斬って斬って斬りまくれ〜!風貌はねちょっとなにわの…関西系のあれですけどすごい紳士です。
(銃声)ああ〜!演技に対してすごく真摯にいつも取り組んでるし…。
名だたる俳優たちが絶賛する男…今日本で一番忙しい映画監督といわれている。
これまで撮った映画はなんと80本。
本格時代劇からホラー映画アニメの実写版に至るまでありとあらゆるジャンルを手がける事で有名だ。
海外での評価も高くカンヌやベネチアなど国際映画祭の常連でもある。
そんな三池が最高にリスペクトする男…日本を代表する広告写真家だ。
三池映画の主演俳優は皆操上にポートレートを撮ってもらいたがるという。
実は三池も操上に撮ってもらった事がある。
数ある写真の中で初めて自分の顔に納得できた一枚だと言う。
何か今までいろんな人にいろいろ現場でも写真撮ってもらったけど何か違うんですよね。
違うんだけど…。
…というにおいはする。
操上は半世紀にわたって時代を象徴する顔を撮ってきた。
ローリング・ストーンズのギタリスト…こんな写真は初めてだと喜び別れた妻や子どもなど7人にこの写真を贈ったという。
三池は東京湾岸の倉庫街を訪れた。
お邪魔します。
操上が50年にわたって撮ってきたポートレートを一望できる展覧会が開かれていた。
おはようございます。
おはようございます。
お待ちしておりました。
いえ…よろしくお願いします。
写真と映画。
撮る事に存在の全てをかける2人が出会う。
三池さんが臆病者っていうのを聞くとうれしいね。
誰も見てなければコソコソ逃げるんじゃないかっていう…。
全体的に男性が多いですよね。
女性はやっぱ反射するんですね。
光をパッと…美しく。
操上さんでも「こいつ駄目だな」と思った人ってやっぱりいるんでしょうね。
いっぱいいますよ。
いっぱいいますか!やっぱり…。
ずらりと並んだ42人のポートレート。
こういう不良はいいですね。
三池さんも不良だと思いますけど。
いや僕は…全然出来損ないっていうだけで不良品っていうだけです。
不良といえば究極の不良が…。
究極の不良ですから。
彼のこの一番いい目とこれ海老蔵じゃなくて新之助の時ですから19歳。
海老蔵になる前ですね。
でも中身は変わってないですよね。
変わってないですよ。
すごい顔してますよね。
目とか根性が据わってますからね。
この人の場合はね。
だから体になってるその人の存在感が発するエネルギーっていうのがやっぱり一緒に何かやっててもすごい感じますよね。
パワーは…。
ある意味で優しさみたいなものがないですから。
時代劇の「一命」っていう映画を撮ったんですけどその時にテストで演じている共演者のお芝居をジ〜ッと見ていて自分もやってるんですが全然そこは泣いてはいけないシーンなんですけどテスト中にボロボロ涙が出てくるんですよ。
要はテストの間に何を見てたかって言うとその人間がいずれこのあと命を落とす事になるっていうそれを知らずに今こうやってしゃべってるそのセリフにガ〜ッと泣けてきて…。
武家の体面のため悲惨な死を強いられた義理の息子。
市川海老蔵はその無念を晴らさんと復讐に立ち上がる主人公を演じた。
そのナイーブさを自分で隠してというか否定して隠し…その闘いがやっぱり独特の存在感作ってるんでしょうね。
操上は被写体と旅をしながら撮影をする事もある。
作家開高健もその一人。
メキシコへの取材旅行に同行し途中自分がここぞと思う場所へ連れ出した。
開高さんはもともとワイルドな人ですからね。
僕が一番好きな場所なんですけどアメリカのユタ州とコロラドアリゾナあそこの3州にまたがった所のコロラド川をせき止めてダムを造ってるの。
はい。
そこに水がたまって俯瞰で見ると人間の血管みたいにバ〜ッと赤土の砂漠に青い水が張ってる所をボートで…。
これはその撮影のために…?そうです。
ちょっと地球じゃなくて月世界に来てるのかなと。
ほかの宇宙にいるのかなというような静寂感があって…。
笠が亡くなる2年前87歳の時のポートレートだ。
操上はこの時笠を背中におぶって鎌倉の海岸などを歩きながら撮影した。
「あまちゃん」で大当たりを取った…宮藤が人々の日常に手を突っ込みネタを捕まえる姿を切り取ったという。
78歳にして第一線で活躍を続ける…操上の写真は深い精神性を感じさせる。
これの話しませんか?これの話は…!恐れ多くて…。
自分がこのように人に見られてる逆に言うと見られるといいなというか。
ふだんこんなピシッとは締まってないんですが。
いやいやこれね…「首絞めて下さい」っていう事は人間みんな潜在的に持ってる自殺願望とか死ぬっていう死に向かう自分…。
見据えるもの自分の向こうに見えるものとか。
つい「首絞めて下さい」って言ったんですけどその瞬間の目ってのはすごいいい目ですよね。
このプリントする時にこれは目を中心に焼いてるんですよ。
だから実際よりは目をちょっと明るく焼いてるんですよ。
目がこう飛び出してくるように。
武さんのこれなんかね。
いいですね。
みんな「武さんだけどうしてカラーなんですか?」って質問が多いんですよ。
特にそういう意味はなくてたまたまカラーで撮った写真が好きだったから使ってるんですけど…。
普通ユリって花粉がつくんですけどこの花粉がタラタラタラッとあるところが何かドキドキするじゃないですか。
鮮度があって。
何でしょうね。
この人の持っているギリギリな…というか何か一つ超えちゃってる感じというか。
誤解を恐れず言うと…そういうのでも目いっぱいギリギリの生き方作り方をしていらっしゃるから。
ホントに要は映画を見ても…要は「俺たちはこれを過去作り上げた者たちです」という一人一人の名前が…もちろんスタッフは生きてる訳ですよ。
でも何か暗い画面で文字そのものが墓場を見るようなス〜ッと遺影にというか名前そのものがきちんと力を持ってくるんですよね。
かつてって事になるんですかね。
撮り終わったあと…。
かつてあった時間。
写真って「かつてあった時間」なんだけど「今ここで生きてる時間」という事も言えるんですよね。
不思議とプレーバックしてきて…。
全体的に男性が多いですよね。
そうですね。
男好きっていうか…。
セッションする相手として…ほれるとかほれないとか色っぽいとか好きとかほれてしまったとか。
そういう事がなくて男の人にほれるほれないのセクシュアリティってのは全然違うセクシュアリティを持ってる醸し出しているので…ゲイ的な意味ではなくて…あの仕事をする男の人とかああいう事を描くペインターとか要するに同じアーティストでも好きな画じゃなかったらそんな人撮りたくないじゃないですか。
ありますよね?絶対に…。
普通の人間よりはるかに要は自分もそういう商業映画でありながら…特に主役の事を内心「どうもな〜」って思ってながら「でも売れてるからな」というふうに思ってたんでは監督できないと思うんですよ。
駄目でしょうね。
それは…。
人を愛する事ができるっていうその能力がないとこういう写真ってきっと撮れないんでしょうね。
…と言いながらその操上さんでも「こいつ駄目だな」と思った人ってやっぱりいるんでしょうね。
いっぱいいますよ。
いっぱいいますか!やっぱりいっぱいいますか。
「撮りたくねえなこいつ」とかね「撮ってもしょうがねえだろ」ってよく言って怒られるんですけど「それ以上のものにならないんじゃないかな。
この人は…」って思うタイプの人もいるじゃないですか。
そんな時はどうするんですか?逆に「はいOK!」って…。
映画の宣伝のために取材を受けたりとかっていう時に撮られる側を体験するんですけどその時の…それは撮る被写体との関係によって変わるんでしょうね。
ものすごく変わりますね。
シャッターを切られる事によって多分写真を撮られる側の人…。
シャッターがシャカッシャカッていいリズムで入ってくるとやっぱり自分で絶対カウントしてると思うんですよ。
「来てる来てる…って事は自分が今こういうふうに来てる。
いい感じいってるのかな」みたいな…。
そう感じてもらいたいために…最初の1本空打ちっていう。
とりあえずパンパカパンパカ打って乗せといて次のフィルムぐらいからいいシャッターチャンスが出てくるとか。
お互いに…2人で何かをセッションして作ってるという事ができるのが一番よくて。
できなくても瞬間的に1枚か2枚撮っちゃえばいいという事ももちろんありますけど…。
操上のポスター撮影現場。
叫びながらでもいいよ。
(叫び声)もう一回。
(叫び声)OK。
この強いの逃がしましょうか?ちょっと強いかも。
はい。
操上は撮影をセッションと呼ぶ。
被写体を挑発しぶつかり合う中で相手の内面から最もとがった部分を引き出していく。
操上にとって究極のセッションといえるのはノーベル賞作家大江健三郎だ。
イメージからするとなかなか手ごわそうな…。
手ごわいですよ。
やっぱり。
(笑い声)カメラマンってどうしてもズカズカと入るじゃないですか。
でもそういうふうな撮り方じゃなくてやっぱり静かに静かにと骨折ってく感じの人ですよね。
これはもう約2年にかけて撮影させてもらって。
大江さんの生まれ故郷の四国に行ってその辺散歩しながらちょうど山がきれいだったので。
ふと大江さんのイメージが人の声を聞くとか心の声を聞くとかいろいろそういうイメージがすごくあったので。
大江さんに「ちょっとやまびこを聞いて」って言ったらすぐスッとこう。
耳にフッと手を当てられてシャカシャカっと撮ったんですけど。
そうですよね。
ホント空気が澄んでますよね。
…写真の場合ね。
形のポートレートだけ撮るんじゃなくて…操上は撮影前に大江の全作品を読破。
この瞬間が訪れるのを2年かけて待ち続けた。
やっぱそれを感ずるためにはその感性に間違いというかうそ…まあ思い込みも含めてって事なんでしょうけどかなり磨かれていないとそれが見えて…意外と撮ってみると違ったものが写ってるって事あるんですか?操上さんの中に。
撮りながらセッションする時間の中で触発されて自分が…いろんな事をかつてその人のために…ここで触発されてふと自分が感ずる事が一番自分にとっては大事な事で。
何かこの間ねアクションシーン撮ってて40代ぐらいまではタテ師と役者のできる事は大体できたんですよ。
もうちょっとこうやって大体手も全部自分で覚えて今こういったあとボディー入れてそれからこういう蹴りの方がいいんじゃないかっていうのを一緒にやって見せてたんですけど。
三池は演出の際全ての役者の動きを自ら実演してみせる。
こうなって相手の目線の方に前輪が向いたらそのまんまキープする感じでこっちがこう回ってくるんで。
今だとこう回りましたポンって切ってる。
タイヤが目線向いたらそのままキープでケツがこう勝手に振ってくっていう。
ハンドルを切るというよりケツが回ってく感じで。
この間ねやったらねグキッて筋が2本切れたんです。
で杖ついて。
「あれ?」って。
一般的に言うとそれは衰えみたいな表現になるかも分かんないんですけどそれらっていうのは操上さんの中で撮ってる中でかもしくは…年齢を感じてどうだって事はないんですけど。
年齢で動けなくなって足が利かなくなったら…。
…と思うけどこの間足を折って足を折って3日目から松葉杖で…。
やっぱ足にきますね。
落っこちたんだよ上から。
階段から。
10段ぐらい。
十何段か階段落っこちて。
足を2か所折ったんですけど。
3日目に松葉杖をついていって撮影したらみんなやっぱりねこうやって僕が松葉杖をついていってこうやって撮るとみんな乗ってくるんですよ。
撮られる側が。
もう逆に。
これたまにいいなと思って。
一生懸命撮られようとする。
こっちはこんなギプスしてるんだからこれで指示しながら。
それでガ〜ッて乗ってくるとつい立っちゃうじゃないですか。
アシスタントが後ろからベルトをバッてつかむんですよ。
なるほどね。
骨折直後の操上の映像が残されている。
操上は医者が入院を勧めるのを振り切って骨折の3日後から現場に立った。
同じ時期に撮影された俳優大沢たかおの写真。
いつにも増して緊張感あふれる現場だったという。
操上さん覚えてますよ。
覚えてるどころかよく分かりますよ。
その時何だっけあの…「大沢君いいねこっちこっち」なんて言いながら革ジャンにマフラー巻いて。
…って話をした。
すっげえかっこいいですよね。
まあ気合い入ってますよね。
撮られる方としても操上さんの演出によってもう少しちゃんと撮られようという気持ちになるんじゃないでしょうかね。
操上は65歳からウエイトトレーニングを始めた。
蹴り上げるバーの重さは30kg。
週2日2時間かけて体をいじめ抜く。
体を鍛えるのは精神を研ぎ澄ますためでもあるという。
体全体生き物ですから…だから405060ぐらいだと鍛えれば鍛えるほど登っていきますけど…現在78歳。
体が動く限り撮り続けたいという。
ちょうど操上さんが写真の学校に入られた時に俺その年に生まれてるんですよ。
ああそうなんですか。
はい。
1960年ですよね。
それであの富良野ですよね。
そうなんです。
東京へ出てこられてっていう。
もう最初からやっぱり写真…。
北海道の富良野ですから完全に盆地の中に生きててあの時代だとあんまり旅もできないし世間を見た事もない。
どっか行きたい行きたい。
ここから出たいと思ってる時にやっぱり…24歳からね。
それまでは僕農業をやってましたから。
もう漫画ですよ。
その時に誓ったのは連絡船がちょっとしけて荒れて僕3等船客ですからザ〜ッ滑るんですね。
滑るとそっち側にみんなこんなオエッてやるところに滑っていく訳ですよ。
もう畳に爪立ててそこ行かないように。
帰る時は絶対飛行機で帰ってやるってその時誓ってみたいな。
そういう時代でしたね。
なるほど。
連絡船が着いたらみんながダ〜ッと走ったんですよ青森で。
何で走るんですか?みんな汽車の席を取るために走るんですね。
そういう経験がないんで…上野まで立ち通しでもう二度と汽車は乗らないと思って。
結局飛行機で自分で帰れるまでは帰らなかったんですけど。
ある種の…写真家という職業生き方を選ぼうと思って写真家になったんですね。
専門学校を出た操上は広告写真の道に進んだ。
1970年代から数々の話題作を手がける。
操上の写真は単なる広告にとどまらない芸術作品と称されてきた。
広告写真という制約の中で操上は独自の表現を磨き上げてきた。
それをやる自分は何なんだって考えると…やっぱりいい写真撮らないと。
ただ撮ってればいいってもんじゃないんだし。
ただ逆に言うと僕ら撮影でもそうなんですけど予算的な事とか時間的な事とか相手のスケジュールとかっていうギュッと凝縮された中である種…そういう爆発的なパワーを持つというのはあるかもしれませんね。
作り手としては。
もう自分とか何かどうでもよくなって…ここで「いや俺の映画としてはこうだな」とかっていう余裕がないんですよ。
それってやっぱりいいですね。
ものづくりの極致ですよ。
どんな仕事でも結構みんないっぱいいっぱいになってるというそれを愚痴るじゃないですか。
「大変だ」って。
居酒屋で…被写体の時代というか男の顔って操上さんから見るとどんどん変わりつつあるんですかね?顔つきが違うと言っても明治とかさその以前の人たちの生きざまで作られた顔と僕らみたいに…50年の中でそれほど日本の中ですごい激動があって顔が変わるほど何かがあるかっていうともう戦後だし。
極端には変わってないよね。
僕が写真を始めた時って1960年代の安保ですよ。
安保闘争の真っただ中で写真を勉強した訳だよね。
そういう闘いが今ないから。
割と幸せな状況の中でナイーブに…そういう光を発してる人たちいっぱいいますよね。
後半は舞台をスイッチ。
明石の手の者か?監督三池崇史はしばしば極限まで追い詰められた男たちを描いてきた。
暴君である藩主を暗殺するために集結した十三人の決死の戦いを描く。
お主も初めて人を斬ったのか?真剣で打ち合った事は何度かございますが…。
殺人犯に10億円の懸賞金が懸けられ護送に当たる警官たちが命懸けの任務を強いられる。
絶対清丸を生きたまま連れて帰ってこい。
息もつかせぬ展開と鮮烈な暴力描写が話題を呼んだ。
蜷川これ以上他人を巻き込むな。
写真家操上和美は手書きの質問メモを携えて三池のもとへ向かう。
それはちょっと興味ありますよね。
三池は新作のCG制作の真っ最中。
ご案内します。
作業が大詰めの段階。
総勢20人のCGスタッフ全員の目で出来上がりをチェックする。
心の声玲二君。
純奈。
新作「土竜の唄」。
生田斗真演じる落ちこぼれの警官が麻薬の密売ルートを暴くため犯罪組織に潜入するアクションコメディーだ。
怖えもんは怖えんだよ!横取りの横取りじゃ〜!原作は累計400万部の人気コミック。
漫画の世界観をどう実写化するか三池の腕の見せどころだ。
もうほとんど仕上がりに近いんですけどあとどの辺を足せばいいか…。
次の映画ですか?はい。
主人公玲二がヤクザの鉄砲玉クロケンに襲撃されるシーン。
クロケンが突進するバイクから宙に飛ぶ!?まずは人物の撮影。
グリーンの部分に後でCGが合成される。
俳優の動きをさまざまなアングルから撮影する。
撮影した映像にCGを合成していく。
空や道路など背景となる部分から始め色みや動きを細かく作り込んでいく。
これが完成シーンだ。
よし。
よくやったぞ玲二。
あっこまでたどりついたらもう一息だ。
心の声何だ?ありゃ。
うわっ!うわ〜っ!玲二。
いずれにしても作り込んだ画なんでこういうデフォルメ感を出して…。
要は実写では逆に表現できないような事。
これタイヤも全部CGで回してるんですよね。
変わりますね。
変わります。
こういういわゆるCGを使ってやる映画とCG使わないで実写だけでやるっていうのはどっちが多いんですか?今は一つの作品の中に全くデジタルを使わなかったカットがないっていう作品はないですね。
これは原作はいわゆる漫画…。
漫画です。
それは自分がシナリオ起こしてやる…自分は楽しいですね。
性分には合っていて…もちろんリアルに撮っていくものもそれはそれでやりがいはあるんですけど…。
いろんなファンがいるので漫画を実写化した場合後で…。
結構思い込みが違ったりする…。
余計な事しやがってとか俺の漫画を実写にすんなとかって思う人も見てもらってまあこれだったらいいかなって納得してもらうのはやっぱりその人以上にこっちがファンである必要があると思うんですよね。
現実にはありえない漫画の世界。
三池はそれを更にデフォルメし映画ならではのエンターテインメントに仕上げていく。
とんでもない質問をします。
この10年間…おおよそ察しはつきますね。
映画っていうのはキャスティングの妙ですから主役だけじゃなくて固める脇の…みんないいキャラクターで押さえるじゃないですか。
何か脇役の人見てると…結局僕は…その人がいつもそんな役をやってて要は自分と重なってきてしかも大ベテランで30年間40年間ずっと脇役やってお茶の間でもあんまり知ってる人もいなくて家庭に帰ると奥さんが「給料安くてもまたビール飲む気?」とかって言われてる。
子どもが父ちゃんの画あんまり出てるの見た事ないなと思ってる親父でも「今日はちょっとビールうまいぞ。
役者になってよかったかな」という瞬間は僕らは生み出せると思うんですよ。
愛情とバイオレンスというのはイコールなんだなっていう…背中合わせというのは実感するんですよね。
「土竜の唄」のクライマックスシーン。
総勢100名のヤクザたちが主人公に襲いかかる。
「何!?バッチ来い!うわ〜!」ぐらいのタイミングが…三池は襲いかかるタイミング一つにも心を砕く。
よ〜いはい!はい。
その後ろ。
その後ろ。
お〜い!黄色いボックスの前でいいんだよ!画面にほとんど映らないエキストラにも細かく指示を出す。
真ん中にいて。
黄色いとこの真ん中に。
心の声男だ。
男は敵に背中を見せねえ!バッチ来い〜!
(一同)うわ〜!出来上がったのは10分間にわたる壮絶なアクションシーンだった。
プロデューサーに「あのカットいるんですか?」っていう…。
「いやいやいるでしょう」みたいな。
編集では無駄な時間を省いていく作業っていうの今もうプロデューサーはじめみんな…その理屈も分からんでもないんですけど…もう「映画の価値がなくなっちゃうんじゃない?」という事で。
愛情細かいですね。
でも撮ってるって事はどこかその憧れが内にはあると思うんですけど…。
出た事ないんですか?誰も見てなければコソコソ逃げるんじゃないかっていう…。
ウツボはまだ出ていきますよね。
もともとそういう臆病者なんですよ。
三池は子どもの頃から引っ込み思案。
断られるのが怖くて友達を遊びに誘えなかった。
高校時代はラグビーに没頭するもレギュラー争いに敗れあえなく挫折。
やりたい事が見つからず途方に暮れていた18の春興味本位で映画の専門学校に入った。
人手の足りない撮影現場に駆り出されるうちいつの間にか助監督に。
今村昌平ら名監督の下で10年間働いた。
31歳の時低予算のオリジナルビデオで監督デビュー。
そこで一気に頭角を現していく。
オリジナルビデオの世界からこれだけの売れっ子監督になった例はほかにない。
もうほとんど多分世界に類がないと思うんですけど…現場でも駄目な人間かも。
映画の現場っていう中で助監督として結構助監督として生きる事ができるので…それが結果的に…でも監督になろうと思った事なんかなれるとも一瞬とも思ってなかったんですがそれがたまたまいろんな流れでそうなっていって今になってもう…いやいやいや…。
それで例えば現在進行形で撮ってる時に次の作品のシナリオなんかもいつも同時に何個か並べて時々手を入れたりしながらこっちに…現実に向かってるんですか?そうですね。
終わってから次へって事じゃなくてね。
業界ではいかがなものかっていう見方をする人もいるんですよね。
やっぱり一つ一つ魂を込めて…大げさに言うと命を懸けて命を削るように一個の作品に集中するっていう…それがある美徳というかそれが作品に対する姿勢だというふうに言うんですが一本の作品でそうなっていくとやっぱり…むしろ今日あとそれにかけられる時間が2時間しかないとなった方がより有効な有益な時間をその2時間で発想もできるしというタイプだと思うんですよ。
だから邪道だとかよく先輩たちには怒られますよ。
僕全然そう思いませんけどね。
そういう一つのものを作る…いっぱいこうあってある程度ここ行ったらまた次の所行ってやってって…さすがプロだなっていうか…三池の台本を見せてもらった。
自分の儀式としては1回もらった台本をカッターで切ってバラバラにしちゃって引きちぎってパチパチ…。
同時に3枚ぐらいしか開かないので結構時間かかるんですが一つ一つ開けながら解体するところから始めてそれを今度映像としてまとめていくっていう…。
自分で穴を開けましてワクワクさんのように作るんですよね。
例えばここのシーンだとしたらここに挟み込んでいくっていう。
台本の流れでコンテを確認していく。
終わるとこれらを一つにまとめて編集部さんの方に渡すと。
「ここにこう書いてあるけどこのカットないよ」とか「ここからここ直結です」とか「これ逆につないだ方が面白いかも分かんない」とかっていうメッセージを添えて編集部の方に渡すという。
(取材者)清志郎さん。
忌野清志郎ですよ。
台本を閉じたバインダーにはいつも三池にとってのカリスマ忌野清志郎の写真を忍ばせている。
清志郎さんの思いからすると…だからどうしても…緻密な撮影プランを練り上げる三池だが本当にいいアイデアは現場で生まれるという。
何をどうしますかって。
何から撮ってどこから撮ってどんな芝居をしてどうしますかっていうのがいっぺんにバッと来るので。
目覚めて起き上がる事さえできれば…普通の人だったら眠れなくなるだろうなと思うような明日どうしようっていうのがあると思うんですけど…。
外ロケって天気が全て画の中に写ってきますから自分の予測したものではないものが取り込める。
それって面白いですよねやっぱりね。
でも結構天候にはこだわって撮ってますよね?1か月以上早く雪の中のシーンのセットを組んで「雪撮ろう」って言ったら今は降らないんだって言われる。
「いや明日は降るんだ」って言ってホントに降っちゃったりね。
そういう事ってやっぱりありますよ時々。
「潜って上げろ」。
どんな状況でも三池の現場は笑いが絶えない。
(一同)イエ〜イ!ハハハハ!すごくユーモアもあるしいつも現場を楽しくするというか。
こんなふうになっちゃったりしてとかやったりするんだけどそれがいちいち面白いんですよね。
そういうのがやっぱりすばらしいですよね。
チームワークってなもんじゃないですね。
プロとプロのセッションみたいなもんですからね。
一人一人がバラバラに存在してバラバラの夢を持っている人間たちが1つの台本の中に何か夢を見てものを作っていくっていう場所を提供していく。
共に闘って闘いつつ同じ方向に向かってるであろうけどまたそれぞれは違う勝負を仕掛けている。
今までのノウハウの中で収めてもらうよりも更に…作れるとやっぱり楽しいですよね。
今逆なんですよね。
みんなこれウケて楽しいからこういうものをやると今当たるかもしれないからこういうの作れって言われるんですけど…楽しみながら自分たちの楽しい事がみんなが楽しむ事になっていくっていう…。
ものすごい難しいかもしれないけどひと言で何かあるかっていう。
どんな事を?自分の場合…それは生と死にもつながるし…多くの時間を費やしているというそういう感覚があって…三池は早くも次なる作品に取り組んでいた。
現代版「四谷怪談」。
「顔に書いてあるぞ」。
市川海老蔵と3年ぶりにタッグを組む。
いいんじゃないでしょうか。
いい仕事してますね。
(笑い声)断片化しようよ。
じゃあ俺ちょっと断片化してきます。
映画を作る度に高まる注目と期待。
監督とはその重圧を一身に背負う孤独な職業だ。
操上もまた休みなく撮影に臨んでいる。
この日のテーマは陶芸家の手。
そうですか?手の写真は操上のライフワークの一つだ。
手はもう一つの男の顔だと操上は言う。
操上和美。
被写体の生きざまに向けてシャッターを切り続ける。
2014/02/01(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「三池崇史×操上和美」[字]
超人的ペースで映画を撮り続ける「現場力」の監督、三池崇史。俳優たちがこぞって撮ってもらいたがる写真家、操上和美。二人のカリスマが語り合う名作誕生の意外な舞台裏。
詳細情報
番組内容
キース・リチャーズから大江健三郎、宮藤官九郎まで、半世紀にわたり時代を象徴する「顔」を撮ってきた操上和美、78歳。一度見たら忘れられない、鮮烈なポートレートはなぜ撮れたのか? 一方「現場こそが自分の一番の作品」と言い切る三池崇史。海老蔵も生田斗真も、出演俳優たち皆がほれ込む独特の演出と現場づくりの秘密とは? あまりにもカッコよすぎる2人の「永遠の不良少年」の対話!
出演者
【出演】映画監督…三池崇史,写真家…操上和美,役所広司,大沢たかお,【語り】吉田羊,六角精児
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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