大阪・梅田の地下街で各地の名産品を売る店が並ぶ「阪神百貨店ふるさと名産」が29日、最後の営業日を迎えた。旅行に行かなくても土産が買えるため、「アリバイ横丁」と親しまれてきたが、新年度から地下道の拡幅工事の調査や阪神百貨店の建て替えが始まるため閉店することになった。

 同百貨店によると、1951年に前身の「全国銘菓名物街」で9都府県の物産を販売して以来、ピーク時の70年には32店が41都道府県の物産を取り扱ったが、現在は鳥取県など3店舗のみとなっていた。

 この日、同県出身の大阪市平野区の主婦大島玲子さん(72)は名産品のとうふちくわなどを購入した。「ふるさとの味が恋しくて月に1回は買いに来るほど好きなお店だった。閉店は寂しい」と話した。