遺留捜査3 2014.01.31

(橘彩乃)ちょっとあんたどういうつもりよ?
(島崎未紗)何が?何がって…!ふざけないでよ!最初から私の客取るつもりだったんでしょ!待ちなさいよ!なんとか言いなさいよ!!
(中川弘志)あっあの…。
この間の話なんだけど…。
ごめんなさい。
やっぱり無理です。
無理って…。
お待たせしました〜。
待ってたよ。
ごめんなさい。
あっ小関さん最近ゴルフ行かれました?
(男性)うんこの間ね川奈行ってきたんだよ。
(未紗)どうでした?ご一緒だったんですか?
(男性)そりゃあうまかったよ。
(未紗)へえ〜!
(糸村聡)ご苦労さまです。
ご苦労さまです。

(水沢響子)糸村君!あっち。
あっちから入って。
(シャッター音)よいしょ。
糸村君遅い。
もうみんな聞き込み行っちゃったよ。
そうですか。
(シャッター音)はい。
糸村君。
はい。
現場奥。
あっ…。
被害者の女性はこの家に住む島崎未紗さん28歳。
ひも状のもので首を絞められて絞殺されてる。
凶器はまだ見つかってない。
あっちょっと待ってください。
すいません。
死後硬直ですか。
首を絞められた時に外そうとして必死にもがいたんでしょう。
化粧ポーチ。
ハンカチ。

(仙堂卓巳)死亡推定時刻は昨夜の21時から24時の間。
第一発見者は宅配業者の男性。
(遠山修介)被害者はあの家で1人で暮らしていたようです。
かつては夫の真彦とその父親との3人暮らしでしたが父親の方は現在老人ホームに入所中。
夫の方は5年前に家出しており所在は不明です。
家出?それ以来店は閉めてるようですね。
老舗でかなり有名なテーラーだったようですが…。
(仙堂)息子と父親の関係がよくなかったらしく当時かなり揉めてたみたいです。
それで家出ねぇ…。
(ドアの開く音)
(横山恵一)お疲れさまです。
お疲れさまです。
(森田宗介)被害者は銀座のクラブに勤めていたようだな。
(横山)客らしき男性とタクシーで帰宅する姿が近所で何度も目撃されています。
(仙堂)旦那の事などとうに忘れ義理の父を施設に追いやって自分はもっぱら男遊びにふけってたってわけか。
糸村君遺留品の選別。
はい!まずは携帯電話の通話記録の確認とこのスポーツ紙ですね。
どうしてそんなもの?日付は昨日だし若い女性が普通に読むようなものとは思えないから。
あとはバッグに入っていたこれですか。
なんだ?それは。
女性が髪を束ねるためのものですよね?うん。
シュシュ。
シュシュ。
そんなものなんで調べる必要がある?被害者はショートカットだったんですよ。
髪を束ねる必要のない人がなぜこんなものを持ち歩いていたのか…。
気になりませんか?ああ…とにかくじゃあ森田さんと横山は家出したその夫の行方ね。
はい。
あと仙堂と遠山は被害者が勤めていたクラブの聞き込み。
はい。
えっいいんですか?まあまあまあいいよもう。
で糸村君と私は被害者の交友関係。
いい?糸村君行くわよ!あっはい。
(横山)夫の行方ったって何か手がかりでもあればいいんですけどね。
通帳?口座番号は変えてないだろう。
金の流れを追うのは捜査のイロハだ。
なるほど!これ…まだ昼の2時ですよね?昼キャバってやつだな。
ちょっとそういうとこ!
(仙堂)仲良くしてた子とかはいなかった?
(桜井まこ)いないと思う。
控え室でもいつも1人だったし。
どうぞ。
いや大丈夫。
お店ではどんな感じだったか教えてもらえるかな。
(彩乃)どんな感じってあんな奴…。
(未紗)失礼します。
どうもお久しぶりです。
ちょっと!
(彩乃の声)金持ってそうな客見つけると平気でそうやって…。
いくら常連欲しいからってあそこまで必死だとちょっと引くよね。
お客さんとの間にトラブルは?さあ。
あんまよく知らないし。
いや本当に大丈夫。
でもさ給料貢いで奥さんに刺されちゃった人もいたじゃん。
ちょうど刑事さんみたいな人。
うっ…。
ああ…えっとじゃあその人はどこの人?
(彩乃)ロッカーでも見てみたら?あの人いつもノートつけてたからなんか書いてあるかも。
ありがとうございました。
それですね。
(仙堂)ふーん。
人気のあるホステスほどこうした顧客ノートをつけてるっていうが被害者も結構やり手だったのかもな。
まあしかしかなりの数いますね。
通話記録調べたらさこのお店からよくかけられてるんだよね。
子供服ですか?島崎未紗さんとはよく連絡を?
(仁科菜摘)ええ。
仲良くさせてもらってました。
彼女最近何かのトラブルに巻き込まれたりとかは?
(菜摘)トラブル?島崎さんクラブに勤めてたみたいなんです。
あっそういえばしつこく結婚を迫ってくる人がいるって言ってました。
大丈夫です。
うまくやりますから。
クラブ勤め辞めたら?一応結婚してるんだし。
でも手っ取り早くお金になるし。
その結婚を迫ってきた男性の名前とかは?さあ…。
それにそういう事は珍しくなかったんで。
と言うと?他にも親しくしている男性が何人かいたんです。
それに援助してくれる人もいたって。
だから私すごく心配してたんです。
あの…ちょっとよろしいですか?これは未紗さんのカバンの中から見つかったものなんですが見覚えありませんか?ああ未紗ちゃんが作ったんじゃないかしら。
作った?ああ…。
これです。
これを未紗さんが?ええ。
手作りで意外と評判いいんですよ。

(山本和也)お待たせしました。
社長の山本と申します。
島崎さんの口座を調べましたらこちらから定期的に振り込みがあったものですから。
ええ確かに島崎はうちの社員ですが何か?実は彼の奥さんが昨夜殺害されたんです。
えっ本当ですか?
(横山)島崎さんは今どちらに?それがあいにく昨日から休んでまして…。
昨日から?ええ。
島崎さんの自宅を教えて頂けますか?ちょっとお待ちください。
島崎さんというのはどういう方なんですか?まあひと言で言うと意地っ張りです。
数年前にあいつの親父さんが倒れたんですがその事を奥さんが知らせてきたんです。
でもあいつ家には戻らないって…。
で代わりに私が奥さんから話を聞いたんです。
随分と親身なんですね一社員に。
あいつとは高校の同級生なんですよ。
お待たせしました。
島崎の連絡先です。
(森田)ああありがとうございます。
これだ…。
お借りします。
ん?え?失礼します。
あっ中川弘志さんでいらっしゃいますか?
(中川)はい?月島中央署の者なんですが…。
(遠山)中川さん随分と頻繁にお店に通われてますね。
先月はほぼ毎日。
それ以前も含めると相当な回数になりますね。
結構な金額を貢いでたんじゃないですか?貢いでたなんて人聞きの悪い。
僕は真剣に彼女を愛してました。
愛してた…。
って要は下心があっただけなんでしょ?
(机をたたく音)バカ言うんじゃない!!僕は本気で彼女の事を守りたかったんだ。
結婚だって申し込んでいたのに…。
結婚?それで返事は?本人はいい返事がもらえるはずだったって言ってますがあの様子だと…なあ。
ええ…。
先月は毎日のように店を訪れていましたがこの2週間ほどは激減しています。
へえ〜。
もしかしたらその時期に結婚を断られてでその腹いせに…って事も考えられるわよね。
アリバイは?家にいたとは証言してますが一人暮らしのため証明出来る者はいません。
まあいろいろ細かく書いてあるわねぇ。
(遠山)そうなんですよ。
勤務先に誕生日に好みのお酒の飲み方まで。
(チャイム)留守か…。
(足音)
(横山)島崎真彦さんですね?月島中央署の横山と申します。
少しよろしいでしょうか?
(島崎真彦)何か?あなたの奥さんが亡くなられました。
えっ!?
(村木繁)今度はこれを調べるんですか?はい。
よろしくお願いしまーす。
オッケー!はいじゃあ…。
あれ?すぐに取りかかってくれないんですか?あのね糸村さん本当にねもう毎回言いたくないですけど私そろそろ寝ないと死にます。
はい寝ます。
労働せずとも睡眠は神々から平等に与えられる。
だが労働すればその喜びは何倍にも甘美になる。
…って誰かが言ってたの?言ってたかなと思って。
何それ?「言ってた」って言って。
調子狂うから。
え?殺害現場にこれがあった。
べったりお前の指紋がついていたよ。
昨日あの家に行ったんだなぁ?ええ。
5年も家に寄りつかなかったのになぜ昨日になって急に?離婚の話をしに行ったんです。
離婚?どうして今さら…。
(島崎)そろそろちゃんとした方がいいと思ってな。
この家も処分したいし。
この家を?もう親父も戻る事はないだろうしそれに俺今度山本と共同出資して新事業始める事にしたんだ。
そのお金のためにこの家を売るの?ああ。
(森田)で女房がそれに反対した。
家を売って困るのは女房だからな。
そして口論になって殺した!違います!俺は何もしてません!じゃあどうして昨日から会社を休んでる?会社に行く気分になれなくて一日中ブラブラしてました。
持っていった離婚届どうした?置いてきました。
2〜3日したら取りに来るからハンコ押しといてくれって。
見え透いた嘘をつくんじゃない!そんなものあの家のどこにもなかったぞ。
嘘じゃありません!あいつは考えさせてくれってちゃんと受け取りましたから。
お父さんは家を売る事はご存じなんですか?親父は俺のやる事なす事反対して…。
どうしてこの仕事を断るんだよ?レストランの従業員全員の制服だぞ。
せっかく俺が取ってきたのに…。
(島崎幸男)うちはな俺とお前と2人だけでやってる店なんだ。
そんな仕事引き受けたらお得意様にご迷惑がかかるだろ。
(島崎)一着のスーツ作るのにそんなちまちまやってたら儲けなんかほとんど出ないじゃないか!スーツ一着ろくに作れん奴に何がわかるってんだバカ者!だったら親父の好きにしろよ!俺もうどうなったって知らないからな!俺にだって他にやりたい事や夢があったんです。
それなのにあの家に生まれたばっかりに…。
それで奥さんは?ねえもう一度お義父さんとちゃんと話し合った方がいいんじゃない?一緒に来る気はないんだな?真彦…。

(島崎の声)あいつが自分で残ったんです。
出て行きたくないって。
銀座にも近い一等地ですからね。
離れたくなかったんでしょう。
でもそのあと奥さんは1人でお父さんの世話を…。
親父の世話?冗談じゃない。
あいつはただ親父を施設に追いやっただけじゃないですか。
それにあいつクラブで働きながら男に貢がしてたんですよね?旦那もうっとうしい年寄りもいなくなって結局はあいつが一番いい思いをしたんですよ。
あいつ山本と新事業を起こすって言ってたよな。
何か気になる事でも?森田さん。
(ため息)今日山本の会社に行った時に…。
成和ファイナンスっていったら何かと悪い噂のある金融会社じゃないですか。
そんなところに手を出してて新事業なんか起こせるのか?この裁断面を見てください。
はい。
こっちは非常に鋭利で真っすぐなんですがこれゆがんでたりほつれていたりするんです。
はあ〜。
縫い方も職人と素人くらいの差がありますね。
つまりこれを作ったのは全くの別人ですね。
別人…。
はい。
村木さん。
ん?この「ギャバジン」というのはなんですか?ああギャバジン。
これはね布の織り方です。
スーツやコートの素材によく使われてますね。
ふーん。
はいどうぞ。
なるほどよくわかりました。
ありがとうございました。
いいえ。
ところで村木さん…。
ん?ここで大きな問題が生じてしまったんですが。
ん?問題?僕これ調べてほしいとは言いましたけど糸を解いてバラバラにしていいなんてひと言も言ってないですよね。
元どおりにしてください。
いやいやご自分でお願いしますよ。
誰がバラバラにしたんですか?僕?じゃあ直すのは?僕?よろしくお願いしまーす。
(ため息)あーあ…。
イテッ!あっ…。
糸村君?何やってんの?ああ課長。
村木さんがですね想像以上に不器用だったものですから…。
はあ…糸村君…。
はい。
あのね私たちは今殺人事件を抱えてるわけね。
あなたもそんな事してる暇あったらさちょっとは私たちを手伝ってよ。
課長お言葉を返すようですが遺留品には被害者の心が…。
わかった…!わかったわかった。
もうみなまで言わなくていい。
そんなにそれが大事で直したいんだったらもうこの際仕立て屋さんにでも転職しなさい!
(ため息)仕立て屋さん?そうか仕立て屋さん…。
ありがとうございました課長。

(東孝彦)どうよ?例の殺しの方は。
まだこれといってめぼしい人物は…。
はあ…そうか…。
(遠山)課長!例の顧客ノートに気になる人物がいました。
見てください。
この仁志雄也という男です。
月島もんじゃ連合会の会長。
気になるって何が?その連合会に仁志雄也なんて人間は存在しないんです。
いない!?って事は…。
この男偽名を使って被害者に近づいたんですよ。
もしかしたら最初から殺害目的だったのかもしれません。
だから足がつかないように…。
年齢は50代半ばで趣味は…社交ダンスだって!社交ダンスといえば署長の出番です。
この男心当たりありませんか?いやまあ…それだけじゃなんとも…。
課長クラブ関係者に当たって似顔絵作りましょう。
そうねお願い。
(2人)はい!いやちょっ…ちょっと待った!ああ〜わかってます。
「所轄の意地を見せてやれ!」ですよね?いやいやそうじゃないんだ。
仁志雄也なんて人間は存在しないんだ。
(遠山)ええ…ええ言ってるじゃないですか。
仁志雄也は何者かが名乗った偽名だったんです。
いやだからそうじゃなくて…。
そういう意味の「存在しない」じゃないのよ。
どういう事ですか?仁志雄也は私です。
(3人)はあ!?いや…だってさ警察署の署長が本名で遊ぶわけにいかないだろ?殺人事件ですよ!?どうしてもうちょっと早く言わないんですかそういう事ちゃんと!いや…だってまさかさこんなところまで捜査が及ぶと思ってないから。
ああ…。
聞き込み行こうか…。
そうですね…。
(ため息)
(遠山のため息)署長なんか手がかりないんですか?署長は被害者の事を知ってるわけですよね!?いやそんな事言われてもさ…。
私はいつも酔っ払っちゃってるだけだから。
もうこんなダブルばっかりガブガブ飲んでるからだからなんにも覚えてないんじゃないですか!ダブル?ええ。
だってほら「ダブル」ってこれ水割りの事でしょ?ん?私は常にシングル派なんだけど?えっ?
(一同の笑い声)
(小橋洋子)あちらにいらっしゃいます。
気難しい方で私たちともあまり話してくれないんです。
島崎さんお客さんですよ。
こんにちは。
月島中央署の糸村と申します。
あの…島崎さんにお願いがあるんです。
これを直して頂けませんでしょうか?これ亡くなられた未紗さんが持ってらしたものなんです。
未紗?しかしガラガラっすね…。
(店員たちの笑い声)ありえない!ねっありえないよね!あっ…。
これ売れ残りですか?ああ。
はい。
ありがとうございます。
はあ〜さすがですね。
こんなきれいに直っちゃうなんて。
うちで扱ってた生地だ。
えっ?そんな事までわかっちゃうんですか?50年も扱ってりゃ触ればすぐわかるよ。
はあ…もう全て失っちまったがな…。
やっぱり男の人同士の方が話しやすいんですかね。
昨日も息子さんが来られて。
息子さん?ええ。
何かお仕事の話をされてたようです。
すいません。
それってこの方でしたか?いえ違いますけど。
どんな方でした?その人。
歳はこの人と同じぐらいだったけど…。
(横山)山本さんあなた島崎さんの父親に会いに行ったそうですね。
施設の方にあなたの写真を見せたところ確認が取れました。
ただ面会に行っただけです。
(山本)親父さんには昔からかわいがってもらっているので。
あなたの会社について調べさせてもらいました。
随分と借り入れがあるようですがそれでよく新事業を起こそうなんて思われましたね。
ええまあ…。
(森田)本当は全部嘘なんじゃないのか?お前の本当の目的は島崎さんにあの家を売らせその金を奪う事だった。
だが家を売るには所有者である父親の了解が必要だ。
だから父親を説得しに行った。
違うか?どうした?なぜ黙ってる?そのとおりです。
(山本)確かに私は島崎の金をあてにしてました。
でもそれはあいつが言い出した事なんです。
ちょっといいか。
話がある。
(山本の声)島崎は家を処分して新事業を始めようと言ってきました。
(山本)ただ親父さんに言いづらいから私に代わりに伝えてほしいと。
それで?親父さんには家を自由にしていいと言われました。
なるほど。
それで家を売るのに邪魔になった女房を殺したのか?違いますよ!じゃあ聞くが一昨日の夜はどこで何をしていた?会社で仕事をしていました。
(森田)それを証明する人間は?…いません。
でも私は何もやってません!だいたい女房女房って島崎の奥さんとは1〜2度会っただけですよ。
…にしては随分女房の事詳しいじゃないか。
島崎さんは女房がクラブ勤めしている事を知っていた。
お前以外誰がそんな事を話すんだ?戻りましたー。
は?
(仙堂)連絡のつかなかった顧客ノートの客からの話では被害者をタクシーで家まで送った時家の周辺をうろつく不審な人物を目撃したと。
不審な人物?ええ。
(遠山)ひととおり関係者の写真を見せたところこの男に間違いないと。
これって中川!?
(遠山)はい。
僕は真剣に彼女の事を愛していました。
すぐにあたって!
(仙堂・遠山)はい!課長!びっくりしたぁ!あのこれ…被害者の司法解剖の結果なんですがちょっとこれ見てください。
ここなんですが…。
被害者の手に何か痕が残っているんですよね。
ああ…。
凶器を首から引っ張ろうとしてついた痕なんじゃないの?じゃあこの痕は…?ん?凶器を引っ張っただけじゃこんな痕はつかないわよね。
僕もそう思います。
つまり被害者は殺された時に何か別のものを握っていたんですよね。
ん?ちょっと…糸村君!ちょっとちょっと!
(仙堂)先週先々週とあなたの姿がたびたび被害者の自宅付近で目撃されています。
これは一体どういう事でしょうか?本当はもう被害者に結婚を断られていたんじゃないですか?だから被害者の事を…。
(中川)違います!僕はただ彼女を守りたかったんです。
守りたかった?ええ…。
彼女が言ってたんです。
最近家に帰るのが怖いって。
怖い?彼女にしつこくしてたお客さんは何人もいましたからその中の誰かが押しかけて来るんだろうと思いました。
だから僕は…カメラを持って彼女の家の近くで見張る事にしたんです。
それで誰か現れましたか?課長。
はい。
これって動かせますか?
(棚を動かす音)え!?なんかあった?はあ…。
なんか奥に…。
赤い…あった!取れた。
はあ…。
ボールペン?はあ…。
島崎さんは奥さんと5年も離れて過ごしていたのに奥さんがクラブ勤めをしていた事を知っていた。
てっきり島崎さんの会社の社長が話したものだと思っていたのだがどうやら違ったようだ。
すべてはお前が吹き込んでいたんだな。
おっしゃってる事がよく…。
島崎さんがそう証言したんだ。
(森田)幼なじみのお前から聞いたとな。
お久しぶり。
(菜摘)未紗ちゃんねクラブで働いているみたい。
クラブ?お客さんからいろいろと貢いでもらったり結婚まで申し込まれているみたいで…。
(菜摘)だからってそれがどうかしたんですか?そういう事は教えてあげた方がいいじゃないですか。
最近よく夜中に彼女の家を訪ねていましたね。
さあ…なんの事だか。
(遠山)ごまかしても無駄ですよ。
これを見なさい。

(カメラのシャッター音)
(男性)今日は楽しかったよ。
それじゃあおやすみ。
気をつけて。
おやすみなさい。
(菜摘)お疲れ。
そういえばこの間も送ってもらってたね。
(遠山)島崎未紗さんはあなたが毎日のように訪ねて来る事を嫌がっていたんです。
(菜摘)どういう意味よ?彼女は彼女なりにお前の本心に気づいていたんだろうな。
本心?
(ノック)
(ドアの開く音)
(ため息)仁科さん。
これ被害者の右手の写真です。
ここに丸い痕がついているんですがこの丸い痕と…このボールペンのノック部分の形が一致しました。
被害者はおそらく首を絞められた際にボールペンを握って犯人に抵抗したものと思われます。
このペン先から犯人のものと思われる皮膚片と血痕が検出されました。
DNA鑑定に協力して頂けますね?あの女を苦しめたかった。
(菜摘)あんな女何もかも失って消えればいいのよ。
だって…彼を幸せに出来るの私だけだもの。
私洋裁得意だし…テーラーのお嫁さんにはピッタリだと思うの。
(菜摘)きっとお父さんも私と彼が一緒になる事望んでたと思うしそうなればお客さんもいっぱい来てみんなが幸せになれたと思うの。
そう真彦さんが離婚届を…。
でも仕方ないんじゃないの?つらいだろうけどその方が未紗ちゃんにとって…。
彼知ってました。
私がクラブで働いている事。
え…。
菜摘さん黙っててくれるって約束したじゃないですか。
あのクラブすすめてくれたのだって菜摘さんですよね。
テーラーのいい宣伝になるって。
そうだったかしら。
それに私男になんか貢いでもらってません。
どうしてそんなひどい嘘つくんですか?私これから真彦に会ってきます。
どこ行くのよ。
嫌離して!サインしなさいよ!早くしてよ!
(未紗)離してやめて!この嘘つき!
(未紗)うっ…うう…。
(菜摘)あっ!ああっ…!
(未紗)ああ…あっ…。
あ…。
やっと幸せになれると思ったのに。
あの人が待ってるのよ。
待ってるの…。
早く帰して…。
(菜摘)早く帰して…。
(菜摘の泣き声)
(菜摘)お願い…お願い…。
いい物件だよ。
市川部長。
うん。
こんにちは。
ん?あっ…ここ売ってしまわれるんですか?用があるならあとにしてもらえませんか。
今立て込んでるので。
島崎さん僕に3分だけ時間をもらえませんか?島崎さんこれを見て頂けますか?これは?未紗さんがクラブでつけていた顧客ノートです。
ここ見てください。
シングルとかこっちはダブルとか書いてありますよね。
これお客さん一人一人のスーツの好みなんだそうです。
(東)これはズボンの裾の事だよ。
私はダブル派だからねえ。
ズボンの裾?ああ。
彼女スーツの好みについていろいろ聞いてきたんだよ。
あいつ…なんでそんな事を…。
これは未紗さんが作っていたものです。
未紗が?はい。
しかも…。
このハサミを使って。
でもあいつは…。
そうです。
右利きでしたよね?でもこのハサミでなければいけなかったんです。
ハサミは使わずに放っておくと錆が出たり切れ味が悪くなったりするんだそうですね。
未紗さんはそれを防ぐためにあなたの左利き用のハサミを使ってシュシュを作っていたんです。
クラブでお客にスーツの好みを聞いていたのもそうです。
あなたが再びここでスーツを作る日を待っていたんだと思います。
あなたは未紗さんがお父さんを施設に追いやったと思ってらっしゃるようですが違うんです。
お父さんがご自身で決めた事なんです。
自分みたいな年寄りがいたら真彦も戻って来たくなくなるだろうって。
お父さんあなたとケンカをした事をずっと後悔してらっしゃいました。
もう少しあなたの言う事に耳を傾けていれば未紗さんの思いを踏みにじらずに済んだのにって。
未紗の思い…?幼い頃に両親を亡くした未紗さんにとってあなたとお父さんはようやく巡り合えた家族だったんです。
これは未紗さんのバッグに入っていたものです。
あいつ今でもこれを?肌身離さずに。
よっぽど大切にしていたんでしょうね。
ああちょっと未紗さん。
はい。
押さえててくれないか?あっわかりました。
あ…すみません。
いやいやいいよ。
ごめんなさい。
(幸男)よいしょ。
(未紗)ただいま。
未紗…。
それ私に?あっでも…。
あっ…って事はこれは用なしか。
あっ…。
真彦が初めて作ってくれたんだもん。
大事にする。
さあ仕事仕事!未紗…。
ハサミを使うならただ布を切ればそれで済んだはずです。
でも未紗さんはあなたのハサミを使ってシュシュを作り続けました。
あなたからもらったシュシュを参考にしながら。
あなたとお父さんが戻って来る日を待ち続けながら…。
横山!はい。
仁科菜摘の供述調書検察に回しといて。
はい。
(森田)俺が行く。
(森田)ついでがあるから。
あっ大丈夫ですよ。
仁志雄也の件は調書にのせてませんから。
すまん恩に着るよ。
もう。
森田さん自分から行くなんてらしくないよな。
ですよね。
お前たち人にはな他人に触れてほしくない事があるんだよ。
そっとしておいてやれよ。
(遠山)よく言いますよ。
戻りましたー。
ん?あれ?森田さんは?どうかしたの?帰り道に美味しそうな和菓子屋さん見つけたもんで大福買ってきてみたんです。
(仙堂)糸村さん。
はい?それは食べないと思いますよ。
どうしてですか?詳しくはもう少し調べがついてからお話しします。
2014/01/31(金) 15:55〜16:50
ABCテレビ1
遺留捜査3[再][字]

「老舗テーラーのシュシュ」

詳細情報
◇番組内容
遺留品が語る、三分の真実―風変わりな刑事・糸村聡が帰ってきた!彼は事件現場に残された“遺留品”から声なき遺体が訴えたかったメッセージを読み取り、伝える…。
◇出演者
上川隆也、斉藤由貴 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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