天馬)葵。
何なんだよこのメール大急ぎで来いって。
天馬。
何で医学部休学してるの?俺のことわかるのか?覚えてんの?ははっ天馬こそ忘れたの?一緒に医者になろうって約束。
(葵)ねえ0l=oにF/こうよJK?i1!で。
覚えてるよもちろん。
医学部に戻りなよ。
俺向いてない血が苦手でさ。
僕はもう医者になれない。
何にもなれない。
だから天馬僕の分もちゃんと医者になってよ。
わかった。
ふふっ。
良かったそれだけ。
葵。
お前またどこかに行くつもりか?うん遠くに。
じゃあね天馬。
さようなら。
コンコン!「小百合すみれお前達に伝えておきたいことがある」。

(小百合)すみれ!すぐ来て。
どうかしたんですか?
(小百合)何でもありません。
「安楽死を始めるとき母さんと最初に決めた」。

(天馬)田口先生。
葵これからどうなるとか何か聞いてますか?えっどうして?さっき葵と話してわざわざさよならって。
もうすぐ警察の人が来るから天馬君お願いします。
田口先生は?みんなを捜してくる。
はぁ…。
葵。
(葵)どうして2人で行こうとするの?僕も一緒に連れてってよ。
お願い。
父さん母さん。
ふふっ。
・ウーー…
(サイレンの音)
(小幡)上の連中大混乱だよ。
華緒先生の殺しに加えて安楽死だなんてどう扱っていいのか。
ほんとに安楽死で間違いないんだな?ああ間違いない。
碧翠院はもう終わりだな。

(すみれ)父さん。
(小百合)母さん葵。
(すみれ)何してるの一体!机の上に…。
あんな手紙従えるわけないでしょ!訳は後で姉さんに聞いてくれ。
巌雄先生!どういうことですか。
なあ田口先生。
俺は今でも夢にうなされるんだ。
痛みに苦しみながら俺の目をじっと見る父親の涙ににじんだ目叫び声。
そして飛び起きる。
もう誰もあんな目に遭わせたくなかった。
火を消してください。
娘たちを連れて逃げてくれ。
巌雄先生火を。
頼む田口先生。
やめてください!こんな形で終わりにするなんてそんなの…死んで終わりなんてそんなのずるいですよ!本気で怒った顔初めて見たな。
がっかりさせてすまん。
君とはもう少しゆっくりと話をしたかった。
巌雄先生。
巌雄先生たちはそろってる?ドーン!多分みんなあそこに。
みんなって?巌雄先生たちと田口先生も。
消防に電話!あぁ〜。
ごほっ!ごほっ…。
はぁはぁ…。
(すみれ)うっ…。
うっ。
ごほっ!ごほっ!グッチー!巌雄先生が火を!父さん!すみれ!はぁはぁ…。
だめだよグッチー!このまま死なせるわけにはいきませんよ!あぁ!はぁはぁ…。
がっ!あぁ〜ちっ。
はぁ…。

(小幡)巌雄先生たちは?すみれ先生。
救急車。
(小幡)こっちだ急げ!はい。
かなり煙を吸ってるしやけどもひどい。
ピーポーピーポー…
(サイレンの音)小百合先生も処置を。
結構です。
田口先生すみれが意識を取り戻したらこれ渡していただけますか?どうぞ先生も読んでください。
螺鈿の部屋でのことは全部父と母が持っていくって。
娘2人は安楽死について何も知らなかったそれで通せってこと?そう言いたいんでしょうね。
確かに螺鈿の部屋は焼けてしまって今となってはあなたが直接安楽死に関わっていたことを証明することは難しくなった。
でもね小百合先生。
私今まで何でも父の指示どおりにしてきた。
一度ぐらい自分の好きにしてもいいですよね。
刑事さん。
出頭します。
私は安楽死に直接関わってました。
知ってること全部お話します。
(天馬)はい慌てないでくださいこちらです。
(千花)大丈夫ですよこっち来てくださいね。
全員いますね?
(美智)大丈夫だよな。
大丈夫だよな。
ごほっごほっ…。
すみれ先生東城医大に運ばれた。
あそこの救急なら大丈夫だ助かる。
最初から決めてた。
いつかもし安楽死が暴かれたら全ての罪を背負って死のうって。
そのぐらいの覚悟をしてなきゃあんなことはできないでしょ。
でも死ぬなんて。
あんなにそばにいたのに止められなかった。
すぐ目の前にいたのに。
巌雄先生を止められなかった。
巌雄先生ほどの人が自分の覚悟をひとの言葉で覆したりすると思う?誰にも無理だったと思うよあの人を止めるなんて。
間違ってはいたけど僕は巌雄先生を嫌いにはなれません。
人としても医者としても。
それでも僕は認めないけどね。
今この瞬間も新しい治療法や薬を開発しようと懸命の努力をしてる人たちがいる。
生きることを簡単には諦めない。
その先には必ず必ず希望がある。
僕はそう信じてる。
生きててほしかった…みんな。
はぁ〜。

(記者)医者が患者を安楽死させてたって事実ですか?
(記者)なぜそんなひどい病院が見過ごされてきたんですか。
えぇ〜皆さんは尊厳死と安楽死の違いは何かご存じですか?これからいよいよ団塊の世代が老人になる。
3人に1人は65歳以上の超高齢社会がやって来る。
今のような医者任せの終末期医療はもう限界だ。
いやひと事じゃないですよ。
あなたのあなたの問題だ。
でも安楽死は殺人でしょう。
もちろんそのとおり。
でもこれはあの碧翠院という病院だけの問題じゃない。
日本人は死を忌み嫌うべきものとして避けて通ってしまう。
でもこれからは一人一人がどういう人生の最後を迎えたいのかそれを考えなきゃいけない時代が来たんですよ。
更には少ない若者で多くの高齢者の幸せをどう支えるのか。
医療行政社会保障がどう取り組むべきなのか。
それを真剣に考えないと安楽死を望む人やそれをほう助する医者がまたどこかで生みだされてしまう。
僕はそう思いますよ。

(ドアの開閉音)・来たぞ!すいませんひと言お願いします!
(警官)下がってください下がってください。
下がれよ!下がれ!下がって。
・全身に30%の熱傷を負って感染の心配がありましたがもう大丈夫ですね。
やけどの跡も皮膚の移植で目立たなくなると思います。
ただ誰とも話すつもりはないようですね。
誰とも?一切の感情を断ち切ってる感じで声をかけても何の反応もありません。
一時的なものだといいですけど。
・コンコン!
(ノックの音)すみれ先生具合どうですか?小百合先生の証言で世間は大騒ぎです。
そもそも安楽死は罪なのかって意見まで。
碧翠院ですけど東城医大の高階病院長に相談してみました。
医師を派遣して存続できるように。
しばらくの間入院してた患者さんたちは東城医大が預かります。
美智さんも今病棟に。
天馬君は医学部に戻るそうです。
医者になったら碧翠院で働くって。
巌雄先生からの手紙です。
「お前達に伝えておきたいことがある」。
「安楽死を始める時母さんと最初に決めた。
いつかきっと誰かがこの方法に気づくだろう。
その時は私と母さん二人で全ての罪を抱えてこの世を去ろうと…」。
ひどい父親。
でも僕巌雄先生の下でもっと働いてみたかった。
私も…。
これ置いていきますね。
「小百合すみれお前たちを誇りに思う。
どうか…幸せになってくれ」。
どうですか?東城医大は。
何だかでかすぎて落ち着かないね。
はははっ。
まっ悪くはないよ。
あぁ。
すみれどうしてる?きっと元気になると思います。
いい家族だったのにな。
由喜恵…。
(由喜恵)母さん心配したじゃない。
(美智)へっ?
(由喜恵)碧翠院が火事になったって今朝知って。
病院移ったんなら電話ぐらいしてよ!ごめん。
会えて良かった。
死ぬ前にあんたにもう一度会いたかった。
何ばかなこと言ってんのよねぇ?話したいこといっぱいあるんだよ。
なぁ?田口先生。
・「Hide&Seek」
(薫)おばあちゃん。
(美智)あぁ〜あぁ薫。
さあ座ろ座ろ。
ねっ?うん。
良かったねぇ東城医大に戻ってこられて。
ええ。
特別愁訴外来も再開できましたし。
あっそう。
まあその合間でいいんだけどさちょっと手伝ってもらいたいことがあるんだよね。
はい?あれ?高階病院長から何にも聞いてない?いえ何も。
あっれ〜。
いや僕もうグッチーの新しい名刺用意してきちゃったよ。
はぁ?はぁ…。
あれ?もしかしてグッチー怒ってる?ははっいいですよ。
もうどんなミッションもつきあいます。
ほぉ〜ははっ。
で今度は何を手伝えっていうんですか?実はちょっと急いでるんだよねぇ。
ほっ。
行くよグッチー。
えっちょっと白鳥さん?ちょっと!この肩書これどういう意味ですか?意味わかんないの?意味わかんないじゃなくてこんな長い肩書言えませんよ。
責任大だよ〜。
うぅ〜特別愁訴外来兼…。
何かあったんですか?9人は殺されたんだよ。
きゃ〜!東城医大を破壊…。
(速水)誰かがシステムを狂わせた。
偶然が重なり過ぎだよ。
(別宮)自分を正義の味方か何かと勘違いしてません?生きたくても生きれない人が大勢いるんだ!
(東堂)その調子で頑張って犯人見つけて。
2014/03/18(火) 22:00〜23:09
関西テレビ1
[終]チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮 #11[字][デ]【その医療は正義か、罪か?最大の謎】

「その医療は正義か、罪か?最大の謎」
伊藤淳史 仲村トオル 栗山千明 左時枝 水野美紀 柳葉敏郎

詳細情報
番組内容
 長野の放射線科医・立花(宅間孝行)と碧翠院の放射線技師・戸山(渡部豪太)を殺害した犯人が明らかになる一方で、碧翠院の患者が皆、不自然なほど穏やかな最期を迎えることに違和感を覚えていた田口(伊藤淳史)と白鳥(仲村トオル)。院長の巌雄(柳葉敏郎)が安楽死を行っているのではと疑いを抱き、田口は看取りに立ち会うが、不審な点は何一つ見つからずにいた。
番組内容2
 そんな中、亡くなった患者のAi(死亡時画像診断)画像を見ていた白鳥は、ついに「螺鈿の部屋」で行われている看取りの“からくり”に気付く。証拠を突きつけようと、巌雄を探す2人。だがその頃、「螺鈿の部屋」では既に美智(左時枝)が最期の時を迎えようとしていた。田口と白鳥の動きに気付いた小百合(水野美紀)は、部屋の内側から鍵をかけてしまう——。
番組内容3
 はたして、碧翠院で行われている終末期医療の秘密とは?そして、患者の美智から語られる驚きの真相と、桜宮一族の運命は…!? いよいよ、田口と白鳥の最後の謎解きが始まる!
出演者
伊藤淳史 
仲村トオル 
栗山千明 
上遠野太洸