このページの本文へ移動
Japan
国・地域を変更
ホーム
>
コンピュータプラットフォーム
>
法人向けPC・タブレット・スマートフォン
>
導入事例
>
室蘭工業大学様
ワイヤレスLAN 導入事例(室蘭工業大学様)
富士通のワイヤレスLANステーション
FMWT-52シリーズ
国立の工科系単科大学である室蘭工業大学の情報教育への取り組みは、かなり早い時期から始まっている。1973年には、情報処理教育センターを設置、情報処理技術者の育成を行ってきた。その後、同センターは97年に改組して、現在の情報メディア教育センターとなった。
「かつてはプログラミング教育中心だったのですが、5年前からはメディアをいかに活用するかが重視されるようになりました。現在は、大学の1年生を対象に、メディア活用のための導入教育を行っています」と、同センター助手の石田純一氏は説明する。
5年前の改組は、時代の変化に対応した組織のリニューアルといえる。同様の動きは、その後ほかの国立大学にも広がっていった。このような先進性は、ネットワーク環境においても見ることができる。
2001年下期、室蘭工大は「学生の自学自習を支援するため」(石田氏)、学内にワイヤレスLANを導入した。ただし、当時はワイヤレスLANの稼動実例が少なかったこともあり、ワイヤレスLANシステムは2期に分けて導入した。1期目は本部庁舎と図書館業務用に9台のアクセスポイントを設置、運用上の問題がないことを確認した。その後2002年2月に、2期目として教育用コンピュータシステムとして、キャンパスの主要な共有スペースを対象に一括導入した。
現在のアクセスポイント数は38。大教室や図書館、大学会館などに設置されており、アクセスエリアは屋外にまで広がっている。なお、38ヵ所のアンテナのうち、図書館内の3ヵ所だけは図書館業務のための独立したネットワークを構成している。つまり、図書館内では学生向けと業務向けの2系統のネットワークが並存していることになる。
ワイヤレスLAN導入以前は、講義室や図書館などに設けてある情報コンセントにPCを有線で接続するという形で学生はLAN環境を利用できた。しかし「有線の場合は学習の場が制限されますし、コンセントが塞がっていて利用できないこともあります。学生が自由にイントラネットに入って学習するには、ワイヤレスLANのほうが適していますからね。また、たとえば講演会の講師がワイヤレスLANを使って学生のPCに資料を送信しながら話を進めるといった使い方もできます」と石田氏は語る。
ワイヤレスLANの規格は、最大11Mbpsの通信速度を実現するIEEE802.11b。工業大学ということもあって学生のPC利用度は高く、画像のような重いデータが授業で配られることも多い。そんな教育環境を支えるインフラとして、高速のネットワークは不可欠だったのである。稼動後すでに1年以上経過したが、その間、特に問題はないという。
「重いデータをやり取りしてもストレスを感じたことはありません。また今後、ワイヤレスLANのユーザーが増えて通信速度が遅くなったときには、容易に拡張できるよう設計されています」(石田氏)。石田氏は現在のワイヤレス環境に満足している様子だ。
ワイヤレスLAN導入にあたっての要件は、(1)使用機器は、IEEE802.11b規格でWi-Hi認定、(2)Macアドレスによるアクセス制御、(3)RADIUS認証、(4)自動速度選択機能、であった。また、教育用コンピュータシステム全体のサポートの窓口は一本化することが条件だった。これを前提に策定した仕様書と総合評価基準(価格性能比)で、競争入札を落札したのが富士通だった。
結果的に、富士通に一括発注することになったわけだが、石田氏は「マルチベンダー方式での導入という考え方もありますが、それではベンダー各社との連絡やベンダー間の調整をすべて大学側で行う必要が生じて負担が大きく、トラブルが起きたときの対処にも時間がかかります。ネットワークには富士通の機器もあれば、他のベンダーの機器もあります。全体のインテグレーションに富士通が実績を持っていることのありがたさを今、実感しています」と話す。
ワイヤレスLANの構築を実際に行ったのは、富士通とそのグループ企業であるFFC。実はアクセスポイントは、数が多ければいいというわけではない。適切なアクセスポイントの数と設置場所を決めるには、限られた台数でのチャネル配置、電波シミュレーションなどのノウハウが不可欠。今回、設置場所・台数を確定するのに要したのはわずか2日間。ワイヤレスLAN構築で豊富な経験を持つFFCならではの短期間での作業だった。
ワイヤレスLAN導入に当たっては、セキュリティ確保が大きな課題の一つ。特に2001年後半というと、まだワイヤレスLANの実績そのものが少なかった時期だけに、セキュリティ対策もおざなりなケースが多かった。しかし室蘭工大のネットワークでは、RADIUSによる認証サーバを設けるなどネットワーク全体として導入当初からセキュリティ対策の先進性は際立っていた。その基本スタンスは、もちろんワイヤレスLANに関しても同様だ。石田氏は「さらに高度な仕組みにしたいと考えています」と話している。
学習環境の一層の充実を図るため、2003年5月には高速でのリモートアクセスを可能にする仕組みもできた。
「学生が自宅などからイントラネットに入りたいときには、従来はダイヤルアップ接続しか許可していませんでした。最近は自宅に常時接続のブロードバンド環境を持つ学生も増えています。そこで、学生がインターネット経由でLANに入れるよう、VPNを導入しました」(石田氏)。大学の周辺のNTT電話回線が光集線であることもあってADSLが使えず、光ファイバーを引き込んでいる学生アパートも多いという。
キャンパス内外で整ったブロードバンドインフラ。恵まれた環境の中で、学生の学習の中身もより濃いものになるに違いない。
ユーザープロフィール
所在地: 北海道室蘭市
設立 : 1949年5月
学長 : 田 頭 博 昭
沿革 :
国立の工科系単科大学。ルーツは1887年(明治20年)3月設立の札幌農学校工学科。49年に電気工学,工業化学,鉱山工学, 土木工学の4学科でスタート,現在は建設システム工学, 機械システム工学,情報工学,電気電子工学,材料物性工学,応用化学の6学科(入学定員560名), 夜間主コースの機械システム工学,情報工学,電気電子工学の3学科(入学定員40名)に加え,大学院博士前期課程6専攻(入学定員198名),博士後期課程4専攻(入学定員24名)を有す。
http://www.muroran-it.ac.jp/
ページの先頭へ