ダーウィンが来た!「珍鳥キーウィ 飛ばない秘密」 2014.02.15

「団地ともお」お楽しみに!やぶの中から現れた鳥。
ニュージーランドに住むキーウィです。
まるでネズミのような顔ですね。
ニワトリほどの大きさで丸い体つきをしています。
果物のキウイはこの鳥から名付けられたんですよ。
ほらそっくりでしょ?このキーウィ絶滅危惧種に指定され野生ではめったに見られません。
活動するのは夜の森。
空を飛ばず地面を走り回って暮らしています。
今回その生き方を詳細に捉える事に成功しました。
カップルが鳴き交わす熱烈なラブソング。
愛の結晶である卵はニワトリの卵6個分もの重さです。
産卵前のメスをエックス線で見てみると…。
うわ〜!おなかは卵ではち切れそう!ニュージーランドだけに住む珍鳥キーウィ。
超個性的な暮らしの秘密に迫ります。

(テーマ音楽)広い牧草地にヒツジがいっぱい。
ニュージーランドの北島にやってきました。
街では…巨大なキーウィを発見!あっちにもキーウィ。
こっちにもキーウィ。
キーウィはニュージーランドのシンボルなんです。
それだけじゃありません。
ニュージーランドの人はこう言います。
え〜!皆さんがキーウィ!?じゃ街じゅうキーウィだらけって事?一体どうして?ニュージーランドの人たちが愛してやまないキーウィ。
一体どんな生き方をしているんでしょうか?めったに人前に現れないというキーウィを探して小さな島に渡りました。
この森は最もたくさんのキーウィに出会える場所なんだそうです。
案内してくれたのは10年にわたりキーウィの研究を続けるイザベル・カストロ博士です。
この森で50羽の行動を追跡しています。
昼間キーウィは木のうろや地面に掘った巣穴で眠っているそうです。
うん?博士が何かを見つけました。
キーウィの羽根です。
ちょっと前までここにいた証拠です。
キーウィが姿を現わす夜になるのを待つ事にしました。
イザベル博士と一緒によく現れるという場所に向かいます。
(鳴き声)何か聞こえてきました。
「キーウィキーウィ」って聞こえませんか?そうです。
キーウィの鳴き声です。
この鳴き声から「キーウィ」という名前が付いたんだそうです。
一体どこで鳴いているんでしょうか?博士が何かに気付きました。
指さした方をよく見ると…。
ここです!今動きました!ついに見つけました!キーウィです。
大きさはニワトリほど。
飛ぶ事はできず地面を走り回ります。
特徴的なクチバシは長さ10cmもあります。
そしてその根元にはヒゲのように変化した羽がたくさん生えています。
「感覚毛」といって暗い中でもこれに触れれば周りの様子を察知できるんです。
もうひとつキーウィの体をじっくり見て気付く事はありませんか?ヒントは他の飛べない鳥。
ニワトリだってダチョウだってペンギンだってみんな翼はありますよね。
でもキーウィには翼が見当たらないんです。
調査のために捕まえたキーウィをよく見せてもらいました。
キーウィの翼はこれ。
わずか5cmほどで先端にはツメが生えています。
ここまで翼の小さい鳥はほとんどいません。
一方で足はとても大きくがっしりしています。
ツメは非常に鋭く地面をしっかりつかんで歩く事ができます。
足の指の太さはつかんでいる人の指とあまり違わないですよね。
キーウィは空を飛ぶのをやめた代わりに太くたくましい足で地面を歩くようになったんです。
キーウィの暮らしをもっと詳しく見ていきましょう。
目をつむってしきりに地面をつっついています。
一体何をしているんでしょうか?あっミミズを引っ張り上げました。
キーウィはミミズや虫などを主食にしています。
鋭い嗅覚で土の中や枯れ木に住む獲物を探すんです。
そのための秘策がこちら。
クチバシの先端に小さな穴がありますよね。
これ鼻の穴です。
普通鳥の鼻の穴はこんなふうにクチバシの根元にあります。
鼻の穴がクチバシの先端にある鳥は世界中でキーウィだけ。
これだと鼻の穴を地面に近づけられるので土の中のミミズが出すかすかなにおいも捉えやすいという訳です。
さらにクチバシの先で地面に触れ獲物の振動も手がかりにしているとも考えられています。
そして狙いを定めてクチバシを突き立てます。
あてずっぽうで捕まえている訳ではないんですね。
観察していく中で面白い行動を目撃しました。
こちらのキーウィミミズを捕まえたようです。
あれ?クチバシを突っ込んだまま動きを止めました。
これ大物を捕まえる技なんだそうです。
捕まったミミズは下に逃げようとします。
大物だと簡単には引き抜けません。
でもずっと押さえているとミミズは疲れて弱ります。
そこを狙って一気に引き抜く作戦です。
ミミズをつかんだらじっとして…よいしょ!お見事!キーウィは一晩に100匹ものミミズを捕まえていると考えられています。
キーウィって見かけによらずすごいハンターなんですね。
ある夜。
(鳴き声)オスがしきりに鳴いています。
メスへのアピールです。
冬から春にかけてキーウィは恋の季節を迎えます。
あれ?倒れた木に開いた穴に入っていきます。
このオスの巣のようです。
研究者の協力のもと特別に巣の中にカメラを設置させてもらいました。
オスが葉っぱを真ん中に集めています。
メスに卵を産んでもらうためのベッドを作っているんです。
準備万端!あとはメスを待つばかりです。
ある日のこと。
あれ?見知らぬキーウィがオスの縄張りにやってきています。
どうやら待ちに待ったメスのようです。
枯れ木をしきりにつついて獲物を探しています。
オスがメスに大接近!メスはオスより体が一回り大きくクチバシも長めです。
メスが大きいのは卵を産むためだと考えられています。
やがてオスとメスが一緒に歩き始めました。
何だかとってもいい雰囲気。
カップル成立のようです。
第2章ではついに巨大な卵が産まれます!でも卵が原因でラブラブ夫婦にケンカが勃発!?さらにはメスが家出!どうなっちゃうの?空を飛ぶ代わりに地面を歩き回る珍鳥キーウィ。
一体なぜこんな生き方をするようになったんでしょうか?それにはニュージーランドの成り立ちが深く関係しています。
およそ2,300万年前に起きた地殻変動によってニュージーランドの大部分は海の底から姿を現したと考えられています。
そこに空を飛べる鳥たちがやってきました。
天敵となる哺乳類は渡ってこられなかったため飛ぶのをやめて地上で暮らす鳥が現れたんです。
そしてニュージーランドは飛べない鳥の楽園になりました。
現在16種類の飛べない鳥が暮らしています。
みんなニュージーランドだけに住む個性的な鳥たちです。
こちらは山の上の草地に住むタカヘ。
地面を歩きながら草などを食べて暮らしています。
森で暮らしているのは…。
オウムの仲間で唯一飛ぶ事ができない変わり者です。
こうやって木によじ登って木の実などを食べています。
あ〜落っこちちゃいました!ニュージーランドの飛べない鳥たちってほんとに個性的。
どことなく愛きょうがありますよね〜。
カップルとなったキーウィたちはどうしているでしょうか。
いました。
2羽で仲良くお食事中です。
オスがしきりに頭を上げています。
これはにおいを嗅ぐしぐさ。
近くに他のオスがいないか警戒しているんです。
そんなオスを尻目にメスは食事に夢中です。
卵を産むため栄養を蓄えなければならないんです。
枯れ木をつつくメス。
何か見つけました!カミキリムシのさなぎです。
ミミズよりもずっと栄養豊富で産卵前のメスにとってまたとないごちそうです。
おや?奥からオスがやってきました。
するとメスがオスに羽繕い。
仲がいいですね〜。
あれ?何か変わった声で鳴き交わし始めました。
これ夫婦の絆を確かめ合う声です。
夫婦水入らずの深夜のデート。
ほんとラブラブですね〜。
夜明け前オスが巣に戻ってきました。
続いてメスも入ります。
夫婦になるとオスとメスはこうして同じ巣で過ごすようになるんです。
ある日の午後。
まだ明るいのに巣からメスが出てきました。
夜行性のキーウィではまず見られない行動です。
一体どうしたんでしょうか?いちもくさんに向かった先は水たまりです。
勢いよく水を飲み始めました。
キーウィがこれほど水を飲むのもとっても珍しい事なんだそうです。
研究者によるとメスが盛んに水を飲むようになるのは産卵が近づいている証拠だといいます。
それから2日後の朝早く。
夫婦の巣である変化が起きていました。
手前にいるのはメス。
何だか落ち着きがありません。
足を上げたり…体を震わせたり。
今度はおなかの辺りを気にしています。
産卵が迫っているようです。
あっメスのおなかの下に白いものが見えます。
卵です。
この卵重さ400gにもなる超ビッグサイズ。
ニワトリの卵と比べるとその大きさは一目瞭然。
ほんと大きいですね。
エックス線で産卵直前のメスの体を見るとおなかは卵でいっぱい。
この卵親鳥の体重との比率では鳥の中で最大です。
メスは産卵するとすぐに卵をおなかの下に入れて温めます。
オスがメスのおなかの下をのぞき込もうとしています。
卵の事が気になるんでしょうね。
次の日。
とんでもない事件が起きました。
せわしなく動き回るオス。
なんと卵を抱くメスの体をクチバシでつつき始めました。
今度は体当たり!メスを押しのけようとしているんです。
今まで仲が良かったのにオスは一体どうしてしまったんでしょうか?しばらくするとメスは卵を残したまま巣から出ていってしまいました。
残ったオスはすぐさまベッドのお手入れ。
そして卵の上に座りました。
実はこのあとヒナが生まれるまで卵を温めるのはオスだけの役目。
80日間も抱き続けるんです。
ちょっと待った!あっ来ましたねヒゲじい。
はい。
どうしてオスはメスを追い出しちゃったんですか?メスにも温めるのを手伝ってもらった方が楽じゃないですか?いいえオスはメスにやってほしい事があるから追い出したんですよ。
えっやってほしい事?はい。
巣から出てきたメスの行動をよく見てて下さい。
はい。
あっ食べてますな。
はい。
これこそオスがメスにやってほしい事だったんです。
どういう事?メスは十分な栄養を蓄えると2個目の卵を産む事があるんです。
でも卵は大きいのでたくさん食べなければなりません。
だからオスはメスに食事に専念してほしかったんですよ。
そうなんだ。
でもそれだったら卵を小さくしてたくさん産むようにすればいいじゃないですか。
いえいえ大きな卵にはとってもいい事があるんですよ。
はっ?いい事?どんな?もし小さな卵だったら生まれてくるヒナも当然小さくなります。
体力がなくちょっとした気温の変化などで死んでしまう事もあります。
一方大きな卵だったら十分育ってから生まれてくるのでヒナはとっても丈夫です。
できる限り大きな卵を産む。
これこそがキーウィの戦略なんですよ。
ほう〜。
それにねヒゲじい。
そんな事ができるのもキーウィが飛べない鳥だからこそなんですよ。
どういう事?鳥は空を飛ぶために体の隅々まで徹底的に軽くしています。
卵が大きくて重かったら飛ぶ事ができないんです。
飛ばないキーウィだからこそ巨大な卵を産む事ができるんですよ。
う〜んなるほどね。
「ヘビー」な「ベビー」で安心な育児。
飛べない鳥「キーウィ」だからこそできる「キーウィ極」の子育て法って訳ですな。
なんちゃってね!卵を温め始めてから80日。
(鳴き声)卵からヒナの声が聞こえています。
ふ化の瞬間です。
ヒナは強くたくましい足で殻を蹴破ります。
羽も生え親を小さくしただけのような姿のヒナ。
数日間は親と一緒に巣の中で過ごします。
第3章では幼いヒナが深夜の森で大冒険。
あらら…転がり落ちちゃった!大丈夫?ニュージーランドの人たちが愛してやまないキーウィ。
皮肉な事に人間がやってきて以来数を減らし続けています。
かつては1000万羽以上が暮らしていましたが今ではおよそ3万羽にまで激減。
絶滅危惧種に指定されています。
食料として人に捕らえられたり人が持ち込んだ動物に襲われたりしたからです。
こちらは研究者が撮影した映像です。
斜面にキーウィのヒナがいます。
そこへネコがそっと近づいてきました。
ヒナは逃げるそぶりを見せません。
あっ!ネコがヒナをくわえていきました。
哺乳類という手ごわい敵と暮らしてこなかったキーウィに身を守るすべはないんです。
キーウィを守ろうとニュージーランドの各地で保護活動が行われています。
ネーピア市ウェストショア野生動物保護区のトニー・ビリングさんは30年以上にわたり人工繁殖に携わっています。
今までに100羽以上を自然に放してきました。
確かにかわいいですね。
ふ化して2週間のヒナです。
この日大きく育てたヒナを自然の中に放す事になりました。
放すのは施設から200km離れた森。
ネコやイヌなど人間が持ち込んだ哺乳類を駆除したキーウィのための森です。
ここでは順調にキーウィの数が増えているそうです。
よかったですね。
11月。
キーウィの住むニュージーランドの森は初夏を迎えました。
夜9時。
巣から出てきたのは生まれて5日目のヒナです。
誰に教わった訳でもないのに自分で食べ物を探しています。
まだおぼつかない足取りで急な斜面を登っていきます。
あらら…転がり落ちちゃいました。
よかった!無事でした。
失敗をものともせず食べ物を探します。
3時間後もうおなかがいっぱいになったのか巣に戻ってきました。
生後3週間ほどまでは生まれた巣のそばで過ごし親の縄張りの中で食べ物を探します。
ある夜。
生まれて4か月ほどの若いキーウィを見つけました。
落ち葉に顔を突っ込んで夢中で獲物を探しています。
あっ止まりました。
大物を捕らえる時のあの動き。
もう狩りの腕は一人前です。
ニュージーランドだけに暮らす珍鳥キーウィ。
鳥なのに飛ぶ事をやめ深夜の森を駆け回る一風変わった生き方。
人々に愛される個性的なこの鳥がこれからもずっと命をつないでいけるといいですね。
2014/02/15(土) 17:32〜18:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「珍鳥キーウィ 飛ばない秘密」[字][再]

ニュージーランドだけにくらす絶滅危惧種の鳥・キーウィ。大きさはニワトリほどだが、卵の重さはなんとニワトリの6倍!地中のミミズを捕える秘策など、珍鳥の秘密に迫る!

詳細情報
番組内容
世界でニュージーランドだけにすむ絶滅危惧種の鳥・キーウィ。鳥なのに飛べず、たくましい足で深夜の森を駆け回る。今回、めったに見られない珍鳥の暮らしぶりを克明にとらえることに成功した。目には見えない地中のミミズを捕まえる驚異のハンティング。さらに、超貴重な子育ての映像。ニワトリとほぼ同じ大きさのキーウィだが、なんと卵の重さはニワトリの6倍! 不思議だらけの珍鳥・キーウィの秘密に迫る!【歌】平原綾香
出演者
【語り】首藤奈知子,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:6311(0x18A7)