今年2月4日。
有田焼の名門柿右衛門窯に新たな当主が誕生した。
長く続いてきている名前を襲名させて頂いたので身が引き締まる感じがします。
およそ400年の歴史を誇る柿右衛門。
歴代最高の赤を生み出した先代人間国宝のこだわりとは?現代に復活した柿右衛門の白。
代々の匠が試行錯誤の末にたどり着いた色彩の意味とは?今夜は15代柿右衛門に密着。
世界を魅了する有田焼柿右衛門。
見る者の目をとらえて離さないその魅力に科学が迫ります。
近未来創造サイエンス…。
昨年6月に亡くなった人間国宝14代柿右衛門。
その作品は海外でも高く評価されあの大英博物館にもおさめられている。
偉大な14代のもとで修業を積んできた15代柿右衛門は父の作品の魅力をこう語る。
赤の色が歴代の中でも美しいっていうふうに言われてますので…。
柿右衛門の特徴は白い地肌に描かれる繊細な色絵の美しさ。
中でも柿のように明るい赤はその名のとおり柿右衛門の象徴だ。
独自の絵の具の調合で赤を磨き上げてきた歴代柿右衛門。
その中でも14代の赤が最も美しいと言われているのだ。
世界を魅了した柿右衛門の赤。
一体この赤はどうやって生み出されているのか?人口2万人のこの町におよそ70の窯元がある。
日本有数の焼き物の町だ。
有田焼は江戸時代日本で初めて作られた磁器。
磁器とは粘土で作られた陶器と異なりガラス成分を含んだ石を使って作られた焼き物である。
しかし有田焼が誕生した当時現在のような華やかな彩りはなかった。
唯一あったのは青。
そこに青以外の色を付けたのが初代柿右衛門と言われている。
長崎の出島から磁器に色を付ける技術を伝え聞いた柿右衛門が焼き付けに成功したのだ。
それはのちに世界で評される温かみのある華やかな赤となった。
今回その伝統ある窯の当主を襲名したばかりの15代柿右衛門を訪ねた。
まず案内されたのは細工場。
材料の石を砕き粘土にしたものを器の形に仕上げる場所だ。
今は亡き14代のもとで数々の名作を生み出してきたベテランの職人たちが黙々と作業をこなしている。
襲名直後の15代にとって経験豊富な職人の技術は何よりの宝だ。
続いて案内してもらったのは絵付けをする絵書座。
張りつめた静けさの中で輪郭が描かれ色付けされていく。
その一筆一筆に柿右衛門の伝統が流れている。
柿右衛門先生がなされたもんをですね職人が書くという形ですけど。
職人たちは皆目の前に置いた器をお手本に絵付けをしている。
お手本は先代が自ら絵付けを施したもの。
絵付けの名人として名高い先代のお手本は1000を超えるという。
そんな先代が柿右衛門を継ぐ息子に伝えた言葉がある。
スケッチっていうものをいつもしなさいっていう事は言われてましたね。
事あるごとに言われてました。
はい。
故郷の自然を愛し亡くなる直前までスケッチを続けていた父。
何気ない道端の草花にこそ美しさは潜んでいるという。
父の精神は15代にも受け継がれている。
花もそうなんですけど枝のつき方とかですねどういう角度で出てるかとかそういう特徴をですねよく見るようにしてまして…。
焼き物にした時に作りがわかっていれば色んな形に展開が出来るので。
スケッチしたものをそのまま作品にするわけではない。
こんな…こういう…。
全て見本のものは全部ここに入ってるっていう…。
14代だけですねこれは。
自分の思い描くデザインを焼き物で表現するには基本のデッサンが何より大切。
父が息子に残した貴重な財産だ。
柿右衛門の当主とは絵柄を決めるデザイナーでありまた職人たちを指導監督するプロデューサーでもある。
生み出す作品の全責任を負う存在なのだ。
江戸時代からおよそ400年にわたり代々の柿右衛門に受け継がれてきた柿右衛門様式。
14代とも親交があった中島誠之助さんは柿右衛門様式をこう説明する。
いわゆる赤と白…それをモチーフにした余白の美だね。
それが柿右衛門様式なんだよ。
絵の具の調合は代々柿右衛門本人にしか許されない。
まさに秘伝の赤だ。
これがですねうちに昔からある絵の具の調合を記した赤絵具覚っていう…昔の調合表なんですけど。
酒井田家に伝わる赤絵具覚。
特別にその一部を見せてもらった。
びいどろそれからろくはんけそう…。
ろくはんっていうものがあるんですけどもそれが赤の発色をする原料になります。
ろくはんとは硫酸鉄。
これを焼いて酸化鉄を作り赤の顔料にする。
これは「べんがら」とも呼ばれる。
ただしこの酸化鉄の中には取り除かねばならないものがあるという。
15代が案内してくれたのは作業場の外にある水場。
そこには大きな壺が置かれていた。
その壺の中にあったのは赤い水。
酸化鉄を水に浸け塩分を抜いているのだ。
これは10年以上経ってると思います。
塩分が残っていると焼いた時赤が白く濁ってしまう。
そのため10年間もの間水に浸けて塩分を抜く。
そこまで時間をかけなければ柿右衛門の赤は生まれないのだ。
柿右衛門では3種類の赤を使い分ける。
輪郭などを線を描く黒っぽい赤カバ。
文様などに使う重厚な濃赤。
そして柿右衛門を最も象徴する花赤。
花などに使われる明るい赤だ。
この鮮やかな赤を生むのがすりの作業。
酸化鉄にガラスなどを加えすり潰していく。
柿右衛門を名乗る者だけに許される秘伝の調合。
一人で何か月もすり続ける孤独な作業だ。
まあ手に伝わる感触っていうのがゴリゴリした感じがなくなってすーっとなるっていうか。
ちょっと抵抗がなくなる感じになったら一応完成っていう。
亡き父に徹底的に叩き込まれた秘伝の技。
仕上がりの感触は体で覚えるしかない。
しかしそこには柿右衛門の赤を生み出す最大の秘密が隠されていた。
(妻夫木)なぜわかったんですか?…影?
(シャッター音)
(シャッター音)
EOS70D
SNSの写真そのままだといいね。
ですが
(観客)うんうん。
「PIXUS」でプリントすると
(無音)
(桐谷)いいね〜!
…になります
タブレットからもう一度
いいね〜!!
もちろんカメラからも直接
(無音)やっぱりいいね〜!!
(拍手・歓声)
どんな写真もカンタンキレイ
柿右衛門の赤の秘密。
何か月もかけて材料の酸化鉄をすり潰し粒を細かくすると鮮やかな赤が生まれるのはなぜなのか?用意したのは粒の大きさが異なる3種類の赤の絵の具。
それぞれ磁器で出来たタイルに絵付けし実際の焼き付けと同じ800度の窯で焼いてみる。
すると…。
酸化鉄の粒が細かいほど明るく鮮やかな赤になった。
それは一体なぜなのか?酸化鉄そして柿右衛門の赤を2代にわたって研究する専門家に聞くと…。
外からの光が粒子の中へ入った時に吸収される赤の量が少ないので小さい粒子の時は鮮やかに見えます。
細かい粒子同士が均一に分散してるほうがきれいです。
磁器の表面を拡大すると色付けした部分は表面のガラス層の中に酸化鉄の微粒子がきれいに散った状態になっている。
ここに光が当たると粒が小さいほど鮮やかな赤い光を反射するのだ。
一番小さい粒子…きれいに見えるサイズというのは目安として1万分の1ミリぐらいのサイズがちょうどきれいな色になる。
柿右衛門の赤は江戸時代初代柿右衛門が生み出したといわれる。
こういう1万分の1ミリの世界ですからナノテクの世界を江戸時代からの人たちは上手に経験と勘で見つけ出したというのがすごい事だろうと思っています。
江戸時代から理想の赤を生み出すためどれほど試行錯誤を重ねたのだろう。
来る日も来る日も材料をすり続け柿右衛門がたどり着いた結論は現代の科学が解明した大きさと同じ1万分の1ミリレベルのナノサイズだったのだ。
繊細な輪郭と上品な色使いに目を奪われる柿右衛門の技。
しかし柿右衛門様式の特徴は赤絵だけではない。
赤を引き立てる陰の主役がいるのだ。
それが余白の美。
背景に広がる白い磁肌の中にもうひとつの秘密が隠されていた。
(妻夫木)
一眼レフでムービーを撮る
まるで映画のワンシーンのように
これがイチガンMOVIE
EOS70Dデビュー!
ゴールドラッシュスプリングキャンペーン
(シャッター音)
(能年)なんか夢中になって画面しか見えなくなる感じが気持ちいいです。
あっまつ毛。
EOSM2
まつ毛がある。
(シャッター音)
(鶴巻)小さくて軽いので旅に持っていくにはちょうどいいですね。
ピントが早いので撮りたい瞬間を逃さず捉えることができます。
(鵜川)被写体に出会った瞬間の感動とか感覚を大切にしたいと思っています。
旅の感動を作品に
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柿右衛門の赤はなぜこれほど鮮やかに見えるのか?もうひとつの秘密がこの白い磁肌に隠されていた。
赤を引き立たせるのはねやっぱり白っていうものがいかに優れてるかだね。
白っていうのは濁手。
濁手とは柿右衛門独特の磁肌の素材の事。
お米のとぎ汁のような乳白色が特徴だ。
柿右衛門様式は「余白の美」とも言われ磁肌の色合いが作品の出来を大きく左右する。
地元有田の石だけで作ると磁肌は少し青みを帯びる。
この青みがかった白を生かした焼き物がある一方…。
柿右衛門のぬくもりのある色彩を実現するには青みを抑えた乳白色の磁肌が必要だったのだ。
濁手っていうのはしっとりとした落ち着いた感じの発色でですね美しい赤絵に見えるような調合をしているっていう事ですね。
初代は有田の石に何種類もの石をブレンドし試行錯誤の末乳白色の濁手にたどり着いたのだ。
しかし非常にコストがかかるため濁手は次第に作られなくなった。
それを復活させたのが12代13代柿右衛門。
その技術は国の重要無形文化財になっているほど。
柿右衛門がたどり着いた濁手。
その乳白色の磁肌は温かみのある赤をはじめ絵柄の色彩と実によくマッチする。
作品全体が醸し出す上品なぬくもりを演出する陰の主役なのだ。
そして今は亡き人間国宝先代の柿右衛門は「器は使ってこそ生きる」と考えていた。
やっぱり食べるっていう事…食べるのが基本なので14代は食器が基本という事でですねお客さんに満足してもらえるようなですね感じっていうのを追求していったっていう…。
そんな作品に魅了され柿右衛門を食器として使うフレンチの店がある。
食器はもちろん部屋の調度品も全て柿右衛門だ。
世界に名を馳せた器。
その空間のきれいな色付け。
その真ん中にきれいに盛らせて頂くと。
そういう形です。
温かな色合いが料理を引き立てる。
それはまさに14代が願った事でもある。
時代の精神を酌んだ美術工芸品っていうものは永遠の美しさを持ってる。
いかにして新しい伝統を作っていくか。
2人で復活させた濁手。
歴代最高の赤を生み出した3代の功績により柿右衛門様式はより輝きを増した。
それを今15代が受け継ぐ。
父とは違う作品になるとは思うんですけど自分は自分なりのものを作ってこの時代の風を感じながら楽しく作っていきたいなと思ってます。
先代が育てた熟練の職人たちに支えられ新たな柿右衛門が生まれる日もそう遠くないはずだ。
北アフリカに生えるヤギが登る樹アルガン。
この木の実から採れるのがモロッコに古くから伝わる美のオイルアルガンオイル。
紫外線と乾燥から肌を守るため受け継がれてきた独自の美容法とは?次回『奇跡の地球物語』。
美しさを保つ幻のオイルに科学が迫ります。
2014/03/02(日) 18:30〜18:56
ABCテレビ1
奇跡の地球物語 有田焼の名窯 柿右衛門〜人間国宝が生み出した赤色の秘密〜[字]
有田焼の名窯、柿右衛門。その最大の魅力は「赤」色。歴代の中で最も美しい赤を生み出したと言われているのが人間国宝・第14代酒井田柿右衛門。赤色の秘密に科学が迫る。
詳細情報
◇番組内容
日本で初めて作られた磁器、有田焼。その中でも、名窯として名高い柿右衛門。人間国宝にも認定された第14代酒井田柿右衛門は、歴代の中でも最も美しい赤色を生み出したと言われている。今回、先月当主を襲名した第15代酒井田柿右衛門に密着し、“柿右衛門の赤”の秘密に迫る!
◇番組内容2
古代のミステリーから日常のふとした疑問まで、人間を取り巻くあらゆる物事を最先端科学で紐解いていく…。明日誰かに話したくなる、新しい発見がいっぱいの番組です。
◇出演者
【ナレーター】山寺宏一
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/miracle-earth/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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