(恩田利樹)あのさぁ…そんな心配する事ないって。
ひとしきり騒いだらさぁみんなすぐに忘れるよ。
世の中バァカばっかりだからさ!ハハハ…!
(恩田)うわっ…うわ〜!
(池永清美)はるか佳子!いつまで寝てんだ起きろー!
(池永はるか)また目玉焼きとキャベツ炒め?たまにはチーズオムレツとかロールキャベツ食べさせてよ!朝っぱらからそんな手の込んだ物が作れるか。
文句があるんだったら自分で作れ。
ヘッドホンを外せ。
さっさと食え。
野菜を残すな。
あ〜もう!料理も説教もワンパターン。
(池永佳子)ヤバイヤバイ…!ヤバ〜イしおれちゃった…!あちょっと私のミネラルウォーター!返して…返してよ!何なんだよ一体…?ベランダのハーブ!水あげるの忘れてたらねしおれちゃったの!お前みてぇなガサツな女に野菜が育てられるか。
野菜じゃないもん!これハーブだもん!どっちだって一緒だ。
ギャーギャー騒ぐな。
お父さんが一番騒いでる!
(サイレン)
(上田聡)ひらさん!署長来ちゃいましたよ…。
(サイレン)
(梶原勇)ご苦労様です!
(藤原あきら)状況を報告して。
あの上から転落して後頭部を強打して死亡したものと思われます。
(花村一彦)死亡推定時刻は昨夜の8時から10時。
酔っていたわけでもなくなぜ転落したのかは不明です。
(野沢健作)所持品から身元は市内在住の恩田利樹と判明しました。
コラムニストの?えぇ…なかなかの有名人です。
何だっけ?この人のコラム…。
ほらほらあの『デイリー京都』に連載中の…「恩田利樹の日本ぶっちぎり」だ!
(上田)「日本メッタ斬り」です!あ…そうそれ!ああいうの苦手なんだよな…毒舌。
あなたの感想は聞いてない。
いい?著名人が不審な転落死…って事はマスコミの注目が集まるのは間違いないわ。
我が署の有能さを世に示すチャンスと心得て速やかに解決してください。
(一同)はい!クレームだ…!?
(田中一)はい…。
留置人五の一が留置場の献立に文句を言ってます。
メタボ対策のためにもっと野菜料理を増やしてくれって。
レストランじゃねぇんだようちは。
文句があるんなら食うなって言っとけ!まったく家と同じ説教させんじゃねぇよ…。
…はい?とにかく栄養面じゃ何の問題もねぇんだから。
な?はい行った行った!…はい。
(近藤時男)お言葉ですが副署長。
何でしょうか?私もねうちの留置場の献立はいささかワンパターンな気がします。
季節野菜のメニューなども積極的に取り入れてはいかがでしょう?はい検討させていただきます。
よろしくどうぞ。
(林哲夫)副署長!はい。
(林)防犯ボランティアリーダー研修会の実施要綱です。
はい。
はいご苦労さん。
ありがとうございました。
お願いします…。
はい。
どうした?池さん…。
例のあの転落死したコラムニストを殺しの線で洗ってたらとんでもない人物が重要参考人になってますよ。
ふ〜ん…誰だよ?島英明です。
島…!?
(野沢)「おたく被害者の恩田利樹とは大東新聞時代の同期らしいな」
(梶原)「当時から何かと反目しあっていたそうですね」
(島英明)「まさか。
至って仲良しでしたよ」「昨日の午後被害者と喫茶店で顔を合わせましたね?」「さぁ?覚えてませんねぇ」
(野沢)「とぼけるな」
(野沢)「店員が証言してる」昨日の午後おたくが喫茶店で原稿を書いてるところへ被害者がマスコミ関係の知人と共に現れ…。
あれ?島か?恩田?よう久しぶり!ハハ…読んだよ先週の『週刊タイムス』。
「カリスマ女社長の華麗なる私生活」…。
つまらん提灯記事だって笑いたいのか?まさか…!ああいう仕事も板についてきたじゃないか。
まぁ昔のお前なら絶対に書かない記事だけどな。
しかし10年か…新聞社辞めて。
何が言いたい?感心してるんだよ。
10年も冷や飯食わされるとさすがのお前もプライドなくすのかなって。
ハハハ…ねぇ!
(3人)ハハハ…。
(恩田)じゃあな楽しみにしてるよ。
次の提灯記事も。
ハハハ!
(皿の割れる音)い…いや冗談だよ冗談。
熱くなるなよ…。
(野沢)で今朝彼は遺体で発見された。
まずは昨夜の8時から10時までのアリバイを聞かせてください。
アリバイねぇ…。
あったようななかったような。
おい!「アリバイなら署で話す。
署に連れて行け」そう言ったのはあんただろうが!じゃあ…ギブアンドテイクでいきましょうか?
(梶原)あ?どういう意味だ!?アリバイ話す代わりにそっちが知ってる情報教えてくださいよ。
お前バカにすんのも…!「密室の暴行。
こうして冤罪は作られるビックリマーク」…。
なかなか面白い記事になりそうだ。
どういうつもりなんだ?こいつは…。
あなたこそどういうつもり?署長。
取り調べに聞き耳を立てるのは副署長の仕事じゃないでしょう。
いいえ。
敏腕記者が重要参考人ともなればその腹の内を探っておくのはマスコミ対策の一環だと思います。
失礼します。
言い訳ばっかりうまくなって…。
胃の内容物はネギにメンマにモヤシに麺類か…。
被害者死ぬ直前にラーメン食ってんのか?えぇ。
事件の直前末吉町のらんたんってラーメン屋で目撃されています。
らんたん…?えぇ。
…そいつは妙だな。
何がです?胃の中からな2種類のネギが見つかってんだよ。
ほら普通の長ネギと京野菜の九条ネギと。
うまいっすねマジで!だろ?ここのオヤジはな口は悪いけど腕は天下一品なんだよ。
(店主)当たり前や。
こっちはなぁきよ坊が鼻水たらしてた頃からこの道一筋や!だからきよ坊っつうのやめてくれっちゅうの…。
アホ!なんぼ仰々しい制服着てたかてなきよ坊はきよ坊や!ハハハ…ところでさぁこの店って九条ネギを使ったメニューってあったっけ?アホ!うちで使うネギは1種類だけや!
(平松)1種類だけ?おぅ。
うちの特製スープにはなぁこの関東のピリッとしたネギしか合えへんのや!頼まれたって誰が変えるかい!…な?妙だろ。
変な話だ。
どうして別の種類のネギが…。
あっ…!店を出た後にどこかよそで食べた!好き好んでネギだけ食べるやつはいないだろうが!しかも死ぬ直前にだぞ?うん。
変だ…変だぜ…。
また始まったぞ。
池さんの悪いクセ。
どうしました?何かご相談事でしたら中でお伺いしますけど。
(岸辺みのり)ルポライターの島さんがこちらで取り調べを受けているって聞いて…。
島をご存じなんですか?あ…私…こういう者です。
デイリー京都って…亡くなった恩田さんがコラムを書かれてた新聞社ですよね?事件の事で何か?私昨夜島さんと一緒に飲んでました。
…昨夜!?アリバイか…。
留置場で一晩寝たら思い出すかもしれませんねぇ。
望みどおりにしてやれ。
これはこれは副署長殿。
何のご用です?ここは副署長殿の領分じゃない。
この男アリバイがあるぞ。
ん…?昨夜はデイリー京都の編集者と飲んでたそうだ。
黒島町の追憶ってバーだ。
(舌打ち)店に確認!
(梶原・花村)はい!相変わらずだなぁ。
取り調べ逆手に取って事件の情報聞き出すつもりだったんだろ?「恩田利樹の日本メッタ斬り」ガイシャのコラムか。
この日のコラムではニートの若者の事をただの甘えた連中だって斬り捨ててる!こっちじゃ近所の病院叩いてるぜ。
「近頃の看護師は愛想が悪くてサービス精神に乏しい」「患者も客なんだから笑顔を絶やすな」ってよ。
毒舌っていうより世の中に対するクレーマーって感じ。
まぁ世の中クレーマーだらけだからな。
その代表選手なんだろ。
(平松)池さん!おぅ。
なんとありましたよ。
被害者とネギの接点。
そうか!ほら1か月前のコラムに!「堕ちた京野菜ブランド」「先日京野菜の人気ブランド寺本ファームの商品を注文した」「するとどうだろう。
届いた九条ネギの間から一匹の虫が出てきたのだ」「私はこういうミスは絶対に許せない」「消費者をなめるにも程がある。
私はもう二度と寺本ファームの野菜は注文しないと決めた」「似非ブランドよふざけるな」どうしよう…枯れちゃうと思う!?
(藤原拓海)う〜ん…根はまだ生きてると思うからちゃんと間引けば何とか持ち直すかも。
あ…お願い!元気にしてあげて!お礼にうちのはるかお嫁にあげるから。
ちょ…勝手な約束しないでよ!拓海君だったら文句ないでしょ。
ね?私の事より自分がさっさとお嫁に行ったら?ムッカ〜!なんて事言うの!?
(2人のうめき声)ちょっとね行かないんじゃなくて行けないの!やっぱ行けないんじゃん!ううん違う…!
(チャイム)行けないんじゃなくて行かないの。
(はるか)もうどっちだよ!?…お父さん出て!どうせお隣さんだろ。
ジュニアお迎えだぞ。
今ちょっと手が離せないんで出てください。
(ため息)どいつもこいつも俺をあごで使いやがって…!
(チャイム)おばんです。
そろそろ…痛てて…!この耳は一体何のために付いてるの!?いってぇ…!何度言ったらわかるのよ!?拓海にちょっかい出さないでって。
拓海いるんでしょ!?出てらっしゃい!何だようるさいな!うるさいなってママにそんな口利きないでしょう!はいはい…。
はいはい…!?副署長またね。
おぉまたな。
うわ〜あの子確実によくない影響受けてるわ。
あなたが発する悪いオーラに汚染されてる!そんな人バイキンみたいによ…。
自覚があるなら我が家との距離を置いてちょうだい!そうしたくても署長と副署長は隣同士に住まなきゃいけないって規則があるんだからしょうがないでしょう!
(ため息)あっ…署長!明日の午前中ちょっと外出してきたいんですけど…。
理由は?実はですね留置場の献立に野菜を増やして欲しいという声がありまして仕入れ先を検討してきたいんです。
怪しいわね。
何がですか?あなたが変に職務熱心な時には大抵何か魂胆がある。
そんな滅相もない。
なにせ自分最近副署長を天職だと思っておりますんでね。
引っ掛かるけど…まぁいいわ外出を認めます。
ありがとうございます。
女の勘かよくわばらくわばら…クワバタオハラだぜ。
(編集長)あ〜ダメダメ。
そんな原稿載せられないって!お願いします!このままじゃ読者は寺本ファームについて誤解したままです!しつこいなぁ!こっちはコラムの穴埋めで大変なんだよ。
お前の相手してる暇ないんだ。
な!
(ため息)何だこりゃ…。
うまそうっすね〜。
いい色のほうれん草だ。
(寺本正吾)あなたは?河原町署の池永といいます。
河原町署の方が一体何のご用ですか?器物損壊です。
…はぁ?作業所の落書きですよ。
ありゃりっぱな器物損壊罪だ。
被害届出した方がいいですよ。
もうとっくに近所の交番に出しましたよ。
自業自得やと言われました。
自業自得?元はといえば世間の信頼を損ねた我々が悪い。
多少の嫌がらせは仕方がないと。
そんな…!申し訳ありませんでした。
警察の一員として心からお詫びします。
お…うまそう…。
はるかに食わしてやっかな…。
(みのり)副署長さん?お〜デイリー京都の!こんなところで何を?野菜買いに来たんだよ。
え〜これ全部でいくらになるんだ…?え…?ぜ全部ですか!?うちにはビタミン不足のカリカリ娘がいるんだよ。
フフフ…。
うわ〜安っ!これ全部で900円だよ。
じゃあま100円はおまけしとこう。
(みのり)ダメですよ。
そういう事すると計算が合わなくて寺本さんが困るんですよ。
おつりここから持ってったらどうです?鍵もかけてないのか…!そういう人なんですよ寺本さんは。
へへへ…。
あの無人販売所ここ1か月くらい閉鎖してたんです。
野菜が捨てられる嫌がらせが相次いだみたいで…。
もしかしてあのコラムのせいで?恩田さんのコラムがうちの新聞に掲載されると…インターネット上で経営者夫婦へのバッシングが始まりました。
(みのりの声)そして中傷のビラや落書き嫌がらせの電話…。
おい…どないした!?大丈夫か?おいしっかりせんか!大丈夫か!?ひでぇ話だな…。
えぇ。
でも…誰も責任を取ろうとはしなかった。
コラムを書いた恩田さんも編集部の人たちも…。
みんなが無責任…そういう時代です。
でもあんたは違う。
え…?責任を感じてるからこそこうやって様子を見に来てるんじゃないんですか?でも…私には何もできません。
奥さんが畑を捨てた時もどうする事もできなかった。
畑を捨てた!?寺本さんの奥さんバッシングに耐えかねて家を出てしまったんです。
だから今はああしてご主人1人で…。
(サイレン)あいつら…嗅ぎつけやがったか。
(携帯電話)
(近藤)「はいどこにいらっしゃるのですか?」「副署長ー!」
(ため息)え〜野菜の仕入れ先を検討するのは大いに結構です…がしかしいささか時間がかかりすぎ…。
反省してます。
はい。
ではいつものように1200件の決済をよろしくお願い致します。
喜んで。
…あの!どちらか1つでお願いします。
うん?おっ…!寺本真理子さんですか?
(寺本真理子)元々農業なんて何の興味もなかったんです。
あの人と結婚して仕方なく畑を手伝うようになりましたけどホントはずっと嫌でしょうがなかった。
自分がこんな事言うのも変ですけど心無い連中のバッシングで人生狂わされる事なんかありませんよ!ご主人は今も畑を守ってます。
たった1人で。
何と言われようともう…あの人のもとに戻るつもりはありません。
それにあんな事続けるのはもう…こりごり。
あんな事…?それ無人販売所で?そうですよ。
3日おきに料金箱を開けて売り上げを確認してたんです。
でも計算が合ってたためしがなかった。
以前からお金を入れずに野菜を持っていく人が後を絶ちませんでした。
私…何度も言ったんです。
あの人に。
あんな販売所なくしてしまおうって。
でもあの人は聞いてはくれませんでした。
立派じゃないですか。
他人だから…!他人だからそんなふうに言えるんです!安全な野菜を通じて世の中に尽くす。
主人の志を私も妻として大事にしてきたつもりです。
だけど…思いもしませんでした。
懸命に尽くしてきた世の中にこんな目にあわされるなんて。
どうですか?一杯。
いや今夜はやめておきます。
ああの…!今度飲みに来てください。
失礼します。
うん!おいしい!最高っす!どうだ?俺の料理の腕は。
素材がよければ関係ないんじゃない?何ぃ!?有機野菜か…うちの子らにも食べさせてぇな。
スマイルいっぱいになるな。
ニィ〜!でも気の毒よね。
虫1匹でバッシングされるなんて。
うん。
バッシングを受けた夫婦がそれを恨んでコラムニストを殺したとしても不思議じゃありませんね。
ガイシャの胃の中から出てきた九条ネギはコラムを訂正してもらおうと食べさせたものだったのかもしれない。
うちの野菜はこんなにうまいんだって。
しかしそれに応じてもらえず犯行に及んだ…。
(はるか)ちょっと!ここは捜査会議室じゃありません!はい。
でもさぁ…奥さんは犯人じゃない気がする。
(上田)え?なんで?だってもう夫とは別れて新しい生活始めてるわけでしょ?女って切り替え早いもん。
つらい過去は忘れて今を生きてるんじゃないかな。
いや…彼女は今でも旦那と畑を愛してるぜ。
どうしてわかるんですか!?手だよ。
手…?今時の女ってさ妙に爪に気合入れんだろ?街はネイルサロンで花盛りじゃねぇか。
彼女化粧や服装は垢抜けてたんだけど俺に名刺を渡した時の手は爪が短く切りそろえられててマニキュアひとつ塗ってなかったんだ。
あれは接客業の女の手じゃねぇよ畑仕事の手だ。
きっと心のどっかで戻りたがってんだよ…。
(平松)畑に…夫のもとにですか?うん…。
素朴で慎ましやかな手だったぜ。
それ間違いありませんか?あはい。
何やえらい慌てた女の人がこの階段駆け下りてきてそこでタクシー拾ってました。
犬の散歩してて偶然見たんです。
(上田)時間はわかりますか?
(主婦)8時半ぐらいやと思いますけど。
(平松)8時半…死亡推定時刻と一致するな。
ありがとうございます。
ひらさんこれ大手柄かもしれませんよ。
目撃者がいた?近所の主婦があの夜現場から立ち去る女の姿を見ていたんです。
はい。
これから寺本真理子のアリバイ確認してきます。
日曜の夜は家に1人でいました。
それを証明できる人間は?
(真理子)いません。
私あのコラムニストを殺してなんかいません。
むしろ感謝しているぐらいです。
(上田)感謝…?あのひどいコラムが主人と別れるきっかけをくれた。
畑仕事を離れるきっかけをくれた。
今はもうそう思う事にしてるんです。
野菜うまかったです。
子供の頃の夏休みの味がした。
田舎に行ってもぎたてのトマトを太陽の下で食べた…そんな味でした。
それあの人に言ってあげてください。
私はもう畑とは何の関係もありませんから。
『真夜中のギター』
(鈴木豊)いらっしゃい!助かったよ…文句言われてたとこだったから。
アリバイ証言してもらったんだぞ。
文句言える立場じゃねえだろ。
別に…。
礼を言っただけですよ。
おい。
先走って妙な記事書くんじゃねえぞ。
そうされたくなきゃさっさと犯人挙げてくださいよ。
もう目星ぐらいついてるんでしょ?お前ねぇ俺の耳に捜査状況が入ってくるとでも思ってんのか?お気の毒に。
(島)まあそのうち慣れますよお飾りのポジションにも。
俺が提灯記事を書くのに慣れたみたいにねぇ。
本気で言ってるのか?それ。
いつものでいい?ああ。
あちょっとタンマ!その酒「アイラ」じゃないよな。
これ?これ「ブルームーン」ってカクテル。
「ブルームーン」…?島は「アイラ」一辺倒じゃないの?こないだ連れの女性が頼んだんだよあの人のために。
島のために?遅れたお詫びに最後の1杯はおごらせてくれって。
でもあの人がこんなの飲むとはね。
遅れた…?どうかした?その女この店来たの何時頃?何時だったかなぁ…。
9時近かったかもね。
(平松)ドンピシャでしたよ。
名刺の指紋と池さんが持ってた100円玉の指紋同一人物のものでした。
やっぱりそうか…。
え…でもそれと事件とどういう関係があるんです?
(上田)ひらさーん!ひらさん…すいません。
(平松)どうしたんだよ?俺らの手柄パアになりました。
(平松)あぁ?いや女の目撃情報つかんだ事さっき佳子ちゃんに自慢してたら通りかかった署長に聞かれて…。
大手柄のつもりが大目玉かよ。
タクシーさえ見つかれば俺らが犯人挙げられたのに…。
こいつはぐずぐずしてられねえぞ…!
(近藤)はい〜!出た…!
(ため息)これは奇遇。
どうぞ。
(ため息)犯人とおぼしき女は歩道橋の反対側でタクシーに乗った。
該当するタクシーを洗い出して運転手に聞き込み!
(一同)はい!女の足取りさえわかりゃこっちのものだ。
追い詰めるわ…必ず。
(駆け下りる音)
(池端実)副署長!警察音楽隊ふれあいコンサートの実施予定です。
お願いします。
(パトカーのサイレン)あっ…!
(グラスの割れる音)そんな事はやめてこれを整理しろ。
俺の我慢もここまでだ…。
(近藤)え〜さらに追加です!よろしく…。
そうきましたか…副署長。
どうもすいませんね突然呼び出したりして。
何ですか?私に訊きたい事って。
事件のあった日の夜なんですけどあなた恩田利樹さんにネギ食べさせませんでした?は…?恩田さんの遺体の胃の中から九条ネギが見つかってるんですけどそのネギってあなたが食べさせたネギですよね?何の話をしてるんだかよくわからないんですけど。
事件のあった日の翌々日俺はここで野菜を買いましたよね?であなたに言われて料金箱の中から釣り銭として100円を持ち帰りました。
実はその100円玉からなぜかあなたの指紋が見つかったんです。
さっき寺本さんに確認したらこの販売所を復活させたのは事件の当日なんだそうです。
それから俺がここで野菜を買うまでに売れたのは九条ネギの1束だけ。
しかもその3日間寺本さんはこの料金箱からお金を回収していないそうです。
という事はつまり事件のあった日の昼間あなたはここで九条ネギを買ったという事になります。
そしてその日の夜あなたは調理したネギを恩田さんに食べさせた。
私が彼を殺したって言うんですか!?冗談じゃないわ。
じゃあどうして島との待ち合わせに遅れたんですか?その間どこで何をしてたんですか!?答えてください!それは…。
警察はもうすぐタクシーを見つけ出します。
あなたが現場付近で拾ったタクシーです。
あなたがタクシーを降りたのは島と待ち合わせているバーの前だ。
それを運転手が証言したらもう言い逃れはできませんよ!でも今ならまだ間に合う。
今ならまだ…自首できます。
自首…?君は言ったよね…みんなが無責任な時代だって。
確かにそうだ。
自分の言葉に責任を持たねえ連中や名前を名乗りもしないで他人を攻撃する連中があまりにも多すぎるよ。
そんな中で君は責任を取ろうとしてた。
自分が関わった新聞がある夫婦の人生を狂わせた事に対してたった1人で必死になって責任を取ろうとしてた。
でもね今の君は君自身が最も憎む連中と同じ事をしているんだよ。
わかるか?同じ事…?罪を犯したのに名乗り出ようとしてないじゃないか!それは自分のした事の責任を端から放棄してるって事だよ。
自首するんだ。
自分のとった行動に最後まで責任を持つために。
自分自身のために…。
恩田さんにもう一度寺本ファームについてちゃんと書いてほしくて…。
(みのりの声)だからあの日…。
はいごちそうさん。
(店主)はいおおきに!
(みのり)恩田さん!あのお話が…。
(みのり)九条ネギの蒸し焼きです。
食べていただけますか?フッ…言っとくけど味にはかなり厳しいよ。
うん…うまい。
(みのり)本当ですか?ああ…。
上品な甘みがあって歯ごたえも申し分ないよ。
それならそう書いてください!はあ?それ寺本ファームの野菜です。
寺本ファーム…?覚えてないんですか!?恩田さんがコラムでけなした農場です。
ああ…そういう文章も書いたっけね。
じゃあ。
恩田さん!
(みのり)お願いします!寺本ファームについてもう一度書いてください!彼らの本当の姿を…。
(恩田)勘弁してくれよ。
(みのり)責任を感じないんですか。
あの人たちは決してずさんな仕事なんてしていなかった。
なのに今はあなたの文章のせいでひどいバッシングを受けているんです!何いい子ぶってるんだよ。
あぁ〜?どういう意味ですか?あんただって同罪だろうが。
俺のコラムの売り上げでいい思いしてる1人だろうが。
…ったく。
あのさ…そんな心配する事ないって。
は…?ひとしきり騒いだらさぁみんなすぐに忘れるよ。
世の中バァカばっかりだからさ。
ハハハ…。
うわあ…ああー!
(みのりの声)どうしてあんな事をしてしまったのか…。
ただ…怒りを感じたんです。
あの人の言葉に耐えられないほどの怒りを感じたんです。
犯行の後島に会ったよね?ヤツと何話したんだ?記事を依頼しました。
本当の寺本ファームの姿を書いてほしい…。
彼らをバッシングした人たちを糾弾してほしいって。
だけど…。
あんたの怒りを俺に代弁させるな。
え…?
(島)訴えたい事があるんだったら自分でペンを持てばいい。
自分で…?
(島)だが1つだけ言っておく。
正義感を暴走させるな。
(みのりの声)その言葉…1日早く聞いていれば良かった。
すごいなぁ…。
(みのり)すごいですね…。
今でも野菜を作り続けてる。
どんなに世の中に踏みにじられても少しも変わらずに野菜を作り続けてる。
みんなああだったんだよ。
ほんの少し前までみんなああやって辛抱強く生きてたんだ。
いつからみんなこんなふうになっちゃったんだろう…。
こんなに軽薄に…無責任に。
結局私も…そういう1人だった。
ここからは1人で行けるね?ただ1つ悔まれる事が…。
あのコラムが掲載された時編集部に寺本ファームあてに励ましのメールも届いてたんです。
でも編集長が全部消去してしまって。
まだデータはどこかに残ってるはずなのに。
わかった。
それは俺に任せてくれ。
うん…。
さあ…。
(島)正義感の暴走…。
俺にも覚えがないわけじゃない。
お前うすうす感づいてたろ?彼女の犯行に。
まさか。
いや感づいてたね。
だからこそ署の中で必死になって情報集めようとしたし酒のグラスで俺にヒントまで与えたんだ。
ヒント?何の事だか…。
刑事たちより先に俺が彼女にたどり着くよう仕向けたろ?お前は最初から彼女を自首させたかったんだ。
違うか?あんたを利用したって事か?そんな善人じゃありませんよ俺は。
(真理子)どうせまた匿名のバッシングでしょう?ママ!何してんの〜?カラオケ!歌うよ。
ちょっとすいません…。
自分の目で確かめてください。
うちはチビが4人もいるんですけれどもね末っ子ずっと野菜嫌いで困ってました。
でも寺本ファームのほうれん草を食べさせたら美味しい美味しいってすっかり野菜好きになって。
感謝しています。
あそうだ。
うちの副署長がこんな事を言ってました。
あなたの手の事を。
私の手…?「畑仕事の素朴でつつましやかな手だ」…そう言ってました。
(女性の声)「私は京都市内に住む主婦です」「寺本ファームの野菜についてコラムの筆者は大きな誤解をしています」
(男性の声)「寺本ファームの野菜を食べた事がありますか?」「彼らがどれだけ誠実な仕事をしているかは野菜を一口食べればわかるはずです」
(女性の声)「確かに野菜に虫がついていたのはミスかもしれません。
でも虫もつかない野菜のほうがよっぽど恐ろしいとは思いませんか?」
(男性の声)「私は市内でレストランを経営してる者です」「開店以来ずっと信頼できる寺本ファームの野菜を使用しています。
これからも変えるつもりはありません」
(少年の声)「僕は寺本ファームの野菜が大好きです」「トマトきゅうりほうれん草全部大好きです」「栄養のある野菜をたくさん食べて将来はサッカーの選手になりたいです」
(島の声)「政治企業マスメディアあらゆる場所に嘘と無責任があふれるこの時代に1人の若き編集者が自らの仕事の責任を取ろうとして大きな過ちを犯した」「彼女の罪は重い」「しかしその罪を糾弾する資格のある人間が果たしてどれほど存在するだろうか」「正義感を暴走させる人物が現れるのはその人物を取り巻く世界が矛盾と理不尽さにまみれている事の悲しい証しでもある」
(りんの音)島さんの記事。
みのりさんが犯行に至った経緯を詳しく書きながら寺本ファームの擁護もしてくれてるよ。
ああ久しぶりにあいつらしい記事だったな。
佳子ちゃん見て!あ〜!復活した〜!
(はるか)拓海のおかげだよ。
ポイントは肥料と愛情です。
あとは諦めない事かな。
ありがとう拓海君!約束どおりはるかちゃんを進呈しまーす!おいちょっと待て。
何言ってんだお前。
勝手に決めないでよ〜。
いいじゃない。
拓海君だったら将来楽しみだし。
ふざけるな。
おい拓海言っとくぞ。
はるかは絶対に渡さないからな。
(拓海)そんな…僕は何も。
拓海行こ。
バカな大人は無視無視。
おーいちょっと待て。
駆け落ちは許さねえぞ。
もしはるかと一緒になりたかったら俺と勝負しろ!
(佳子・はるか)行け行け拓海!やめてくださいよ。
来い!来い来い!何だ男らしくねえなお前は!あ〜コラ…コラ!痛いよお前…コラ!ほら!うわっ…!あっ!おいちょっと待て!2014/02/17(月) 15:55〜16:50
ABCテレビ1
その男、副署長2[再][字]
「疑惑記者の告発…京野菜が招いた殺意!!」
詳細情報
◇番組内容
船越英一郎主演▽本格派“副署長”ミステリー第2弾。捜査を禁じられた所轄署の副署長・池永清美。彼が制服を脱ぎ捨てたとき、難事件は解決する!
◇出演者
船越英一郎、田中美里、本田博太郎、萬田久子 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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