滋賀弁護団、白斑被害で初の慰謝料請求
昨年7月に発覚したカネボウ化粧品(東京都)の美白化粧品の白斑被害問題で、滋賀と京都の弁護士有志でつくるそれぞれの被害対策弁護団に今も多くの相談が寄せられている。30日で結成半年を迎える滋賀の弁護団は今月、被害者が白斑を隠すために使った費用などを初めてカネボウに請求した。被害者がいまだに症状に苦しむ中、両弁護団は今後も対応を強化していく。
滋賀の弁護団は昨年9月30日、弁護士12人で結成。電話とファクスで相談を受け付けており、26日時点で県内や京都府、大阪府、愛知県などから67件の相談が寄せられた。「カネボウから補償の連絡が全くない」という声が多く、「外出できなくなった」「ストレスで精神科に通院することになった」などの訴えもあった。
弁護団は昨年10月、カネボウに被害者の相談受付時間の拡大や、白斑を隠すために被害者が使った費用負担などを要望した。しかし、カネボウは12月、「苦情、要望として処理する」と回答し、要望に応えなかった。
弁護団は利用者との正式な委任契約がないとカネボウは対応しないと判断し、相談者に呼びかけた。これまでに相談者6人の委任を受け、うち2人のケースで今月、白斑を隠す化粧品代や皮膚科通院を余儀なくされた慰謝料などの請求書をカネボウに発送した。また、京都の弁護団は昨年12月に結成。無料電話相談などを行い、京都と大阪から24人(26日時点)の相談が寄せられている。弁護団は28日、カネボウに補償についての考え方を問う質問書を出した。
カネボウによると、把握できている被害者は全国で1万8312人(3日時点)で、「担当者が訪問して責任を持って対応させていただく」としている。
滋賀の弁護団事務局長の石川賢治弁護士は「カネボウの補償の基準はあいまい。示談に応じると請求できるはずの費用が請求できなくなる。気軽に相談してほしい」と話している。問い合わせは、滋賀は吉原稔法律事務所TEL077(510)5262、京都は京都総合法律事務所TEL075(256)2560。
【 2014年03月29日 09時12分 】