目次
- アナウンサーと学校の先生。二つのあこがれ。
- ふさわしい距離感で伝えられるように
- 特別なことではない、基本をいかに考え続けるか
- 午後9時にピークを持っていくためのスイッチオフ
午後9時にピークを持っていくためのスイッチオフ
――井上さんのリフレッシュ方法は何でしょうか?
井上「睡眠です(笑)。学生時代からの習慣というか、寝ればなんとかなる、すべては睡眠が解決してくれる! だからといって、廊下や居室で寝るわけにはいかないので、場所は考えます(汗)。移動中や空き時間は、現場の方に「申し訳ないです...」と伝えた上で、仮眠を取って体を休めるようにしています。」
――そのためにこちらのグッズが欠かせないわけですか!?
井上「物音がすると気になってしまうので耳栓は必須ですね。疲れていれば、割とどこでも寝られるタイプですが、10分、20分だけでも十分なんです。もちろん、眠れないときもありますが、目をつぶって横になっているだけで、元気になれると信じています。割と目をつぶっていれば、のび太くんじゃないけどすぐ寝てしまいます(笑)。」
――短い時間で疲れは取れますか?
井上「今は一日の最後に仕事があるので、午後9時に集中力や体力をトップコンディションにしておきたいんですね。状態をキープしたりコントロールしたりするための小休憩を取るようにもしています。大越キャスターも知っていて、「昨夜もちゃんと寝られたかな?」と子どもをあやすように言われることもしばしばです(笑)。視聴者の皆さんは午後10時を過ぎれば、ゆったりと眠る時間に移行していくと思いますので、こちら側が一方的に"シャキーン!"としていてもいけない。そういった配慮も必要ですから、自分の体調と相談しながら時間を過ごすようにしています。ですので、眠らずともスイッチをオフにする時間は必要ですね。」
――そういうときは何を?
井上「ただひたすらぼ~っとしています(笑)。それこそ雲を見上げたり...。」
――(笑)喫茶店に行くとか、他にもいろいろオフにする方法があると思うのですが、よりによってなぜ"ぼ~っと"をチョイスしようと...
井上「どうしても考え事をしてしまうので、"何もしない""何も考えない"時間を作ろうと。自分でもそれが性に合うようで、「何もしないことってこんなに素晴らしいのか!」と気に入っています。休日も、本を読んだり映画を観たりする以外に、考えない時間を作るようにしているくらいです。寝ているか、ぼーっとするか・・・なんかダメ人間みたいですね...(苦笑)。」
――いやいや、考えようによってはとても人間らしい思考だなって思いますよ!
井上「あとは、ラジオを聴くことが多いですね。『NHKラジオ深夜便』などNHKのラジオも好きですが、伊集院光さんが担当するレギュラー番組が好きなので、欠かさず2つとも愛聴しています(笑)。」
――伊集院さんのラジオを!? 意外というか、まったくイメージがわかないです(笑)。
井上「ご本人にお会いした時に番組ファンであることをお伝えしたら、同様に驚かれました(笑)。このラジオはタイマー録音ができるので、休日に伊集院さんのラジオを聴いて、クスクス笑っています。なんてことのない日常のなかにある話を、あんなに面白くお話できることに尊敬の念を抱くといいますか、話の組み立て方などとても勉強になります。普通の生活の中にこんなに面白いことがあるんだなって思えることで、自分としても、「そんなに特別なことがなくても、実はけっこう楽しめる要素があるはずだ」と思える。そういう気持ちを持つことで日常に対してリラックスできるし、気分転換としてもリフレッシュもできる。自分の世界に入っているときは、マスクをして目を閉じてラジオを聞きながらニヤニヤ笑っていますから、完全に怪しい人でしょうね(笑)。」
――気分転換といってもいろいろありますが、井上さんの気分転換は背伸びをしていないというか、面白いですね。
井上「寝るかぼ~っとするかラジオ聴くかですけど...大丈夫なんでしょうかね(笑)。でも、自分の体調や気持ちのコントロールを考えると、落ち着くし休まるのは確かなんです。今の仕事は、情報量も多ければ、緊張もするので、脳を体も自然と強ばっていくというか、固くなりがちになるんです。声にも影響が出てきてしまうので、いかに日常のなかでリフレッシュできるかどうかが大切。『ニュースウオッチ9』担当当初は、緊張から解放されても頭が起動したままで、まったく眠ることができなかったんですよ。以来、オンとオフの切り替えは大きなテーマ。放送後、緩やかに落としていくプロセスとして、暖かいものを飲んだり、ラジオを聴いたりするようになったんです。次の日に備えるための準備の一環。睡眠やラジオは、良い仕事をしていくためにも、わたしには欠かせないリフレッシュ方法ですね。」
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- アナウンサーと学校の先生。二つのあこがれ。
- ふさわしい距離感で伝えられるように
- 特別なことではない、基本をいかに考え続けるか
- 午後9時にピークを持っていくためのスイッチオフ