・
(研究員)井上君。
井上君?
(新田)ああ何すか?
(研究員)この報告書を作っておいて。
(新田)はい。
(研究員)じゃあお願いね。
(新田)はい。
(研究員)井上君。
m/zはどのぐらい?
(新田)えっ?ああ。
[M−H]が1,115.53でした。
(研究員)これも後で頼むね。
あっはい。
(研究員)これもよろしく。
はい?あっはい。
(研究員)井上さん。
ユーグレナからアミノ酸に生産する方法でちょっと煮詰まっちゃって。
従属栄養で培養した場合主にどんなアミノ酸ができると思う?それは…。
厄介ですねぇ。
(茅野)厄介入りました。
(淳平)きたか。
(茅野)はい。
「ユーグレナからアミノ酸を生産する方法で従属栄養で培養した場合主にどんなアミノ酸ができるか」ですか?
(淳平)夕暮れからアミノ酸を生成する方法。
何で夕方にそんなことするんだ?
(茅野)ユーグレナですよ。
(淳平)何だ?これ。
(茅野)これです。
(淳平)それか。
新田。
グライシンだ。
グライシンじゃないっすか。
(研究員)グライシン?えっ?
(茅野)違いますよ。
これドイツ語読みですから。
えーっとですね。
(淳平)いや。
ドイツ語なんて分かんねえよ。
(茅野)翻訳。
(淳平)新田すまん。
英語読みだった。
ドイツ語でグリシンだ。
あっすいません。
うっかり英語で言ってました。
グリシンですね。
(研究員)ああ。
グリシンね。
なるほど。
(ノイズ)新田怒ってんな。
(茅野)はい。
バックアップも大変だな。
茅野ちゃん。
ここ任せた。
(茅野)えっ?
(駿太郎)《潜入捜査?》
(淳平)《どこですか?》
(筑紫)《ステラバイオ社だ》
(駿太郎)《ステラバイオ?》
(筑紫)《ああ》
(淳平)《あのバイオ産業のベンチャー企業ですか?》《最近株価も上がってますよ》
(駿太郎)《何?お前。
株とかやっちゃってんの?》《やってなくても新聞読んでりゃ誰でも知ってるよ》
(駿太郎)《あっそう》《探偵になりたいんだったらお前そんぐらい勉強しろよ》
(駿太郎)《俺が本気出したらマジヤバいぞ》《言葉の意味は分からんがとにかくすごい自信だ》
(筑紫)《ステラバイオ社は生物工学や遺伝子工学を利用した研究開発を行ってる》《今バイオ業界で最も勢いのある会社だといわれてる》
(飛鳥)《そんな企業からどんな依頼ですか?》
(筑紫)《研究員の素行調査だ》
(飛鳥)《ちょっとタイプかも》《前々から思ってたけど男の趣味変だぞ》
(筑紫)《研究員佐々岡光男さん》
(筑紫)《次の人事で彼を役員に昇格させるという話があるそうだ》《研究員をいきなり役員ですか?》《その昇進をさせる前に佐々岡さんが問題のない人物かどうか調べてほしいとのことだ》
(峯岸)《ステラバイオ人事部の峯岸です》
(筑紫)《人事部長直々の依頼だよ》《そこでうちから一人研究員として潜入させることになった》
(淳平)《研究員として潜入?》
(筑紫)《インターンという設定だ》
(淳平)《インターンって》《よし行け。
飛鳥》
(飛鳥)《えっ!?》《女の方がまだ警戒されないだろ》
(飛鳥)《無理ですよ。
どう考えてもこの顔頭良さそうに見えないでしょう》《すいません。
中でもバカを指名してしまいました》
(駿太郎)《絶対無理でしょ》
(飛鳥)《ちょっちょっちょっちょっと》《淳平君どうかな?》《俺っすか?》《確かに顔は研究員顔かもしれないけど》《研究員顔って》《インターンだったらもうちょっと若い方がいいんじゃないですか》《私といえば数々の経験を経て最近では渋みが顔ににじみ出てしまってる…》
(飛鳥)《ただのおっさんじゃん》《お前は黙ってろ。
お前にな男の渋みは分からないんだよ。
ということでどうだ?駿太郎君》
(駿太郎)《意味が分かんないっすよ》
(淳平)《頑張ってこい》
(瞳子)《研究室にはうってつけの人材がいるわよ》
(瞳子)《東都大学理学部生物化学科出身。
新田輝》
(淳平)《えっ!?》《マジ?》《中退です。
何も覚えてませんけど》《頼んだわよ。
新田君》《はい》
(筑紫)《じゃあそういうことで。
うんうん》
(淳平)《新田。
お前前は植木屋だって言ってたじゃねえか》《それはそれです》《あいつ頭もいいのかよ》《かなうとこないね》《おい》《ちょっとお前何つった?今。
何だよ?》《最近まとまるもんもまとまんないんですけど》《いいんじゃない。
まとめなくて》
(淳平)《社長》
(佐々岡)あっああー。
(研究員)気にしなくていいよ。
いつもああだから。
そうなんすか。
(研究員)培養液のpHを調整しておいてほしいんだけど。
pH?井上君なら分かってると思うけどpH少し間違えただけで有毒物質生成されるから気を付けて。
あっ。
じゃあ用意してきます。
(研究員)試薬ならここのを使っていいよ。
えーと。
別のアプローチもありませんか?
(研究員)別の?ええ。
確かにpHを調整するのは正しいやり方です。
でもここ最近の考え方では通常のストレスパスウェイを経由させずにファイトアレキシン合成に持っていくのがトレンドになってるんです。
このやり方では普通過ぎてちょっと古くないっすか?
(研究員)そのアプローチもありか。
(研究員)確かに。
逆転の発想かも。
(研究員)さすが名門山脇研究室出身だね。
(研究員)うん。
あそこの研究室はホントに考えが斬新だもんね。
そうなんですよ。
よく言えば斬新。
悪く言えば亜流なんですけどね。
そういえば山脇教授は元気?ええ。
もうぴんぴん。
元気過ぎて困ってますよ。
あれ?去年体壊して入院されてるって聞いたけど。
ええ。
そこから奇跡の復活です。
逆に。
ハハハ。
(2人)アハハ。
あのう。
佐々岡さんって今どんな研究してるんすか?
(研究員)ああ。
神ね。
神?
(研究員)この研究室の神。
ああ。
(研究員)何やってるかよく分からないんだ。
分からない?
(研究員)まあ彼はそっとしておいた方がいいよ。
(研究員)触らぬ神にたたりなし。
あのう。
(佐々岡)あっ?何か手伝うことありますか?
(佐々岡)誰だ?お前。
井上です。
この前自己紹介しましたけど。
チッ。
時間ねえんだよ。
こっちはな。
時間。
(飛鳥)なめちゃってるの。
そうなの。
何見てんの?
(飛鳥)大ちゃんです。
カワイイでしょ。
犬飼ってんの?一人暮らしで。
犬じゃなくてこれ大ちゃんね。
大ちゃんを犬扱いしないでください。
犬じゃん。
(飛鳥)ホント。
マジやめて。
次犬って言ったらホントグーパンするよ。
ねえ?大ちゃんもホントに。
やっちゃったな。
(飛鳥)何がよ?デートしても早く帰らないといけない。
外泊もできない。
けど毎日癒やされる。
結果独身路線一直線ってパターンだな。
お前マジグーパンしていい?
(研究員)井上。
終電大丈夫?はい。
・
(佐々岡)おい。
はい。
(佐々岡)これあしたまでにまとめといて。
あっはい。
(研究員)きたー。
(研究員)新人が入ると必ずやるんだよな。
(研究員)こんなの絶対できっこないからあしたすぐ謝っちゃった方が楽だよ。
ホントこういうところめんどくさい人だよなぁ。
(佐々岡)お先。
(一同)お疲れさまでした。
だからこの子は他の犬と違うんだって…。
あっ。
犬って言った。
はっ!?あーもう大ちゃん。
ごめんね。
犬じゃないんだよ。
ホントもうマジあんたのせい。
謝ってよ。
謝ってって。
それ犬だよ。
(メールの着信音)
(飛鳥)ホントに…。
あっ。
佐々岡さん研究室出るって。
いつもよりやけに早いな。
行きますか。
はいよ。
(飛鳥)ちょっと見過ぎ。
えっ?
(飛鳥)視界の端に捉えつつ何げなく辺りを見る。
そして角を曲がったらダッシュ。
ちょっと。
やっ!?
(飛鳥)ちょっ。
待ってよ。
置いてくなんてひどい!合わせて。
ごめんって。
困った顔が見たかったんだよ。
(飛鳥)やだ。
何食べ行く?
(飛鳥)どうする?レバーか。
(飛鳥)そうだね。
レバーだな。
焼き肉行こう。
(飛鳥)ちょっ放してよ。
ちょっと何なの?今の小芝居。
リアリティーあっただろうが。
どこがよ。
飛鳥ってさ意外と胸あんだな。
飛鳥さんだろうが!痛っ!?・
(男性)ああどうも。
お忙しいところありがとうございます。
一席設けてありますんでどうぞ。
さあさあ。
誰だ?あれ。
どうする?
(ホステス)さあどうぞ。
(佐々岡)ああもう全然。
(男性)ご遠慮なさらずどうぞ。
(従業員)こちらです。
(飛鳥)よろしくお願いします。
(従業員)ああ。
あちらです。
失礼いたしました。
(2人)失礼しました。
(飛鳥)よろしくお願いします。
(男性)わお!ストライク。
ど真ん中って。
カワイイね。
ねえねえ。
名前何ていうの?あっ。
麗華です。
(男性)麗華。
顔も名前もカワイイな。
(飛鳥)よく言われるんですけど。
寒い。
(男性)条件は悪くないと。
(佐々岡)ああ。
そうですね。
(男性)であの。
例のあのサンプルの件なんですが…。
(佐々岡)もしでもあの。
そういうことになったときには。
(男性)あっちこっち…。
ねえ?聞いてる?麗ちゃん。
(飛鳥)ウフッ。
聞いてますよ。
ウフフ。
こっちの話をね。
(男性)何?何だよ?何?このこの。
ぐりぐり。
いけない手。
もう!
(男性)たあ!ぽん。
(従業員)麗華さん。
お願いします。
(飛鳥)あっ。
(男性)えっ?
(飛鳥)すいません。
失礼します。
(男性)そんなちょっと。
待って。
ちょっ。
(従業員)ああ。
あちらです。
(飛鳥)えっ?あっ。
(淳平)茅野ちゃん。
(茅野)はい。
(淳平)佐々岡が会ってたこの男っつうのは誰か分かったのか?
(茅野)はい。
えー。
島谷義久。
ジーンケミカル社の人事部の男っすね。
ジーンケミカル。
ステラバイオのライバル会社ですね。
移籍する気か?お土産持って交渉ってとこか。
お土産?
(筑紫)何らかの研究成果を自分自身とセットで売り込むんだよ。
研究を勝手に持ち出すなんてありなんですか?駄目に決まってるだろ。
社内の研究成果は会社のものだからな。
目的は金ですかね?
(飛鳥)ハァー。
佐々岡さん残念な人。
(筑紫)佐々岡さんのご家族は?
(淳平)特に変わりはありませんね。
奥さんは毎日公園で犬の散歩をしてるだけです。
そうか。
(淳平)駿太郎。
はい。
(淳平)お前奥さんに接触しろ。
俺が?
(淳平)人妻得意だろ?いや。
まっ得意っちゃ得意っすけど。
否定しないんだ。
佐々岡がもし本気で移籍を考えてるなら奥さん何か聞いてるかもしれない。
お前奥さんの犬の散歩に付き合って何か聞き出せ。
自分でやればいいじゃないっすか。
それがな駿太郎。
俺は過去に重い十字架を背負ってる。
(飛鳥)小さいとき犬にかまれたらしい。
そんな理由かよ?
(淳平)言っちゃうもんな。
おいちょっと。
行くなって。
大次郎。
(飛鳥)大ちゃんだって。
ほら大次郎!
(飛鳥)大ちゃんだって。
大ちゃん。
あっ。
(駿太郎・飛鳥)こら。
すいません。
(美紀)カワイイ。
何歳?
(飛鳥)2歳になります。
ねっ?
(美紀)もしかして新婚さん?
(駿太郎・飛鳥)あっ。
はい。
へえー。
ご主人研究者なんですね。
すごいなぁ。
(美紀)そんないいものじゃありません。
研究ばっかりでほとんど家にいないし。
お忙しいんですね。
夕食作っても結局無駄になるばっかり。
子供でもいれば少しは違ったのかしら。
でもワンちゃんがいるじゃないですか。
(美紀)ああ。
友達にね勧められたの。
子供がいないなら犬でも飼えば夫婦の会話にもなるんじゃないって。
分かります。
でもあの人はこの子の名前すら覚えてない。
結局興味ないのよ。
家にも私にも。
今はこの子だけが私の家族。
あっ。
新婚さんに変な話しちゃったわね。
ごめんなさい。
いえ。
全然。
じゃあまた。
あの様子じゃ移籍の話なんて聞いてそうもないな。
何か冷たい旦那さんみたいね。
(一同)おはようございます。
佐々岡さん。
(佐々岡)あっ?これ。
自分なりにまとめてみました。
お前一人で?はい。
ふーん。
(筑紫)ああ。
峯岸さんどうも。
あの。
結果の方は調査が全て終了してからまとめて…。
(峯岸)今の時点で構いません。
分かったことがあったら教えてほしいんです。
ああ。
うーん。
まだ途中段階ですが佐々岡さんがジーンケミカル社と接触した事実は確認しています。
分かりました。
(筑紫)どういたしましょうか?調査を続けてください。
(筑紫)承りました。
(佐々岡)えーっと。
何だっけ?お前。
だから井上です。
ああ。
飯は?いや。
どうしようかなと思って。
行くか?えっ?
(佐々岡)うん。
あっ?どうした?えっ?いや。
ちょっと何かイメージ違うなぁって。
(佐々岡)何が?この店のバイキング侮れないんだよ。
ハハハ。
うん。
うまいっす。
だろ?そうなんだよこれ。
あのデータさどうやってまとめた?まあ必死に。
(佐々岡)嘘つけ。
いや。
ホントですよ。
(佐々岡)研究に必死なんていらねえよ。
必死にやったからできましたなんてお前そりゃ嘘だ。
じゃあ才能があったんでしょうねぇ。
(佐々岡)フッ。
うぬぼれんな。
この会社どうっすか?研究の自由さとか。
(佐々岡)何?就職したいの?考えてます。
でも佐々岡さんいつも一人で研究してるでしょ。
不満でもあんのかなぁって。
(佐々岡)不満か。
大いにあるね。
じゃあ報告を頼む。
まず人妻担当の…。
その呼び方やめてください。
不倫担当の。
もっと嫌です。
(筑紫のせきばらい)奥さんの方はどうだった?情報は特にありません。
(淳平)ねえのかよお前!だって奥さんと佐々岡さん全然会話ないみたいなんすよ。
(飛鳥)何か冷めきってるって感じでした。
飼ってる犬の名前すら覚えてないんじゃないかって。
(淳平)そうか。
だったら自分で調べりゃいいじゃないっすか。
(淳平)お前の仕事だろ。
(筑紫)新田君の方は?研究員の話では社内で派閥争いがあると。
派閥争い?社長派と専務派で結構根深いみたいです。
(筑紫)佐々岡さんはどっちなんだ?うーん。
われ関せず。
孤高の存在ってとこですかね。
天才と変人は紙一重ってことか。
変人同士気が合うんだなぁ。
まあ俺は人妻と気が合う人間じゃねえからな。
ああ?合ってんだろうな。
女とかペットの相手がな。
ひがみと受け取っとくよ。
(淳平)仲良くしろお前たちは。
やっぱ研究持ち出そうとしてんの?不満が大いにあるとか言ってたな。
あっそっか。
そういうことか。
えっ?
(淳平)いや。
俺分かっちゃったよ。
今日もさえてるね俺。
(飛鳥)だから何なんすか?
(淳平)「だから何なんすか?」と今お前は俺に…。
(飛鳥)だからそういうのいいですから。
(淳平)依頼人の峯岸さんは昇進のための調査だと言ったがそりゃ嘘だな。
いや。
前からおかしいとは思ったんだよ。
佐々岡は天才とはいえ研究一筋の男だ。
しかも変人。
そんな男を役員にしてどうする?確かに。
(淳平)つまり峯岸さんは初めから佐々岡の背任行為を予見して調査を依頼してきたんだ。
(筑紫)まあ会社にとっては昇進のための調査と言った方が体裁がいいからねぇ。
えっ?じゃあどうするんですか?別に。
どうもしないよ。
どうもしない?俺たちは依頼されたとおりに調査を続けるだけだ。
おおっ。
人事部長殿だ。
お前のやってることは会社への裏切り行為なんだぞ。
(佐々岡)それが?
(峯岸)佐々岡。
(佐々岡)変わったのは俺か?お前か。
(佐々岡)両方か。
(女性)リュウ!
(真壁)ほう。
(翔太)うわー。
お前ホント好きだなそれ。
(翔太)「俺の名前は真壁リュウ。
しがない探偵さ」
(百合子)フフフ。
駿太郎の小さいころそっくり。
俺あんなだった?
(百合子)うん。
(孝次郎)ただいま。
(百合子)あっ。
おかえり。
おう。
(孝次郎)さぶっ。
(翔太)おっ。
パパおかえり。
(孝次郎)ただいま。
(百合子)ねえ。
今日遅かったわね。
(孝次郎)ああ。
会社の奴隷だよ。
(百合子)まあしょうがないじゃん。
いい会社入れたんだから。
ねえ?ご飯食べてく?
(孝次郎)ああ。
少しでいいや。
(百合子)ねえ?翔太もいるんだから頑張ってよ。
(孝次郎)分かってます。
お前もやっぱ出世したいわけ?まあそりゃ入ったからにはしたいけどさ。
それはそれで色々と大変なんだよ。
何だよ?色々って。
同期蹴落としたり派閥争いとか?ふーん。
(峯岸)やはり佐々岡は移籍するつもりのようです。
(長井)彼の夢に付き合ってるほど暇じゃない。
とにかく早く利益を上げるんだ。
佐々岡には辞めてもらわなきゃならん。
もちろんあの研究は置いてってもらうがね。
しかしこの件を公にすればわれわれの立場も危うくなります。
(長井)理由は何でもいい。
理由なしに解雇はできません。
(長井)それを何とかするのが君の仕事だろ。
(長井)研究員からここまできたんだ。
上りたいだろ?もっと上に。
早く手を打つんだ。
(筑紫)今回の調査は以上になります。
再調査してください。
(筑紫)はい?
(峯岸)とにかく何か横領だとか何でもいい。
佐々岡のスキャンダルを見つけだしてください。
研究成果を持ち逃げって立派なスキャンダルじゃないんですか?
(峯岸)その件は会社としては伏せておきたいんです。
つまり他の問題で彼を解雇したいということでしょうか?私どもは探偵社ですのでそういった工作はお引き受けしておりません。
いいんじゃないっすか?再調査しても。
(筑紫)えっ?はっ?おっしゃるとおり調べてみないと分かりませんからねぇ。
ありがとう。
頼みます。
人間たたけばほこりは出るもんです。
誰でもねぇ。
(筑紫)じゃあ失礼します。
なあ?何であんなの引き受けたわけ?何でもいいからスキャンダル見つけろってめちゃくちゃだろ。
(淳平)スイッチ入っちゃったかな?あいつ。
何すか?それ。
素行調査ってのは何だと思う?そりゃあ対象者を尾行して行動とか対人関係の情報を集める。
それだけじゃ素人なんだなぁ。
そいつが本当はどんなやつなのか。
違う顔はあるのか。
当の本人以上にその人間を見る。
それが探偵ってもんだ。
この馬はどんなやつなのか。
ああ。
脅かすなよお前。
佐々岡さん。
何を持ち出そうとしてるんですか?そんなにお金が欲しいんですか?会社に逆らってまで。
そりゃ欲しいよ。
当たり前だろ?嘘だ。
あなたはお金で動くような人じゃない。
お前変なやつだな。
あなたに言われたくないです。
フッ。
まっ1杯付き合えよ。
(佐々岡)偶然生みだしちゃったんだよ。
何を?
(佐々岡)新しい穀物だ。
水がない土地でも驚くほどよく育つ。
もうそりゃ革命的に。
いや。
もう革命なんだよこれちょっとした。
この穀物の種を世界中の食糧難の地域に提供できれば飢餓は劇的に解消される。
すごいじゃないっすか。
(佐々岡)でももう少しなんだ。
もう少し進めないと完成しない。
(佐々岡)それには時間も費用もかかる。
だから俺は峯岸に相談したんだ。
でもあいつは裏切ったよ。
専務と一緒になってな。
完成する前に売却しようとしてる。
未完成なのに?
(佐々岡)新種の株。
しかもバイオエタノールに使える可能性もあるんだ。
専務はでかいぽかやらかして10億近い損失出してる。
穴埋めに必死なのさ。
そんなくだらないことのためにこの研究を使われるのはまっぴらだ。
俺は絶対にこれを完成させる。
でも会社を裏切った揚げ句全てを失うかもしれませんよ。
ああ。
そうかもな。
ご家族にはお話ししたんですか?女房には苦労掛けてばっかだ。
今度こそ愛想尽かされるかもな。
佐々岡さん。
そういえば犬飼ってるんですよね?えっ?
(淳平)分かった。
大至急回す。
駿太郎。
仕事だ。
はい?新田のアシスト行け。
はあ?
(佐々岡)おい!やめろ。
(男性たち)貸せよ。
おい!あれ?遅えよ。
お前の説明が下手くそなんだよ!人のせいにすんなよ。
佐々岡助けるってどうすんだよ?話は後だよ。
足には自信あんだけどな。
(男性)何じゃ?おら。
どけ。
おい。
(男性)どけよ!何やってんだよ?猿!
(男性)うわー!うわー。
ああ。
(男性)うわっ。
駄目だよ。
人のものとっちゃ。
これ何が入ってんだよ?世界を救うお宝。
お宝!?ああ。
(男性)うわー!うわっ!?ちょっちょっ。
そういうのこっち担当だから。
お前都合いいな。
(男性)野郎!あっ!チッ。
何だよ?マジ?
(男性)うりゃー!うわっ!
(男性)おりゃー!新田!あっ。
お前!新田さんだろお前!うわっ!放せよ!お前持っときな。
いや。
お前持ってろよ。
いいからお前持っとけっつってんだろ。
お前持ってろ。
お前じゃねえ!新田さんだろお前!うるせえよ。
やめろってお前。
あ痛っ!おい!それは駄目…。
うっ!まだだよ。
返せ。
こら!
(男性)チッ。
(男性)行くぞ。
ああ。
ううっ。
ああ。
いってー。
お前何やってんだよ?とられちまったじゃねえか。
足引っ張るやつがいなきゃ何とかなったんだけどな。
うるせえな。
ああ。
しかしあの峯岸ってやつ相当必死だな。
ここまでやるとはな。
まだ何かある。
あっ?もっと違う何かを感じるんだ。
おい。
何だよ?頼みがあるんだ。
頭でも打ったんじゃねえか?あら。
こんにちは。
この間はごめんなさい。
変な話しちゃって。
あれから考えたんです。
あなたが話したこと。
言ってましたよね。
旦那さんのことはもう諦めた。
今はもうこの犬だけが自分の家族だって。
(美紀)ええ。
でもこうも言ってましたよ。
「夕飯を作っても結局無駄になるばっかり」って。
自分の家族だと思ってない人のために毎晩ご飯作ってるんですか?旦那さんのこと今でも大事に思ってるんですよね?犬の名前ニコでしょ。
えっ?どうして?佐々岡さんちゃんと覚えてましたよ。
《佐々岡さん。
そういえば犬飼ってるんですよね?》《えっ?》《名前何ていうんですか?》《犬?ああ。
ニコだけど》《ニコ?》《ああ。
あの。
2月5日でニコ》《俺とかみさんが初めてデートした日》《へえー》《フフッ。
これ笑っちゃうだろ》実は俺たち探偵なんです。
えっ!?ちょっと。
ステラバイオ社からの依頼で佐々岡さんの調査をしてました。
ハァー。
今佐々岡さんはピンチです。
研究が断たれるかもしれません。
あの人の?教えてほしいんです。
佐々岡さんと峯岸さんのこと。
佐々岡さん。
(佐々岡)おう。
何してるんすか?例のもの全部とられた。
専務の仕業だろうな。
だったらもうここ出る必要ないじゃないすか。
俺はお払い箱だ。
峯岸に言われたよ。
倉庫番やれってさ。
ハァー。
俺から研究取ったら何が残る?辞めろっていうのとおんなじだよ。
移籍の話は?そんなもんあの研究がなきゃ白紙だよ。
またどっかでやれるとこ探すわ。
(淳平)これお願いします。
(筑紫)はいはい。
ちょっと待って。
確認します。
あっ。
お疲れさん。
戻りました。
(筑紫)ああ。
お疲れさん。
バカ!お前。
こんなとこにお前犬連れてくるんじゃないよ!
(飛鳥)犬じゃありません。
大ちゃんです!
(淳平)うるせえな。
犬は犬だお前。
連れて帰れ!ほら!
(飛鳥)あのおっさんのとこ行け。
(淳平)ああバカ!うわー!来た。
うわあー!来た来た来た。
ああ!
(筑紫)何か分かったのか?
(淳平)ハウス!
(美紀)《峯岸さんと佐々岡は同期です》《最初は研究室で一緒に研究員として働いてました》《あのころは互いに意識し合ってたみたいで》《あいつのあの研究が気に入らないとか俺の考えの方が優れてるとか》《とにかく口から出るのは峯岸さんのことばかり》
(飛鳥)《それって…》
(美紀)《ええ。
仲のいい証拠です》《でも峯岸さんが研究室を離れて出世されてからは主人の口から峯岸さんの名前が出ることはほとんどなくなってしまいましたけど》《今では完全に仲たがいしてしまったんですか?》
(美紀)《ああ。
どうでしょう?》《だけどあの2人は何だかんだ言ってもどこかでつながってる。
そんな感じがします》そもそも最初の依頼って何だったっけ?
(淳平)佐々岡光男の素行調査です。
佐々岡さんのことをちゃんと調べて峯岸さんにきちんと報告する。
そういうことよね?
(淳平)そうです。
あなたたちそれちゃんとやった?えっ?だから表向きはお金に目がくらんでライバル会社に移ろうとしている男。
でも佐々岡さんはそうじゃないっていう裏の顔をあなたたちは見抜いたんでしょ?表と裏の顔を合わせたのが佐々岡さんの本当の姿。
それを峯岸さんにきちんと報告したのかって聞いてるの。
ちょっと行ってきます。
面白そうなんで行ってきます。
何?あれ。
一緒になっちゃって。
奇跡の一瞬だわ。
・峯岸さん!
(峯岸)ああ。
はい。
佐々岡さんの再調査の結果報告します。
ああ。
佐々岡さんはあなたを信頼してました。
大切な仲間として大切な研究も自分の気持ちも。
あなたに全てをさらけ出したんです。
ただの同期ってだけですよ。
佐々岡さんは全てを失ってもあの研究を完成させたいと言ってました。
その覚悟分かりますよね?あなたも研究者だったんなら。
あなたが手に入れようとしているものは佐々岡さんの覚悟と同じ価値があるものなんですか?報告は以上です。
お前意外と熱いとこあんじゃん。
お前につられたんだ。
いい迷惑だよ。
ハハッ。
そりゃあ悪かったね。
なあ?足の速さは俺の勝ちだな。
まあそれぐらいは譲ってやるよ。
探したら他にもいっぱいあんぞきっと。
何だよ?そりゃ大変だなぁ。
探すのは。
(佐々岡)おおっ。
もうですか?ああ。
元気でな。
隠してましたけど俺探偵なんです。
そっか。
驚かないんすか?何となく気付いてたよ。
こっちの人間じゃねえなって。
そうっすか。
(佐々岡)でもまあ最初っからこうなる運命だったのかもしんないな。
井上。
やっと覚えてくれましたね。
でも本当は新田といいます。
ハハッ。
そっか。
はい。
(佐々岡)ハハハハ。
・
(峯岸)佐々岡。
ちょっといいかな?
(佐々岡)うん。
(佐々岡)社長が?
(峯岸)ああ。
あれを社長のところに持っていったら「この研究は世界を救う。
佐々岡君には引き続き進めるように伝えてくれ」だってよ。
(佐々岡)でも専務派のお前がそんなことしたら。
(峯岸)フフッ。
俺はどっかでおかしくなっちまってたんだよ。
出世っていう熱に侵されてたんだろうなきっと。
お前に頭冷やしてもらってようやく目が覚めたよ。
これからどうするんだよ?どっか移ってやり直すよ。
そんなのんきなこと言ってていいのか?お前。
お前もうかうかしてられないぞ。
俺が研究者に戻ったら。
天才研究者佐々岡光男にライバル現るって業界も騒然だよ。
ハハハ。
(佐々岡)ハハハ。
何言ってんだよ。
フッ。
(淳平)はい乾杯!
(一同)乾杯。
ああー。
(飛鳥)すいません。
注文お願いします。
(淳平)うん。
でも潜入してたんならさもっと早く気付いてほしかったよな。
悪かったな。
素直じゃん。
確かにお前は今回よく働いたよ。
何だ?何だ?素人にしては。
一言余計なんだよ。
(淳平)ああ。
おい。
いいだろもう。
注文しよう注文。
なっ?
(茅野)社長と筑紫さん遅いっすねぇ。
瞳子さんってさ男いんのかな?どうでしょう?知らないし。
いなくてもお前には無理だよ。
だから何で俺にそんな突っ掛かってくんだよ?っていうか何でお前俺の横なんだよ?来たらたまたま横…。
あの奇跡の一瞬は何だったんだろ?
(淳平)幻だ幻。
(後藤)桐原。
置いてくぞ。
(由貴)待ってください。
・
(田無)ああ。
後藤君!
(後藤)副署長。
何か?
(田無)管内のラッキー探偵社って言ったかな。
(後藤)ラッキー探偵社ですか?
(田無)特に変わったことはないかね?
(由貴)特に違法行為もないですし。
(由貴)ごく普通の小さな探偵事務所だと思いますが。
(田無)そうか。
(後藤)あの探偵社が何か?
(田無)いや。
何でもない。
何かあったら知らせてくれ。
(後藤)はっ!失礼します!
(由貴)何だったんでしょうね?
(後藤)さあな。
ほら行くぞ。
ほら。
(由貴)あっはい。
(筑紫)よろしいでしょうか?どうぞ。
あれ?行かないんですか?お父さまの件です。
2014/02/18(火) 15:53〜16:48
関西テレビ1
ラッキーセブン #02[再][字]
名コンビ研究室潜入
松本潤 瑛太 仲里依紗 吹石一恵 谷原章介 小山慶一郎 リリー・フランキー 金田明夫 岡江久美子 角野卓造 大泉洋 松嶋菜々子
詳細情報
番組内容
北品川ラッキー探偵社に、ステラバイオ社という企業から研究員の素行調査の依頼が舞い込んだ。時多駿太郎(松本潤)は、ステラバイオ社に新田輝(瑛太)が潜入捜査に入ると聞く。有名大学の理学部の出身ということで、藤崎瞳子(松嶋菜々子)が新田を指名したが、新田が運動神経のよさに加え、頭脳も明晰だと知った駿太郎は面白くない。
2週間後、新田はステラバイオ社に潜入。研究員の佐々岡(リリー・フランキー)の素行を
番組内容2
調査するが、佐々岡は天才とされる反面、協調性のかけらもない変わり者で周囲も扱いに困っていた。その数日後、佐々岡は新田に書類を手渡し、明日までにまとめておくよう命じると研究所を後にした。周囲の研究者によれば、それは佐々岡が新人に課す通過儀礼だが、ひとりでまとめられる量ではないので、明日謝ってしまうのが得策だと言う。
新田は、外で駿太郎とともに待機中の水野飛鳥(仲里依紗)に佐々岡が研究所を出たことを
番組内容3
伝える。それを受けた駿太郎と飛鳥が佐々岡を尾行すると、やがて、繁華街にある高級クラブに入っていった。佐々岡はそこでひとりの男と会うと、なにやら込み入った話をはじめる。そんなふたりの様子を、ライター型のカメラで盗撮している人物がいた。ホステスに扮装した飛鳥だった。
翌日、探偵社の事務所に駿太郎、新田、旭淳平(大泉洋)、飛鳥、茅野メイ(入来茉里)らが集まり佐々岡の件についての調査報告が行われていた。
出演者
時多駿太郎: 松本潤
新田輝: 瑛太
水野飛鳥: 仲里依紗
筑紫昌義: 角野卓造
■
真壁リュウ: 谷原章介
桐原由貴: 吹石一恵
後藤将司: 金田明夫
茅野メイ: 入来茉里
時多孝次郎: 小山慶一郎(NEWS)
時多百合子: 岡江久美子
■
旭淳平: 大泉洋
藤崎瞳子: 松嶋菜々子
原作・脚本
【シリーズ構成】
佐藤信介
監督・演出
【演出】
佐藤信介
成田岳
平野眞
【プロデュース】
重岡由美子
関口大輔
【アソシエイトプロデュース】
金井卓也
音楽
ティム・ウィン
【主題歌】
嵐「ワイルド アット ハート」
制作
フジテレビドラマ制作センター
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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