1万人を超える人が祝福しました。
200年ほど前絶海の孤島に船が漂着。
船乗りたちはそこで奇妙な鳥に出会いました。
「その鳥は人を全く恐れず食料や装備品を巧みに強奪した。
我々は『空飛ぶ悪魔』と呼んだ」。
その正体は…?ハヤブサの仲間カラカラです。
カラカラの狩りは独特。
ひたすら穴を掘ったり走り回ったりして獲物を捕らえます。
さらに人をも恐れぬ強い好奇心の持ち主。
イテテテ!大胆ないたずらで取材班を翻弄します。
今日は「空飛ぶ悪魔」カラカラ。
その謎に満ちた素顔に迫ります。
(テーマ音楽)「空飛ぶ悪魔」を求め私たちが向かったのはイギリス領フォークランド諸島。
日本から飛行機で30時間。
さらにヘリコプターで2時間の長旅です。
南米大陸の沖合およそ500km。
大小700ほどの島から成ります。
上空を一年中流れる西寄りの風偏西風の影響で島には強い風が吹き荒れています。
周りの海はいつも大荒れ。
この激しい波と風に削られ切り立った崖がどこまでも続きます。
さあ島に到着。
カラカラはこの島のどこかにいるはずです。
撮影拠点のテントを立てていると…。
あれ?どこからともなく鳥がやってきましたよ。
次第に増えていきます。
これこそが今回の主人公フォークランドカラカラです。
なんと主人公自らお出迎えです。
探している生きものが私たちに会いに来てくれるなんて「ダーウィンが来た!」の長い歴史の中でもめったにありません。
「悪魔」と言われるだけあってやはりただものではなさそう。
一体どんな鳥なのか。
早速その生活を探ってみましょう。
南半球では初夏にあたります。
断崖の岩場にカラカラの巣を見つけました。
親鳥です。
あっヒナが隠れていました。
この時期カラカラは子育ての真っ最中。
このヒナはふ化して1週間ほどでしょうか。
こうした断崖などで1〜3羽のヒナを育てます。
親鳥はヒナの食べ物を探しに出かけます。
近くの斜面には見渡すかぎりの海鳥。
夏のフォークランド諸島はペンギンやアホウドリといった海鳥たちの楽園。
海鳥の多くは子育てするため島に渡ってきます。
なだらかな丘陵地帯。
びっしりと集まっているのはジェンツーペンギンです。
フォークランドの代表的なペンギンで子育てのピークには20万羽以上にもなります。
そこへやってきたのがカラカラの親鳥です。
体の大きさは60cmほど。
一方ジェンツーペンギンはカラカラの1.5倍。
90cmほどあります。
ペンギンの群れの中をカラカラが走っていきます。
何をするつもりなんでしょう?ペンギンの親子に近づきます。
追い払われてしまいました。
カラカラの親鳥は我が子に食べさせるためペンギンのヒナを狙っているんです。
様子をうかがっています。
ヒナに近づきます。
失敗!あっ捕まえた!もう一度見てみましょう。
親鳥がヒナから目を離した瞬間回り込んでヒナに近づきます。
親が追い払おうと前進。
一瞬親がヒナに背を向けてしまいます。
相手の動きをよく観察し一瞬の隙を突いた頭脳的な狩りですね。
でも驚くのはまだまだ。
こちらは海に面した斜面。
カラカラがいます。
斜面をよく見ると穴がたくさん開いています。
実はこれ海鳥の巣穴なんです。
夜になると一斉に出てきます。
名前はクジラドリ。
敵の多い日中は地中深くに隠れている用心深い鳥です。
そして夜の間だけ巣穴を出入りするんです。
カラカラがクジラドリの巣穴をのぞき込んでいます。
歩き回って次々にのぞき込みます。
こうしてクジラドリが出すかすかな音を聞いているんです。
穴には鳥がいる穴といない穴があります。
穴の深さもまちまちです。
カラカラはできるだけ浅い所に鳥がいる穴を音で判断すると考えられています。
いきなり足で掘り始めました。
粘り強く掘り続けます。
30分ほど掘り続けて…。
捕まえたようです!お見事!地面を歩き回ったりひたすら穴を掘ったり。
派手な技はありませんがこのカラカラなかなかの名ハンターですね。
さらに全く違う一面も見えてきました。
テントの周りにたむろするカラカラ。
近づいてきて…。
なんとテントのペグを抜き始めました。
さらにもう1本。
手際よく抜いていきます。
やがて仲間も加わり抜き合い合戦に…。
テントは大きくゆがんでしまいました。
この鳥はバッグに興味があるようです。
あんな大きなもの本当に持っていくつもりなんでしょうか。
いたずらはさらにエスカレート。
こちらでは荷物をしきりに物色しています。
手袋を盗んでカラカラ同士で追いかけ合いを始めました。
見慣れないものに対して強い好奇心を持っているようです。
試しにディレクターが寝転がってみると…。
わずか数分後。
1羽やってくると次々に集まってきます。
体を起こしても逃げません。
足に乗ってみたりひっかいてみたり…。
中には手をかんでみたりするつわものもいます。
人をも恐れない強い好奇心。
そこにはどんな理由が隠されているんでしょうか?第2章では実験も駆使してカラカラの好奇心の秘密を解明!さらにカラカラ同士が大乱闘!一体何が起きたの?驚くほどの好奇心で人に近寄ってくるフォークランドカラカラ。
今から200年ほど前フォークランド諸島に漂着した船乗りたちが目撃したのも大胆で人を恐れないカラカラの姿でした。
「人を全く恐れず島のどこに上陸してもどこからともなく現れた。
大きな爪で全てを奪っていった」。
船乗りたちを怖がらせたカラカラはその後も人間と対立します。
およそ100年後。
島に人間が住むようになると牧羊を営む島民との間にあつれきが生じます。
弱ったヒツジを襲ったため目の敵にされたのです。
賞金がかけられ手当たりしだいに狩られました。
人を見ると寄ってきたため実際よりもたくさんいると誤解されますます多くのカラカラが殺されました。
現在カラカラの生息数は推定で3,000羽ほど。
絶滅が心配されています。
好奇心が災いして不幸な歴史をたどった鳥なのです。
謎の鳥カラカラの正体を探るため南米フォークランド諸島にやってきた取材班。
そこで目撃したのは人を怖がらずいたずら好きで好奇心たっぷりのカラカラの素顔でした。
そしてある意外な事実が判明。
私たちの前に集まってきたのはみんな生後1〜4年ほどの若鳥だったんです。
左が大人。
顔が黄色く全体にほっそりしているのに対し若鳥は茶色の羽毛に覆われぽっちゃりした印象です。
なぜ若鳥はこれほど好奇心が旺盛なんでしょう?その答えを求め専門家を訪ねました。
カラカラを研究して40年イアン・ストレンジさんです。
強い好奇心が食べ物探しと関係しているとはどういう事なのか。
その手がかりを撮影中に見つけました。
ある日若鳥たちはまたとないごちそうを発見。
ケンカで傷つき命を落としたガンです。
次々と集まってきます。
そこへやってきたのは大人のカラカラです。
若鳥に襲いかかり追い払おうとしています。
つがいのもう1羽もやってきました。
カラカラのケンカは鋭い爪で相手を押さえつけた方が優位に立ちます。
大人たちは経験豊富。
あっという間に若鳥たちを蹴散らしてしまいました。
(鳴き声)勝利宣言です。
ごちそうを奪われた若鳥たち。
でもここは大人たちの縄張りだったのでしかたがないんです。
食べ物となる海鳥が多い場所はほとんどが大人たちの縄張りとなっています。
若鳥たちはすぐに追い払われてしまいます。
そのため若鳥は縄張りの外で食べ物を探さなくてはなりません。
この時役立つのが強い好奇心なんです。
経験の少ない若鳥は何が食べられるのか知りません。
そこで見知らぬものは何でも食べ物と疑って調べます。
こうやって新しい食べ物を開拓するんです。
さらに食べ物探しには他の能力も役立っているといいます。
それを確かめるためストレンジさんと実験をしてみる事にしました。
用意したのは蓋付きの木の箱。
中に食べ物を入れて隠します。
若鳥たちはどうやって手に入れるのか。
隙間が残るように蓋を閉じます。
早速近づいてきました。
まずは持ち前の好奇心でチェック。
おっ!箱に飛び乗りました。
隙間に気付いたようです。
わずか1分で開けてしまいました。
今度は留め金を装着。
真上に引っ張らないと蓋は開きません。
実験再開!さあどうでしょう?留め金が気になるようです。
お見事!1分半で開け方を見つけてしまいました。
同じ鳥が再チャレンジ。
今度は迷わず開けました。
好奇心だけでなく学習能力もあるんですね。
実験ではさらに興味深い事も分かりました。
左下の若鳥にご注目。
蓋が開くのを待って…突進!自分で開けるのではなく待っている方が食べ物にありつける事に気付いたんです。
ちゃっかりしてますね。
カラカラの若鳥は仲間をも出し抜くずる賢さを兼ね備えていました。
それだけに島で食べ物を得る事は大変。
ある若鳥がクジラドリの巣穴を見つけ掘り始めました。
根気強く掘り続けるその横に…。
あららら…横取りをたくらむちゃっかり者が現れました。
巣穴を掘っていた若鳥がクジラドリを捕らえました。
急いで食べようとしますが…。
横取りされてしまいました。
しかしその直後!別の若鳥がさらに横取りをしようとアタック!まさに仁義なき戦いです。
ちょ…ちょっと待った!あっヒゲじい。
何ですか?いや奪い合ってばかりいないでつらい立場の若鳥同士みんなで分ければいいんじゃないですかね。
そうですよね。
でも若鳥たちにはそうはできない理由があるんです。
えっどういう事?夏の今フォークランドは多くの海鳥でにぎわっています。
その数なんと1,000万羽。
ひゃ〜そりゃすごい!でも冬になると海鳥のほとんどが島を離れ数はに激減。
食べ物の乏しい過酷な世界となるんです。
ほうほうほう。
95%もの若鳥が飢え死にするという調査結果もあるんですよ。
だから若鳥同士は常にライバル。
競い合って勝ったものしか島では生き残る事ができないんです。
でもそんなに厳しいなら海鳥みたいに冬は島から出ていけばいいんじゃないですかね?そうはいかないんですよ。
ここは強い西風が吹き荒れるまさに絶海の孤島。
最寄りの陸地までおよそ500kmもあります。
海鳥と違いカラカラは海に降りて休めないので渡るには遠すぎるんです。
あ〜そうか。
つまりこの島で生きていくしかないって訳だ。
あの強い好奇心や賢さは厳しい環境で命カラカラ生きている証しという訳ですな!危ない!若鳥たちに新たなライバルが出現!第3章では冬を前に懸命に生きる若鳥たちを見つめます。
突然ですがここで「ダーウィンNEWS」です。
愛知県にある名古屋大学。
こちらの学生さん何かを一生懸命探しています。
えっミミズ!?わっすっご〜い!本当に光っていますよ。
正体はホタルミミズ。
ホタルのように光る珍しいミミズなんです。
最初に発見されてから80年で発見例はわずか30件程度。
名古屋大学では2011年に初めて見つかりニュースになりました。
ところが発見者の大場裕一先生はその後キャンパスの10か所以上でホタルミミズを見つけています。
どうして突然こんなに見つかり始めたんでしょう?先生によるとホタルミミズは意外にも全国の身近な場所にいるといいます。
見つけるコツはこれ!地表に出たミミズのフンの塊です。
冬場に見つかるものはホタルミミズの可能性が高いんです。
塊の下を少し掘りミミズを見つけたら暗い場所でつついてみます。
光ったら間違いありません。
ホタルミミズはお尻に刺激を与えると光る粘液を出します。
でもその理由はまだよく分かっていません。
暗い土の中で光る事でモグラなどの敵から身を守っているという説が現在有力です。
見つけやすいのは他のミミズが活発に動きだす前の4月まで。
皆さんも探してみてはいかがですか?再びカラカラが住むフォークランド諸島です。
少ない食べ物を求め必死に生きる若鳥たちはどうしているでしょうか。
1羽の若鳥がペンギンの群れの中をうろついていました。
ヒナを狙っているんでしょうか。
あっ飛び込んだ!でもすぐ追い払われてしまいました。
ペンギンのヒナもだいぶ大きくなっています。
経験不足の若鳥にはもはや手を出す事のできない相手です。
結局何もする事ができないまま追い払われてしまいました。
新たなライバルも現れました。
ある若鳥がクジラドリを捕らえるといつもの奪い合いが始まります。
横取りした若鳥が飛び立ちました。
そこへやってきたのがオオトウゾクカモメです。
その名のとおり横取りのエキスパート。
カラカラを執ように追い回します。
その時意外な事が起こりました。
別の若鳥がオオトウゾクカモメを追いかけ始めたのです。
仲間を助けようとしているのでしょうか?カラカラたちの反撃を受けるオオトウゾクカモメ。
とうとう横取りするのを諦め逃げていきました。
でもライバルがいなくなると若鳥たちは奪い合いを再開。
生き残るための競争を続けます。
海鳥たちの子育てが終わるとフォークランドは冬に一歩近づきます。
海岸を歩く若鳥を見つけました。
その先にいたのはミヤコドリ。
貝を食べるのが得意な鳥です。
おいしそうに貝を食べるミヤコドリ。
若鳥も貝を探し始めました。
貝が開けられずてこずっています。
でもきっと開け方を覚え厳しい冬の間の食料として役立てる事でしょう。
強い好奇心を武器に過酷な環境を生き抜いてきたフォークランドカラカラ。
絶海の孤島でこれからも強くたくましく生き続けていくに違いありません。
(信長)そちに取らせる。
2014/03/02(日) 19:32〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「南米フォークランド 悪魔と呼ばれた鳥カラカラ」[字]
船乗りから「空飛ぶ悪魔」と恐れられた鳥、カラカラ。地上で行う奇妙な狩りや取材班をもてあそぶイタズラの数々。不思議な行動のウラにある秘密とは?謎の鳥の正体に迫る。
詳細情報
番組内容
船乗りたちから「空飛ぶ悪魔」と恐れられた鳥がいる。南大西洋のフォークランド諸島にすむカラカラだ。ハヤブサの仲間なのに、狩りをするのはもっぱら地上。穴を掘ったり、地面を走り回ったりしながら巧みに獲物を捕らえる。さらにカラカラは、強い好奇心の持ち主。人を恐れず、取材班のテントにいたずらをしたり、物を盗んだり。実はこの強い好奇心にこそ「悪魔」と呼ばれた秘密が隠されていた。謎の鳥の正体に迫る。歌:平原綾香
出演者
【語り】首藤奈知子,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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