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やねうらお−俺のやねうら王がこんなに弱いわけがない。 (第2期) このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2014-03-29 電王戦第三局について思うこと

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※ いま14時。電王戦第三局の決着がついていない段階でこの記事を書いている。


YSSは序盤に時間を使わなさ過ぎる。これは電王トーナメントのときにも思っていた。開発者自己対戦での勝率を上げるようにチューンしていくと、序盤で時間を使っても勝率は下がるのだ。この理由はいろいろあるのだが、主な要因としてソフト同士だと序盤は定跡の進行になりやすいというのがある。自己対戦だと特に、定跡を抜けたあたり(30手目付近)に時間をそんなに使っても、優勢な局面に持ち込める確率は低く、終盤のねじり合いのところに時間を残したほうが頓死などが減り、勝率が上がるのであろう。


から開発者普通は序盤に時間を使わない方向でチューンしてしまう。私は、人間相手の対戦ではこれは全くの間違ったチューンだと思っている。


実際、今回の第三局でも序盤早々、定跡を抜けたところで62玉と指してしまった。これが大悪手である。YSSでも、もっと時間をかければこんな大悪手は指さないはずだ。おそらく、対戦相手の豊島七段は貸し出し時にこの手順を見つけていたのだろう。やねうら王ならば局後学習があるので、こういう序盤早々に人間側の研究手順にハマり、劣勢になることはまずありえない。(実際、将棋倶楽部24にやねうら王を流しているが、序盤の立ち上がりにおける弱点はいまだ発見されていない。一切従来の将棋の定跡を入力していないにも関わらず、である。)


やねうら王の局後学習が今回の電王戦第二局で効果に乏しかったのは、対戦相手の佐藤紳哉六段がそういう特定局面に持ち込んでハメてやろうみたいなファミコンゲームでも攻略するかのようなことをされなかったからだ。佐藤紳哉六段がある意味、正々堂々と、そして潔く真正からぶつかってこられた結果なのだ。もし、やねうら王の相手が豊島七段であったなら、「やねうら王、最初はハマりパターンを見つけたんですけど、次の対局ではそれが使えなくなっていてこのソフト進化するんだなと驚きました」というコメントをしていたことだろう。


ともかく、このYSSは今回の電王戦版のやねうら王よりいくらか強いはずだと思うのだが、序盤で時間を使わなさ過ぎるという戦略上の失敗と、相手の研究にハマりやすい(その部分においてきちんとした対策をしていない)という点、そして、豊島七段がこの穴をきちんと事前研究で見つけてしまったという三つの悪条件が重なってしまい、もはや勝負の形を成していない。本譜のような進行になると事前にわかっているなら豊島七段ほどの棋士でなくとも、楽に勝てるだろう。


そういう意味では、やねうら王の序盤に湯水の如く時間を投与するという作戦および、局後学習という手法がいかに人間相手の戦略として正しかったのかということが今一度評価なされてもいいんじゃないかと思う。そして、「局後学習意味をなさなかった」という第二局において、佐藤紳哉六段がいかに潔く真正からぶつかっておられたのかという点も、もっと高く評価がなされるべきだろう。


[2014/3/29 15:00] 追記。ソフトが事前に貸し出された以上、研究にたくさんの時間を投与するのはプロ側の使命としてあるのかとは思うのですが、ソフトの苦手な特定局面周辺ばかり研究して勝つのは、ファミコンゲーム攻略するかのような攻略であり、翌日以降のプロの実戦で生きるような研究の仕方ではありませんから、そういうのはやるべきではないと私は思っています。ただ、豊島七段の事前研究に関しては、おそらくそういう意図はなく、序盤の出だしでYSSの弱点をいきなり見つけてしまったのでしょう。(ただ、これを事前研究で見つけたからと言って本番でこれをやるのかという気持ちは私はありますが…) また、YSSは、あそこで62玉ではなく41玉まで定跡として入力しておくべきでした。この62玉の指し手は電王トーナメントのときにも出現していたらしく、この修正はしておくべきだったでしょう。

nanasinanasi 2014/03/29 14:47 お疲れ様です。
ほとんど同意なのですが、最後の
>、佐藤紳哉六段がいかに潔く真正面からぶつかっておられたのかという点も、もっと高く評価がなされるべきだろう。
という表現には非常に違和感があります。
豊島7段のように研究し尽くすのが、真正面からソフトにぶつかるプロの在り方だと思うのですが…

永久コンボ永久コンボ 2014/03/29 14:54 まあでもこの局面は完全にハメが決まってるだけだからな。
ただの研究成果発表会にしかなってない。
YSSに実際こんなハメパターンが存在するのかは知らないが
ハメ手に掛かった初心者にしかみえん。
豊島七段とYSSのガチ勝負見たかった俺としては残念ではある

ななしななし 2014/03/29 14:55 わかった!わかったからこれからもコンピューター将棋続けて証明してくれ。やめんなよ〜

ななしななし 2014/03/29 14:55 やねうら王の局後学習に惹かれた者ですが、やねうら王はどこかで手に入れることが出来るのでしょうか?

ななしななし 2014/03/29 14:59 勝又先生のツイートを見ると、YSSなら6二玉としてしまうと指す前から予言しており、電王戦トーナメントの時から(あるいはそれ以前から)この悪手の問題に気づかれていたようです。そうなると豊島先生もYSSの棋譜を見れば気づいていたでしょう。やねうら王のような局後学習はこういう研究にはまる進行で必敗になるのを防ぐ意味では確かにいいですね。最後の佐藤六段についての文章は対やねうら王としては正しいでしょうが、対YSSとなると違和感は感じます、ソフトに応じた研究として考えればですが。局後学習という手法が今後将棋ソフトの対策として広まるかが気になります。

hitohito 2014/03/29 15:03 アマチュアでも出来る今回のようなハメ手を見たいわけではないので最初のコメントには同意できません。プロなら実力でぶつかってそれでも1四金のようなバグ手がでるならソフトが弱いになりますが、事前調査のハメ手をみて何が面白いのでしょうか。その点、豊島七段より佐藤六段のやり方のほうが潔いです。

paul1984jppaul1984jp 2014/03/29 15:03 やねうらおさんは、きっとこのモヤモヤ感を精神的な起爆剤にして
WCSCや電王トーナメントで優勝し、
その新しい発見の数々を関西の情報系の院生(情報処理学会論文提出経験者)を複数人雇い入れて
論文として提出するに違いない!(と言ってみたら本当に実現しそうな気がしてきた)

sgfsgf 2014/03/29 15:04 個人的には佐藤紳哉プロは正々堂々と勝負したのではなく、ハメ手が見つけられなかったら正面からぶつかるしかなかっただけじゃないかと思ってます。なぜなら40局しか練習対局をしてなかったからです。40局でハメ手を見つけられるもんなんでしょうか?
豊島プロはハメ手を発見できるほどたくさん研究して対局した。だからこそこのような展開になったと思っています。
プロとして立派だと思うのは豊島さんの方ではないでしょうか。

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