フィギュアスケートの世界選手権2日目(27日、さいたまスーパーアリーナ)、女子ショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(23=中京大)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を含むすべての要素を完璧に決め、78・66点の世界歴代最高得点をマーク。同大会出場8度目で初の首位に立った。鬼門のSPで失敗した2月のソチ五輪から一転、史上最高の演技を披露。激動の1か月半の舞台裏では、森喜朗元首相(76)と“もう一つの因縁”があったという。
ついに歴史を塗り替えた。表示された得点は78・66点。キム・ヨナ(23、韓国)が2010年バンクーバー五輪で叩き出し、この4年間、誰も超えられなかった78・50点を0・16点上回った。大観衆のどよめきのなか、真央は「今日の演技は満足したので、得点も少し期待しました。世界最高と聞いてうれしかったです」と笑顔を見せた。
ソチ五輪開幕から今大会まで、激動の1か月半を経験した。団体のSPはトリプルアクセルで転倒して3位。個人SPではジャンプのミスが続き、55・51点でまさかの16位発進だった。フリーでは驚異的な挽回で日本中に感動を与えた一方、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長に就任した森氏に「あの子、大事なときには必ず転ぶ」などと発言され、注目を集めていた。
実は、森氏とはソチで“もう一つの因縁”があった。団体女子SP当日の2月8日午前中、森氏は安倍晋三首相(59)とともに選手村を訪問し真央らを激励した。この時、森氏はスケジュールの都合で到着が遅れた安倍首相より一足先に会場入り。元首相かつスポーツ界のドンが相手となれば、選手は椅子に座っているわけにはいかない。直立して森氏を迎えた。
関係者の話によると、安倍首相が到着するまでの約30分間、真央ら選手は立ったままだったという。もちろん、到着後も直立で過ごした。ほとんどの選手が試合前の集中したい大事な時間。東京五輪組織委員会が「アスリート・ファースト」(選手第一)と声高に叫んでいるだけに「もう少し配慮があってもよかったのでは」という声が上がったのは無理もない。
試合前の直立が団体でのミスにつながったかどうかはわからないが、こうした状況があったにもかかわらず「あの子…」の発言。それでも真央は、悔しさを少しも表に出すことはなかった。帰国後も、外国特派員協会での会見で「私は気にしてないけど、森さんはちょっと後悔しているのでは」などと笑顔で受け流していた。
様々な感情をコントロールし、帰国後は気持ちを切り替え練習に臨んだ。現役続行か引退か「ハーフ・ハーフ(五分五分)」とした今後について注目が集まったが「今後のことなど本当に一切考えられない」(真央をよく知る関係者)と、ひたすら今大会に集中した。それは誰も真央に今後の話を聞けないほど鬼気迫るものだったという。
そのかいあって、鬼門のSPで「『ソチでは悔しかった、悔しかったんだ』と思って滑っていた。今日は100点満点です」――。
もちろん、まだ満足するわけにはいかない。「今回はSP、フリーともにパーフェクトな演技をして『やり切った』と思える終わり方をすることが目標。今日のような演技をしたい」。フリー(29日)の演技が「有終の美」になるかもしれないが、この日のSPの演技には誰より森氏がホッとしているに違いない。
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