昔むかしある島の山あいの村におカルという娘がいました。
おカルの仕事は山に放たれた牛の世話をすることでした。
ある年オスの牛が1頭生まれました。
頑張れ。
よ〜しよし。
頑張れ。
もう少しだよ。
ほら頑張れ。
よ〜し。
わあ〜っ。
ありゃかわいい雄牛だよ。
ふ〜っ。
(おカル)ほら立って立って。
頑張れもう少しだ。
(おカル)よいしょ!あ〜。
(おカル)あ〜かわいい。
(みんな)ハハハハハ…。
おカルは生まれたばかりの子牛を大事に育てました。
コラコラコラ!待て待て〜。
子牛は日に日に大きくなりました。
あ〜。
待て待て。
3年の月日が経ち子牛は立派な若牛になっていました。
お前も大きくなったなぁ〜。
ここで立派に育った牛はなみんな町へ売られていくんじゃ。
それがおらたちにも牛にもいいことじゃと思っていた。
モ〜ッ。
お前おらの言うことがわかるのか?だけどお前だけはどこへもやりたくない。
いつまでもここにいてほしいんじゃ。
その年の夏のことです。
おカルは牛の蹄を削るのに夢中で時の経つのも忘れ気がつくとすっかり暗くなっていました。
ひゃ〜っ月が昇ってる。
帰らなきゃ。
また明日。
おカルさん。
ん?誰?ここはうちの山だよ。
どこから来なさった?ハハハハ…無理もないな。
何を笑ってるんだい?ハハハ…私はおカルさんに育ててもらった黒毛の雄牛だよ。
黒毛の雄牛?あの牛が…。
驚かせてすまない。
私の名は牛王。
牛王…?夏の月が湖に落ちるそのほんの少しの間私は人間に姿を変えることができるのです。
あの牛の目だ…。
人間に姿を変える前から牛王が好きだったおカルはこれまで話せなかったさまざまな思いを語って聞かせました。
けれども月が欠け始めると楽しいときはいつまでも続かないことに気がつきました。
(おカル)あの月が姿を消したらもうこうして会えることはないんだね。
私はつかの間人間の姿になっておカルさんと一緒に過ごし心に思ったことを伝えられて嬉しいのです。
おらは牛王をどこにもやりたくない。
秋になり牛王はもう人間の姿になることはできません。
(笑い声)おっとうは牛王に高い値がついたと嬉しそうに言いました。
おっとうあの黒毛おらにくれ。
あれは…あれはおらだけの牛だ。
お前はあれが小さいときから面倒見てるから別れたくない気持はわかるが。
あれはうちの牛の中でも別格だ。
よかったなあんなに高く売れるとはな。
ハハハハハ!あぁよかったねぇ。
《牛王はおらだけの牛王じゃないのか》山に粉雪が舞う頃牛王が町へ売られていく日が来ました。
どこまでもついていってもきりがねえから早く帰ってこいよ!
(おカル)わかってる。
モ〜!牛王よ達者でな。
モ〜!おカルがいつまでも戻らないので家族と村人は手分けして捜しました。
おカル〜!おカル〜!おカル!どうして?おカルは牛王と別れた場所にうずくまるようにして冷たくなっていました。
春になるとおカルが倒れていたところから白い蕾のなった木が生えてきました。
そして月の輝く夜短い夏を惜しむようにシャクナゲが白い花を咲かせました。
昔むかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんは山へ柴刈りに。
おばあさんは川へ洗濯に行きました。
すると川上から大きな桃がどんぶらこっこすっこっこどんぶらこっこすっこっこと流れてきました。
おや大きな桃じゃ。
じいさんにも食べてもらおう。
これだけの桃2人でも食いきれませんな。
おばあさんが桃に包丁を入れようとしたときです。
なんと!桃の中から元気な赤ちゃんが出てきました。
桃から生まれたので桃太郎と名前をつけて大事に育てました。
(桃太郎)じい様ばあ様お願いがあります。
大きくなった桃太郎は近頃町を騒がせている鬼を退治に行きたいと言い出しました。
鬼たちは鬼ヶ島から町に来ては盗みや乱暴を繰り返していたのです。
お前はまだ子供じゃないか。
どうやって鬼を退治するのだ?日本一のキビ団子を持たせてください。
おらきっと鬼を退治してきます。
おじいさんとおばあさんは心をこめて日本一のキビ団子をこしらえました。
あっ!クンクン桃太郎様お腰につけたものは何ですか?おらはこれから鬼ヶ島へ鬼退治に行くところだ。
これはじい様とばあ様が持たせてくれた日本一のキビ団子じゃ。
おらに1つください!よし1つ分けてやろう。
お前も鬼退治に行くか?ワン!犬を連れて進んでいくとキジが現れキビ団子をもらって鬼退治のおともをすることになりました。
うんうん。
更に山の奥へ行くとサルが出てきました。
うんうん。
桃太郎はサルにもキビ団子をあげておともにしました。
鬼退治の大将となった桃太郎はおともを連れて勇んで鬼ヶ島へと向かいました。
みんなキビ団子を食ってくれ。
これ1つ食えば十人力の日本一のキビ団子だ。
鬼の住む屋敷では酒盛りの真っ最中でした。
(門を叩く音)おらは日本一の桃太郎だ。
町で悪さする鬼ども退治しに来た。
(みんな)ハハハッ!どれ酒のさかなにひねり潰してやる。
かかれ!〜やるな小僧ども。
だがこれからが本当の勝負だ。
みんなこれを食え!十人力のキビ団子だがみんなで力を合わせれば百人力いや千人力だ!かかってこい!それっ!ギャーッ!はいはい!はっそれっ!えいや〜!ギャーッ!参ったか!うわぁ〜参った参ったおらが悪かった。
蔵のお宝みんな返すから勘弁してくれ。
日本一!桃太郎は鬼たちが奪ったお宝や米俵を町の人々に返しました。
そしておじいさんおばあさんのもとへ帰り助け合って暮らすようになりました。
めでたしめでたし。
昔むかし江戸の町に清兵衛という大のそば好きでそばっ喰いの間でそば清さんと呼ばれている男がいました。
(清兵衛)ごちそうさまでした。
たいした食べっぷりだね清兵衛さん。
そばっ喰いってのは自分の座った背丈までそばを食べるというが…。
これならまだまだいけるんじゃないのかい?さぁどうでしょうな?腹八分目に医者いらずとも申しますし。
どうだい清兵衛さんあと5枚食べられたら私がそばの代金を出そうじゃないか。
え?5枚ですかい?そりゃあ困りましたな。
どういたしましょうか。
しかしそう言いながらも清兵衛さん5枚のせいろをぺろりと平らげてしまいました。
それじゃあご隠居ごちそうさまでした。
ウヒヒ。
あらあら取られちゃいましたねご隠居さん。
あの清兵衛さんはそば清って呼ばれててねその気になればせいろ50枚はぺろっと食べてしまう筋金入りのそばっ喰いなんですよ。
なんと50枚!そうじゃったのかこいつはしてやられたな。
それから数日後。
え!?今度はせいろ80枚ですって!?あぁ。
聞けばお前さん本気になれば50枚はいけるそうじゃないか。
そうはいってもさすがにせいろ80枚は…。
全部食べることができたら代金を払ったうえに1両つけようじゃないか。
どうだい?あぁ?い1両もらえるんですかい?弱ったな〜。
薬売りの旅に出るところだった清兵衛さん。
ご隠居さんが大金を賭けると聞いて悩みましたが旅から戻るまでこの勝負はおあずけということにしました。
その帰り道のこと。
江戸に戻ろうと山に入った清兵衛さんは1人道に迷ってしまいました。
困ったなどこか休めるところはないだろうか。
おや。
すると茂みの陰で獲物を狙っている猟師を見つけました。
あの…。
シャー!うわ大蛇だ!逃げろ逃げろ!ん?うわこいつ!ウワバミは一瞬で猟師をひとのみにしてしまったのでした。
《もはやこれまでか…》シャー!うわ助けて!!しかし人間を丸のみとはさすがに無理があったようでウワバミはもがき苦しみました。
そして傍らに生えていた真っ赤な草を見つけるとムシャムシャと食べ始めました。
するとパンパンに張っていたお腹が元に戻りウワバミは茂みの中へ帰っていったのでした。
あわわ…。
たいへんなものを見てしまった。
ヘビのやつこの草食べていたようだが…。
なるほどこの赤い草で消化していたのか。
ふ〜んこれは使えそうだな。
清兵衛さんは赤い草を懐にしまうとヘビに怯えながら急いで町へ戻りました。
ん?うわ〜っ!それから数日後清兵衛さんはご隠居さんとそば屋へやってきました。
ではご隠居ごちそうになりますよ。
ああ存分にやっておくれ。
いただきます。
清兵衛さんはうまそうにそばをすすり始めました。
清兵衛さん調子よく食べ進んで70枚を食べ終わろうというところです。
せ清兵衛さんあんた…。
大丈夫かい?ご隠居ひとつお願いがあります。
残りに手をつける前に一服させてもらえないでしょうか。
まあかまわんが…。
もうやめておいたほうがいいんじゃないのかい?いえ大丈夫です。
あ…。
無理をしおって。
あ〜苦しい。
あと10枚か。
《でもこれがあれば1両はいただきだ》清兵衛さんは大きな勘違いをしていました。
ウワバミが食べていた草は消化していたのではなく人間だけを溶かしてしまう恐ろしい草だったのです。
そうとは知らない清兵衛さん。
すっかり体が溶けてしまって…。
清兵衛さんあんまり長い休憩はダメだよ。
清兵衛さん…うわっ!ご隠居さんたちが戸を開けてみるとそこにはなんと羽織を着たそばの塊があぐらをかいて座っておりました!そそ…そば男だ!
(清兵衛)お〜い待ってくれ!このままじゃそばがのびちまうよ〜!あおとがよろしいようで。
2014/03/02(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字][デ]
「牛恋峠」
「桃太郎」
「そばっ喰いの清兵衛」
の3本です。みんな見てね!!
詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
柄本明
松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
歌:中川翔子
コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】鈴木卓夫
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ
http://ani.tv/mukashibanashi
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:17567(0x449F)