(塚田)もういっぺん言ってみろ〜!・だから金出せつってんだろ!
(塚田)お…お前!早くしろよ。
はぁ…あぁ〜〜!ガン!ガラガラ…あぁっ!ふざけてんじゃねぇぞ。
あぁ〜〜!ううっ…あぁ…。
あっ…あぁっ!あぁ〜…。
うっ…うぅ〜あぁ〜…。
あぁ…あぁ〜…。
あぁ〜…。
(弥生)はい救命です。
はい。
花房師長整形外科からお電話です。
(美和)目黒さ〜んどうしました?
(目黒)あぁ…胸が痛くてさ。
(美和)ろっ骨を骨折されているから痛むのはしかたないんですよ。
(目黒)違うんだよその痛みじゃないんだよ。
じゃあどんな痛みなんですか?この辺がさ夜になるときゅ〜んと痛いの。
かみさんは見舞いにも来てくれないし。
花房ちゃんわかってよ独り寝の寂しさ。
(美和)入院中はどなたも不安になるんですよ。
たまには速水先生にも顔出してほしいなぁ〜。
(美和)それじゃあ伝えときますね。
ピーポーピーポー…
(サイレンの音)
(救急隊員)59歳男性。
寿町の路上で何者かに右側腹部をナイフで刺され路上に倒れているところを発見。
現着時JCS3。
腹部創からの出血多量です。
(佐藤)腹部刺創だ。
(滝沢)代わります。
(遥)胸腹部レントゲン。
(一同)123。
(救急隊員)ストレッチャー出します。
ここどこだかわかりますか?服切りますね。
(佐藤)意識レベルとアイサインチェックして。
はい。
(滝沢)腕失礼しますね。
(佐藤)腹部エコー準備。
(遥)わかりますか?目に光当てますね。
(遥)目明けてください。
聞こえますか?キンコーンキンコーン…
(心電図の音)
(弥生)血圧63の44プルス122サチュレーション97%です。
出血性ショックか?呼吸アシストします。
ラインはまだ取れないのか。
血ガスも取れ。
(滝沢)はい。
(弥生)酸素つなぎかえます。
(速水晃一)輸液全開。
酸素10リットルに上げろ。
マップ10FFP10単位クロスマッチ急げ。
(一同)はい。
佐藤ちゃんエコー急げ。
はい。
和泉ポンピング。
(遥)はい代わって。
(弥生)はい。
(弥生)血圧戻ってきました。
88の48です。
わかりますか?
(遥)念のためCTいきます。
ナイフ抜けないように注意しろ。
(遥)はい。
(滝沢)血ガス結果出ました。
ハーベイ7.1カリウム3.8ナトリウム131…。
・
(基子)すいませんはぁはぁ…。
救急車で運ばれた塚田康史の妻ですがあの夫は…。
(田口公平)今処置中ですからこちらでお待ちください。
(刑事)桜宮警察の者ですが少しお話を伺いたいんですが。
はい。
(刑事)ご主人はお酒はけっこう飲むんですか?
(基子)いえ全然。
お酒なんて1滴も飲みません。
へぇ〜しらふで。
よほどけんかっぱやいんですね。
(基子)けんかも何も…。
主人は虫も殺さないほどおとなしい気の弱い人なんです。
(刑事)奥さんご主人をかばいたい気持ちもわかりますけど実際見た人もいるんですから。
(基子)本当なんです。
主人はほんとにおとなしい人で。
大体何であんな場所に行ったのかも…。
(刑事)まああの辺りは風俗も多いですからね。
塚田さん処置が終わりました。
主人は大丈夫でしょうか。
大丈夫です。
命に別状はありません。
はぁ…。
(佐藤)CTを撮りましたけどナイフによる臓器損傷もなかったし脳の出血や損傷はなかったです。
塚田さんはお酒を飲んでたんでしょうか。
アルコールは全く検出されなかったよ。
そうですか…。
あぁ〜ありがとう。
はぁ〜。
おはようございます。
心療内科の田口と申します。
調子はいかがですか?はい…お陰さまでだいぶいいです。
それとゆうべはご迷惑を掛けました。
迷惑だなんて…けがをされた方の治療をするのが私たちの仕事なんですから。
(塚田)はい…すいません。
そんな…謝らないでください。
すいません。
(基子)あっ先生どうぞ。
では失礼します。
刑事さんにも聞かれたと思いますが昨日の事件のことを少し伺ってもよろしいですか。
はい。
どうしてナイフで刺されるようなことになったんでしょう。
差し支えない範囲で構いませんから話していただけませんか。
それが…自分でもよくわからないんです。
記憶がないんです。
記憶がない?はい。
気が付いたときにはこの病院にいた。
じゃあ何であんな場所に行ったの?この人何か隠してるんです。
実は…あの近くにある病院に通ってまして。
何という病院ですか?ことぶき心療内科です。
年のせいか気持ちの沈むことが多くて。
あぁ〜田口先生のどが渇いたんで水飲んでもいいでしょうか。
どうぞ。
おかあさんちょっと水取ってよ。
あっはい。
じゃあ今日はこれくらいにしましょうか。
また今度詳しいことを聞かせてください。
ありがとうございます。
では失礼します。
はい。
カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!う〜ん。
あの塚田さんが暴れています。
和泉先生お願いします。
(塚田)うるせぇんだよ。
お前らじゃ話にならねぇんだよ。
(遥)塚田さん。
塚田さんどうしました?
(塚田)どけって言ってんだろ。
あぁ〜あぁ…。
文句あるなら医者呼べよ。
文句あるなら医者呼べ!あぁ〜!あぁ〜!あぁ〜はぁはぁ…。
ふぇ〜!あっ…あっ…。
塚田さん。
(基子)おとうさん。
(遥)救急カート。
(看護師)はい。
(佐藤)何があった。
(遥)痙攣発作を起こして失神しました。
(佐藤)バイタルチェックして。
(心療内科医)時々自分が自分でないような感じがする。
眠りも浅くしっかり眠れない。
とても不安な気持ちになるといった訴えがありましてね。
原因は?中高年特有の不安というか…ミッドエイジ・クライシス。
いわゆる中年の危機というやつでしょう。
精神安定剤を処方したんですがまたいらっしゃったので量を多くして様子を見ているところでした。
先生が処方されたお薬を教えていただけますか?はい。
え〜っと…。
これとこれと…あっこれですね。
(遥)MRI上も脳梗塞や出血など失神の原因となる器質的な病変はありませんでした。
じゃあ何で患者はひょう変した?
(浅野)単なるICUシンドロームじゃないですか?目黒さんみたいに。