(まる子)たまちゃんの様子が変だね。
いったいどうしたの?
(まる子)ごちそうさま。
(すみれ)あら。
まだ残ってるじゃない。
(まる子)もうおなかいっぱい。
(さきこ)やっぱりね。
調子に乗って欲張るからよ。
だって食べられる気がしたんだもん。
(すみれ)農家の人が丹精込めて作ったお米だよ。
頑張って食べなさい。
もういらない。
いってきま〜す。
あっまる子!まったく罰当たりなんだから。
こうしてまる子の食べ残しが母の血となり肉となるのである
おっはよう。
(たまえ)おはようまるちゃん。
どうしたのさ。
みんな真剣な顔しちゃって。
(ハマジ)おいさくらお前秘密の温室の噂知ってるか?秘密の温室?その温室は隣町の古い空き家の庭にあるんだ。
そこに最近一人の男が引っ越してきたんだけどどうも怪しい。
(たまえ)どんなふうに?昼間は静まり返ってるのに真夜中になると温室に電気がついて男が出入りしてるのを近所の人が何度も見てるんだ。
(ブー太郎)何してるんだブー?聞いたところによると変な草を育ててるらしい。
変な草?詳しくは分からねぇ。
でも肉を食う草らしいぜ。
(たまえ・まる子)え〜!?
(ブー太郎)肉って牛肉とか豚肉とかかブー?
(ハマジ)たぶんな。
(ブー太郎)ブブー!もしかして生きてる動物とかも食べちゃうのかな?《キシャー!》《キシャー!》ちょっとちょっと。
そんな危ないもんがこの平和な清水で育てられてんの?一大事だブー。
こうしちゃいられないよ!だから今日の放課後確かめに行こうぜ。
私は無理。
だって怖いもん。
おいらは行くブー。
あたしはどうしようかな…。
まるちゃん危ないって!でもちょっと見てみたい気も…。
結局怖いもの見たさでやって来たまる子である
この家だぜ。
(ブー太郎)ぶっ不気味だブー。
うん。
昼間なのにお化けが出そうなにおいがプンプンするよ。
(ハマジ)誰もいないみたいだな。
やっぱり夜じゃないと駄目なのかな。
(警察官)君たち。
(3人の叫び声)こんな所で何してるのかな?べっ別に怪しい者じゃないです。
これだけ驚けばじゅうぶん怪しい
んっ?あの…ボールが庭に入っちゃって。
でも誰もいないみたいだからまた来ます。
おい行くぞ。
そっそういうわけです。
失礼しますブー。
(さきこ)ああその家のことなら私も知ってるよ。
夜になると温室に電気がつくんでしょ?そうそう。
でもってその家の人温室の中でしゃべってるみたいね。
誰もいないのに。
(男性)《ヒヒヒヒそうかそんなことが》《ヒヒヒヒ》こっ怖いね…。
翌日
昨日は邪魔が入ったけど今日こそあの温室の正体を暴こうぜ。
危ないからやめようよ。
昨日のお巡りさんが来たのだってあの家が怪しいからパトロールしてたかもしれないじゃん。
おじけづいたのかブー。
そうじゃないけど…。
いやかなりおじけづいている
誰もいないみたいだブー。
よ〜しじゃあ行くぞ。
やっぱりよくないよ。
人の家に勝手に入るなんて。
お前怖がるんならついてくんなよ。
だって…。
(ブー太郎)ブー!ブー!ブー!
(ハマジ)どうした?ブー太郎。
佐々木の…佐々木のじいさんがブー!佐々木のじいさんがどうしたのさ?温室にいるブー!
(ハマジ・まる子)え〜!?
(佐々木)この家に住んでいる青年は圭一郎君といってね大学で植物の研究をしているんです。
(佐々木)前にこくぞうさんで話し掛けられましてね。
(圭一郎)《立派な木だなぁ》《何百年以上この場所から一歩も動かずに生き続けてるなんて》《ええ》《われわれをじっと見守ってくれているんです》《あなた木がお好きなんですか?》
(圭一郎)《はい。
実は僕植物の研究をしてるんです》ふ〜ん。
それで知り合いだったんだ。
時々木の世話も手伝ってくれるんですよ。
へぇ〜。
(圭一郎)すみません。
んっ?
(圭一郎)お茶しかなくて。
あ〜…。
はぁ…。
ハマジあれ聞いてみなよ。
えっ?うん…。
うん。
うん。
あの…ちょっと聞いていいですか?んっ?何?肉を食べる植物を育ててるって本当ですか?えっ?肉?いっ嫌だなぁハマジ。
すっとんきょうなこと言わないでよ。
そんなもんいるわけないじゃん。
すみませんねぇ変なこと聞いて。
(ブー太郎・ハマジ)えっ?
あんたが聞けと言ったくせに
(圭一郎)肉を食べる植物ならいるよ。
(3人)えっ!?それも丸ごとごくっと食べちゃうやつがさ。
(圭一郎)これが食虫植物。
「食べる虫」と書いて食虫植物っていうんだ。
へぇ〜。
初めて見たぜ。
面白い形してるブー。
肉を食べるなんて言うからもっとすごいの想像してたよ。
食虫植物は肉食植物ともいわれているんですよ。
だから誰かが肉を食べるなんて言ったんでしょうね。
何だそういうことか。
ブ?これつぼみたいな形してるブー。
ウツボカズラっていうんだ。
ほら中に液体が入ってるのが見えるだろ?ブー…うん。
水みたいなのが入ってるブー。
(圭一郎)この中はつるつる滑るようにできててね滑り落ちた虫は溶かされてウツボカズラの栄養になるんだ。
すごいブー!
(ハマジ)じゃあこっちのは?
(圭一郎)それはモウセンゴケ。
もっと近くで見てごらん。
(3人)んっ?葉っぱの先に蜜みたいのが出てるのが分かるかな?うん分かる!
(圭一郎)これはいい匂いで虫をおびき寄せて虫をくっつけちゃうものなんだ。
それで逃げられなくなった虫は…。
溶けて栄養になるブー?
(圭一郎)正解!
(ハマジ)すっげぇ!お兄さんじゃこれは何?それはハエトリソウだよ。
ハエトリソウは栽培しやすいから園芸センターなんかでも売っていますね。
えっ!知らなかった。
(圭一郎)ここに虫が止まると2枚の葉がぱくっと閉じて虫は出られなくなるんだ。
ふ〜ん。
いかにも食ってるって感じだな。
うん。
小さいからカワイイけどこれがものすごく大きかったら恐ろしいね。
《助けて〜!》《溶かされる〜!》《ブブー!》でも何で虫なんか食べるブー?おいしいのかブー?こいつらは別に虫だけを食べて生きてるんじゃないんだ。
他の植物と同じように水や太陽や土の栄養分で育つんだよ。
じゃあどうして?天然の食虫植物は栄養が十分にない場所に生えてることが多いんだ。
(ハマジ)へぇ〜。
(圭一郎)だから虫を食べて足りない栄養を補ってるんだよ。
虫を食べないと死んじゃうのかブー?うん。
でもこの温室の植物たちは枯れないよ。
栄養が足りてるからね。
ふ〜ん。
でもさ虫を溶かして食べるなんてちょっと残酷だよね。
確かに怖いよな。
ホントにそうかな?
(3人)えっ?地球上の生き物ってみんな何かの命をもらって生きてるだろ?私たちの食べてる魚や野菜や果物はみんな命あるものですからね。
あっそっか。
(圭一郎)そういう意味ではこいつらも同じさ。
(3人)う〜ん。
(圭一郎)食虫植物が好きだなんて言うと「変わってるな」って言われるけど僕は一生懸命生きてるこいつらがかわいくて仕方ないんだ。
逆に食べ物を平気で残したり捨てたりする人間の方がよほどひどいと思うんだけどな。
あっ。
今日はありがとうございました。
またいつでも遊びに来てよ。
(ブー太郎)また来るブー。
あのお兄さん。
(圭一郎)んっ?最後に聞きたいことがあるんだけどいいですか?何?夜中の温室でしゃべってるって本当なんですか?えっ…。
やだなぁ見られてたんだ。
僕実験や研究で家を空けることがあるんだけど帰ってきたときつい一つ一つに声を掛けちゃうんだ。
それって変わってるかな?ちょっとね。
(一同の笑い声)
(さきこ)ごちそうさま。
あ〜おなかいっぱい。
んっ?ちょっと待って。
あら珍しい。
まあね。
ごちそうさま。
風変わりなお兄さんと食虫植物
でも大事なことが少し分かった気がするまる子であった
(たまえ)まるちゃん行くよ。
いいよ〜。
えい!あっごめん!おっとっとっと…。
えい!うわっ!まるちゃん!
(たまえ)大丈夫?平気平気。
あっまるちゃんズボンが…。
えっ?ああ…。
あっちゃ〜どうしよう…。
すぐに帰って直してもらった方がいいよ。
そうだね。
でも…。
(たまえ)ここは私が直しておくから。
ねっ?じゃあ…。
ごめんねたまちゃん。
ううん。
またあした。
うん!
(清掃員)君。
(たまえ)んっ?どうしたんだ。
せっかく咲き始めたお花をこんなにして。
あっ…。
友達が羽根を取ろうとして。
花壇の近くでバドミントンなんかするからだろう。
ごめんなさい。
(野口)んっ?
(すみれ)まったくこんなにしちゃって。
あ〜あ。
今日はあんまり遊べなかったな。
あしたは参観日でしょ?宿題とか大丈夫なの?うん。
これからだけどね。
あんた抜けてるとこあるから。
心配しなくてもお母さんに恥はかかせやしないよ。
何度その言葉にだまされたことか
「私の友達」って題でさ隣の席の人の作文を書くんだよ。
それをあしたみんなの前で発表して交換し合うことになってるんだ。
じゃあまる子はたまちゃんの?うん。
お互いの好きなところをいっぱい書こうねって約束してて。
なら早くやっちゃいなさい。
は〜い。
《花壇の近くでバドミントンなんかするからだろう》ハァ…。
・
(ノック)
(たまえ)んっ?
(穂波)たまえ。
(たまえ)お父さん。
あしたの授業参観お父さんも行っていいかな?いいけど…。
運動会じゃないんだからカメラは持ってこないでよ。
えっ?ああそれくらい分かってるよ。
《やっぱり駄目なのかな》んっ?どうした?たまえ。
ぼんやりして。
何か気になることでもあるのかい?えっ?ううん。
宿題があるから。
ああそっか。
邪魔してごめんな。
(ドアの閉まる音)ハァ…。
翌日
え〜?宿題がない?うん。
昨日の夜ランドセルに入れたと思ったんだけど…。
たまちゃんが忘れ物なんて。
あっ。
原稿用紙あるよ。
今思い出して書いちゃえば?えっ?でも…。
大丈夫だよ。
まだ時間あるし。
間に合うよ。
うん。
ありがとうまるちゃん。
フフ。
たまちゃん書けた?うん。
一応ね。
でも何だかうまく書けなくて。
大丈夫だよ。
間に合ってよかったじゃん。
ごめんね。
まるちゃんのこともっとちゃんと書きたかったのに。
平気平気。
ちょっとトイレ行ってくる。
まる子。
おっお母さん!あんた何焦ってんのよ。
トイレだよ。
ちょっと緊張しちゃってさ。
まったく…。
いい?授業中ぼんやりするんじゃないよ。
大丈夫だって。
作文もうまく書けたし大船に乗ったつもりでいてよ。
あっ…。
しまった。
ハンカチが…。
(野口)はい。
あっ。
ありがとう野口さん。
いやぁ参観日って緊張するよね。
あたしはハンカチ忘れるしたまちゃんも宿題忘れるし。
朝からドキドキだよ。
(野口)穂波さんが?うん。
(野口)あのことまだ気にしてるのかも。
あのこと?昨日公園で掃除のおじさんに叱られてるみたいだったから。
掃除のおじさんに?あっ!たまちゃん!んっ?たまちゃん昨日掃除のおじさんにお花のことで叱られたの?えっ?あっ…うん。
ごめんね。
あたしのせいなのに。
もしかしてそのせいで忘れ物したんじゃ…。
そんなことないよ。
気にしないで。
・
(戸の開く音)
(まる子・たまえ)んっ?
(戸川)では丸尾君発表してください。
(丸尾)はい。
(丸尾の母)《末男さん頑張って》
(丸尾)「私の友達」え〜「私にとって隣の席の長谷川君をはじめクラス全員が大切なお友達です」「ですから皆さんがより良い学校生活が送れるよう学級委員としての努力は欠かせません」「この前風邪がはやったときは皆さまに手洗いうがいを勧めいち早く予防に努めました」
(丸尾の母)《末男さん立派ですよ》「これからも私丸尾末男は学級委員としてクラスメートの手となり足となり懸命に働く所存です」
もはや選挙演説である
(小杉)「僕の友達の山根君はとても思いやりのあるいい人です」
(山根の母)まぁ。
(小杉)「この前は給食で残したプリンをくれました」「揚げパンが出たときも胃にもたれるからと半分くれました」「僕は山根君の隣の席で本当によかったと思います」
(拍手)んっ?《たまちゃん…》《やっぱりまだ昨日のことが気になってるんじゃ…》《はっ!》《おっと。
いけない》たまえどうしたのかな。
さっきから元気なさそうに見えるけど。
(たまえの母)ええ。
(穂波)昨日も何だかぼんやりしてたし。
何かあったのかな。
それでは次に穂波さん。
はい。
んっ?すみません。
宿題を家に忘れてきました。
えっ?たったまえが…。
宿題を忘れた?そうですか。
では次の授業には必ず持ってきてください。
はい。
たまちゃん…。
ごめんねまるちゃん。
(戸川)ではさくらさん。
あっはい。
んっ?ごめんなさい先生。
あたしもまだ途中までしか書けてません。
えっ?何だ。
さくらできてないのかよ。
しょうがないやつだブー。
分かりました。
ではさくらさんも次の授業までには必ず仕上げてきてください。
はい。
《あの子ったら。
何が「大船に乗ったつもりでいろ」よ》えっ?まるちゃんの作文は書けてた?うん。
たぶん私のことを気にしてまるちゃんも「途中までしか書けてない」って言ったんだと思う。
(穂波)そうか。
私昨日書いた作文もホントはあまりうまく書けてなかったんだ。
そう。
じゃあちゃんと書き直さなくちゃね。
うん。
(すみれ)このおバカ!あれだけ言ったのにあんたって子は!情けないったらありゃしない!ごめんなさい。
今日はおやつなしだからね。
ハァ…。
(たまえ・穂波)ごめんくださ〜い。
(すみれ)は〜い。
(戸の開く音)あら穂波さん。
(たまえ)まるちゃん。
はいこれ。
えっ?ちゃんと書けたから読んでもらおうと思って。
わざわざ見せに来てくれたの?だって「途中までしか書けてない」なんて私のために言ってくれたんでしょ?ごめんねまるちゃん。
ううん。
謝るのはあたしの方だよ。
昨日たまちゃんは公園であたしの代わりに謝ってくれた。
あたしたまちゃんにいっつも助けてもらってばっかり。
そんなこと…。
だからねこんな失敗だらけのドジなあたしだけど「これからもずっと仲良くしてね」って書きたかったんだ。
まるちゃん…。
(シャッター音)
(まる子・たまえ)んっ?2人ともいいなぁ今の笑顔。
(シャッター音)もうお父さんってば!
(穂波)いやカワイイカワイイ!フフフフ。
失敗を分け合い互いの気持ちを思いやってさらに友情が深まった2人であった
昔々桃から生まれたももこは掃除機を壊した罰で家じゅうを掃除させられましたとさ。
ってこんなお話聞かされても全然眠くならないよ。
もっとメルヘンチックなお話してよ!次回の『ちびまる子ちゃん』は…。
(サザエ)サザエでございます。
・「お魚くわえたドラ猫」2014/03/02(日) 18:00〜18:30
関西テレビ1
ちびまる子ちゃん[字]
「秘密の温室」の巻
「たまちゃんの失敗」の巻
詳細情報
番組内容
たまちゃん、一体どうしたの?宿題忘れたりして今日何かヘンだよ。授業参観だから緊張してるの?あ、それともやっぱりアレ?お肉を食べちゃう植物ってのが気になってるの?
今回のちびまる子ちゃんは、「秘密の温室」「たまちゃんの失敗」の2本だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子: TARAKO
おじいちゃん: 島田敏
お父さん: 屋良有作
お母さん: 一龍斎貞友
お姉ちゃん: 水谷優子
スタッフ
【原作】
さくらももこ
【OP曲】
「おどるポンポコリン」
【END曲】
「100万年の幸せ!!」
【脚本】
松島恵利子
牟田桂子
【絵コンテ】
知吹愛弓
【演出】
知吹愛弓
【作画監督】
杉山東夜美
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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