スイスアルプス山脈。
豊かな水と緑に溢れた景色は大自然の理想郷。
アルプスのふもとで人々は自然とともに暮らし牛たちは緑の草原で気ままに草をはむ。
100年以上の歴史を誇る登山鉄道は世界各国から訪れる観光客をアルプスの世界へといざなう。
そこで待っているのは地球がつくり上げた絶景の数々。
しかしアルプスに今異変が起きている。
昔はここまで氷河があったんです。
氷河研究の世界的権威と訪れたアルプス最大の氷河。
そこで見つけた巨大な穴が意味する事とは…。
大自然からのメッセージ。
今夜はアルプスの絶景と氷河の危機に科学が迫ります。
近未来創造サイエンス…。
日本から飛行機でおよそ12時間。
ヨーロッパの中央に位置する国スイス。
国土の半分近くにアルプス山脈が広がりその大自然の壮大な景観のそばに人々の暮らしがある。
山での移動手段であるとともに私たち観光客を楽しませてくれているのが100年以上続く登山鉄道。
ここ標高567メートルのインターラーケン・オストが始発駅。
鉄道はアルプス山脈に点在する村々を結ぶ。
中でも観光客に人気が高いのが標高3500メートルまで登るユングフラウ鉄道。
山の上の終着駅からはアルプス最大のアレッチ氷河を見下ろす事が出来るのだ。
電車が走り始めて20分。
右手に巨大な滝が姿を現す。
ここはラウターブルンネンの村。
かつて巨大な氷河が山を削り取ってこの渓谷が生まれた。
氷河の水が300メートルもの絶壁を流れ落ち神秘的な景観を生み出している。
急に標高の高いところに行くと高山病になってしまう危険性があるため乗客の体に負担がかからないよう電車は時速20キロほどのスピードでゆっくりと走る。
電車は山肌を縫うように斜面を登っていく。
クライネ・シャイデック。
ここでユングフラウ鉄道に乗り換える。
標高は2061メートルと高いため10月の昼間でも気温は4度と肌寒い。
ここから終点までは最も険しい傾斜が続く。
普通なら車輪がレールの上で滑ってしまい登る事が出来ないほどだ。
しかし登山鉄道には急勾配を登るための工夫がある。
それが線路の間に設けられた3本目のレール…。
このレールには溝があり電車の底にある歯車がこの溝と噛み合う事で急な坂道でも滑らずに登る事が出来るのだ。
前方に見えてきたのはアルプスを代表するアイガーメンヒユングフラウの3つの山だ。
ここから山頂まではアイガーの山の中を7キロにわたって掘られたトンネルを進む。
標高3160メートルにある駅アイスメーアで電車は数分間停車。
その間岩山をくりぬいた窓からフィエッシャー氷河の眺めを楽しむ事が出来る。
かつては登山家など一部の人にしか見る事の出来なかった光景だ。
標高3970メートルのアイガーは登山家たちがその登頂を憧れる名峰。
特に冬でも雪がつかないほど急な断崖絶壁アイガー北壁は非常に登頂が困難な場所として多くの登山家たちを魅了してきた。
1912年人類はその真下に鉄道を通すという大事業を成し遂げたのだ。
ユングフラウ鉄道の終着駅はアイガーの西メンヒとユングフラウの間にある。
ふもとからおよそ2時間半をかけ終点のユングフラウヨッホに到着。
標高3454メートル。
ここはヨーロッパで最も標高の高い駅だ。
駅の上の展望台に上がると多くの観光客がその景色に目を奪われる。
目の前に広がるのはアルプス最大の氷河アレッチ氷河の壮大な眺めだ。
全長およそ25キロメートル。
幅は最大3キロメートル。
体積は150億立方メートル。
日本で最大の容積を誇る黒部ダムの1000杯分にも及ぶというから驚きだ。
寒いけどすっごくきれい!天気もいいし僕らはラッキーだったよ。
この巨大な氷河は観光客を楽しませるだけでなくアルプスに暮らす人々にも大きな存在となっている。
アレッチ氷河の下流リードメレルの村に住むベルンハルトさんによるとこの地で人が暮らしていけるのは氷河のおかげだという。
氷河は私たちの生活にとってはなくてはならないものです。
氷河の水は野菜の栽培や飲み水に使っているんです。
スイスの多くの地域では農作物…家畜の飲み水さらに生活で使う水道水にまで氷河の解けた水が使われている。
電気も氷河から生み出される。
スイスの電気の半分以上が水力発電で賄われているがその9割が氷河の水を利用しているのだ。
それほど氷河と人々の生活は密接な関係にあるのだ。
それにはこの地の気候が大きく関わっていると氷河研究の世界的権威大村纂先生は言う。
ここはですね水が欲しい夏に雨が降らない。
そうした時こそですね水の需要っていうのは増えるんですね。
農業にしろ工業にしろ電力にしろですね水が欲しいわけです。
その時に氷河が一番解けてるわけです。
これはアレッチ氷河周辺の降水量。
東京と比べてみると年間を通して雨の量が少ない事がわかる。
アルプスに降り積もった雪は氷河として山に蓄えられ水が最も必要とされる夏に解けて人々に水を供給している。
氷河はまさに天然のダムだったのだ。
今アルプスを支える氷河に起きている異変。
アレッチ氷河の上には専門家も想像していなかった光景が広がっていた。
(シャッター音)
(シャッター音)
(新垣)
時は止められる
(シャッター音)
ミラーレスEOSM2デビュー
(鶴巻)小さくて軽いので旅に持っていくにはちょうどいいですね。
ピントが早いので撮りたい瞬間を逃さず捉えることができます。
(鵜川)被写体に出会った瞬間の感動とか感覚を大切にしたいと思っています。
旅の感動を作品に
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氷河の解けた水を利用し生活を営むアルプスの人々。
しかしそんな氷河に異変を感じている住民がいた。
アレッチ氷河にほど近いリーダーアルプの村に長年暮らすフラーさんだ。
彼によるとアレッチ氷河はこの数十年の間にその姿を大きく変えてしまったという。
65年前私が小さかった頃はここは完全に氷で埋まっていてその上を牛とか羊が悠々と歩いていたんです。
フラーさんが子供の頃はおよそ200メートルの高さまで氷河があったというのだ。
その氷河が減少している。
一体何が起こっているのか?大村先生と氷河の上に向かった。
氷河の上は滑りやすい。
ガイドの指示でアイゼンと呼ばれる刃のついた器具を靴に装着する。
氷河の上を歩く時には決して雪の上を歩かず私の歩いたあとだけをついてきてください。
もし雪の下にクレバスがあると落ちてしまいます。
クレバスの深さは100メートルを超すものもある。
足元を確認しながら慎重に歩みを進める。
あっ入ってますね。
入ってる氷の中に。
大村先生が見つけたもの…。
それは氷河の上を流れる川。
これは氷河の表面が解けその水が集まる事で生まれるのだという。
川の流れをたどってみるとそこにあったのは…直径5メートルほどもある巨大な穴。
川の水が底の見えない暗闇に吸い込まれるように流れ落ちていく。
350メーターぐらいあるでしょう。
なんとこの穴は東京タワーの高さよりも深く氷河の底まで続いているのだ。
一度穴が開きますとですねそこに解け水がどんどん流れますからずっと大きくなって直径で言うと1つの家が入るくらいのですね大きな穴に育ちます。
本来この現象は氷河が最も解ける真夏に起きるものだという。
しかし撮影に訪れたのは夏もすでに終わりを告げた10月下旬。
この現象をね夏を過ぎても流れる川と巨大な穴。
これは長期にわたって大量の氷が解けている事を意味する。
気温が上昇する事によって解ける氷の量が増えますからこれこそが温暖化の直接の結果なんです。
そんな氷河の変化を克明に捉えている場所がある。
アレッチ氷河の末端から下流におよそ2キロ下った場所にある観測所。
ここは下流に存在するダムにどれだけの水がアレッチ氷河から流れ込んでいるのかを計測するための施設だ。
このような施設で長期にわたり取られてきたデータは氷河研究において非常に重要な材料になるという。
長年この観測所で働くスタッフが水量の変化について教えてくれた。
毎年変動はありますが徐々に流れる水の量は増えています。
こちらは49年間の氷河から解けた水量の推移。
徐々に右肩上がりになっている事がわかる。
年々氷河の解ける量が増えているのだ。
そんな氷河の将来を大村先生はこう予想している。
2100年までのですねシミュレーションが行われております。
それによりますとね今世紀の終わりにかけて面積はもう90パーセント以上なくなってしまいます。
アルプスの大地に潤いを与えそこに暮らす人々の生活を支え…。
そして訪れる人たちに絶景を見せてくれる氷河。
悠久の時を流れる氷河は地球の未来を教えてくれているのかもしれない。
冬。
越前の和紙作りは最盛期を迎える。
(紙漉き歌)日本で生まれた和紙の驚くべき吸着力に今世界が注目している。
その吸着力の秘密は繊維に隠された隙間にあった。
次回『奇跡の地球物語』越前冬景色伝統の和紙作りに科学が迫ります。
2014/02/02(日) 18:30〜18:56
ABCテレビ1
奇跡の地球物語 スイス アルプスの絶景〜登山鉄道と白く輝く巨大氷河〜[字]
アルプス山脈が連なるスイス。荘厳な山々の合間を縫うように走る登山鉄道と、アルプス最大のアレッチ氷河。そんな絶景の数々を作り出す大氷河に今消滅の危機が迫っている。
詳細情報
◇番組内容
緑の牧草、雪で白く輝く荘厳な山々。その間を縫うように走る登山鉄道の終着駅からは巨大な氷河が見渡せる。スイス・アルプスが見せる絶景の数々。しかし今、この氷河に消滅の危機が迫っている。氷河にできた直径5メートルを超える巨大な穴の正体とは!?氷河の秘密に科学で迫る!
◇番組内容2
古代のミステリーから日常のふとした疑問まで、人間を取り巻くあらゆる物事を最先端科学で紐解いていく…。明日誰かに話したくなる、新しい発見がいっぱいの番組です。
◇出演者
【ナレーター】山寺宏一
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/miracle-earth/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
◇おしらせ3
※来週のこの時間は『ソチオリンピック2014』放送のため、番組がお休みになります。次回の放送は2/16(日)です。
ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
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