Crossroad <曲山紫乃> 2014.02.01

ドイツのある小さな街に1人の日本人女性が暮らしています。
食べよう。
うんおいしい。
普通の柿だ。
こんにちは。
こんにちはハハハ!おじちゃんかわいい。
さよなら。
さよならありがとう…。
ありがとう。
このどこかあどけない笑顔が一転水の中ではアスリートの顔になる。
水中の格闘技とも言われる水球。
曲山さんはその水球が盛んなここドイツでも最高峰のリーグでプレーする唯一の日本人選手。
自分でチームを探し言葉も体格も違う国で武者修行。
そこまでして彼女が水球に打ち込む理由とは?曲山さんは日本のレベルを上げたい。
熱い思い一つで海外へと飛び出します。
しかしそれは決してたやすい道のりではありませんでした。
あれ?いつの間にか海外で味わった大きな挫折。
しかし彼女は再び奮い立ちました。
オリンピック競技でありながら日本ではまだまだ知られていない水球にすべてをかけ異国の地で戦うアスリート曲山紫乃さんに密着しました。
人の行く道は一本道とはかぎらない。
突然に岐路が現れ進路を選ぶことで旅路は続く。
この人はどんな道を歩むのだろう?ドイツ西部に位置する人口およそ23万人の街クレーフェルト。
この街に暮らす日本人アスリート曲山紫乃さん。
(スタッフ)こんにちは!こんにちは!
(スタッフ)今日は試合ですね。
はい…。
水球をするためドイツに渡り二度目の冬です。
水球はオリンピックの正式種目。
ヨーロッパではサッカーやバレーボールと同じように盛んなスポーツです。
しかしそれに比べ日本では特に女子の競技人口は少なくまだまだ発展途上。
1チーム7名でボールをゴールにシュートし点数を競い合う水球。
試合中選手たちはずっと立ち泳ぎ。
しかもつかむ蹴るといったファウルプレーも多く発生することから水中の格闘技とも例えられる激しいスポーツです。
更に試合を左右するのがアンダーテクニックと呼ばれる水中のつかみ合い。
そんな水球にかけ単身海外に乗り込んだ曲山さん。
やっぱり日本代表であるかぎり勝たなきゃダメなんですよね。
自分が海外の強豪チームで経験をつむことで日本代表チームの役に立ちたい。
それがドイツに1人渡ったいちばんの動機。
彼女がプレーするのはドイツでも最高峰のリーグ。
なかでも所属するバイエルはドイツ最強とうたわれチャンピオンズリーグを制したことのある名門。
選手はナショナルチームの代表が5人。
曲山さんはそんななかでも存在感を発揮しています。
水球が盛んな山形で生まれた曲山さん。
先に始めていた兄のあとを追いその途端基本である巻き足を簡単に習得し周囲を驚かせます。
当時のことを曲山さんはこう振り返ります。
県下随一の水球の名門山形工業高校に進学。
在学中17歳で日本代表に選出されます。
大学では人数が足りず潰れかかっていたチームを立て直し優勝に導く原動力に。
日体大大本監督は曲山さんの才能をこう分析します。
あと水球の選手女子で…。
ボールを投げるスポーツなので…。
その肩の強さを活かした曲山さんの武器が距離のある場所から繰り出す攻めてよし守ってよし。
絶対的な存在として活躍していた曲山さん。
しかし2009年ある国際大会での苦い経験が彼女の心に火をつけました。
女子は出場8か国中最下位。
女子チームは海外では勝てないと見なされ遠征のチャンスすら与えられなくなってしまいました。
いくら練習をしても国際試合で勝負の駆け引きを学ぶ機会はありません。
また日本では学生以外が競技を続けることは難しく選手層はいつまで経っても厚くなりません。
ますます世界が遠のいていきます。
そこで曲山さんは大きな決断を下します。
2010年大学を卒業した曲山さんはハンガリーへと渡りました。
ハンガリーでは水球は国技。
オリンピックでもメダルの常連で選手たちはCMなどにも出演するほどの絶大な人気を誇ります。
つてを頼ってそんな憧れの国ハンガリーの最強チームに加入することになった曲山さん。
渡航費用は両親が工面してくれました。
しかし現実は甘くありませんでした。
ハンガリーの水球は力と力のぶつかり合い。
身長166センチ日本人選手としては恵まれた体もここではパワー不足と言われ必死に体重を増やしましたがかえって思うように泳げなくなる事態に。
更には…。
自分の意思を伝えられない。
するとプレーまでが萎縮してしまうという悪循環。
試合への出場回数は減っていきました。
まったく必要とされていない自分。
初めての挫折でした。
水球の本場ハンガリーで味わった初めての挫折。
故郷山形に戻った曲山さんは両親にもこれ以上負担をかけたくないと就職を考え始めます。
そんなとき彼女の背中を押してくれた人がいました。
曲山さんが水球と向き合う姿をよく知る人物です。
吉田さんの呼びかけで曲山さんを再び送り出す費用を出し合ってくれた高校のOBたち。
そこにはこんな思いが。
先輩たちに背中を押され曲山さんの再挑戦が始まりました。
再び海外へ。
しかしそれには受け入れてくれるチームを探さなければなりません。
英語で書いた自己PRを思いつくかぎりのチームに送信。
30チームに送って返事が来ませんでしたが31番目にして今のチームから嬉しい返事が。
現役の日本代表という点が興味を引いたとのことでした。
こうして2012年10月ドイツに渡り二度目の海外武者修行をスタートさせた曲山さん。
その際にもまた彼女を支えてくれる人との出会いがありました。
いただきます。
ここドイツで旅行会社に勤務する現在曲山さんは彼女のお宅に居候中。
水球のためにやってくる日本人の女の子がいる。
それを聞いた林さんがサポートを申し出てくれたのです。
と思ったらそんな曲山さんの毎日とは…。
おはようございます。
暗いっすね。
ドイツの冬の朝8時はまだ真っ暗。
そんななか向かったのは語学学校。
ハンガリーでの失敗を踏まえ言葉の壁を乗り越えるために午前中はドイツ語の勉強にあてています。
始めて1年。
今では日常会話に困ることも少なくなってきました。
更に…。
ドイツで知り合った友人ディアナさんに宿題を見てもらうこともしばしば。
オッケー?よかったよかった!よし!どうぞ。
ありがとう。
お礼として日本語に興味があるというディアナさんに手作りのテキストでレッスン。
わたしは。
ああ!あ〜っ!ああ!これだ出た!曲山さんなかなかいい先生のようです。
わたしはにほんごをべんきょうしています。
紫乃さんはすごいです。
よっしゃ!プール入るぞ!この日の午後はボランティアで現地に住む日本人の子供たちに水球を教えました。
水球の楽しさを少しでも多くの人に知ってもらいたい。
それも曲山さんの願いの一つです。
そしていよいよ練習に向かうときのこと。
街はちょうどバーゲンシーズンの真っただ中。
しかし…。
でもやっぱり…あの…。
何十%オフとか半額以下とかになってくるともういっちゃいます。
ドイツにもプロリーグはなく水球で収入が得られるわけではありません。
できるかぎり節約の日々です。
チームの練習は夕方から始まります。
早速水に入るかと思いきや…。
まずはジムで筋力トレーニング。
みっちり1時間かけて行います。
話しかけてきたのはキャプテンのクラウディアさん。
ドイツ代表のメンバーでもあります。
いちばん年上がああいうすごい…何だろう。
チームのことを考えてやってくれてるの見ると自分もこうしたいなと思うしもちろんコミュニケーションを大切にし戦術もコーチと選手が一緒に考えるドイツのスタイル。
そのいい点を日本の水球に活かせれば。
曲山さんはそう感じています。
筋トレを終えるとプールでおよそ2時間の練習。
そのメニューもコーチと選手で話し合って決めます。
帰宅するのは夜10時頃。
食事は基本的に自炊。
日本食でコンディションを整えています。
山形の実家から連絡がありました。
おめでとう。
映っているのはかわいい姪っ子のアカリちゃん。
曲山さん笑顔でいっぱいです。
そんな曲山サポーターの1人林さん。
実は林さんのご主人は筋肉が徐々に衰えていくという難病を患い現在入院生活を送っています。
いろんな人に支えられている。
だからこそもっと頑張れる。
ドイツ武者修行は続きます。
去年秋日本の女子水球は大きな一歩を踏み出しました。
曲山さんもこの日のためにドイツから帰国。
女子初となる日本選手権。
女子水球の未来へとつながる大舞台です。
曲山さんは母校日体大の現役学生とOGの混合チーム。
日体クラブの選手として出場。
日本代表7人が在籍するチームだけに優勝が絶対の命題です。
日本代表のゴールキーパーでもある三浦さんは高校時代からのチームメート。
苦労して水球を続けている1人です。
大学院にも行きたかったんですけど…。
海外でプレーすることは選手みんなの夢でもあります。
だからこそ学んだことを伝える義務がある。
曲山さんは後輩たちにもどんどん話しかけチーム内で誰もが意見を言いやすい雰囲気を作っていきます。
こっちのヘルプいないからさ。
だったら…戻ってきてもらおうと思って…。
めっちゃ呼ばれたんで…。
初の日本選手権。
日体クラブは1回戦2回戦と順当に勝ちあがっていきました。
そして迎えた決勝。
ご両親も山形から応援に駆けつけました。
こちらも多くの日本代表選手を輩出してきた強豪。
白の帽子の日体クラブ気合いが入ります。
(ホイッスル)いよいよ決勝戦がスタート。
まずは日体クラブが先制。
曲山さんも得意のミドルシュート。
後輩たちも果敢にゴールを狙います。
しかし藤村も反撃。
試合は1点を争うシーソーゲームに。
頑張れよ!頑張れ!そして…。
試合終了。
勝ったのは日体クラブ。
勝てましたね。
日本代表を強くしたい。
強い思いで頑張っている曲山さんにとってこの勝利は夢に近づく貴重なステップ。
(一同)ナンバーワン!2週間後ドイツでの2シーズン目を迎えた曲山さん。
この日ナンバー3をつけ試合にスタメン出場した曲山さんは冴えたディフェンスとゴールに絡むアシスト。
更には自らもゴールを決める大活躍でMVPに輝きました。
でも今は彼女にとってまだまだ日本代表を強くしたい。
大きな夢を抱き1人海外に渡り奮闘する曲山紫乃さん。
いつも胸にあるのは…。
やらないで悔いが残るよりはやって失敗して悔いが残ったほうがいいと私は思います。
爽やかな笑顔で水中の格闘技にかける女性アスリート。
あなたと日本女子水球の未来を応援します。
2014/02/01(土) 22:30〜23:00
テレビ大阪1
Crossroad <曲山紫乃>[字]

水球・女子日本代表のエースが登場。「日本の水球を世界レベルまで引き上げたい」という一心で、ドイツの最高峰リーグでプレーしている彼女のクロスロードに迫る。

詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
ドイツ水球リーグの強豪チームの中心選手として2012年からプレーしている、水球女子日本代表のエース曲山紫乃。オリンピックの正式競技でもある水球だが、日本の、特に女子の競技人口は少なく、まだまだ発展途上だ。「水中の格闘技」といわれる過酷なスポーツに単身海外にまで渡って打ち込む理由は「日本チームを世界で戦えるなでしこJAPANのようにしたい」という思い。ひたむきに“自分の決めた道”に挑む姿を追う。
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなCrossroad(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/official/crossroad/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:16172(0x3F2C)