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<3月26日>(水)

○以下の一部は繰り返しになりますが、今回のウクライナ問題が安倍外交にもたらした信じがたいほどの幸運についてのまとめであります。


(1)国際情勢に非常事態が発生したので、70年くらい前の歴史認識がどうのこうのという議論は一気に霞んでしまった。

(2)靖国参拝以来の日米関係のゴタゴタも、とりあえず不問に付されている感じである。来月の日米首脳会談も、「ネタがない!」なんて心配はなくなった。

(3)日本外交はとりあえずG7の一員として行動している。ごく自然な形で、西側先進国の一角という与党の位置に戻ることができた。

(4)その割に、対ロ制裁として打ち出したのはビザの発給制限と投資協定の交渉延期くらいである。ロシアから見ればほとんど実害なし。

(5)ついでにどさくさに紛れて、日米韓首脳会談が行われたので、日韓関係も一歩前進した。

――なおかつハーグにおいて、韓国はG7会合を横目で見ていなければならなかった。まあね、君たちにはまだちょっと早いよ。

(6)いつも安倍さんの味方である北朝鮮は、ミサイルを発射してこの状況を祝ってくれた。

(7)経済問題の比重が下がった。日経平均は年初から1割も下げているけれども、とりあえずそんなことはどうでもいいよね

(8)逆に安全保障問題の比重が上がった。集団的自衛権の解釈変更問題にも、わずかながら追い風である。

(9)どういう風の吹き回しか、中国もおとなしくなっている。

(10)ロシアいじめの新たな方策として、アメリカが石油戦略備蓄の放出やシェールガスの輸出を促進するかもしれない。燃料価格が低下すればまたまたラッキーである。

(11)安倍首相がプーチンと5回も会ったという事実は、いちおう無傷で残っている。今後、しかるべきタイミングでカードとして使えるかもしれない。


○まあ、メシが旨いというほどじゃないですが、とりあえずここで書いたような悩ましい感じはかなり消えました。よかった、よかった。

○ところで、ロシアのクリミア併合を支持しているのは、シリアとベネズエラなんだそうだ。うーん、それって悪の枢軸2014年版であろうか・・・・。

吉崎達彦(かんべえ)
双日総合研究所取締役副所長・同主任エコノミスト。

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