情熱大陸【肺移植医/大藤剛宏▽少女を救え!肺移植手術に密着】 2014.03.16

医学部進学を夢みる高校生たちは手術室で一人の医師を取り囲んだ
まだまだなじみの薄い移植医療を少しでも身近に感じてほしい
(スタッフ)いいんですか?
(大藤剛宏)いいんですいいんですどんどん触って…触らないと分からないですよこれを触った感触をね…ホントやってみたいと思ったらこの中から外科医が生まれるかもしれない「わ〜血が出たちょうだい」って言った時にパッとこれをくれたら挟もうと思って挟んだらパシッあちゃ〜って切れてしまう何やっと〜ん!っていうことになる
日本で臓器移植が認められたのは17年前
大藤は肺移植のエキスパートだ
革新的な手法を次々に編み出し不可能を可能にしてきた
移植を受けられれば元気になる人が受けられずに亡くなっていくっていうのは今の現代医学の中であってはならないと思うので僕らに…
従来ドナーの肺は体格が同じでなければ移植できなかった
だが体格が違ってもこれまで捨てられていた肺炎などで…
そうすればより多くの命を救える
大藤の主張が通り…
チーフを務める岡山大学病院の肺移植チーム
おはようございますOKですばっちし!今日も頑張ろう
手術を終えた患者も大藤をこう評する
脳死による臓器提供の連絡はいつも突然やって来る
移植を待つ患者と家族が直ちに病院に呼ばれた
一番奥個室…今日なってますのでお父さんお母さんどこ座る?あっそこに座るの?じゃあ僕がここに座るわ〜何か来るんじゃなかったないう感じするなそうでもない?おぉ強いなでも大丈夫よみんな…
少女は生後2か月で肺の病を発症
ずっと酸素ボンベの助けで暮らしてきた
左右両肺の移植が必要だった
今日は何か食べたいもの食べ納めで食べとかんといけんね食べてきた?何食べた?まぐろ食べた?うわ〜まぐろ好きなんかじゃあ頑張ろうよしイェ〜イまぐろまぐろハハッまぐろじゃあ元気になったらまぐろ食べに行こうか回転寿し?経済的やなそりゃあ助かるわ僕は
翌朝
手術を前にしても大藤の接し方は変わらなかった
気が進まねえなぁって感じ?そうよなぁみんなそうなの
待ち受けている手術は制度改革の意義を裏付ける試金石
長年の病で少女の心臓は大きく肥大していた
そのせいで移植するべきスペースが通常よりもはるかに狭い
困難な分割移植が試される
お母さんここまで?じゃあお母さん…
一時は自分の肺の一部を差し出そうとした母親
けれど病が見つかりドナーにはなれなかったという
(シャッター音)頑張ろう頑張ろう
(母親)お願いします
(父親)バイバイじゃあまた終わったら連絡します
託されたのは命
少女と家族の未来がその腕に懸かっている
大藤は水とバナナで長丁場に備えた
これから11時間も飲まず食わずなので
意外なことに手術室には笑い声
(笑い声)おっ何か盛り上がっとるじゃんあぁなるほど大野君よりいいんじゃない?おっ肯定的な意見が出ました
(医師)何かもう何も言えないですよ
少女の体に全身麻酔の点滴が送り込まれる
大藤は改めて手術の流れを確認した
これはもう…じゃあよろしくお願いします
ドナーの肺が病院に到着したのは手術開始から1時間後
それが最良のタイミングだった
移植は時間との闘いでもある
脳死ドナーの尊い思いは引き継がれた
肺到着しましたはいよっしゃ〜お〜でかそうじゃなこりゃじゃあ持ち上げるけど中の氷入れてくれる?ザ〜ッとその間に
人の肺は5つのブロックで出来ている
丸ごと移植するかあるいは下葉と呼ばれる部分を利用するのが一般的だ
けれど…
1つしか入らないと思う基本的にはバックテーブルで…
大藤は上葉だけを切り取って使おうと決めた
難易度は一段と上がる
よっしゃこっちから取るか
少女の両肺が取り出され代わりにドナーの肺が入れられる
狭い左胸にもそれは収まった
続いて気管支動脈そして静脈を縫い合わせる
大藤だからできる手術
じゃあどうぞ先生どちらからでも
移植された肺に空気が送られる
左右ともに強く膨らんだ
(スタッフ)左側はちょうどいいんですか?ちょうどいいですね形もちょうどよかった久々に血液が肺に流れたので肺もびっくりしてますからこれからしばらくなじませてあげるんですよね念を送らないといけませんね
少女に約束した新たな人生
その手応え
手術は予定よりも早く9時間ほどで終了した
無事に手術は終わりました
(両親)ありがとうございました移植手術的には100点満点です
(母親)あっそうですかこれず〜っと入っていくと…
(母親)よかったな…よかったなよかったなはよ元気になろな分かります
(母親)よかったですだからお母さん喜びも本当にひとしおだろうなと思いますでもよかったです僕も責任果たせた感じがしますありがとうございましたお疲れさんでした
飄々とした笑顔の下で大藤もまた医師の充実を噛みしめていた
お〜お疲れさん今日は何かおいしいものないのかなありますよある?あっ何かこれうまそうだな
多くの外科医がそうであるように食生活は自慢できない
あっこれもちょっと…血糖値上げよう我ながら何か…いい感じで入ったなぁと思うお疲れさまですあ〜お疲れさん先生リオ君から…酸素が取れて七五三ができたって写真送ってきてくださって…うわ〜先生に見てほしいって
以前大藤が移植を手がけた少年
母親が元気な写真を送ってくれた
うわっどうしたん?何かこんな…多分お母さんがうれしくて…元気になったからいろいろ写真撮ったんだと思うこのままだと命がないという子供がこうなるんですからね本当に移植医療ってドラマチックというか劇的ですよ
健康を取り戻した患者からの便りが何よりのごちそうだ
この橋を渡る時は癒やされるんですよ今日はちょっとかすみがかかってますけど本当に天気がいい日はすごく見渡せて
毎月一度大藤は瀬戸内海の因島に通っている
週末になると外科医不在となる小さな島
当直医を引き受けてもう11年になるそうだ
(スタッフ)手ぶらで行くんですか?はいえらいことになっとるがそれちょっとこっち行こうこっち行こう大変じゃがねそりゃ
待っていたのはおばあちゃん
夜中に転んで目の上を切っていた
昨日は何で夜来んかったん?夜中にねこりゃ困ったもんと思いよったけどどうも夜中に起こすんも悪いと…起こすのも悪いなと思って?ようけ血が出たろう
(患者)はいすごく出たすごく出たろうびっくりしたろう
(患者)びっくりしたそういう時は救急車呼びゃあええんよこりゃ一大事なんじゃけぇだいぶ傷が深いけんね
(患者)何でこうなったんかねよう分からん終わったで
(患者)はいまぁでもあれだけになっても夜中に来ないのがさすが島の人って感じやな
(スタッフ)先生患者さん来ませんね来ませんねそれは島の人がハッピーということです来ないほうがいいんです
暇な時は病院の前の桟橋に出かける
趣味は釣り
いつも車に載せているのでどこでも
釣り糸を結ぶ指さばきは手術に劣らず鮮やかだった
外科医を志したきっかけも実は少年時代の釣りらしい
ある時ね…子供の時えっ!と思って最初からもう外科医になりたいなと…そういうのは思ってました
1967年広島の生まれ
岡山大学医学部を経て外科のドクターとなる
その時上司からのひと言が人生の指針になった
外科医10年目にして移植医療先進国のオーストラリアへ渡る
みっちり5年間200を超える症例を経験し肺移植の全てを身につけた
妻と2人の子供たちはその修業時代に寄り添っている
妻の琴美さんによれば大藤は随分変わったそうだ
また1人移植を必要とする患者がやって来た
じゃあ皆さんちょっとお席に着いていただいて…
今回は夫と姉から肺の一部を提供してもらう生体肺移植
患者にはそのリスクも告げなければならない
ご自身が一番よう分かってるよないいですね?子供さんっておいくつでしたっけ?6歳です6歳か!お〜今年入学式入学式入学式はまだ間に合わないですよねいやいや分からんよ分からん分からん5月の運動会までには退院しようと借り物競走ぐらい一緒に出たらどうですか?そうですね頑張って走らにゃいけんそうですそうそう6歳か…そりゃあちょっと頑張らんといけんね
(清子さん)頑張りますそうそう
覚悟の先に希望は生まれる
頑張りましょう
生体肺移植は無事成功した
(ノック)どうでしょうか?
(清子さん)こんにちは〜あ〜いい感じ?あらもう何か…ラブで頑張らにゃいけんねこりゃ
(清子さん)今週だけ
夫と姉から肺を分けてもらった女性
もうリハビリ段階に入っていた
この分なら小学校の入学式に間に合うかもしれない
(スタッフ)たまらないですよねたまらないです本当に
あの少女も無事退院の日を迎えた
結構まぶしいよ外うっ寒い!まだ寒いなふ〜まぐろん?まぐろまぐろ?そうか手術前に約束しとったもんなまぐろ丼?まぐろの握り?さしみうわ〜じゃあ約束6か月目になったらまぐろ食べられるじゃあねバイバ〜イ
果たすべき患者との約束はたくさんある
あぁ帰っていきましたまたよかったよかった
でもそれが大藤の喜びだ
独りぼっち
究極の一枚を求めて男は氷河に降り立った
そろそろやつが姿を現すはずだ
2014/03/16(日) 23:15〜23:45
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【肺移植医/大藤剛宏▽少女を救え!肺移植手術に密着】

肺移植医/大藤剛宏▽肺の病気を抱えた少女の人生を取り戻せ!▽島では唯一の外科医…人々との交流も大切▽日本の移植医療の変革に挑む肺移植医に密着

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番組内容
昨夏、移植には不適合とされていた肺の部位“中葉”の生体移植に世界で初めて成功したのが大藤剛宏だ。これまでにも世界初や国内初となる症例の手術を次々と成功させてきた。番組では、幼い頃から酸素ボンベが手放せない肺の病気を抱えた少女の移植手術に密着。さらには患者たちとのふれあいにもカメラを向ける。目指す先は患者の命を救うだけでなく、人生を取り戻してもらうこと——。大藤が起こす日本の肺移植の変革に迫る。
出演者
【プロフィール】
大藤剛宏
肺移植医。広島県生まれ。肺移植医を目指しオーストラリアへ渡り、初診から手術、術後の免疫抑制や内科診療、さらには退院後のフォローに至るまで、全ノウハウを取得した。一方で、広島県・因島の病院での診療も行っている。島で唯一の外科医を頼りに訪れる島民たち一人ひとりに耳を傾ける。そののどかな空気と島の人たちとの交流が、大藤にとっては大切な安らぎの時間となっている。(現在46歳)
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】メディア・メトル

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 健康・医療

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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