ドラマスペシャル「家政婦は見た!」 テレビ朝日開局55周年記念 2014.03.02

(ボイスチェンジャー)「中村朱実を誘拐した」《朱実さんはもう死んでいるかも…》
(美智子)うまくやったものね悪魔!
(一同の笑い声)あなた方は最低です!
主演米倉涼子
そして豪華キャストで送るテレビ朝日開局55周年記念ドラマスペシャル『家政婦は見た!』いよいよスタート
おブスでございまして…。

(店内の音楽)
(岡野弘子)失礼ですけど…。
ああ素敵!わあ!本当に素敵だわ。
(沢口信子)ああ…ありがとうございます。
どちらで?えっ?あっこれですか?いやブランド物じゃないんですよ。
セレクトショップで買ったワンピースなんです。
韓国でなさったの?韓国で?素敵だわ。
あっちょっと!まるで彫刻のよう。
シャーリーズ・セロンも彫刻みたいって言われてますけれどもあなたもっと素晴らしいわ。
どちらでなさったの?韓国?それともハリウッドで美容整形なさったの?ちょっとすいません。
あっ…。
ちょっとお待ちになって!ねえ!あなたどちらへいらっしゃるの?ちょっとあなた!シャーリーズさん!あっ沢口さん!いらっしゃいませ。
やだどこ行っちゃったのかしら?あら?あら?どこ…?あら?あら…?
(店員たち)岡野様!いらっしゃいませ!ああどうも。
(店員)お出しして。
(店員)ああそうね!
(店員)こちらなんていかがでしょうか?
(弘子)これ本当に新色?
(店員)ええもちろん。
(弘子)そっちはシルクよね。
(店員)もちろんでございます。
美容整形なんて言われて本当にムカついた
ええどうせそうでしょうよ
お金さえ出せばなんでも買えると思っているのね
デパートにいる女たちは多分皆そう思っているに違いない
だから血眼になってデパートを歩き回って「かわいい」なんておだてられて似合いもしないものを買いあさってそのうえ自分の顔やスタイルまでお金でどうにかしようと思っている
すごく不愉快
私は今お金に困っているからとっても不愉快
セールのワンピース1枚買えない
家政婦のシズちゃんががんで手術をする事になってお金がいる
100万円は必要
それなのに…私なんできれいだなんて言われなくちゃいけないの?
貧乏なのにきれいだなんて…
冗談じゃない
(中村朱実)こんにちは。
いらっしゃいませ。
どうぞ。
ありがとうございます。
私上原の娘で…。
はい。
お話は伺っております。
どうぞ。
ありがとうございます。
あっ!すみません。
いえ…。
あなたは女将さんですか?いいえ家政婦でございます。
家政婦さん…ですか?はい…。
上原様はお2階でございます。
1つくらい盗んでもわからないかもしれませんね。
いいえ!とんでもございません!さあどうぞ。

(北村泰山)ウーヤーター!ウーヤーター!
霊感占いの北村泰山
この男は政財界の人脈に深く食い込んでいる
会うだけで100万
占ってもらうと最低でも300万
今日のお客は美容整形の上原グループ会長の上原秀光
上原美容クリニックのチェーンエステティックサロンや結婚式場など巨大な上原グループに神様のように君臨しているらしい
(北村)親子関係不存在確認の請求訴訟の判決について聞きたいんですね?
(上原秀光)うん。
馬鹿なせがれだ。
頭悪い。
整形の腕はもっと悪い。
不肖のせがれなんだが欲だけは人一倍でね。
そいつがだ朱実はわしの娘ではないなどという訴訟を起こすもんだから週刊誌やワイドショーがうるさくてな。
今DNA鑑定をしてもらってるんだがもしもだぞ実の娘ではないなどという判決が下りたら大騒ぎになる。
あんた今運気が悪いんだなぁ。
そうなんだ。
国税からは所得隠しを疑われてるし手術ミスだ訴えてやると騒いでる女たちもいてね…。
ん?心配いりません。
その人は信用出来る。
なんだい?あの…何か他にご用はございますでしょうか?いやもういい。
では本日はこれで失礼させて頂きます。
そうか今日5時までか。
はい。
洗濯物は済んでおります。
バスタブも洗っておきました。
お湯入れておきましょうか?そうだな。
そうしてくれ。
かしこまりました。
沢口さん。
はい。
あんた整形したらどうだ?整形の神様だ。
美人になるぞ。
男が出来て結婚が出来るぞ。
ハハハ…!とんでもございません。
失礼します。
(北村)朱実さんは会長の実子ではない。
親子関係不存在確認の裁判ではそういう判決が下るはずです。

(北村)DNA鑑定で朱実さんの嘘が明白になるでしょう。
お前は私に嘘を言ったのか?母がそう言ったんです。
あなたは上原会長の隠し子だって。
京都のクラブで働いていた時会長とお付き合いをしてその時に出来た子だって…。
母は嘘をつくような人ではないのでその事をずっと信じていました。
そうか。
私…家を出ます。
家を出る?私が嘘をついたなんて上原家の人々に非難されたら…。
悲しい…。
会長の事ずっとパパだと思って大好きだったんです。
でも…お別れします。
わしの妻になれ。
え…?《わあ大変だわ。
妻だって》
(北村)お二人の相性は抜群です。
前世からのご因縁です。
そうか。
よし決まりだ。
でも私はまだ二十歳です。
会長は70です。
50も年が違うのに結婚なんて…。
キャッ!知るかそんな事。
嫌!妻になれ。
上原グループの女帝にしてやるぞ朱実。
やだ!嫌!老人臭がする!こんなおじいちゃんの妻だなんて私絶対に嫌!《お芝居をしている。
上手なお芝居だわ》《すごいわ…あの朱実っていう子》イヤーッ!!アイテッ。
(上原美智子)あっ…。
だ…大丈夫?ええ…。
今何を言ってた?聞いたでしょ。
いえ何も。
聞いたでしょ?義父は朱実をどうするって言ってた?ほら教えて。
ダイヤよ。
ねえなんて言ってたの?聞いてませんから。
おおっ…。
(平田牧子)ハハハハ…!住み込みでひと月200万出すなんて…切りますよ。
いたずら電話にお付き合いしてる暇ございませんので。
沢口さんには今日占いの北村さんのお宅でお会いしました。
会った?沢口に会ったんですか?ええ。
私上原美容クリニックの上原の娘の朱実といいます。
「忙しいようで」
(歓声)
(携帯電話)「そうそうつきあわせても…」
(小林ヒロミ)もしもし?今オンステージだから。
(カメラのシャッター音)「土曜でなけりゃ」
(ヒロミ)はいはいわかりました。
会長。
会長テンパってる。
会長。
ちょっとテンパってるから。
はいもしもし?え?仕事?どんな?断って。
ええっ!?200!?うーん…でもなんか問題ありって感じなんだよねあの上原の家って。
うん。
え?ああシズちゃん?
(牧子)「そう。
がんの手術代もかかるし」いやあなたにそんな手術代を出せって言ってるわけじゃないんだけどね。
だけどあの上原家ってトラブルばっかりだと思うのよ私。
そう…。
ねえお試し期間っていうのはどう?そうね。
美容整形にも興味あるし。
(一同)美容整形!?
とりあえずお試し期間3日の契約で上原家の家政婦をする事にした
東京都文京区音羽5番地
元・明治時代の財閥の家を上原秀光…上原美容クリニック会長がバブルの頃買い取った大豪邸に家族7人が暮らしている
長男夏雄45歳
妻美智子42歳
上原の2度目の妻の子供で次男の雄次郎40歳
妻の恵子37歳
それと上原の父親の番頭だった山尾元太郎75歳
そしてもう一人が…
(チャイム)
中村朱実二十歳
おはようございます。
協栄家政婦協会から参りました沢口と申します。
家政婦のおばさんでございます。
「はーい」沢口さん。
ああ…。
すいませ〜ん。
おはようございます。
おはようございます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
どうぞ。
はい失礼します。
おお…!フフッ。
あっ!
(エンジン音)乗らないとバッテリーが上がるって毎日エンジンかけるの。
まあすごい。
1台欲しい!…です。
なんて。
フフッ。
はい。
失礼致します。
わあ…!どうぞ。
恐れ入ります。
失礼致します。
わっ。
(美智子)あら。
あなた家政婦だったの。
家政婦の沢口さんです。
沢口でございます。
どうぞよろしくお願い致します。
(美智子)占いの北村先生のところであなた盗み聞きしてたじゃないの。
だから家政婦だなんて夢にも思わなかったわよ。
申し訳ございません。
盗み聞きするつもりはございませんでしたけど…。
あんまりショッキングな内容でございましたのでびっくりしてしまい足が動かなくなってしまいました。
(美智子)ショッキングってどういう…?申し上げられません。
家政婦は勤務先の出来事を話してはならない。
つまり守秘義務がございます。
皆様の運命上原グループの運命に関した事でございますのでなおさらの事でございます。
沢口さんどうぞ。
はい。
(上原夏雄)家政婦がいるのかね?うちにはお手伝いさんがいるじゃないか。
(山尾元太郎)家政婦の話は何も聞いておりません。
使用人の事は全て私に断って頂く事になっておりますから…。
会長にはお話ししてあるんですけれど。
そうですか。
しかし会長からは何も聞いておりません。
本当に言ったの?はい申し上げました。
(山尾)ずるいからねぇ…。
(一同の笑い声)あの…会長様はどちらにいらっしゃいます?会長になんの用です?朱実様が嘘をついたのかどうか確かめて参ります。
確かめる必要はありません。
そうだ。
余計な事はしないでいい。
帰りなさい。
いいえ。
もし帰らされるのであれば家政婦協会に正確な報告の義務もございますのでどうしても会長様にお目にかかりませんと…。
お帰りなさい早く!しぇからしい!!なんですか?しぇ…からし…?しぇからしい。
「うるさい」という私の田舎の方言でございます。
フッ…フフッ。
(小峰恒子)会長新しい家政婦さんでございます。
うん。
あなたからお話ししてください。
はい。
おはようございます。
うん。
くっ…。
(ため息)クソッ…。
(ため息)くっ…!うーん…!馬鹿。
わしが開かんもんをお前が開くわけがない。
もういい貸せ。
はい。
コラッ!はい!カチカチのバターと蓋の開かない蜂蜜か!申し訳ございません。
おお…。
ほう…。
あんた北村先生のとこにいたな。
はい。
朱実様が会長様に私が来る事をお話しなさったとおっしゃっていましたが…。
知らない。
えっご存じなかったんですか?朱実が嘘ついたんだろ。
やっぱり。
ああ蜂蜜も塗ってくれ。
はい。
恐れ入ります。
朱実に呼ばれたのか?はい。
あんた名前は?沢口でございます。
そう。
うん実に丁寧だ。
バターもきちんと塗ってある。
明日から朝食の時わしの世話をしてくれ。
はいかしこまりました。
(夏雄)会長なんだって?いや〜なかなかしたたかですよあの家政婦は。
トーストにバター塗ったり蜂蜜塗ったり。
もう会長すっかり気に入っちまって。
そうか。
朱実一人では心細いんで彼女を雇ったんだろう。
(上原雄次郎)裁判の結果会長の子じゃないって判決が出てもこの家を出ていく気はなさそうだな。
兄さんたちとケンカする気なんじゃないか?あの家政婦と一緒になってさ。
兄さんたちが逆にこの家を追い出されたりして。
ハハハ…!冗談じゃない!コーヒー。
(春川悦子)はい。
あなた方もいつまでこの家にいるつもりなの?会長が離婚する時にお母さんに億ションを買ってあげたのに。
同居すればいいのにどうしてなの?ここに居座ってるみたいに見えるわよ。
いや「みたい」じゃなくて居座ってるんです。
(上原恵子)義母が絶対に音羽の家からは出るなと言うんです。
ねえ雄次郎さん。
ええ。
あなたの母親が病死したあとに後妻に入ってからも一生懸命上原家のために尽くしたのに捨てられたのだからとても億ションぐらいでは満足出来ない。
この家をもらいたい。
そう言ってます。
何を言ってるんだ馬鹿馬鹿しい!
(一同)おはようございます。
馬鹿者!
(夏雄)え?のんびりコーヒーなんて飲んでる場合か。
早くクリニック行かんか!行ってだなあのうるさい女たち…なんだほら美容整形被害者の会の女たちに訴えを取り下げるように言ってこんか金渡して。
しかしその件は弁護士が…。
あのな弁護士なんてものはな揉めれば揉めるほど金になるんだ。
わしが金を持ってる事を知ってるもんだから真面目にあの連中の事を説得しようなどとは考えてない!はい。
すぐに。
うん。
会長家政婦が…。
ん?ご心配はいりません。
家政婦には守秘義務というものがございまして派遣先の出来事は絶対に話してはいけないという事になっておりますので。
そうなの?はい。
大丈夫かしら…。
国税が差し押さえに来ました。
何?法人税や消費税が4年間支払われていないそうです。
帰ってもらえ。
あとで税理士から連絡させる。
そう言ったんですが駄目だと言われました。
(山下正)すいません!入れないと鍵屋呼んで鍵開けるぞと言われたものですから…。
(西田)国税局です!ちょっと…ちょっと来て。
私?奥様?わっ…!?奥様?
(西田)東京国税局徴収部です。
法人税6300万円。
その他消費税等4200万。
国税徴収法142条により捜索差し押さえさせて頂きます!なんだ突然!電話ぐらいかけたらどうなんだ!無礼だぞ!
(美智子)ドア閉めて!はい!これ。
えっ?奥様…!このブレスレットも。
早く!この時計も。
奥様これは…。
私これ…。
(徴収官たちの声)あっ!来る来る来る。
ああ…。
ちょっと…。
あっ!来た来た来た来た…。
奥様…奥様…。
来た!早く…早くしまって!わあっ!えっ…。
(徴収官)早くしろ!
(広瀬)東京国税局徴収部です。
法人税6300万。
その他消費税等で4200万。
国税徴収法142条により捜索差し押さえをさせて頂きます。
どうなさいました?10時に人と会う約束があって支度をしないと間に合わないんです。
そうですか。
ブランドの洋服にバッグ。
高いものばかりだわ。
それもですか?オーダーのバッグなのよ。
クロコで800万もしたんですけど。
高いものほどいいんです。
高く売れますから。
わっ!高そうな時計。
すごいブレスレット。
ダイヤですか?いいえガラスです。
ガラス?でもこの時計ロレックスじゃないですか!いいえ偽物です。
コピーです。
ハハハ…。
あなたは?家政婦ですけど。
(広瀬)家政婦さんですか。
見せてください。
その時計とブレスレット。
ああ…。
(くしゃみ)
(くしゃみ)すいません花粉症で…。
ホコリ…。
(くしゃみ)あっ!ああーっ!!奥様もうすみません花粉症で…。
(広瀬)困りますこういう事をされては。
はあ…現金はなかったね。
ええ。
絶対出ると思ったんですけど。
よっぽど巧妙に隠してるんだな。
すいません。
ちょっとすいません。
(美智子)あなたわざとくしゃみをしたんでしょう。
えっ?いいえ。
申し訳ございません。
花粉症でございまして…。
(美智子)時計2つにブレスレットに指輪5000万以上したのよ。
あなた弁償しなさい。
弁償でございますか?かしこまりました…。
(ため息)家政婦協会のほうに奥様が隠せとおっしゃったので隠したんですけれどもつい大きなくしゃみが出てウイッグが取れてしまって隠していた指輪が見つかってしまってそれで差し押さえをされてしまったと報告させて頂いて弁護士のほうに相談を致しまして…。
わかりました!悔しい。
一生懸命働いて買ったのに。
(咳)国税は?ああ引き揚げました。
現金がないのはおかしいと首をひねっていました。
フフッ…フフフフフ…。
ハハハハハ…!10年前だ。
脱税の罰金として1億5000万も取られた。
その時に母は罪を被って懲役1年6か月の実刑でしたね。
何?母が会長をかばわなければ会長が実刑を食らうところでした。
うるさい!お前の母親の事なんてどうだっていいんだ。
あの1億5000万は本当悔しかったぞ。
クソッ…。
あの時もう二度とこんな目には遭うまいと心に誓ったんだ。
え?会長もしかしてあの…この家のどこかに現金が隠してあるって事ですか?フフッ…知らん知らん。
知らんもんね。
見た?みんなの顔。
会長が脱税したお金を狙っているのよ。
脱税したお金?ええ。
絶対にこの家のどこかに何億円もの現金が隠してあるはずだわ。
《この子相当な悪女かも…》25万は安すぎますよ!デパートで100万円以上したんですよ。
(店員)例えば…これでは?26って…1万のっけてくれただけじゃないですか。
もう…。
40。
友達が手術をするんでどうしてもお金がいるんです!お願い!
(美智子)私買っても。
やだ…つけてきたんですか?恥ずかしい…。
30で!わかった!30万…!40万で私が買いますよ。
私…人に借りを作りたくないので。
(美智子)お試し期間たった1日で上原家に失望したんでしょう?時計を売るってそういう事でしょう?お金が欲しければ上原家で働けばいいんですからね。
そんな怖い顔して見なくたって…。
フフフ…いいのよ。
全部わかってるんだから。
占いの北村さんと会長がしゃべった事よ。
もし裁判で朱実が会長の子供じゃないという判決が下りたら会長は朱実と結婚する。
朱実から頼まれたんでしょ?そばにいて会長から私を守ってくれって。
結婚式が終わるまできれいな体のままでいたい。
それまでに体を奪われて会長の愛人にされるなんて絶対に嫌!そう言われたんでしょ?正式な妻になりたい…。
しっかりしてるのよ彼女。
会長の個人資産は300億くらいある。
もっとあるかもしれません。
熱海の別荘にはモネやベラスケスゴッホなどの名画が100点以上。
500億以上の資産でしょう。
妻は2分の1を相続する権利がありますから…。
そういう事を私にお話しなさらないほうがよろしいかと思います。
口の軽い家政婦もおりますから。
沢口さん。
はい。
コーヒー代を。
割り勘!?そ…そうですよね。
はい。
ただいま。
(牧子)おかえりなさい。
どうだった?上原財閥。
最低!コーヒー代も割り勘。
ドケチ。
もう行かない。
(かしわ手)
(ヒロミ)高原さん2000円矢作さん1000円宮田さん500円玉1個!
(宮田善子)ご…ごめんなさい!ブタの貯金箱にそれ1枚しか入ってなかったの。
(矢作まさ枝)いいのよお見舞い金なんだから気持ちで。
でも今時国民健康保険にも入ってない人っているのねぇ。
(高原みどり)シズちゃん年金もないんだって。
そうなの!総理大臣の愛人だったから散々贅沢をして年金や健康保険の事なんて考えた事もなかったっていうんだから馬鹿…。
聞こえる。
これ何?お見舞い金?そう。
こんなに!?これいくらあるの?30万。
(4人)30万!?
(加藤シズ)もったいない!私秋冬もののドレスが欲しい。
駄目!手術代なんだから。
つらい手術するよりきれいなドレスが着たい!ドレス!ドレスよね。
何言ってんの!もう!そのお金はね沢口さんが大事にしてる時計を売って作ったんですよ!ごめんなさい…。
いいのよ。
シズちゃん手術して元気になって一緒にデパート行こう。
ありがとう。
みんなありがとう!ありがとう!ありがとう!ありがとう…!
(森田ちゃん)沢口様!沢口様!沢口さんいるの?沢口さん?
(森田)沢口様!
(店員)沢口さん!沢口さん!沢口様春の新作沢口さん用にとってありますから。
いらない。
お金ないから。
(弘子)見つけた!うわっ!うわーっ!うわっ!やっと見つけたー!見つけたー!何!?ねえなんですか!?
(弘子)あなた素晴らしく美人なんですもの〜。
(森田)沢口さんって本当にかわいいって評判なんです。
ねえどちらでこんなきれいになさったの?わたくしなんか見て見て!ほらほらここのところにだんだんシワが寄ってきて…。
鏡見るたびにもう死にそうになるんですのよ。
ねえねえねえどちらで手術をなさったの?お茶でも飲んでその辺ゆっくり聞かせてくださらない?やめてください…!フン!おおっ…!ギャッ!冗談じゃないあの人…。
ちょっとキレちゃってんじゃないの?家政婦協会に電話したらデパートにいると聞いたので。
フフフ…全部わかってます。
メークしてるんでしょ?家政婦の時は。
(女の子)あーっ!ありがとう。
ああよかった。
よかったわね。
幸せそう…。
父親と母親と娘…。
いいなぁ。
上原さんと一緒に住んだ事は?ないの。
母が3つの時に病死してその時に父親は上原秀光という人だって言われたんですよ。
中学校2年の時に上原さんに手紙を出しました。
母は昔祇園の白川というお店でホステスをしていた春子という女だって。
でも返事は来なかったんです。
(朱実の声)高校を卒業して銀座のデパートの帽子売り場で働いていた時上原会長が来ました。
どうかな?ママ。
(染井暁子)ちょっと小さくないかしら。
そう?はい。
どうぞ。
はい。
(暁子)ねえあなた東京の子?いいえ京都です。
そう京都の子なの。
美人ねあなた。
よくお似合いです。
かわいいねぇ君。
ねえあなたうちのクラブで働かないかしら?いえ私なんて…。
私の母は祇園の白川というお店で働いていましたけど私がお酒が飲めませんから…。
君のお母さんは…。
いやそんなわけないか。
ちなみになんという名前で働いていたの?春子です。
春子…春子!そうか君か!あの…。
うん君染井で働きなさい。
私はほとんど毎日行くから。
(朱実の声)私が上原会長の行きつけの染井で網を張って会長の隠し子だと嘘を言って会長を誘惑したと上原家の人々は言いますけどそれは違います。
私が染井で働いていたのは会長のそばにいたかったからです。
会長も自分の隠し子だと言ってかわいがってくれました。
ですから家に来てみんなと一緒に暮らすようにって言われた時は本当に嬉しかったんです。
1つだけ質問させてください。
どうして私なんでしょうか?かっこいいですよ。
素敵です。
本当に。
ワ〜オ!
(笑い声)
(牧子)あんたの素顔見破ってたの?そうなのよ。
びっくりしちゃった。
へえ〜初めてじゃないの?素顔を見破られたの。
そうなのよ。
目がいいのよきっと。
目がきれいなの。
電話の声もよかった。
頭がねいい人だと思った。
ねえ裁判で上原美容クリニックの会長の娘じゃないって判決が下りたら結婚するのかね?ええ結婚するのよ。
うわ〜すっごいね〜!ねえあんたちょっと利用されてんじゃないの?注意してよ。
家政婦は中立ですからね。
ええもちろん。
ひと月200万か…。
ドルガバのスーツか…。
フフッ…。
(暁子)で結婚式はいつになるんです?わかりません。
ご家族が反対されると思いますから。
でも会長は結婚するっておっしゃったんですから心配いりません。
上原家は会長の鶴の一声なんですから。
おめでとうございます。
ねえママ敬語なんか使わないでください。
とんでもありません。
うちは上原のグループでもってるようなもんなんですからいくら朱実さんが去年までうちでホステスやってたからってなれなれしい口は利けません。
何卒よろしくお願い申し上げます。
もうやめてください。
(高杉伝吉)おい朱実。
なんだよ伝吉じい。
国税の差し押さえがあったんだってな。
ハハハハ!ふんぞり真っ青だろ。
ショック死したか?ハハハ…。
うるせえ銭ゲバ。
ふんぞりとの親子関係の裁判はどうなった?長男や番頭が親子関係不存在確認の訴訟を起こしたんだろう?駄目!朱実ちゃんは上原会長と結婚するの。
何!?あのふんぞり返ったカエルみたいな奴の女房になるのか。
そりゃあ気の毒だ。
うるせえうるせえ。
ふんぞりは整形手術に失敗した女たちから集団提訴されてるし国税から脱税でにらまれてるんだぞ。
上原美容クリニックいずれ潰れるぞ。
(笑い声)僕がプロポーズした時にオーケーしていたら今頃は吉源ビルの大株主だ。
ハハハハ…。
ドケチなのに何言ってんのよ!洋服買ってやるなんて言って連れて行ってくれたのが古着屋なのよ。
君は顔がいいんだからいい服なんか着なくたっていいんだよ。
アホやわぁこの人。
えっ?女は贅沢をしてこそなんぼです。
ええべべ着て金銀宝石に身を飾って美味しいものを食べて毎日夢みたいな暮らしをする。
それが女の幸せっちゅうもんです。
伝吉じい…。
あんたはんちょっとアホやな。
ああ〜抱きたい!イヤッイヤッ!イヤー…!何するんどす!?あんさん!
数日後正式な契約をして私は上原家の家政婦になった
その日の午後会長と朱実さんについて上原美容クリニックに行き初めて美容整形の現場を見た
痛みはないらしく患者が鏡を見ながら楽しそうに会長とお話をしているのにはびっくりした
嬉しい!先生リップもお願い。
はい。
それでは内側から光るようなふっくらとしたリップにしましょうね。
はい。
患者は今まで一度も恋愛をした事のない32歳のOLだった
一重の目に低い鼻薄い唇
自分の顔を鏡で見るたびに死にたくなる…幸せになりたいと言った
その人が手術後…
ありがとうございました!はい。
よかったですね。
はい!
生き生きとした姿に変わってクリニックから出て行った
私…ちょっと感動した
(咳払い)どうだった?
(高橋)駄目ですね。
駄目?
(美智子)あなたなんの用なの?はい今日から正式に契約をさせて頂きました。
この人がいないと朝のトーストがまずくてしょうがないんだ。
お前は不肖の嫁だからな。
駄目とは?はい。
顔を元通りにしてくれないと絶対に訴えは取り下げないと。
その事じゃない。
その事ではない…?医療過誤の件ではないんですか?そんなものはどうだっていいんだ。
向こうがうんざりして裁判はやめたと言うまでやり合えばいい。
どうせ1年2年それ以上かかるような話なんだからさ…。
こっちがミスを認めない限りは裁判はずっと長く続くの。
放っときゃいいんだ。
そうじゃなくて国税の事だよ。
どうなってるんだ。
差し押さえの件ですか。
会長差し押さえの事は私にはどうにも…。
とにかく税金を払わないために…。
税金?そんなもん誰が払うか。
税金払うくらいなら刑務所に入ったほうがマシだ。
あんたに聞きたい事はだ…。
(高橋)はい。
もしかしたら国税が何か証拠を持ってるんじゃないかという事だよ。
会長まさか裏帳簿のようなものがあるのですか?わかってるくせに…。
ぬけぬけと聞くな。
裏帳簿がある…あるんですか!?いや会長それは大問題ですよ!うるさい!あんたに高い顧問料払ってるのは一体なんのためなんだ?ん?だから上原グループについて国税が何を握っているのかその辺をはっきり調べてくれとそう言ってるんだ!わかりました。
調べてみましょう。
では今日はこれで。
失礼します。
頼みますよ。
ん?裏帳簿どこへ隠したっけ?裏帳簿…。
なんのお話でしょうか?会長。
ああ沢口さん。
はい!あんたのそのそばかす取ってやるよ。
あっ…いいえ…。
いやいやあんたの場合そのそばかすを取って唇をふっくらさせるとねう〜ん…まあまあの美人になるな。
あの…私今のままで満足しておりますから…。
遠慮せんでいいんだよ。
タダでやってあげるから。
さあいらっしゃい。
あっ会長様…。

(暁子)会長の好みなのよ沢口さん。
あの人ケチだからタダでそばかすを取ってあげるなんて絶対言わないもの。
沢口さん困っちゃって…。
でも朱実様が私の彼がそばかすを好きなんだっていう作り話をしてくださったんで助かりました。
(笑い声)
(蘭子の笑い声)
(蘭子)銀座金兵衛のお寿司美味しかった。
(暁子)いらっしゃいませ。
(蘭子)やっだ〜朱実ちゃん。
差し押さえ食らったのにこんなところでのんびりしてる。
すっごーい。
ウフフフ!銀座金兵衛のお寿司くらいでキャーキャー騒いじゃってどっかのキャバクラ女みたい。
何よ!?上原会長の隠し子だなんて大嘘ついてどっちがキャバクラよ!何すんだよ!?
(暁子)やめなさい!あんたが言ったんでしょ!何すんだよ…!?よし面白い!やらせろやらせろ!ほらやれやれ!やれやれ!やれやれ!ほらやれやれ!おいふんぞり女相撲に100万賭けよう。
どうだ?安い賭けはやらん。
謝んなさいよ!やらせろやらせろ!やれやれやれやれ…!しぇからしいー…!
(高橋)横田税務事務所の横田所長に会いましたが二重帳簿などは絶対にないはずだがもしそんな事があったら会長の実刑は免れないと心配していました。
ハハハハ…どこだって二重帳簿はある。
私だってそうしている。
税金を正直に払ってたらな金なんか残らんよ。
冗談じゃない。
私はあんたとは違う。
公明正大にやってるよ。
先生人聞きの悪い事を言うんじゃないよ。
ったく…。
申し訳ありません。
私…辞めさせて頂きます。
失礼。
(笑い声)おい弁護士逃げちゃったぞ。
あんな無能な弁護士はいらん。
おい運転手に連絡。
はいかしこまりました。
帰るのか?ああ。
景気の悪いビル会社の社長と一緒にいると貧乏菌が飛んでくるんでね。
どっちがだ。
そのうちな脱税と手術ミスでガタガタになるぞ。
何?見ててみろ。
上原美容クリニックガタガタだ!まあまあまあ両社長…ねえ。
婚約発表はいつになります?うん明日判決が出る。
その時にはっきりと朱実はわしの娘ではないとわかったら盛大に婚約披露パーティーをやる。
先生出てね。
今日は初夜ですか?ん?フフフフ…。
アイタタタタ…。
もう!嫌だ!いずれ上原グループの女帝か…。
ええ。
会長はあと10年も生きないでしょうしね。
あっ…。
沢口さん。
はい。
乗ってください。
はい。
あの〜…。
帰っていいぞ。
ちょっ…えっ!?あっ!うわーっ!ちょっとすいません。
すいません…。
私今日すっごく眠たいの。
家に帰って。
熱海行くんだぞ。
別荘だよ。
えっと…。
じゃあ降りる。
はい沢口さん降りるわよ。
でもあの…あの…。
よいしょ。
ちょっ…あーっ!おい!怒ってらっしゃいますよきっと。
クソジジイ。
なぜ母は私に父親は上原秀光だなんて言ったんだろう。
きっと私の父親はくだらない男だったんだわ。
何一ついいところのない遊び人で…。
だからお店に来ていた上原会長を私の父親だなんて嘘ついたのよ。
信じなければよかった。
信じなければ会いたいだなんて思わなかったもの。
フフフ…嘘だって顔してる。
元々それが狙いなんだろうって顔してる。
いいえそんな事は…。
でも嫌だな。
なんであんな事しなくちゃいけないの?いいの?いいって…何がですか?セックス!フフフ…沢口さん好き?大好きでございます。
本当?
(笑い声)嘘でございます。
私は大嫌いでございます。
本当?快楽というものに浸れる相手をずーっと探してるのでございますけど男なんて最低でございますから。
嫌だ沢口さん母と同じ事言ってる。
素敵な彼を探したほうがよろしいのでは?会長と別れて?はい。
そうねぇ…。
そうしよっかな〜。
その気は全くない
私は朱実様にあだ名をつけた
女王蜂
あだ名をつけた途端に翌朝蜂が来た
私は女王蜂と同じベッドに寝た
清潔な匂いのする女王蜂の寝顔はかわいらしかった
(ノック)はい。
何してるんですか!会長のお食事の役目はあなたでしょう!?8時半にきちんとお食事を出さないとすごく怒るのよ。
はいただ今。
あら!冬だというのに大きなスズメバチ!やめて!こっちへ来ないで…。
来ないで!キャーッ!蜂蜂蜂…!ねえねえねえねえ家政婦さん。
今その辺にね週刊誌の記者とカメラマンがいたよ。
うわっいるよ…男と女が。
(雄次郎)男カメラマンだな。
カメラ持ってる。
貸せ。
自分ので見たら?見せろ!なんだよ!
(夏雄)うるさい!朱実の取材だそうだよ。
取材って…なんの取材なんですか?山尾さん。
(山尾)上原グループの怪しき女帝候補だってさ。
女帝ってなんなの?会長が…結婚するっていう噂があるんだそうだよ。
(夏雄の笑い声)
(夏雄と雄次郎の笑い声)
(一同の笑い声)
(笑い声)
(一同の笑い声)
(ヒロミ)ねえねえ!フェイスリフト!全然違うでしょ?うん…若返った。
きれい。
やってもらおうかな〜。
上原美容クリニックなら少しは安くなるかしらねぇ。
知らない。
冷たいんだから…。
自分がきれいだと思って。
顔を整形するよりヒロミは心の整形してもらったほうがいいんじゃない?あっ意地悪!傷つく〜!ねえシズちゃんっていつ手術なの?それがさ…手術するより若返りの整形したいって。
まあ手術しても3年ももたないからね…。
それよりきれいになりたいのって。
ふ〜ん…女ってかわいそう。
死ぬまで顔の事言ってるのね。
(携帯電話)ああ…はいはい。
ありがとう。
はい沢口でございます。
「朱実です」「裁判で私が上原会長の娘ではないと判決が下りました」DNA鑑定の結果中村朱実は上原秀光の子だという整合性は認められない。
(2人の笑い声)
(笑い声)「会長が上原グループのトップたちを集めて何か話をするとおっしゃってます」「フフフフ…どんなお話かは知りませんけれど沢口さん私を守ってくださいね」
(通話の切れる音)笑ってる…。
ん?何が?会長私の契約ってどうなってましたっけ?住み込みでひと月200万!すっごいよねぇ。
それ普通の料金に戻しといて。
えっ?普通の料金って…。
(牧子)ちょっと!ちょっと!ねえ200万いらないって事!?いらない。
ちょっと危険この仕事。
いやいやうちは…家政婦協会はいるわよね?
上原グループのトップたちが呼ばれた
(山尾)皆さんこんにちは!
(一同)こんにちは!えー突然の招集で皆さん一体何事かと思ってる人も多いと思う。
実は私も何事かと思っています。
近頃は美容整形のミスで騒がれて訴えられたり国税から脱税容疑で差し押さえを受けたりと全くいい事がない!そんな事はない!今日裁判で会長の隠し子問題に公平な判決が下りた事は上原グループの一人一人の不安を払拭したものだ!そのとおり!会長をたぶらかす銀座の女狐を追放しろ!異議なし!追放だ!追放!総会屋を仕込んであるのか。
テレビと週刊誌もいる。
常務は説明責任を果たせ!
(山尾)静粛…静粛に!中村朱実というインチキな女を追放しろ!
(山尾)黙れ貴様!会長を愚弄する気か!上原秀光と言えば戦後日本の美容整形の礎を作った美のカリスマだ!「心美しき者でなければ姿美しくする事叶わず」とおっしゃり山奥にこもり滝に打たれ念仏を唱えて修行をなさった大人物だ…!会長を信じていないのか?信じていないのかーっ!
(一同)信じてます!
(山尾)信じていないのか!新興宗教みたいですね。
(山尾)ありがとう。
ありがとう。
それを聞いてわたくしも本当に安心を致しました。
さて今日は会長は一体どんなお話をなさってくださるのか。
謹んで皆様方と一緒に拝聴を致しましょう。
上原会長どうぞ!
(拍手)え〜本日親子関係不存在確認の判決が下りました。
DNA鑑定の結果中村朱実は私の娘ではない事が判明しました。
よって私は中村朱実と再婚する事を決めました。
(ざわめき)私は…独りぼっちです。
孤独なんです。
誰一人として私の事を愛してくれる者はおりません。
いや…一人だけおりました。
「愛しながらも…」
(北村)おめでとう。
おめでとうございます。
「運命に敗けて」「別れたけれど心はひとつ」『君は心の妻だから』。
この歌をよく歌い泣いて私と別れた京都の女性。
その娘である朱実を私は自分の娘として世話をし嫁がせようと思っていたのです。
ところがその事を快く思わぬ…馬鹿者たちが朱実は私の娘ではないと訴えたのです。
彼女は泣いて家を出ると言いましたよ。
私は止めました。
なぜか?それは朱実の事を愛してしまったからです。
昔捨てた朱実の母親である京都の女性の面影が日ごとに…私のこの胸に広がっていくのです。
それを振り払おう振り払おうと思えば思うほど朱実の事が愛おしく思えてならないのです。
皆さんこんな私は間違っているのでしょうか?
(拍手)ありがとう!ありがとう。
大切な皆さんの応援の拍手を頂いて安心致しました。
ハハハ…。
朱実出ておいで。
はい上がりなさい。
お前と私の婚約を皆さんが拍手で祝ってくれましたよ拍手で。
ハハハ…。
(拍手)ありがとうございます。
うん…どうやら反対らしいな。
わかった。
この2人…本日付で解任。
おお…会長様…お坊ちゃまそれはそれはいけません。
山尾常務本日付で解任。
えっ?え〜3人が抜けたあとの新人事は追って発表します。
以上。

(演奏)
(山下)ちょっと。
え?ああーっ!
(山尾)おい家政婦。
はい。
こう見えても先代の頃から裏社会のワルどもと渡り合ってきた男だ。
品のいいおじいちゃんなんだと思うんじゃないよ。
はい。
あっあの〜。
腕にあざがつきましたので後ほど家政婦協会の弁護士のほうから傷害事件として告訴させて頂きます。
傷害!?フフ…悪いな悪いなぁ。
おっとあっ…!私に何かご用ですか?朱実とどういう関係なんだ?ん?関係…?ただの家政婦でございます。
嘘をつくな!朱実の恋人でしょう?一緒に寝てるって聞いたわよ。
あ〜いやらしい!あなたちょっと黙ってらっしゃい。
イライラする。
(恵子)ああーっ!!どうして主人がエステサロンの社長をクビにならなくちゃいけないのよ。
元々は夏雄さんと山尾さんが朱実の裁判を起こしたからじゃないですか。
あなた方がクビになるのはわかるけど。
うるさいわね。
さっさと出てって。
はい。
失礼致し…。
ちょっ…!ちょいちょい!キャーッ!セクシャルハラスメントでございます!
(夏雄)何を言ってるんだ!この女は本当にたちの悪い女だな!お前朱実と共謀して上原家乗っ取ろうとしてるんだろう。
そうだろう?答えろ!おい!これから先どういうふうにしようと思ってるんだ!お父さん…!お坊ちゃま。
山尾お前まだここにいたのか。
え?さっさと出ていきなさい。
山下どこでもいい。
どこかホテルへ送ってやれ。
はい。
あの〜会長様。
朱実様のお部屋の外に多分…スズメバチの巣がございます。
危険ですのでどなたかに取って頂いたほうが…。
ああそれはいかん。
朱実ちゃんが刺されでもしたら大変だもんね。
フフフ…。
はい。
皆さんで取ってください。
今まで随分私をチクチク刺してくださいましたのでその償いをしてください。
《女王蜂…》
夜9時過ぎ…
おい。
これ積んどけ。
山尾常務が追放された
わたくしはこれから先…一体どう…。
ええっ?おい!えっ…!何?ちょっと…山下君!なんでしょうか?きれいな横顔ですね。
どうしてこの顔を隠すんですか?嫌いなんです。
嫌い?不幸になったんですこの顔で。
男がいると疑われて夫に捨てられました。
捨てられたんですか?信じられない。
捨てたほうは普通の平凡な顔の女性と結婚して幸せに暮らしてます。
そうですか。
でも隠さなくたって…。
素顔のままで暮らして収入のあるお金持ちの男の人を自分の思うとおりに動かして楽しくこの世を生きていったほうがいいんじゃないでしょうか。
(ため息)そうですね。
そうしなさいよ。
ね?沢口さんも少し強くなって悪くなって幸せにならなくちゃ駄目なのよ。
イタッ!しぇからしい〜!ちょっと痛いよ〜!知ったような口を利いてこの子は!こら!何するんだよ!ウフフフ…!
(ノック)
(ノック)朱実様。
会長…!会長!あっ…。
フフフフ…。
「ティ〜ントゥリントゥリン…」ザンッ!「ドゥルドゥ〜ンドゥンドゥンドゥドゥドゥ〜ン」「ドゥルットゥルル〜」「ルットゥントゥルドゥルドゥ〜」「ドゥンドゥンドゥ〜ン」ゴー!もわっ!よっ!いったいし〜!いったいし〜ってどの辺りがでしょうか?ああーっ!あっ…失礼しました。
どちら様でしょうか?お部屋をお間違えなのではございませんか?はっいや…ああどうやらそのようで…。
大変失礼を致しました。
はぁ…女神様のような…。
まあとにかく失礼を致しました。
ご無礼を致しました。
部屋を間違えた…?
(ため息)え〜?はぁ…びっくりした。
危なかった…。
朱実様?あれ…?あれはなんだったんだろう。
うーん…。
どうぞ。
ん。
婚約のお祝いに朱実さんにもらって頂こうと思いましたの。
これ国税に差し押さえられたんじゃないのか?いいえ別のものでございます。
ふ〜ん。
税金も払わずにこんなものばかり買いおって。
会長朱実さんは?うるさい。
婚約した翌朝に朝食を一緒にしないんですか?あいつは何をやっとるんだ!まだ寝とるのか?はい。
昨夜お出かけになったままでございます。
出かけたまんまだと?はい。
うーん…。
「上原グループの会長である上原秀光氏から婚約の発表がありました」「お相手は中村朱実さん。
京都出身でまだ二十歳の美女」「上原グループの若き女帝誕生…」
(雄次郎)どっか消えちゃったぞ。
(夏雄)もうずっと帰ってこないでほしいよ。
失踪したまま消えてくれないかなぁ。
警察に!君はクビだ。
朱実がいなくなったんだ。
出ていってくれ。
警察には…?あと数日待って帰ってこなければ失踪したと届けますよ。
帰りなさい。
かしこまりました。
《殺られた…》《朱実さんはもう死んでいるかも…》ええ。
解雇になりました。
そう…。
それ警察行ったほうがいいわね。
大富豪と婚約した途端に失踪だなんておかしいわよ。
まあ雇い主がいなくなったんだから突然の契約解除も仕方がないわね。
(夏雄)父さんの愛に悪魔が負けたんじゃないでしょうか。
(美智子)そうよ。
だまそうと思ったけどお義父様があまりにも純粋で自分が恥ずかしくなってしまって逃げ出したのよ。
失礼致します。
何?あなた。
ごあいさつに…。
家政婦がいちいちあいさつなんかしなくたっていいの。
会長様にお渡しするものがございまして。
朱実様の携帯でございます。
ほう…そうか。
あんたは?家政婦の沢口でございます。
ああああそうだった。
ショックでちょっと頭がぼんやりしてね…。
おかしいなぁ。
何がおかしいの?あのなこの家には女神がいるぞ。
(美智子)女神?わしはその女神を一度見た。
神々しいばかりの美女だったよ。
おい!寝ぼけてたわけじゃないからな。
本当に見たんだからな。
うん。
今度家中を探しましょう。
もういいよ。
では失礼致します。
ちょっと待って。
これ持っていきなさい。
あ…!いいえ!
(美智子)お義父様それは私が朱実さんに…。
この人は私に親切にしてくれた。
パンにバターを塗り蜂蜜を塗りとってもよくしてくれた。
わしは嬉しかった。
あげるよ。
持っていきなさい。
では。
かわいい子だったなぁ。
幸せにしてやろうと思ったのに…。
(携帯電話の振動音)おっ!触ってたら鳴ったぞ。
あ…。
もしもし。
(ボイスチェンジャー)「沢口さんか?」え…?あなたはどなた?
(美智子)沢口さん!
(美智子)駄目駄目駄目駄目!どうしました?あ…あの人が一人…いなくなってしまって…。
帰りましょう!帰る?あああ!これならお返ししますから!違う…違うの!えーっ!?人がいなくなったってなんですか?あ…いえいえなんでもないなんでもないです!どうも!誘拐って…電話をしてきたのは誰なんですか?男か女かよくわからないの。
変な声だったのよ。
私が朱実様の携帯を持っていると思ったんですね。
ええ。
「沢口さんか?」って言ってたわ。
(ボイスチェンジャー)「中村朱実を誘拐した」「上原に現金で3億円用意しろと言え」「警察に言うな」「朱実が無事に帰れなくなる」「明日の午前4時にまた電話する」「いいか?現金3億円だぞ」「続き番号ではない一万円札だ」「脱税した金があるはずだ」この携帯はあなたが持ってると思ってるのよ朱実さんは。
ええ。
私以外の人ですと警察に連絡をすると思ったんでしょう。
殺されますからね。
どうします?犯人の要求を聞きますか?3億円か…。
ええ。
犯人は脱税した金があるはずだと…。
馬鹿な。
ないんですか?こいつに裏帳簿を見せてやったらいい。
いいえ。
いくら夫婦でもそんな不正は出来ません。
そんな事したらすぐクビにするくせに。
ハハハハ…。
犯人の奴わしが朱実のためなら3億の金を出すと思ったんだろう。
大馬鹿者めが。
上原秀光をなめるなよ。
警察へ通報なさるんでしょうか?当たり前だ。
でも…!朱実様が殺されてしまったらどうするんですか?大丈夫日本の警察は優秀なんだ。
電話をしますか。
うん。
仕方ないだろう。
そうですね警察に任せたほうがいいでしょうね。
放っておくとかえって危険ですから。
おい!何をするんだ!私は朱実様の家政婦でございます。
もし警察に電話をされますと朱実様の身に危険が及ぶ恐れがございますので契約に従いましてその事を止めさせて頂きたいと思います!あーっ!もし110番なさいましたら明日国税へ参ります!国税?何をしに行くんだ?裏帳簿がある事を告発させて頂きます!それは守秘義務違反じゃないか!はい!さようでございます!勤め先の秘密を漏らす事は最大のタブーじゃないんですか?ええそのとおりでございます!でも警察へ通報されますと朱実様の命に関わりますから…!!裏帳簿なんてものはないしそんな話を君の前でした事もない。
その事は脅迫にならないよ。
待て。
少し考えよう。
しかし現金がないんじゃ考えても仕方ないでしょう。
金ならどうにでもなる。
沢口さん…腹減った。
はい。
かしこまりました。
《雨が降り始めた》《朱実さんは今どこにいるのだろう…》《冷たい雨に打たれて震えているのかもしれない…》《かわいそうに…》うん…うまい!ありがとうございます。
こういう固くてしっかりとしたおむすびを食べると身の不徳を恥じるね。
だらしない男ですみません!と言いたくなる。
うん。
あっうま…。
資本主義というのはね唯一お金を神として崇める宗教みたいなもんだと言った人がいる。
そのとおりだ。
私はずっと金のみを信じてきた。
だがあんたを見てるとどうもその考え方は間違ってるんじゃないかと思えるようになってきてね。
しかし…不思議だなぁ。
なんでしょうか…?もう一人別の女性の顔が見える。
神々しい女神のような顔をした女性だ。
これは幻か…幻覚かねぇ。
もう…おわかりになってらっしゃるんですね。
私が…顔を変えている事を…。
ご覧になりたいですか?そりゃあ…。
裸になるのと一緒でございますから。
わかりますよ。
女性が他人に素顔をさらけ出すのはそりゃ大変な事ですから。
恥ずかしいです。
恥ずかしいでしょう。
悲しいです。
ええ悲しいでしょう。
ほう…。
こりゃあ気の毒だ。
かわいそうだ。
神様からこんなにたくさんの美の恩寵をもらっては…。
沢口さん…苦労しましたね。
男に疑われストーカーされ…DVにも…遭ったんじゃありませんか?よくおわかりですね。
さすが…美のカリスマでございます。
見せてくれてありがとう。
感動しました。
朱実様を…見捨てないで頂きたいのでございます。
貧しい家政婦でございますから朱実様への思いをお金や贈り物で表す事は出来ません。
体を差し出せと言われてもそんな事は出来ません。
ですから…顔を見せろというお言葉に従いました。
恥ずかしく…悲しい気持ちでいっぱいでございます。
ああママ?
(暁子)上原会長よ。
ん?何か?今朱実とベッドの中だなんて言うつもりか?何?金…?いくら?3億だ。
続き番号ではなくバラの一万円札で貸してほしい。
担保は?わしだ。
太ったカエルみたいなふんぞり返った高血圧の朱実の上で腹上死しそうな奴を担保にしろって言うのか?うるさい!貧乏神。
うるさい!ふんぞりカエル!クソッ…!
(チャイム)
(平木刑事)夜分にすいません。
文京警察署の平木と申しますが…朱実さんいらっしゃいますか?朱実様でございますか?今日は外出しております。
(平木)「外出?どちらに外出ですか?」はい…。
お友達と遊びに行くとおっしゃってどこに行くかは…聞いておりませんが。
はい…。
(姿刑事)家政婦さんですか?ひゃっ!はい。
あ…。
(姿)刑事ですが。
あ…ご苦労さまです。
(姿)あの〜朱実さん誘拐されたんじゃないんですか?え…?いいえ!お友達と一緒に出かけるとおっしゃって…。
(姿)本当ですか?もし誘拐なら正直に言ってくれないともしもの事があったら大変ですよ。
ちょっと…はい。
(携帯電話の振動音)あ…。
(携帯電話の振動音)はい。
「沢口さん?」はい…。
「警察は?」いません。
「私…捕まってるの」「場所はわからないわ」「暗い部屋…」「手錠と足を縛られてます」
(ボイスチェンジャー)「3億円を持って鎌倉プリンスホテル305号室に来い」「12時にお昼の12時ジャストに」「来なければ朱実を殺す」「お前が来い。
一人で来い。
わかったな」わかりました…。
家政婦さん。
朱実様からです。
明日にはお帰りになるそうです。
(笑い声)
(姿)そうですか。
そりゃあよかったです。
はい。
では失礼致します。
どうもお世話かけました。
いえいえ…。
警察は?誘拐されたと思っています。
今朱実様と犯人から電話がありました。
朱実から?ええ。
暗い部屋にいる縛られているとおっしゃっていました。
うん。
それで犯人はなんと言ってたんだ?現金3億円を私が持って鎌倉プリンスホテルの305号室に12時ジャストに来いと。
でも私は行けませんのでどなたかに行って頂かないと。
嫌よ…。
君は行けないのか?はい。
家政婦協会の規約がございまして犯罪に関する事には協力してはならないという事になっておりまして…。
しかし犯人は君を指名してきたんだろう?そうですが…何か?な…何かってなんだよ。
皆様は朱実様の事を何も心配…。
いいえ…心の中では犯人に危害を加えられてしまえばいいと悪魔のように思っていらっしゃるのにどうしてわたくし一人だけ危険な事をしなければならないのでしょうか?わたくし…帰らさせて頂きます!
(美智子)沢口さん!帰ります!困る!
(美智子)困るわ〜。
私たちだけでは駄目なんですから。
(恵子)そうです。
お願いだから行かないで。
朱実さんが戻ったらデパートへ一緒に行きましょう。
ルブタンのブーツあなたすごく似合うわよ〜。
カッカカッカ音をさせてさっそうと歩いたらすごく素敵よ。
裏が…赤いブーツですか?ええプレゼントするわよ。
もうとっくに予約してあります。
失礼致します。
(夏雄)ちょっと待ってよ!3億円どうします?友人に借りようと思ったが都合がつかなかった。
脱税した現金があるでしょう。
そんなものはない。
しかしなければ朱実は殺されますよ。
お前が朱実を心配するのか?朱実じゃない。
会社ですよ会社!もし朱実が誘拐されて殺されたと世間が知ったら上原美容クリニックで誰が整形を受けますか。
(夏雄)誰がエステに…いや誰が結婚式をウエハラブライダルで挙げますか。
株はガタ落ちする…。
大丈夫ですかあんた!うるさい!金なんぞない。
脱税もしてない。
フッ。
あいつらの口から朱実を心配する言葉はついに聞けなかったな。
はい残念でございました…。
わしが隠した金の事ばっかりだ。
3億…。
沢口さんあんたにあげるよ。
税金で持っていかれるくらいなら刑務所に入ったほうがまだマシだとそう思って隠してきたんだがね…。
朱実を見放さないでと素顔まで見せたあんたの愛に負けたよ。
嬉しいです。
(山下)おはよう。
ねえねえねえねえ…。
おはようございます。
さっき刑事に「君朱実さんがいないけど誘拐されたんじゃないか?」って言われたよ。
まだどこかに?あっ!
(山下)会長お持ちします。
触るな。
じゃあ頼みましたよ。
かしこまりました。
あっ!勝手に乗るな家政婦のくせに。
うるさい。
わしの代理だ。
はっ!かしこまりました。
う〜…。
あ〜はい閉めますよ。
ゴルフバッグに3億円ですか。
あと何億隠してるんです?イテッ!出て行け。
馬鹿者が。
つけられてる。
えっ!会長様お許しください!
(山下)山尾常務だよ。
会長はご自宅です。
えっ自宅?ええご自宅です。
ちょっと会長の用事で急いでいますから。
会わせてくれ。
山尾さん何する…。
あんたさ会長に気に入られてるんだからさ。
駄目です急いでますから…。
会わせてくれって!12時ですよね?ええ。
ちょっと降りて…降りてください!この歳でクビになったらこれから先どうやって生きていけばいいんだよ!なあ〜頼む!頼む!頼むから…。
くさい!こっちは生きるか死ぬかなんだ!12時でしたね?いいから出せ!早く出せ!あっ!パトカーだ。
えっ?スピード違反だ。
山下お前クビだ!クビ!あんたにクビって言われる事はないよ。
この俺がクビになったと思って…。
この!この!この!何すんだよ山尾…。
しぇからしかぁ!
(姿)おい!彼女何をしに来たの?知りません。
なんか会長の用とかなんとか言ってたかな…。
会長様の用件じゃ!邪魔だちするな〜!あっ!ああ〜…。

(チャイム)警察は?犯人は?どこかにいると思うわ。
沢口さん美人に戻って。
洋服はクローゼットの中。
靴もね。
ロビーでお茶飲んでて。
えっ?私の携帯。
はい。
あっ…。
はい。
何?一体どういう事?クソ〜!どっかにいるはずなんだよ!クソ〜!
(チャイム)は〜い。
失礼…しました。
ゴルフバッグの中に身代金が入ってたんじゃないですか?いえ。
私なんにも知りませんので。
ヘッ。
馬鹿な。
会長が女のために金なんか出すはずがない。
(平木)モデルさんかな?
(山下)僕ああいう人乗せたいな。
しかしあの家政婦さんはどこに行ったんだろう?そうですね。
(携帯電話の振動音)はい。
「裏の料亭の若葉にいます」かしこまりました。
こちらでございます。
(携帯電話の振動音)よくわからないんですけど…。
「ありがとう沢口さん」「ありがとう」じゃなくて「ごめんなさい」じゃないんですか?
(ボイスチェンジャー)「ごめんなさい沢口さん」「怒らないで」だましたのね…。
こんなに心配した私を…だましたのね。
1億円…1億円あげるわ!うるさい!ほら!最初から私をだますつもりで家政婦に誘ったのね。
ごめんなさい…。
なんて馬鹿なの私…。
あ〜苦しい。
心臓がハァハァする…。
大丈夫ですか?触らないで!大きな胸…すごい。
うるさい!ああ…気が遠くなる…。
悔しい…。
本当悔しい…。
家政婦なんて大した仕事じゃないと思ってるんでしょう?でも私たちは人の幸せのために一生懸命やってるんです!それをこんな事のために神聖な仕事を汚されて…ひどい…ひどいわ…。
でもこのお金は上原が脱税して貯めたお金でしょ?悪いお金なんですよ。
私は自分の仕事の事を言ってるんです。
汚したくない自分の大事な仕事の事を言ってるんです!でも私1億円沢口さんに渡しますけど。
お金じゃない!お金じゃない!お金じゃない!お金じゃない…。
男に捨てられてぼうぜんとして何も出来ない女なんだって身にしみて…。
やっと見つけた仕事なんです。
大切にしてるのよ…。
本当に大切に…ピュアにピュアに…。
心を汚さずにこの家政婦っていう仕事をいつまでも続けたいって思ってるのに…。
あなたのその黒い夢に上手に利用されるなんてああ悔しい…。
悲しい…。
死にたい!ごめんなさい沢口さん!ごめんなさいごめんなさい…。
純粋な沢口さんの心を踏みにじってごめんなさい…。
知らない!大っ嫌い!ごめんなさい…。
あんたなんて…!ああ…警察に行きたい!でも言えない。
私…。
あんたの家政婦だから。
(山下)家政婦さん!ごめんなさいちょっと朱実様とお話をしておりましたから。
朱実さんと?あっはい。
無事だったの?はいもうすぐ帰ってきますから。
あっ!警察来てるよ。
(姿)ちょっと!君ホテルに入ってから姿が見えなくなった。
ゴルフバッグを持って何をしにあそこに行ったんだ?お答え出来ません。
守秘義務がございます。
いくら守秘義務があるとしても誘拐事件という事ならしゃべってもらわなくてはいけない。
存じません。
3億円をゴルフバッグに入れてそれを身代金としてあのホテルに運び犯人に渡した。
そうじゃないの?申し訳ございません。
守秘義務でございます。
クソ!沢口さんコーヒーいれてくれますか?申し訳ございません。
先ほど朱実様に辞めると申し上げましたので。
朱実?朱実に会ったのか?はい。
間もなくお戻りになられます。
ゴルフバッグは…渡したのか?…はい。
そうか渡したのか…。
ちくしょう…クソ!もういいんじゃないんですか?誘拐なんてデマですから。
いや。
朱実さんにぜひ!お目にかかりたいですねぇ。
(平木)そうです。
朱実さんに話を聞いてみたいですから。
(つばを飲む音)あっし…失礼。
お坊ちゃまク…クビだけは…。
(山下)失礼します!朱実さんがお戻りになりました。
ただいま。
おい…!おい!何するんだ。
(姿)あ…あれ?なあに?失礼しました…。
なんですか?お金が入ってると思ったの?あ…そっか!脱税したお金が入っているって誤解したのねパパ。
うー…。
パパが国税ににらまれているからなのね。
脱税したお金をどこかに隠してるって思われてるのね。
でも…国税の方?いや警察です。
警察?税金は国税じゃないの?あなたが誘拐されたらしいって通報があったんですよ。
誘拐?フ…フフ…フフフ…。
アハハハハ!あ〜馬鹿みたい。
あ〜あお腹すいた。
打ちっ放しでいっぱい打っちゃったわ。
どうしたの?どうしたの?パパ。
私と沢口さんをキョロキョロ見て。
うん…その中にな…。
この中に?なあに?うんゴルフクラブと一緒に小遣いをな…いや大した額じゃないんだが小遣いを入れといたんだが…。
知らない。
なかったわよ。
(姿)お邪魔しました。
誘拐されたが身代金は上原が脱税した3億って事か。
だから言えねえのか家政婦さん。
さあ存じません。
なるほどね。
3億円はあなたが持ってるの?私じゃないわ犯人よ。
犯人…犯人って誰よ?男の人よ。
でも知らない人だったわ。
警察に言おうとか思ったけどもし脱税したお金だったらパパが大変だと思ったわ。
実刑になって刑務所に入らなくちゃいけないでしょ。
だから証言しなかったの。
それとも本当の事を言う?言ったほうがいいかしら…。
そうねやっぱり警察に行こう。
よせ。
でもこのままだと3億円は戻ってこないわよ。
どう思います?皆さんの意見を聞きたいわ。
いや…。
いやぁ…。
父を…刑務所は駄目だよ。
それに企業イメージが…。
お坊ちゃま3億なんて大した事は…。
うまくやったものね悪魔!3億円をまんまと手に入れて犯人は男?どんな男?どこにいるのよそんな男。
いくつぐらい?顔は?背は高いの?低いの?警察に電話をする。
あなたが裏帳簿を作って脱税したお金を誘拐犯にとられたって。
ちょっと…。
ちょ…電話する!離して!やめてくれやめてくれ!言いすぎた!言いすぎたわごめんなさい。
わたくし失礼させて頂きます。
わたくしは家政婦でございますからこの家の事は何一つ口外致しません。
いえ口外出来ません。
不自由な仕事でございます。
それが家政婦の掟でございます。
どうぞご安心ください。
最後に一つだけ。
あなた方は最低です!他人の整形をする前にまずあなた方の心の整形をなさるべきだと…生意気ながらそう思います。
それでは皆様失礼致します。
沢口さん!ありがとう。
さようなら。
また来てくれるよね?いいえ。
誰もトーストにバターを塗ってくれないんだよ。
わしのそばにいてくれ。
なんでもしてやるからさ。
愛人になってここで暮らしなさい。
あんたは絶対にしゃべる。
この家の事をですか?いいえ。
あんたの素顔は世の中の不正悪を決して許さん顔だ。
怒っている。
激しい火のようにな。
何万人もの女の顔を見てきた私だよ。
顔を見れば全てがわかる。
あんた火のような女だ。
汚れたもの邪悪なものを焼き尽くすそういう業を背負ってる。
それで不幸になった。
だからそういうメーキャップで自分の本性を隠してきたんだ。
隠さないとこの世の中と折り合っていけんからな。
平凡な女のフリをして生きていかねばならんからだ。
だがもう隠す必要はない。
わしの女になれ。
こっちへ来い。
ベッドに入るんだ。
それともどっかに埋めてやろうか?あー!痛いじゃないか…痛いだろう。
顔が腫れたらどうするんだ!あああー!イヤーッ!うわっ…イテッイテテ…。
整形してやる!こんにちは。
どうしました?かわいい。
本当?ん〜でもやっぱり裏が赤い靴がいいわよね。
よくお似合いですよ。
(携帯電話)あっ!
(携帯電話)はい沢口です。
(牧子)「大変よ!500万振り込んできた」500万?中村朱実さんが?
(牧子)そう。
いくらなんでもさこれは困るからね電話してみたのよ。
そしたら心ばかりの感謝のしるしですって。
なんの感謝なの?「口止め料でしょう」「沢口さんあなたピュアな仕事してくれてますよね」あの…お靴は…サイズはいかがでしょうか?ちょっと考えますごめんなさいね。
あっ警察でしょうか?誘拐事件についてお話ししたい事があるんです。
私ですか?家政婦です。
家政婦…はい。
沢口といいます。
沢口信子です。
はい…働いていた家で誘拐事件があって私はその詳細を知っています。
身代金は脱税した3億円を…。
(笑い声)守秘義務違反…きっとすごく怒られる。
しばらく仕事もない。
でもしょうがないしょうがない。
生きてくしか…家政婦が私の…私の生きる道なんだから。
ただいま。
2014/03/02(日) 21:00〜23:19
ABCテレビ1
ドラマスペシャル「家政婦は見た!」 テレビ朝日開局55周年記念[字]

米倉涼子が家政婦に!自分の美貌を憎み素顔を隠す、意地の悪い家政婦・沢口信子が、セレブ家庭の秘部をのぞき見!隠し子、脱税、そして誘拐!?家庭を崩壊へと導く…!

詳細情報
◇番組内容
家庭の闇を覗いては楽しむ家政婦・信子(米倉涼子)が、美容整形外科を経営する豪邸に派遣される。一見上品なセレブ家庭、しかしそこでは、会長(伊東四朗)の遺産相続をめぐり骨肉の争いが繰り広げられていた。ついには誘拐事件まで発生し…!?家政婦が家庭の秘密を意地悪く暴く!
◇出演者
米倉涼子、北乃きい、松下由樹、尾美としのり、北川弘美、長谷川朝晴、佐野史郎、六平直政、筒井真理子、室井滋、東ちづる、橋爪功、伊東四朗
◇脚本
竹山洋
◇演出
松田秀知
◇音楽
荻野清子
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】峰島あゆみ(テレビ朝日)、菊地裕幸(ザ・ワークス)、大垣一穂(ザ・ワークス)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/kaseifuwamita/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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