くらし☆解説「給食のアレルギー事故を防げ」 2014.03.18

生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
時刻は10時5分を回りました。
きょうのテーマは、こちらです。
先週、文部科学省の有識者会議は学校給食で、新たな食物アレルギー対策をまとめましたがこれでアレルギーの事故は防げるのでしょうか、担当は藤野優子解説委員です。
藤野さん、食物アレルギーのお子さん、私の周りでもよく聞きますが最近増えているんですか。
藤野⇒小さいお子さんに多いという話をよく聞きますが、去年の調査によりますと小・中学生も増えています。
食物アレルギーのあるお子さんが全児童・生徒の4.5%10年近くで1.7倍に増えているんです。
クラスで1人ぐらいの割合ですね。
症状も、さまざまなんです。
こういったものがありましてこれが複数出ますとアナフィラキシーということになります。
そういう状態になったり、もっと症状が進行しますと意識や血圧が低下してきてアナフィラキシーショックという状態になって命にかかわるということもあるんです。
通常は食べて30分以内に症状が出ることが多いんですけれども、中には4時間ほどたってから症状が出るということも、あるんですね。
こうしたアレルギーの原因となる食べ物、食材もいろいろありますね。
多いものは卵、牛乳、小麦といったものですがここに出したもの以外にもいろいろな食材が原因となるんです。
中には、過去に食べて大丈夫だったものでも急に発症するということもあるんですね。
それで学校給食の現場でも個別のお子さんの症状に合わせて給食の一部を除いたりとか代わりの献立を準備したりということをやっているんですけれどもその一方で、誤って食べてしまうという事故も、たびたび起きていまして、中でも1年余り前ですね東京の調布市の小学校で乳製品のアレルギーのあるお子さんが給食で出たチーズ入りのチジミを食べてそのあとにアナフィラキシーショックを起こして亡くなるという大変悲しい事故があったんですね。
これを受けまして、文部科学省の有識者会議では新たな事故の再発を防ぐための新たなアレルギー対策をまとめました。
どんな対策ですか?大きく分けますと、まず1つは食物アレルギーのあるお子さんの情報を徹底的に把握しようということです。
具体的には学校生活管理指導表という書類に症状や治療内容を書くんですがこれを主治医の先生に書いてもらって必ず保護者が学校に提出することとするというふうになっています。
アレルギーのあるお子さんは全員ですね。
そして、その次の対応は学校全体で緊急時の対応を強化する。
これは何かと言いますと今まで食物アレルギーの対応というのは、栄養士の先生とか養護教諭の先生に任せきりだったという学校が多かったんですね。
それでは緊急時に対応できないということで、そこは校長先生を中心に学校全体で対応する。
そして緊急時にマニュアルを作って研修も強化するということを言っています。
そしてアレルギーのあるお子さんは医師に、こういったエピペンと呼ばれる自己注射薬を処方されていることが多いのでこれを教職員が、みんな利用できるように実践訓練に力を入れていこうとしているんです。
注射のエピペンはどういうものですか?アナフィラキシーの状態になったときに病院で診てもらうまでの間症状が進行するのを一時的に和らげるため、そしてショックを防ぐというようなものなんです。
そして、これは練習用のエピペンなんですけれども安全キャップを外して、太ももにこのようにカチッと音がするまで、洋服の上からでも緊急時は大丈夫です。
このように打つものですがこれを打てば大丈夫というものではなくて打ったとしても、すぐに病院には連れていかなければいけないということなんです。
こうした対策がまとまったということですが、これで本当に事故を防げるのでしょうか?なかなか学校の先生は授業もありますし、生活指導もあって忙しいので、そう簡単ではないかと思うんです。
実際に調布の事故のあと症状の重いお子さんの給食対応はできませんといった学校も出てきているんですね。
それできょうは、事故を教訓にいろいろな対策に取り組んでいる東京の調布市、ここは1つの参考例になると思いますのでちょっと見ていきたいと思います。
まず調布市では、どういうことをやったかといいますと献立を見直しました。
一見してアレルギー食材が入っていると分かるような献立にしようと。
どういうことかといいますと、この事故のケースはチジミに粉チーズが使われていたんですね。
これが原因でした。
チジミにまさか粉チーズが入っているとは思わないですよね。
こういうことが、やっぱり事故につながる要因の1つになったんだということで今後はこのように例えばグラタンとかチーズトーストのように外から見てチーズが使われていると分かりやすい献立にすることにしました。
食べないという判断がしやすいですね。
それから次に複数の職員や子どもたちが、どの子どもの給食がアレルギー対応になっているのか分かるようにトレーや食器の色を変えたりそして食物アレルギー対応カードというどの献立がアレルギー対応の献立なのか分かるようにこういうカードを食器の上にはり付けて見えますか?調理の人それから、盛りつけの人担任の先生などがチェックをして確認してチェックを入れるというものを入れました。
このほか、いろいろな対策に取り組んでいるんですけれどもそれでもやはりどこまでやってもミスは起こりうるということでアレルギーのある子どもの個別の緊急対応マニュアルを作って、先生たちが美奈エピペンを使えるように講習会を定期化したんです。
実際に注射を打つかどうか学校の先生が判断するの難しいんじゃないですか。
確かにそうだと思いますし、医師は副作用はほとんどないというんですが、やはり薬なので副作用が出たらと思いますよね。
ただ調布の事故のケースでも気持ちが悪いとお子さんが担任の先生にお子さんが訴えてから14分で心拍が確認できない状態になってしまいました。
僅かな時間での対応が必要ですしそれで調布市がどうしたかというと近隣の大学病院の専門医と市内の小・中学校幼稚園保育所などとの専用ホットラインを作りました。
それでアナフィラキシーの疑いのある子どもがいた場合ホットラインで連絡を取って注射を打っていいのか判断を仰ぐという、そして注射を打った個人の先生に責任を任せるのではなく教育委員会で全責任を負いますといったことで先生たちの安心感にもつながっているそうです。
ここまで対応できる地域が増えてくるといいですね。
いくつかの自治体でも同じような取り組みをやろうと準備をしているんですがただこの調布も新たな課題が出てきています。
それは何かというと新規発症。
これまでアレルギー症状の起こしたことのない子どもがアナフィラキシーの疑いがある症状を起こすケースが出てきているんです。
驚きました。
こういう子どもの場合は学校もいわばノーマークですよね。
本人にエピペンも処方されていません。
だからこそやはり、各地域各自治体で学校と医療機関、消防などとの連携のシステムを早く作る必要があると思います。
この食物アレルギーの問題は学校以外の施設でも起こりうることですね。
実際に幼稚園、保育所学童クラブなどでも、誤って食べてしまって救急搬送されるというケースが全国でいくつも起きているんです。
ですから食物アレルギーを恐れすぎることはよくないですがやはり子どもを預かるすべての施設で事故を防止するための体制整備を急いでほしいと思います。
藤野優子解説委員でした。
次回は今井純子解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2014/03/18(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「給食のアレルギー事故を防げ」[字]

NHK解説委員…藤野優子,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…藤野優子,【司会】岩渕梢

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