失恋ショコラティエ #10 2014.03.17

(紗絵子)家を出てきたんだ。
(爽太)ケンカした?旦那さんと。
(爽太)何でこの人ここにいるんだろうって感じることがあって。
ただ家に帰りたくなくて居場所としてちょうどいいからいるって感じることもあるし。
(吉岡)小動君は女の人を殴ったことありますか?殴るってほどじゃないけど。
何かこう。
(爽太)まさか。
(爽太)ないですよ。
紗絵子さん。
俺分かんないよ
ホントは俺のことどう思ってるの?

何でこの女俺のベッドで寝てるんだろう?
俺のこと好きでもないくせに
違う。
そんなこと思っちゃ駄目だ
きっと俺のこと好きなんだって
この先のことも色々悩んでるんだって信じなきゃ
信じる?
(薫子)ハァー。
(紗絵子)拭き拭き。
しゅっしゅっ。
拭き拭き。
拭き拭き拭き…。
(紗絵子)おはようございます。
(薫子)おはようございます。
そんなことしなくていいですよ。
紗絵子さんはお客さんなんだから。
いえいえ。
居候の身ですから気にしないでください。
拭き拭き。
拭き拭き。
拭き拭き。
(まつり)《やっぱ恋多き女の先輩って頼りになりますよね》拭き拭き。
拭き拭き拭き拭き拭き拭き。
しゅっしゅっ。
拭き拭き。
拭き拭…。
紗絵子さんなら4文字で返されたメール何て返信します?2カ月以上も放置した上に返信がこれだけですよ?腹立ちますよねぇ。
うーん。
ハァー。
2月から3月にかけてすごく忙しい職種の人とか?えっ!?あっ。
うん。
そうですね。
わりと若くてあんまりおしゃべりしないタイプの人だったり?あっ。
はい。
《なぜ分かる?占い師か!?》たぶん最近忙しさも落ち着いてきて「あっ。
そういえば」って感じで返事くれたのかも。
ああ。
「くわしく」って薫子さんどんなメール送ったんですか?えっ?あっ。
うん?あっ。
それは。
あのう。
《「爽太くんは人妻をあきらめて加藤えれなと正式に向き合うと言っています」》うん?あっ。
共通の知り合いの。
あの。
近況とか。
これにもう返事しましたか?えっ?だっていまさらって感じだし。
それに女はメールの返信遅らせた方がいい的な。
そういうのあるでしょ?そうなんですか?えっ?あの。
ほら。
雑誌とかによくあるじゃない。
その。
あの。
モテテク。
モテテク的な。
ああ。
私が別にモテたいとかそういうことじゃないんだけどね。
でも私は返したいときにすぐ返しますよ。
返事が遅れて喜ぶ人はいないだろうし。
あっ。
あっ。
紗絵子さんだったらこれ何て返します?「くわしく話すね。
ハート。
ゴハン行こ!」「いつ空いてる?」って返します。
《その選択肢なかったわ》あっ。
でも会いたくない人だったら。
無視ですよね?「くわしく話すね。
ハート」でやりとり終了かな。
《ハート必要か?》会いたくない人にまで優しいんですね。
だってこの人がいつか会いたい人に変わるかもしれないし。
薫子さんはこの人と仲良くなりたいですか?うーん。
どうかな?この人に好きになってもらいたいですか?うーん。
でもあれですよ。
好きになってもらうために何かしなきゃいけないんだったら好きになってもらわなくて結構っていうか。
うわー。
上から目線。
薫子さんカッコイイ。
《嫌みか》まあ確かに何にもしないで向こうが勝手に好きになってくれればそれが一番ですよね。
フフッ。
ああ。
でも普通そんなことないんです。
えっ?だってお菓子だって味がおいしいだけで十分なのにそれでも売るためには形や色をかわいくしたり愛される努力が必要なんだなって思うし。
意識的にでも無意識的にでも人の気を引く努力をしてる人が好かれてるんだと思うんですよね。
《至極まっとうだわ》そうですね。
でもこの人に好かれたいかどうかはあんまりぴんとこないっていうか。
まあ好きな人は他にいるし。
えっ?えっ?あっ。
いや。
好きっていうか。
その。
私が勝手に思ってるだけで別に可能性のない相手なんだけど。
うん。
ふーん。
そっか。
うーん。
でも誰からにしろ好きになってもらえるってすごくうれしくないですか?それにこの人だって薫子さんのことを好きになってくれたらメールの返事が早くなったりとか色々変わってくるだろうし。
そうなったら薫子さんもこの人のこと好きになるかもしれない。
ああ。
そうですね。
うん。
うん?えっ?《好きにさせて好きになってくれたら好きになるのか?》《あれ?今何かエポックメーキングな理論を聞いた気がするぞ》それに他の人を好きになってみることで結果的に本命とうまくいくってこともありますよ。
うん?登山ですよ登山。
いつか目標の山に登山成功するためには他の山にも登ってみる必要があったりもするでしょう?《うーん。
うん!》はあー。
《何だろう?さっきからこの人すごく頭のいい人に見えるぞ》《確かにお菓子は一生懸命飾ったりお客さんにお薦めアピールしたりするよ》《だってそうしなきゃ売れないし人気出ないし》《えっ?それと一緒なの?人間はお菓子?》《私が全然売れないのは当たり前の努力をしてないせいなの?》《それで興味持ってくれないお客さんに分かってないとか怒っていらついてる方が間違ってるってこと?》《えっ?私が悪かったの?この女が正しかったのか?》《そんなバカな》《でも少なくともこの女は私よりは確実に前や上を向いてる人だわ》薫子さん。
せっかくの縁ですからこの人を。
うーん。
関谷さんを落としましょう。
分かりました。
うん。
じゃあまずはメールを返しましょう。
メールを返す。
うん。
「ゴハン食べに行きましょう」ハート。
ハート。
うん。
ばっちりです。
ウフッ。
あっ。
(オリヴィエ)どうしたの?あっ。
ボネールシェフから手紙が。
(オリヴィエ)へえー。
ああ。
今度ロックハートホテルにボネールの期間限定サロンができるんだってね。
それで日本に来るから会って話でもしようって。
(オリヴィエ)やっぱり噂は本当なのかな?噂?父さんから聞いたんだけどね。
ボネール本店のシェフショコラティエが辞めることになったんだって。
えっ?それで代わりを探してるって。
話ってそのことなんじゃない?そのことって?だから爽太もチーフの候補ってことだよ。
爽太はすごく気に入られてたし。
日本に帰るときも散々引き留められてたもんね。
すごいな。
そうなったら大抜てきだね。
いや。
俺にはショコラ・ヴィがあるから。
何言ってんの?ボネールのチーフだよ?絶対に受けるべきだよ。
ねっ?すっごいなぁ。
えっ?どうしよう?爽太君がボネールのシェフショコラティエなんて夢みたい。
いや。
まだ決まったわけじゃないよ。
大丈夫だよ。
爽太君が選ばれるよ。
私応援してるから頑張ってね。
フフッ。
うん。
あっ。
でもそうなったら爽太君パリ行っちゃうんだね。
一緒に行こう。
えっ?紗絵子さん。
俺と一緒にパリで暮らそう。
爽太君。
(ノイズ音)
(ノイズ音)
うん?何だ?今の
これで紗絵子さんとの未来を切り開くことができるかもしれない
何としてもこのチャンスを物にするんだ
ボネールのシェフショコラティエになって紗絵子さんを連れてパリへ行くんだ

(関谷)何か急展開で濃いっすね。
いいな。
ショコラ・ヴィさんとこ面白そう。
はあ?どこが面白い…。
《悪口やネガティブ発言ばっかりにならないように気を付けてくださいね》えーっと。
そうですね。
面白いっちゃ面白いかなぁ?フフッ。
(関谷)うちの店に六道さんの彼氏が逃げ込んできたらって想像したらウケますもん。
《ウケるとかそういう感覚か。
軽っ》
(関谷)忙しいのにちゃんと恋愛してんのがすごいっすよ。
小動さんは。
優秀なクリエーターはそういう恋愛とか。
心を羽ばたかせることを忘れないっすもんね。
《とにかく関谷さんを楽しませてあげましょう》《励ましたり褒めたりすんのが効果的ですよ》ああ。
関谷君も優秀なクリエーターじゃないですか。
(関谷)ああ。
でも俺恋愛とかあんまり興味ないから。
えっ?えっ?そうなの?
(関谷)元カノとかあれっすよ。
夜うちで。
まあそのう。
終わった後に俺がベッドの中で携帯ゲームやりだしたらめちゃくちゃ怒られたんすよ。
そりゃ怒るでしょ。
《褒められない。
励ませない》
(関谷)まあ小動さんにせよ六道さんにせよ何がしたくて何が欲しくて何がそのために必要とか自分の頭でがんがんビジョン描いて動いていける人たちですよね。
俺はそういうタイプにはなれないなって思います。
ああ。
私もそうかも。
ショコラ・ヴィを立ち上げたころは爽太君も色々手探り状態だったから私もばしばし注文付けたり仕切ったりしてたけど。
あれから爽太君はどんどんしっかりしちゃって。
アイデアはさえてるし決断は早いし読みは当たるし。
ウフフ。
今はもう私ごときが何か言うなんておこがましいっていうか。
私が何も変わらずにただ見てた間に爽太君はものすごい勢いで進化しちゃったんだなぁ。
フッ。
うん?相変わらず小動さんの話ばっかりっすね。
《バ…バカ。
爽太君のこと褒めてどうすんのよ?》フフッ。
ウフフ。
フフッ。
あっ。
じゃあ私はここで。
ああ。
《別れ際は「今日はもうすっごく楽しかったです」》《「また誘ってくださいね」》今日は楽しかったです。
はい。
また…。
《「また誘ってくださいね」》また…。
またたび。
えっ?あっ。
あっ。
うちの猫にマタタビ買ってかなきゃ。
どっか売ってないかなぁ?ウフッ。
ウフフ。
うーん。
う…売ってないか。
フフッ。
今日はありがとうございました。
あっ。
こちらこそありがとうございました。
じゃあ。
(関谷)ハァー。
ああ。
待って!あの。
関谷君は。
その。
結構忙しいですよね?
(関谷)えっ?いや。
そうでもないっすよ。
ホワイトデーも終わったし。
ああ。
そうですよね。
あっ。
じゃあこれからはお互い結構時間に余裕ありますよね。
そうっすね。
ウフッ。
じゃあ。
えっ?じゃあ。
《ああ。
何やってんだろ?もうバカみたい》《別に私は関谷君のことなんかどうでもよかったのに》「カードをお確かめください」あっ。
すいません。
《そうよ。
しょせん30過ぎた地味な女が何やったって無駄なのよ》《そんなの分かってんのに柄にもないことするからこんな最低な気分になんのよ》《ああ。
やだやだ。
それもこれも全部…》ウフッ。
《あの女のせいだ》
(まつり)薫子さん。
うん?
(まつり)今日お店終わったらうち来ません?あの。
お父さんの友達がカニをたくさん送ってきてくれたから一緒に食べましょうって。
カニ?
(まつり)うん。
薫子さん好きだったでしょ?うん。
行きたい行きたい。
食べたい。
(まつり)よかった。
あっ。
紗絵子さんも誘いましたから。
えっ?おかえりなさい。
(一同)ただいま。
皆さんお仕事お疲れさまでした。
さあどうぞどうぞ。
入って入って。
ウフフ。
(まつり)はーい。
《あんたのうちかよ?》
(オリヴィエ)うわー。
すっごい。
(まつり)ああ。
おいしそう。
ホントだ。
すげえ。
(誠)いやー。
紗絵子ちゃんが先に来て手伝ってくれたから助かっちゃったよ。
いえいえ。
私なんて大したことやってませんから。
(誠)とんでもない。
もうねホントにもう手際がいいんだ紗絵子ちゃんは。
(誠)それにめっちゃくちゃ料理が上手なんだよ。
えー?そんな。
お父さまのがお上手じゃないですか。
《お父さまって》何か照れちゃうな。
《喜ぶな》あっ。
そうだ。
忘れてた。
あっ。
(誠)うん?何だろう?蓬莱山。
お父さまお好きなんですよね?まつりちゃんから聞きましたよ。
(まつり)ああ。
紗絵子ちゃんはホントに気が利くなぁ。
《こ…こいつ》
(誠)開けよう開けよう。
(オリヴィエ)さすが紗絵子さんだね。
(まつり)ねっ?あっ。
紗絵子さん。
私も手伝います。
ありがとう。
(オリヴィエ)僕も。
(一同)よいしょよいしょ。
よいしょよいしょ。

(まつり)うーん。
うーん。
やっぱ北海道のカニは違いますね。
(誠)旧友の若松ってやつが旅先から送ってきてくれたんだよ。
うーん。
あっ。
そういえば2人が京都行くってやつあれどうなった?えっ?ああ。
いや。
それは。
(誠)うん?京都って?実はまつりちゃんと2人で行こうと思ってるんです。
2人で?京都ってショコラティエが増えてるんだよね?それ見に行くんでしょ?あっ。
うん。
そうそうそうそうそう。
(まつり)そうなの。
評判になってるお店があるからちょっと気になっててさ。
京都にまでリサーチに行くなんて勉強熱心な娘さんですねぇ。
(誠)ああ。
そうですね。
ねえ。
(誠)まつり。
頑張ってこいよ。
(まつり)頑張る。
(まつり)ありがとう。
でも2人揃って店空けるって。
ねえ?どうなんだろうね?
(オリヴィエ)あっ。
あっ。
じゃあ私まつりちゃんの代わりにお店番するよ。
(爽太・オリヴィエ)えっ?定休日合わせたら1日だけで済むし大丈夫でしょ。
ホントに?うん。
いいの?もちろん。
いつもお世話になってるもの。
(オリヴィエ)紗絵子さん。
ありがとう。
(誠)ありがとう。
(まつり)お土産のチョコ買ってくるからね。
やった。
楽しみ。
あっ。
ハクサイ足りないね。
私切ってくるね。
(誠)ああ。
紗絵子さん。
フフフ。
(誠)紗絵子さんはホントに気が利くね。
ウフフ。
いえいえ。
(オリヴィエ)お父さま。
(誠)ああ。
薫子さんにも。
(オリヴィエ)あっ。
薫子さん。
うん?
(誠・オリヴィエ)うん?飲む?ああ。
まだあるからいいよ。
(オリヴィエ)大丈夫?
(誠)もっと飲めよ。
《おなかすいた?おなかすいたのか?》《ママ。
ご飯まだ?》《はーい。
遅くなってごめんね。
はい。
できましたよ》
(ノイズ音)《まただ》うん。
大丈夫。
(オリヴィエ)するめばっかり食べてる。
食べ過ぎちゃったなぁ。
楽しかったね。
爽太君のおうちってあったかくていいね。
そう?うん。
みんな仲良くてすっごくすてき。
よかったらいつでも来てよ。
父さんも喜ぶからさ。
ホント?ウフッ。
うれしい。
ありがとう。
(オリヴィエ)《ボネールのチーフだよ?》《絶対に受けるべきだよ》紗絵子さん。
うん。
ああ。
いや。
いいや。
えっ?何?何でもない。
えー?
紗絵子さんを連れてパリへ行くんだ

(スタッフ)お待たせいたしました。
ありがとうございました。
いらっしゃいませ。
すみません。
(スタッフ)はい。
小動と申しますがボネールシェフいらっしゃいますか?
(スタッフ)お待ちしておりました。
(スタッフ)こちらへどうぞ。
(スタッフ)いらっしゃいませ。
すみません。
(スタッフ)はい。
小動と申しますがボネールシェフいらっしゃいますか?
(スタッフ)お待ちしておりました。
こちらへどうぞ。
(えれな)《ノエル・マリアンのショーに出ることになったんだ》《よかったら見に来てよ》《紗絵子さんのことはもう終わってるんだよ》《えれな。
俺的にはどうするか決めてるからさ》
(六道)よかったわね。
えれな。
念願のショーに出演が決まったお祝いに私からのプレゼント。
(えれな)すごーい!
(えれな)いやー。
バラのケーキ美し過ぎる。
(六道)これはえれなのことをイメージして作った三位一体のケーキなの。
(六道)美しい体。
美しい心。
そして美しい人生って。
こっちいくかと思ったらこっちいっちゃった。
(六道・えれな)ハハハ。
(えれな)何?
(六道)イリュージョン。
(六道・えれな)ハハハ。
(えれな)何?それ。
りくちゃん。
(六道)とにかくその3つを生まれ持っているのがあなたなのよ。
ウフフ。
あっ。
このとげとげもいいね。
リクドーっぽいよ。
(六道)これはねもっととがってもいいのよっていう私からのメッセージ。
あんたはいっつも我慢していい子でいるところがあるからね。
まあもちろんそれはとっても立派なことなんだけど。
でもねもしあなたを傷つけるものがあれば戦っていいのよ。
弱気になって戦う勇気が出ないときはこのケーキを思い出して。
諦めちゃう前にね。
ウフッ。
ありがと。
うーん。
おいしい。
ボネールのチョコ最強。
世界一。
あっ。
あっ。
でも爽太君のチョコは別格だからね。
他のもんと比べるもんじゃないから。
フッ。
俺もボネールのチョコはすごいと思うよ。
うん。
ねえ?サロンどうだった?お客さんいっぱいだったでしょ?うん。
行列できてた。
うわー。
そっか。
やっぱりね。
ねえ?ボネールさんにも会ってきたの?うん。
うわー。
挨拶だけね。
へえー。
忙しそうだったから。
それよりさ紗絵子さん。
ボネールのチョコの魅力って何だと思う?魅力?うん。
教えて。
ウフフ。
うーん。
そうだなぁ。
いや。
クラシックなんだけど全然古めかしい感じがしなくて。
シンプルで洗練されてて甘さが控えめですごく上品な感じ。
うん。
それから?あっ。
ガナッシュの軟らかさが絶妙なの。
後ねこのコーティングもものすっごく薄くて…。
今目の前にいる紗絵子さんだけを信じるなら俺のことを好きなんだって思ってしまう
でも…
確かめなきゃ。
紗絵子さんの顔色見て何言うのか待ってるばっかじゃなくて俺が前に進めていかなきゃ
ボネールのシェフショコラティエになって紗絵子さんと2人でパリへ行って
それから
それから
(オリヴィエ)どう?ボネールに渡すショコラは完成した?いや。
まだ。
何かどうも決め手に欠けててさ。
大丈夫なの?まあ何とかなるよ。
ほら。
いつもぎりぎりでインスピレーション湧くから。
大丈夫。

(まつり)ごめんね。
お待たせ。
(オリヴィエ)じゃあ行ってくるね。
悪いね。
爽太。
ううん。
楽しんできてよ。
京都のショコラティエのレベルがどんなもんか探ってくるからね。
はいはい。
いってらっしゃい。
(オリヴィエ)いってきます。
(まつり)いってきます。
ということで今日1日だけ紗絵子さんがヘルプで入るから。
よろしくお願いします。
はい。
《何で私があの女と一緒に働かなきゃいけないわけ?》《冗談じゃない。
大して役にも立たないのにうろちょろされちゃたまんないって》《もうホントとっとと出てってくんないかなぁ》・
(ドアの開く音)・おはようございまーす。
今日はよろしくお願いします。
《カ…カワイイ》カワイイ。
紗絵子さん。
ものすごく似合ってるよ。
そう?これね1回着てみたかったんだ。
ウフフ。
あっ。
薫子さん。
薫子さん。
一緒に写真撮りましょう。
《えっ?おんなじ制服だよね?》《何でこんな違うの?えっ?何で?》《えっ?何で?何で?えっ?赤いリボン》《えっ?色が違う?うん?何で?何で?》《あれ?ちょっと顔色が》
(女性)すいません。
はい。
(女性)これって何が入ってるんですか?これはレモンピューレとレモンの皮が入ってるんです。
風味がすごくいいですよ。
(女性)じゃあこれは?これはコーヒー風味のチョコレートとミルクチョコレートをブレンドした…。
《しかもなかなか…》どうもありがとうございました。
《使える》またいらしてくださいね。
(女性)どうも。
薫子さん!お仕事っていいですね!そう?大好きなチョコレート屋さんで働けるなんて夢みたい。
もうこのまま就職しちゃいたい。
フフフ。
ウフフ。
これから軽井沢まで行くの?うん。
ボネールがそこで休暇を過ごすんだって。
ちょっと届け物あるからホテルまで行ってくるよ。
そっか。
気を付けてね。
うん。
先寝ててね。
うん。
じゃあね。
いってらっしゃい。

きっとうまくいく。
いや。
いかせるんだ
新しい一歩を…
踏み出すんだ
(まつり)紗絵子さんと薫子さんうまくやってるかな?
(オリヴィエ)うん。
(まつり)フフッ。
お土産喜んでくれるといいね。
紗絵子さんの好みもっと詳しく…。
まつりちゃん緊張してる?
(まつり)してないよ。
僕はちょっとしてる。
どうして?好きだから。
フフッ。
私も好きだよ。
でもね…。
緊張しない好きもあるんだよ。
(オリヴィエ)フッ。
(まつり)ウフフ。
よいしょ。
うん。
うん?はい。
もしもし?薫子さん?紗絵子です。
えっ?何?えっ?どうしたんですか?あの。
実はお店が停電しちゃったんです。
停電?はい。
それで冷蔵庫のこととか気になって。
えっと。
爽太君は?ボネールさんに会いに軽井沢に向かってて今いないんです。
ああ。
やっぱりこの辺一帯が停電してるみたいですね。
チョコ溶けちゃったらどうしましょう?冷蔵庫はなるべく開けない方がいいんだけど。
生クリームと冷蔵ピューレだけ出して氷水につけておきます。
あっ。
ボウルですねボウル。
ああ。
ボウルじゃ間に合わないからバケツ取ってきてもらえます?はい。
はい。
持ってきました。
ありがとう。
じゃあ紗絵子さんは保冷剤をショーケースに入れてください。
なるべく素早くお願いします。
はい。
よし。
ああ。
どう?こんな感じですかね?ああ。
うん。
これで大丈夫だと思う。
後は温度計をマメにチェックして対応を考えましょう。
はい。
うん。
(紗絵子・薫子)ハァー。
ふうー。
《よりによってこの女と二人きり。
勘弁してよ》あっ。
えっ?あれから関谷さんとどうなりました?フフフ。
ああ。
《それ聞くか》お食事行きました?ああ。
行きましたよ。
どうでした?楽しかったですか?まあそれなりにね。
ウフフ。
向こうも前より色々しゃべってくれたし。
よかったですね。
うーん。
フフッ。
次の約束しました?うーん。
別に。
うーん。
向こうも何も言わなかったし。
じゃあ次はタイミング見て薫子さんから連絡するって感じですかねぇ。
紗絵子さんはやだなぁとか思わないんですか?何がですか?自分から誘うの。
でもどっちかから誘わなきゃ始まらないし。
でも向こうから言わないってことは別に行きたくないってことでしょ?えっ?でも薫子さんも向こうから誘われたら別に行っても構わないなって思うでしょ?ああ。
うん。
まあ。
まあ正直男から誘えよって思ってるんですよ。
ああ。
そうしてくれない男なら最初からいらんわって思ってるわけですよ。
ウフフ。
でも。
ねえ?世の中の男の方からしたらこっちこそいらんわって感じだよね。
フッ。
私ホント上から目線なんだよね。
関谷君のことがあって自分は受け身でぜいたくな人間なんだなってよーく分かりました。
それだけでも収穫は十分かも。
うん。
ハァー。
(紗絵子・薫子)あっ。
ついた。
ああ。
ハァー。
ウフフ。
ウフッ。
《しまった。
何言っちゃってんの?私》《何でこの女相手に本音トークとかしちゃってんのよ?》ああ。
あっ。
よかった。
思ったより早く復旧して。
ねえ?ねえ?あっ。
あっ。
えっ?じゃあ私これ片付けたら帰るから。

(ノック)
(薫子・紗絵子)うん?・
(ノック)・
(ノック)・
(ノック)
(吉岡)紗絵子いますよね?えっ?
(吉岡)おい。
紗絵子。
帰るぞ。
ああ。
あのう。
(吉岡)失礼。
いやいや。
ちょっちょっちょっ。
ちょっ。
ちょっと待ってください。
(吉岡)いるのは分かってるんです。
(吉岡)うちのライターが昼間ここで紗絵子を見たそうですから。
それは…。

(ドアの開く音)紗絵子。
待って。
話を聞いて。
話なら家で聞くよ。
嫌。
今は帰りたくないの!バカ言うな。
忙しいんだから面倒かけんなよ。
待って。
放して!こんなとこに隠れやがって。
ほら。
行くぞ!嫌だってば!い…今帰ったって何も変わらないもん。
あなたはいつだって頭ごなしに怒って私の話何も聞いてくれないじゃない。
だから私家を出てったんだよ?うるさい!いいから帰るんだよ。
ちょっとやめて。
やめてください!嫌がってるじゃないですか。
その手放してください。
何なんだ?君は。
君には関係ないだろ!関係なくありません!私は紗絵子さんの友達です!彼女には彼女なりの考えがあって家を出てきたんです。
それをろくに聞こうともせず嫌がってるのを無理やり連れて帰るなんて友達として見過ごすわけにはいきません。
彼女を置いて今すぐ出てってください。
ほら。
痛い。
もしこれ以上乱暴なまねをするなら警察を呼びます。
ちょっ。
ハァ。
ハァ。
だ…大丈夫?はい。
メルシー。
薫子さん。
うん?ありがとう。
あ…。
うん。
ありがと。

(ボネール)爽太。
ウィ。
えっ?おかえりなさい。
爽太君。
何かあった?いや。
ボネールと会って話をして。
それだけ。
そっか。
紗絵子さんは?どうしてた?うん。
停電があって。
でもすぐ戻って。
それだけ。
そっか。
開きかけた未来への扉があまりにもあっけなく閉ざされてしまった
でも本当は分かっていた
扉なんて初めからなかったんだ
自分がどこへ行こうとしていたのかそれももうよく分からない
・あっ。
爽太君。
焼き菓子セットのギフト用のリボン。
今のが終わったらアイボリーに変更するね。
うん。
うん。
あっ。
オリヴィエ。
京都のチョコレートおいしかったよ。
ホント?うん。
よかった。
でもあれだね。
キャラメルオランジュはうちの方がおいしいね。
そうだよね。
僕もそう思った。
ねえ?
(まつり)でも伏見とうがらしのガナッシュは今までにない感じだったよね。
ああ。
あれね。
ああいう変わり種なんかうちにも欲しいね。
・爽太君。
私は別にパリになんか行けなくったっていいんだよ。
ここで爽太君と一緒にいられれば…。
それでいいの。
(ノイズ音)
(ノイズ音)
気付けばもうずっと想像も妄想も広げられずにいる
ショコラのインスピレーションもまったく湧いてこない
何でだろう?
どうして?どうして未来に何も思い描けないんだろう?
(看護師)ではまた1カ月後にいらしてください。
はい。
(看護師)お大事に。
2014/03/17(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
失恋ショコラティエ #10[字][デ]

「最終回前夜!未来に何も思い描けない」
原作とは違う展開、異なる結末に向けラストスパート!停電の夜に起きた、衝撃の展開!ラストシーンで明かされる驚愕の真実とは?

詳細情報
番組内容
 爽太(松本潤)は、紗絵子(石原さとみ)に恋い焦がれながらも、ふたりの関係に行き詰まりを感じ始めていた。そんな折、かつて爽太が修行したフランスの老舗ショコラティエ「ボネール」からエアメールが届く。オリヴィエ(溝端淳平)は、「ボネール」が探しているというチーフショコラティエの候補に、爽太の名前が挙がったのでは、と話す。
 もしも、「ボネール」のショコラティエになれたら、紗絵子との未来を切り開くことが
番組内容2
できるかもしれない、爽太は祈るような思いを抱く。
 その頃、薫子(水川あさみ)は、関谷(加藤シゲアキ)からの「くわしく」とだけ書かれたメールへの返信に頭を抱えていた。困った薫子は、紗絵子に相談。紗絵子は、薫子が想像すらしなかった返信を提案する。
 同じ頃、えれな(水原希子)は念願のショーへの出演を終えた。そこに爽太の姿はなかったが、六道(佐藤隆太)が見守ってくれていた。
番組内容3
 後日、軽井沢に滞在中のボネールに招かれた爽太は、自作のショコラを携えて出かけていく。オリヴィエとまつり(有村架純)は京都旅行に出かけ、「ショコラ・ヴィ」には紗絵子がいるだけだった。そんな夜、「ショコラ・ヴィ」が停電してしまい、困った紗絵子は薫子に電話をする。冷蔵庫や冷凍庫にあるショコラの材料が心配だという紗絵子。薫子はタクシーで店にかけつけた。まさにその頃、爽太はボネールの部屋をノックし…。
出演者
松本潤 
石原さとみ 
水川あさみ 
水原希子 
溝端淳平 
有村架純 
加藤シゲアキ(NEWS) 

佐藤隆太 
竹中直人
スタッフ
【原作】
「失恋ショコラティエ」(水城せとな/小学館月刊フラワーズ連載中) 

【脚本】
越川美埜子 

【プロデュース】
若松央樹 
小原一隆 

【演出】
宮木正悟 

【音楽】
Ken Arai 

【制作著作】
フジテレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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